今回は、新宿の老舗2店舗を紹介します。私の地元は池袋ですが、親がうるさいので、高校の時から親の目の届かない新宿に遊びに行っており、転職したマクドナルド時代に担当店舗が新宿であり、本社も新宿ということで、第2の地元です。
新宿は大衆的なちょっといかがわしい街で、レストランも高級店でなく、懐にやさしいお店が多いのです。ミシュランのようなグルメランキングとは無縁の街です。でも安くて美味しいお店がいっぱいあります。
1)アカシア
新宿アカシアのロールキャベツを持ち帰りしました。現在の新宿アルタ裏にある古い店です。新宿アルタは昔、新宿二幸という三越の子会社で、その一画にマクドナルド4号店新宿二幸店がありました。
売れる店で日曜日には当時で200万円を超えていました。まるでハンバーガーが空飛ぶ円盤のように飛ぶように売れていました。
当時の経験談
もう50年前ですが、入社してアシスタントマネージャー時代に配属されました。忙しく、問題も多い店舗で目を離せず、食事もゆっくり取れないし、ハンバーガーでは腹持ちが悪いと、裏口を出てすぐにあるアカシアによく行ったのです。
入ってロールキャベツセットと頼むとすぐ出て時間が助かりました。ロールキャベツ一個でもクリームソースがたっぷりなのでご飯たくさん食べることが出来ました。当時で二百五十円だったかな。お店はそのころとほとんど変わらない、木を多用したクラシックな作りです。
本日は久しぶりで色々注文してしまいました。当時は給料も安く時間がないので、吉野家かアカシアによくお世話になりました。スーパーバイザーになってちょっと給料が上がって、天ぷらのつな八に行けるようになったのですが、この頃は貧乏な若者で、金も時間も無く行けませんでした。
この歳になると高級料理より、昔食べていたジャンキーな料理を食べたくなりますね。アカシアのロールキャベツを食べながらフラッシュバックのように昔の光景を思い出しました。
色々美味しい洋食がありますが、アカシアの料理はおふくろの味のような優しさです。新宿エリアを離れてからしばらくアカシアを食べていなかったのですが、20年ほど前から、東京駅グランスタや羽田空港にお店を出したので再び利用するようになりました。洋食と言ってもリーズナブルな価格でありがたいお店です。
アカシア公式HP
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アカシア取材
2)つな八
新宿のアカシアで新宿の味を思い出し、つな八の天ぷら食べたくなりました。新宿の古い本店が美味しいのだけれど、混んで並ぶので、近い池袋ルミネで食べました。本店は70年以上も前からの古い店です。
つな八は てんや の岩下さんが修行したので有名です。ここの天ぷらは大衆的な江戸前天ぷらで、価格も大衆的です。高級店だったらさっぱりした白締め油で揚げる2万円もするコースです。
つな八は江戸前の泥臭い穴子などをコッテリした胡麻油で揚げて、腹いっぱい食べられる満足感のある天ぷらです。高級天ぷら店では白身魚など素材の味を楽しむようにと、塩で食べさせるところも多いですね。でも江戸前のアナゴなどのちょっと泥臭い魚には向いていないし、天つゆで冷やさないと火傷をします。
こってりした天ぷらをさっぱりと食べさせるために、つな八ではたっぷりの大根おろしと天つゆが付きます。祖業は魚屋で生きの良い魚が売り物です。昔は目の前で生きたアナゴをさばき、揚げる海老も活け車海老でした。
食前に、カンパチ、縞鯵、ホウボウ、の締めたてのコリコリした鮮度のよい刺身で一杯飲みました。コースは小波4,030円を頼みました。もっと安いコースもあるのですが、アナゴがないので小波がお勧めです。締めは小海老かき揚げで天丼にしてもらいました。
私がつな八を知ったのは、53年ほど前に当時勤めていた、レストラン西武の社内報の記事からです。今のように、ミシュランなどの格付けもないし、ネットもない時代は口コミ情報でした。レストラン西武は食の会社で、社内で他社の情報を集めていたのです。
当時の上司の課長(ダンキンドーナツを作り、のちにファミリーマートも作った優秀な人です)が教えてくれたのはスパゲッティの壁の穴でした。つな八の天婦羅を食べながら昔を思い出しました。
公式HP
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続く