佐伯には舌の肥えた東京のシェフたちを唸らせる食材がたくさんあります。水揚げ量と魚種の多さでは定評のある魚介類はもちろんのこと、北海道の次に生産量の多いジビエ肉や椎茸、トマトなど優秀な生産者さんたちのブランド食材です。それらの商品は生産量や価格の問題から主に佐伯の外で消費されていることから地元で手軽に入手できるという訳ではないというのが現状です。これは佐伯に限ったことではないと思うのですが、こういった商品が本当に地元の消費者に愛されて、誇りに思われていることが重要だと思います。飲食店やメニューでもそうですが、地元民の口コミほど説得力のある宣伝はないと思うのです。
私の地域おこし協力隊の任務には「佐伯の食材の可能性を広げ魅力を伝える」という事があります。そこでコロナ禍の間プーリアからオンラインで行なっていた料理教室、「美奈子のおしゃべりキッチン」を佐伯でのライブ参加とオンライン参加の両方で再開することにしました。
その記念すべき第1回のメニューには「佐伯産猪肉のミートソースと佐伯産中力粉のオレキエッテ」を選びました。参加者の方々からはミートソースは定番のご家庭でも人気メニューだと思いますが、ジビエ肉の生産が多い当地でも猪肉のミートソースは初めてという声が上がりました。
プーリアでは子牛肉を使うことが多く、バターも生クリームも使わないあっさりしたミートソースが定番です。豚肉より旨味や栄養分の多い猪肉は硬いというイメージがあるかも知れませんが、ミンチにして長く煮込むミートソースにはピッタリです。
またプーリアの代表的なパスタ、オレキエッテを地元産の中力粉で作るというのも今までやったことのない試みです。通常硬質のデゥラム小麦のセモリナ粉(強力粉の粗挽き)で作られるパスタですが、地産地消に優先順位を置いて佐伯のオレキエッテを目指しました。何回か試作をして、もちもち感満載のツルッとしたオレキエッテができることがわかりました。プーリアのオレキエッテの味を再現するのが第一義ではなく佐伯のオレキエッテを作ってみることが重要だと考えたのです。
またたっぷりと使ったプーリアの我が家のオリーヴオイルは、「これが本物のオリーヴオイルでなければ何が本物かわかない」という私の触れ込みに皆さまの興味津々の眼差しを感じました。
オリーヴオイル普及活動の需要もあるに違いありません。
街の中心にあるさいき城下桜ホールという素晴らしい多目的施設の中にあるキッチンコートでのライブ参加はお手伝いスタッフとして参加してくださった佐伯豊南高校の生徒さんと先生も含め定員いっぱいの24名、オンライン参加も15名ほどと予想を上回る参加者の皆さまがお集まりくださいました。受講後のアンケートでは概ね次回も参加したいというお声をいただき心強く思っています。来年の1月と3月にも第2弾、3弾を実施する予定です。佐伯のイタリア熱を上げる活動を続けたいと思います。



