2月16-18日に行われたアグリ&スロートラベル エクスポではFIAB(Federazione Italiana Ambiente e Bicicletta )イタリア環境・自転車連盟という団体が開催パートナーとなっていました。サイクルツーリズムはスロートラベルの中核をなす分野です。
ヨーロッパの跡を追う形で日本では国土交通省が 「GOOD CYCLE JAPAN」銘打って自転車普及の理念と計画を打ち出しています。日本サイクルツーリズム推進協会という団体もあり、全国的にサイクルツーリズムを推進する動きが活発です。私が地域おこし協力隊として海外からの誘客を促す活動をしている大分県佐伯市でも積極的にサイクルツーリズムを商品化しようとしています。
イタリアをはじめヨーロッパ各国では、ロードレースなどの自転車競技も盛んですが、一般サイクリストの存在感もかなりインパクトがあります。私の地元プーリアのチステルニーノ周辺でも、ロードレース用のギアに身を包んだアマチュアレーサーの軍団が走り抜けていく姿をよく見かけます。ここ最近は市街地の道路に書かれた自転車用レーンのサインやそれまでの車道だったところを削って自転車専用レーンを設置したゾーンもあります。
どちらかというと北部ヨーロッパや北部イタリアの都市部とその周辺の方が、南イタリアより自転車普及率や愛好家も多いような印象があり、チステルニーノでの自転車についての道路整備、市内でのバイクスタンドの設置などは環境問題などを含めたヨーロッパ全体の自転車活用推進の波がやっと当地まで届いてきたか、という感じです。
FIABは、自転車関連のロビー運動をはじめ、雑誌発行、イタリア国内のサイクリングロードの整備やガイドの育成、サイクリングを伴う観光商品開発、サイクリストフレンドリーな宿や企業の紹介サイトや認定制度、各自治体同士を繋ぐネットワークなど、自転車競技以外で自転車に関すること全てをカバーする総合的な推進団体です。
活動の一つでエキスポでも話されていた分野で興味深いと思ったのは、廃線になった鉄道の線路を自転車専用道路に改築することを推進するというもの。日本でも汎用性があるのではと思いました。また、観光目的地まで自転車を電車やバスに乗せて移動したいと考えている人が大多数であることから、さらにそのような利用体系の利便性を高める必要があるという話でした。自転車を乗せるスペースを確保するだけではなく、電動自転車の充電も可能なことが望ましいとのこと。
サイクルトレインやサイクルカーゴバスなどは日本でも見かけるようになりましたが、公共交通機関に時期限定ではなく常に自転車が乗っていることがデフォルトになるのも時間の問題かと思うようになりました。