このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社
有限会社清晃(せいこう)が提供しています。
https://www.food104.com/ 発行人の王利彰は、
その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、
新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。
2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、
F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。
立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、
韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。
2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。
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目次
● 世界・日本各地の食情報
1)食の宝庫九州から上田さんです
【振り返れば未来】
全国公開から遅れて佐賀市の映画館で「百姓の百の声」というドキュメンタリー映画を観てきました。
監督の柴田昌平さんはもとNHKのディレクターで、「千年の一滴 だし しょうゆ」という素晴らしい映画を撮った方です。
新作は、日本の農家を追ったもので、各地の名人と言われる農家が果てしない工夫と努力で作物を育てているところと、日本の農政が世界的にもズレているところを掘り下げています。機会があれば観て欲しいと思います。
さて、映画には出て来なかったのですが、農業界では異端児として、もしくはパイオニアとして注目されていた農業者が昨年亡くなりました。
山下惣一さん、農民作家として知られています。佐賀県唐津市で農業を営む傍ら、農の世界を筆で描き、69年「海鳴り」で第13回日本農民文学賞、79年「減反神社」「父の寧日」が第85回直木賞候補作にノミネートされています。
その山下惣一さんが西日本新聞の聞書きシリーズに連載されていたものがまとめられて出版されました。連載中も、面白く読んでいたのですが、まとめて読むと、一段と農業者が置かれてきた状況が大変だったか伝わってきます。
農業の専門家とは、日々田畑で汗を流す百姓ではなく、大学で研究したり、役所で制度を作る人達のことらしいとか。そこから降りて来た施策に振り回されたこととか。これからはミカンだと、コツコツと山を切りひらき数年がかりで収穫できるようになった途端に、柑橘類の輸入自由化となって、価格が暴落したとか、米の減反政策とか、上げればきりがないほど農政に振り回されています。
「百姓の百の声」の映画に出て来るお百姓さんも、国に制度に頼らず力強く田畑を耕していましたが、農民作家山下惣一さんも、楽しみながら汗をかき、作物を育ててきました。大規模な農業ではなく、小さな農家。単一生産ではなく、少量多品種。売上げや規模を追うことが正しいことではない。農業ではなく小農が世界の潮流である。と。
「振り返れば未来」
https://www.nishinippon.co.jp/image/581593/
「百姓の百の声」
「千年の一滴 だし しょうゆ」
https://www.asia-documentary.com/dashi_shoyu/
【プロフィール】
上田和久
kazz@studiowork.jp
スタジオワーク合同会社 代表
1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。
国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター
上田和久 facebookは
https://www.facebook.com/kazz.ueda
経歴と仕事分野
厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。
主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。
具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。
食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。
2)FBプロデューサー日記 258回目
全国ご当地どんぶり選手権2023グランプリ、北海道十勝清水町へ
先日、北海道十勝清水町へ食育セミナー講師としてお招き頂きました。
十勝清水町駅前にある会場で、約1時間半の講習会。
今回、清水町食育推進協議会の森田会長をはじめ、清水町役場 寺岡課長、前田課長、西垣さん、吉田さん、本間さんにも大変お世話になりました
ラムバサダーの活動で、お世話になっているソラチの佐藤部長も駆けつけていただき、ありがとうございました。
皆さん頷きながら聞いてくださって、一体感とホスピタリティに溢れていて、講師の私の方が嬉しくなってしまう講演会でした。
北海道は、自給率200%を超え、日本一の地域です。
バラエティ豊かな地域の美味しいものを食べ、日高山脈を眺めて、農業や観光業などで暮らしている方々は、とても幸せそうでした。
北海道の中では、温暖なエリアで、雪も少なく雪下ろしは年1、2回とのこと。とても暮らしやすい地域です。
講演会前に、牧場「あすなろファーミング」ソフトクリームを食べに連れて行っていただきました。
https://asunaro-farming.co.jp/
40代の村上兄弟が頑張っていて、2021年コープさっぽろ農業賞を受賞。乳牛を放牧で育てていて、農薬や化学肥料を使わないリサイクル農業です。濃厚なのに、後味がさっぱりで、とても美味しかったです!
夕食は、清水町の特産品「十勝若牛」「十勝牛とろ丼」を頂きました!
ごはん屋 ゆめあとむ(北海道上川郡清水町1条11丁目1)
https://www.facebook.com/yumeatom/?locale=ja_JP
■「十勝若牛」は脂肪が少なく、柔らかな肉質と肉汁溢れる赤身肉です。約14ヶ月の若い牛で、牛肉料理のNo.1を決める「牛肉サミット2012」優勝、「新・ご当地グルメグランプリ北海道」では2013年から十勝若牛(R)を使用した十勝清水牛玉ステーキ丼が3年連続総合優勝して、殿堂入りしている牛肉です。
十勝清水町農業協同組合「十勝若牛」
https://www.ja-shimizu.or.jp/products/wakaushi.php
■日本一のどんぶり 北海道の「十勝牛とろ丼」
全国ご当地どんぶり選手権in東京ドーム、2023年1月、9回目のチャレンジで悲願のグランプリ獲得しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000077656.html
「十勝牛とろ丼」は「牛とろフレーク」(冷凍)を購入すれば、ご家庭でも楽しめます。十勝清水町の牧場で育った健康な牛肉で作られた新しい感覚の牛肉加工製品です。衛生試験を製造ロットごとに行われているので、安全性が確認されています。
https://www.gyutoro.com/SHOP/81020.html
美味しいものがある地域なのですが、ちょっと宿泊は心配でした。
でも、新築の駅前コンドミニアムに泊まらせて頂きました。おしゃれでとっても快適でした。
十勝清水の駅前 “宿” プラウクラス(2022年12月オープン)
他にも素敵な宿泊施設があり、Airbnbで格安で泊まることができます。
札幌や、ニセコなどの有名な観光地もいいのですが、十勝清水町はアイスホッケーの街で有名で、ヨーロッパのような雄大な景色が美しく、癒されました。
オーストラリアか、カナダ、スイス?と思えるような雄大な山々と、笑顔の素敵な街の人たちに会いに、行ってみてくださいね!
【プロフィール】
石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)
株式会社FOOD FIELD CREATIVE
facebook https://www.facebook.com/ffcnippon/
HPとblog http://ffcnippon.com/
東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。
お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。
2015年秋に東京ガスを早期退職制度で円満退職し、現在はフリーランスのフードビジネスプロデューサーとして8年目、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。
2大学、1専門学校でインターン生の指導や、産学連携プロジェクト、講義をしています。
LINKED CITY (産業DX・観光DX・人材DX)
東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ
農林水産省 国産有機農産物等バリューチェーン構築推進事業 構成員
観光庁 インバウンドの地方誘客のための専門家(食と農)
MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」
全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長
全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員
フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員
ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 幹事
立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長
立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員
調理技術教育学会 会員
一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員
深沢アート研究所 マネージャー
東京お米サロン
3)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第324回
ここのところ夫ジョヴァンニが、フォカッチャ作りに凝っています。生地を捏ねるホームベーカリーが大活躍です。
フォカッチャというと日本ではイタリアのパンの代名詞のように思われているようですね。イタリア料理店でもパンの代わりにフォカッチャを出すところも多いですが、イタリアでのフォカッチャの立ち位置はちょっと違います。
まず、フォカッチャと一言で言っても地域性がとても強いこと。日本でよく見かける塩とローズマリーののったフォカッチャは北部リグーリア州のジェノヴァのもの。イタリア各地に、「フォカッチャといえばこれ」というその土地定番の味があります。
イタリア最大の小麦生産地であるプーリアには独自の粉物文化がありますが、州都バーリの名物でもあるのがフォカッチャ・バレーゼ。生のプチトマトが上にのっているのが特徴です。フォカッチャの材料である強力粉、塩、オリーヴオイルなどが古代から豊富に生産されているプーリアですから、美味しいのは当たり前。エキストラヴァージンオリーヴオイルをこれでもか、というくらいたっぷりと使います。
トマトの他にも玉ねぎ、ペペローニ(パプリカ)、カルチョッフィ(アーティチョーク)など様々な野菜をのせたものもよく見かけます。プーリアのフォカッチャのもう一つの代表格が、スプンツァーレと呼ばれる小型の長ネギとオリーヴの塩漬けのトマト煮を間に挟んだもの。ネギの甘みとオリーヴの塩け、トマトの酸味が抜群の相性です。プーリア料理では種類豊富な前菜が次々と並ぶスタイルが一般的ですが、その中の一品として必ず登場するのがフォカッチャです。
日本食に置き換えるとフォカッチャはお餅で、パンは白飯、という感じでしょうか。フォカッチャはそれ一品でも料理として成り立つし、スナック的に食べるものでもあります。一方パンは必ずおかずと共にテーブルにのります。パスタやリゾットと一緒にパンも食べるのは炭水化物の摂りすぎじゃないかと思いますが、パンがない食事はあり得ないという感じです。これはイタリア全土に共通する習慣のようです。
ただパンと一言で言ってもこれまた地域性があります。イタリア国内では名の通ったプーリアのデゥラム小麦のセモリナ粉(粗挽き)や茹でたじゃがいもを練り込んだパンはしっとりとして粉の味もしっかりと感じられ、上質のオリーヴオイルとパンだけあれば思わずニンマリとしてしまう美味しさです。最小でも500g、大きいものでは一つ4kgという大きさで薪窯で焼き上げるパンは硬くなりにくく1週間ぐらいは美味しく食べられるので、日本からの旅行客で大きなパンを持ち帰る方も珍しくありません。パンやフォカッチャをはじめタラッリ、フリッゼ、さらにプーリア独特の生パスタのオレキエッテなどプーリアの粉物に特化した専門店の需要は日本でもあるのでは?と考えています。
大橋美奈子 Facebook
https://www.facebook.com/minako.ohashi
メール・アドレス
minako@da-puglia.com
大橋美奈子さん経歴
演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。
また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。
ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。
また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。
有限会社ダプーリア
大橋美奈子プロフィール
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html
プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E
ダプーリア
大橋美奈子
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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー
読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。
このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。
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● 食ビジネスニュースリリース
3月29日 – 4月5日
■コソっとオープンしてた「てんや」の新業態「駒込天丼」がなかなかイイ! 海苔自慢ってそういうことか!!
ロケットニュース24
■ミシュラン店主 懲役6年6カ月 女性客に睡眠薬混ぜた酒を…「飲食店への信頼に乗じた犯行」
FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/CX/506536
■[スタートアップのM&A事例]バーチャルレストランはなぜ譲渡を決断したのか?
M&Aマガジン
https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2023/x20230328/
■鳥貴族「値上げ」でも納得の声多数…居酒屋の歴史を変えた「スゴい経営努力」
FRIDAYデジタル
https://friday.kodansha.co.jp/article/301184
■<現場写真入手>「1皿100円」はま寿司で「期限切れ寿司ネタ提供」が横行の疑い 3人の従業員が告発
文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/61679
■ステーキの「ペッパーフード」が5期ぶりに営業黒字に「アトム」も3期ぶり
M&A Online
https://maonline.jp/articles/atom_pepper20230330
■「食べログ 中国料理 百名店 2023」を発表。ユーザーから高評価の中国料理店をエリア別に公開
マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/20230329-2638499/
■スタバが定番飲料とフード値上げ、4月12日から
ブルームバーグ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-31/RSDIGEDWRGG401
■アジアのベストレストラン50発表! 日本からは10軒がランクイン
食べログマガジン
■高級食パン「銀座に志かわ」社長に聞く勝算 ブームが終わっても生き残れるのか
IT mediaビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2303/31/news188.html
■SHIBUYA109のショップ店員から飲食チェーンの代表取締役へ。「ドムドムハンバーガー」奇跡の復活を達成した敏腕経営者が、「課題や目標を持たない」理由
集英社オンライン
https://shueisha.online/business/119879
■サイゼリヤ超え確実!すかいらーくの新業態「桃菜」の驚愕コスパにひれ伏したくなった訳
FRIDAYデジタル
https://friday.kodansha.co.jp/article/303548
■Z世代のファンも急増中。オリジナルグッズも絶好調な「ドムドムハンバーガー」が、絶滅寸前から復活できた理由
集英社オンライン
https://shueisha.online/business/119844
■「すき家」親会社は3万円超!外食も大幅賃上げの衝撃
東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/663338
■マクドナルド、米国オフィス一時閉鎖 レイオフ通知準備=WSJ
ロイター
https://jp.reuters.com/article/mcdonald-s-corp-layoffs-idJPKBN2VZ0IA
■ココイチが買収した「麺屋たけ井」とはどんな企業なのか?壱番屋の狙いとは?
フードリンクニュース
https://www.foodrink.co.jp/foodrinkreport/2023/04/0492326.html
■紅ショウガ直食い動画で逮捕者、吉野家「外食全体の安心問われるニュースになったことは誠に遺憾」
弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/c_23/n_15850/
■CoCo壱番屋史上最大サイズ! ネットで話題の「肉塊カレー」を一足先に食べた結果
マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/20230404-2644222/
■3大コンビニのチルド総菜『煮込み』6品を審査員がジャッジ 1位ファミマ、上位3品は僅差の大激戦
NEWSポストセブン
https://www.news-postseven.com/archives/20230404_1855142.html
■松屋フーズ ラーメン業態「松軒中華食堂」から初の家庭用冷凍食品中身たっぷり『焼餃子』が新登場!
GourmetBiz
■安楽亭の「1000円ちょい飲みセット」を楽しむために有給を取ったら…入店2分で会計が4倍以上になった
ロケットニュース24
■「お砂糖」にフォーカスした専門店「糖太朗」がオープンします。
「八十八良葉舎」を運営する株式会社roomは、質の良い砂糖こそ「美味しくて、カラダに優しい」という想いを伝える新ブランドspecialty sugar shop「糖太朗」を京都にオープンしました。
上白糖やグラニュー糖のような精製された砂糖ではなく、精製前のミネラルを多く含む含有糖を使用した、上品な甘さのベビーカステラや白玉アイス、生プリンなどを楽しむことができるそうです。
良質な砂糖を使い分けたスイーツが楽しめる「お砂糖専門店」に目が留まりました。米飴や黒糖など、それぞれにどんな違いがあるのか気になります。【K】
お砂糖専門店 京都に3月25日(土)「糖太朗」が OPEN!厳選した良質な砂糖だけを使ったスイーツやドリンクを販売。
空き家をリノベーションした建物で生プリンやカフェラテなど、様々な商品を6種類の良質な砂糖を使って、ご提供いたします。
株式会社room
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000112859.html
■新・名古屋スイーツを型ぬきバウムで
ひよこを型どったキュートなスイーツ『ぴよりん』は新・名古屋名物として大人気。愛知県の地鶏・名古屋コーチンの卵をつかったプリンは、2011年の誕生以降、多くの人に愛されてきました。
その『ぴよりん』が型ぬきバウム専門店・カタヌキヤとコラボした「ぴよりんかたぬきバウム」が発売されます!
型ぬきバウムは、平焼きバウムクーヘンの「さいごの型ぬきを お客さまの『おたのしみ』にしたら 他にはない、体験のある とっておきの 型ぬきバウムのできあがり。」という考えから生まれたもので、型ぬきを楽しみながら食べるバウムクーヘンです。
バウムクーヘンというお菓子に「名古屋名物」「型ぬきを楽しむ」という価値が加わった素敵なコラボレーションです!【M】
新・名古屋名物 ひよこの形のスイーツ『ぴよりん』×型ぬきバウム専門店「カタヌキヤ」 ぴよりんが、型ぬきしながら食べるバウムになりました
株式会社ぶどうの木
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000011956.html
■冷凍でも絶品 チーズバーガー
阪神梅田本店では、グランドオープン1周年にあわせ、人気の2ブランドをコラボさせた冷凍チーズバーガーを発売します。
梅田「裏小路牛肉店」と京丹後「丹後ジャージー牧場」がコラボしたバーガーは、それぞれの神戸牛パテと濃厚なチーズが、解凍してもふんわり食感が楽しめるようにこだわったバンズに挟まっています。
販売場所は阪神梅田本店の「うまいもんみっけ」。全国から選りすぐりの「うまいもん」 をバイヤーがセレクトし、取り揃えています。そこでは2月から、バラエティ豊かな全国の冷凍ハンバーグ約30種を揃えた売り場が常設されました。
全国のうまいもんが集まるのはワクワクするし、冷凍食品だからこそできることですね。【M】
阪神梅田本店初となる絶品冷凍チーズバーガーが誕生!
<「全館グランドオープン1周年記念」企画> 大阪・梅田「裏小路牛肉店」×京都・京丹後「丹後ジャージー牧場」
株式会社阪急阪神百貨店
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001432.000014431.html
■「白バラ牛乳」とコラボしたチロルチョコが登場します。
チロルチョコ株式会社は、鳥取のソウルドリンク「白バラ牛乳」を販売する大山乳業協同組合とコラボレーションした「チロルチョコ〈白バラ牛乳&白バラコーヒー〉」を、マックスバリュ西日本・フジ限定で4月3日から販売します。
まろやかな甘みの牛乳風味チョコとワッフルクランチを合わせた「白バラ牛乳チョコ」と、地域によってはなかなか出会えない“幻のコーヒー”とも呼ばれる「白バラコーヒーチョコ」の2種のアソートになっているそうです。
その地域のソウルフードコラボした、その地域でしか買えない商品は、お土産にピッタリですね。白バラ牛乳のチロルチョコ、気になります! 【K】
鳥取県のソウルドリンクとコラボ!新商品「チロルチョコ〈白バラ牛乳&白バラコーヒー〉」を4/3―発売
4月3日からマックスバリュ西日本・フジで発売。
チロルチョコ株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000595.000003467.html
■ウェルビーイングがテーマの「ハーバルアフタヌーンティー」が登場します。
フォーシーズンズホテル京都のレストラン「ブラッスリー」は、草花が芽吹き、活気に満ちる春を15種類のハーブを使って表現した「ハーバルアフタヌーンティー」を、4月10日から5月31日の期間限定で提供します。
ハイビスカスとタラゴンのマカロンや、レモンタイムバナナムース、シーフードとハーブのクスクスなど、全てのスイーツやセイボリーに多様なハーブを取り入れた、心も身体も豊かにリフレッシュされるようなアフタヌーンティーになっているそうです。
「ウェルビーイング」というテーマが映えるような、スイーツのデザインやプレートへの盛り付け方に目が留まりました。爽やかな雰囲気のアフタヌーンティー、初夏にぴったりですね!【K】
フォーシーズンズホテル京都 ハーブをふんだんに使用、ウェルビーイングがテーマの「ハーバルアフタヌーンティー」が4月10日よりスタート
メロンやさくらんぼのプレミアムパフェなど、日本庭園の新緑とともに味わうティータイム
フォーシーズンズ ジャパンコレクション
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000080380.html
■BACK TO NATURE
2023年4月、「暮らす・遊ぶ・働く・学ぶ・整う・感じる」というさまざまな体験を通して、こころとからだに刺激や感動を与え、人間本来のあるべき姿に戻っていくというコンセプトの「ABURAYAMA FUKUOKA」が誕生!
PayPayドーム約20個分の広大な敷地には、Snow Peakが手掛けるキャンプ場や、体験農園、バーベキュー場、アウトドアショップなどが集まり、スターバックスやCHEESE STANDなど福岡県外のお店も入っています。
アクセスの良さと自然とのバランスが取れた福岡だからこそ、ここ ABURAYAMA FUKUOKAという大自然の舞台を目指して世界中から人やモノが集まってくる場所になりそうです!【M】
ABURAYAMA FUKUOKA ―2023年4月27日 誕生―
九州旅客鉄道株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000350.000037933.html
■神戸を代表する元祖豚饅頭とQBBがコラボレーションします。
株式会社老祥記は、神戸の食文化の向上を目指して取り組む「ドリーム豚饅プロジェクト」の第2弾として、QBBチーズでおなじみの「六甲バター」とコラボした豚饅の販売を4月12日からの期間限定で行います。
パルメザンチーズとトマトの酸味が良いアクセントになった豚饅にチーズフォンデュソースを付ける「トマトなブーチー饅」、前回コラボしたマンドリルカレーのザクカレーを使用した餡にQBB特製のびーるスティックチーズを入れた「カレーなブーチー饅」の2種がラインナップされており、これらの商品の収益は子どもたちに「食」の素晴らしさを伝える場「老祥記放課後キッチン」の開設に活用するそうです。
神戸市内の企業がコラボし、子どもたちの「食育」の質を向上することで、地域全体の食文化の向上を目指している点が、企業の持続的な経営にも繋がっていることも含め魅力的な取り組みだと感じます。 【K】
神戸市 元祖豚饅頭 「老祥記」と、神戸を代表するチーズメーカー QBBでお馴染みの「六甲バター」がコラボレーション! 豚饅とチーズが満を持して、夢の共演
神戸の飲食業界とお客様が子どもたちの食育の場を創造する、第2回ドリーム豚饅プロジェクト開催!
株式会社 老祥記
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000088216.html
■森永ラムネ、受験生応援企画で売上前年比140%達成!
森永製菓株式会社は、「森永ラムネ」を通した受験生応援企画に取り組んでおり、2022年12月から受験生応援増量品や赤シートと関連させたパッケージギミックなどを展開してきました。
森永ラムネはブドウ糖を含有しており(含水結晶ぶどう糖として)、「集中したいときに良い」というポイントを訴求することで「受験にラムネ」というイメージを強化し、売上アップにつながったと考えられます。
懐かしの駄菓子から受験生必須アイテムへとイメージを変化させたラムネ。久しぶりに食べようと思います。【M】
「森永ラムネ」受験生応援企画で前年比140%達成!河合塾とのコラボレーション企画。予備校でのラムネサンプリング&新キャラ選挙実施
新受験生が選ぶメインキャラはどっち?
森永製菓株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000049465.html
■毎週末色々な店舗が登場する「博多おさんぽマルシェ」が開催されます。
博多まちづくり推進協議会、福岡商工会議所、株式会社サエキジャパンは、福岡駅地区の活気あるまちづくりを目指し、音羽公園で4月から6月の毎週末「博多おさんぽマルシェ」を開催します。
「非日常を日常に」をコンセプトに、美味しいものやハンドメイド雑貨の店など、毎週出店するお店も代わっていく一期一会なマルシェになっているそうです。
地元企業と地域の人々とが繋がるきっかけにもなる、素敵なマルシェですね! 【K】
「博多おさんぽマルシェ」福岡の美味しいものやハンドメイド雑貨が集まる音羽公園で素敵な発見を。おさんぽしながら、楽しいマルシェを体験!
博多駅から徒歩5分。ヨドバシカメラ博多横にある音羽公園でマルシェのある暮らしを!
株式会社Mr.Weihnachtsmann
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000105684.html
■シーサーをかたどった新・沖縄みやげ
2023年4月3日、沖縄みやげの新ブランド「Shisa Cookie」が沖縄・国際通りにオープンしました!
沖縄の伝統的な守り神・シーサーをモチーフに、沖縄ならではの素材を詰め込んだショートブレッドクッキー。
クッキーの形は可愛らしくシーサーの特徴を捉え、国際的に受け入れられやすいようにというところまで考えられたシンプルなデザインになっています。紅芋やシークワーサーなど全8種のフレーバーをラインナップ。全種類入りのアソートは1,080円とお手頃で、おみやげにピッタリです。【M】
沖縄土産の新ブランド「Shisa Cookie」2023年4月3日(月)沖縄・国際通りにオープン
株式会社あしびかんぱにー
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000062459.html
■生クリーム専門店ミルクから新作・ミルクラングドシャが登場!
株式会社オペレーションファクトリー(新宿らむね など)が運営する生クリーム専門店ミルクから、新商品のミルクラングドシャが本日発売です。
ミルクは、「本当に美味しい生クリームを食べていただきたい」という思いから北海道・根釧地区産の生クリームにこだわって完成させた究極の生クリームが楽しめます。
サクッとした口溶けの良いラングドシャに、甘くミルキーなホワイトチョコレートをサンド。ミルクデザインの可愛らしいパッケージも相まって、自分へのご褒美や贈り物にもピッタリです。
生クリームが主役のスイーツで本当に美味しいので、ぜひ一度ご賞味ください!【M】
生クリーム専門店ミルク 春の新商品「ミルクラングドシャ」が登場!まるで生クリームを食べたような幸せ!濃厚でミルキーな味わいと甘みの虜になります。
2023年4月5日(水曜日)より都内店舗にて販売開始
株式会社 オペレーションファクトリー
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000580.000026745.html
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● 王利彰のレストランチェック
モスバーガー 2回目
第一回でモスバーガー共栄会のご説明をしました。
共栄会の組織があればマニュアルなしでも大丈夫なくらいすごい組織です。マニュアルは初期のマクドナルドそっくりですが、店舗ではちょっと違います。ハンバーガーのミートパティを焼くのも、マックのように時間管理でなく、焼けの状態を目や触感で確認しながら丁寧に焼きます。
その大きな理由は肉やバンズ、野菜、ソースなどの原材料の違いです。マクドナルドは牛肉100%ですが、モスは牛と豚の合い挽きです。そのため焼き上がりがちょっと異なります。もっともモスはちょっと迷いがあり、マックを意識して牛100%にしたこともあります。また焼くグリルもマックのようなクラムシェルで高速に焼いたこともあります。でもクラムシェルで合い挽きは美味しくないのです。モスのミートパティは時間をかけてじっくり焼いたほうがふっくらと美味しいのです。また、バンズの違いもあります。マックのバンズはあまり味がしないのですが、モスのバンズは日本人好みの甘さがあります。そのため、マックのように高温で短時間で焼くと美味しさが出ません。鉄板でじっくり焼くと香ばしくなり、ほんのりと甘くなります。
また、モスはすべての野菜を丸ごと仕入れ、店舗でカットします。マックはレタスもトマトもスライスして納品します。そのため日本のトマトはスライスすると型崩れし、普段は取り扱いしません。
一番違うのが玉ねぎです。マックがミートパティに乗せる玉ねぎのみじん切りは、乾燥したものを水で戻しているので香りや歯触りがしません。モスは新鮮な玉ねぎを刻んで水にさらして使います。そのため、香りがあって歯ごたえが良いのです。モスバーガーのオリジナルのモスバーガーは、合い挽きの肉にトマトとミートソースに刻み玉ねぎを入れます。私は注文時に玉ねぎ増量をお願いします。そうすると香りがよくシャキシャキとした玉ねぎの触感を楽しめます。
モスバーガーは商品もよいのですが、従業員の訓練もすごいのです。特に凄いのは女子社員のやる気と能力です。新店舗の立ち上げなどで活躍するのですが、それは優れています。社員やフランチャイジーを大事にするのが見て取れます。
受付の丁寧さに見て取れます。モスバーガーの本社を訪問すると、受付嬢が丁寧に応対し、すぐに飲み物を出してくれます。多くのフランチャイジーが訪問しますが彼らにも丁寧に接遇します。フランチャイジーもお客様だという考え方です。
こんな良いことづくめのモスバーガーですが、近年元気がありません。共栄会の欠点は多店舗展開を妨げているようだし、フランチャイジーの老齢化もあり、店舗数が減る傾向があります。
モスの店舗数動向 を見てください
https://www.mos.co.jp/company/ir/finance_results/0301/
以下王のちょっと厳しいコメントです、次回から現在の状況とモスの強い台湾のお話をしましょう。
2017年王記事 モスバーガー絶不調の原因「講談社日刊ゲンダイ記事」
マクドナルドは2014年、2015年、2016年は絶不調で、競合他社は業界トップ企業の不振の隙に店舗数や売り上げを大きく伸ばしたのではないかと思われるだろう。ところが2017年11月11日の日本経済新聞・朝刊で「モスバーガーが苦戦している。10日発表した2017年4-9月期決算は純利益が前年同期比17%減の15億円だった。最高益を見込む日本マクドナルドとの差は歴然で、その背中はほとんど見えない。売りにしていた健康メニューが埋没し、安くもなく高くもない価格も客離れにつながった。3位以下の突き上げも激しいバーガー戦国時代を生き抜けるのか?」と厳しく書かれている。競合のマックが不振の間になぜ業績を伸ばせなかったのだろうか?
モスバーガー店舗数
http://www.mos.co.jp/company/outline/store_data/
http://www.mos.co.jp/company/ir/finance_results/0301/
モスバーガー業績 2015年
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10704.html
モスバーガーの売り上げと利益推移
https://www.nikkei.com/nkd/company/?n_cid=DSMMAA13&scode=8153
モスバーガー社長桜田厚氏 社交退任会長就任時コメント
http://toyokeizai.net/articles/-/116369
モスバーガー沿革
http://www.mos.co.jp/company/outline/history/1972_1989/
2017年 四半期決算
https://www.mos.co.jp/company/ir/library/soa/
過去5年の決算
https://www.mos.co.jp/company/ir/finance_results/0101/
過去の決算
http://www.mos.co.jp/company/ir/library/valuable_securities/
マクドナルドは不振脱却のため1000店舗以上の店の改装によるイメージ改善と、メニューの刷新(日本人好みの商品開発と、安全訴求)、マーケッティングの刷新を行ったが、実はこれら手法はすでにモスバーガーが2000年頃より先行して行ってきた手法である。
モスバーガーは日本マクドナルドとほぼ同時代に創業し、1980年代にはマクドナルドに迫る勢いで急成長を遂げていた。モスバーガーは一等地に出店するマクドナルドとは異なり、2等地戦略であった。しかし、1980年代後半に、テリヤキチキンバーガー、ホットドッグ、モスライスバーガー、ロースカツバーガー、など独特な和風メニューを発売し、力をつけたモスバーガーはマクドナルドと直接バッティングする大型店を都心に開業するようになった。
しかし好調だったモスバーガーの創業者桜田慧(さとし)社長が1997年に60歳の若さでスキャンダラスな急死を遂げたことで暗転する。桜田慧氏の後を継いだのは叩き上げでフランチャイジーを経験したベテランであったが、創業家が反対し1年もたたない間に社長が交代し会社の方針が定まらない状態に陥った。そこに創業時のメンバーであり、創業家と姻戚関係のある(創業者の甥)現会長の桜田厚氏が社長に就任し安定させた。
創業者の桜田慧氏の急死当時、経営幹部はモスバーガーの根本的な見直しを開始していた。元々モスバーガーの強みは、日本人向けの味付けの商品、コストの安い2等地立地、独特のフランチャイズシステムの3つである。しかし急成長する1980年代に迷いが生じ、マクドナルドの一等地戦略や、商品提供時間の短縮を志向しだした。看板の色はもともとマクドナルドと同じで、赤地に黄色のM マークを配置していたが、黄色のMマークをマクドナルドのように大きくはみ出させた(後にマクドナルドの抗議を受けMマークを白に変えた)。調理時間を短縮するために高速にミートパティを焼き上げるクラムシェルグリル(マクドナルドで使用しているのと同タイプ)や、日本人の好みに合った牛豚の合い挽きを牛100%に変更するなどの試行錯誤を行ったが、フランチャイジーの多いモスバーガーは1980年代後半から低価格戦略にシフトしたマクドナルドのような低価格にシフトすることができず不振状態に陥っていた。
モスバーガーは日本生まれであるが、原点は米国ロサンゼルスの老舗ハンバーガーチェーンのトミーズの日本化である。創業者の桜田氏が証券会社勤務時に米国LAに駐在した際に、トミーズのミートソースをたっぷり使ったジューシーなハンバーガーに出会ったのである。そのトミーズのハンバーガーをもとに、日本人に合う味に変更し、日本人の好きな牛豚の合い挽き肉を組み合わせることで人気商品が誕生した。その経緯から、モスバーガーは米国のハンバーガー業界を念入りにウオッチしていた。
そのウオッチング活動で、1998年頃に米国の飲食業界で急成長しつつあるファスト・カジュアルという業態に注目した(まだその言葉は誕生していなかったが)。この業態の創始者は1982年にレストランコンセプト作りの天才フィル・ロマーノ氏Phil Romanoが開業した、高級ハンバーガーチェーンのファドラッカースFuddruckersだと言われている。マクドナルドやバーガーキングなどのハンバーガーチェーンは冷凍の食材を使って、調理工程を見せていないため、消費者は冷凍食品を電子レンジで温めているだけではないかという不信感を抱いている。そこで、店内にはオープンキッチンの肉処理工程や野菜加工、ベーカリーまで設置し、素材感の訴求と、調理工程を見せるようにして大人気を得た。
消費者はファスト・フードの料理は健康的でないという不信感も抱いているので、ファスト・カジュアル業態は食品添加物や動物性油脂、冷凍食品、調理済み食品を使わずそれを顧客にアッピールする。サービス面でもファストフードは作り置きの商品を素早く提供するために冷凍食品をアルバイトが電子レンジでチンと温めるだけと思われがちだ。そこで、ファスト・カジュアル業態はセミセルフサービスで、注文してお金を払ってから客席につき、料理は後から運ばれる。料理はオープンキッチンで注文後作りだし、出来たて感をアッピールする。大人向けのメニューで、客単価は6ドルから10ドルの間でファスト・フードの倍近い。内外装デザインは落ち着いた洒落たデザインを採用している。ファスト・フードとの決定的な違いはワインやビールなどの軽いアルコールを提供していると言うことである。この業態は、ベーカリーカフェ、ハンバーガー、スープサラダ、イタリアン、アジアン、メキシカン、ベーカリー、HMRまでも含んでいる。
ファスト・カジュアル業態は不健康でダサいというイメージを持たれているファスト・フード業界に差別化するため、店舗の外観や大看板を変更した。当時のマクドナルドなどのファストフードは目立つように、プラスチックの看板に内部から明るい光を当てる行灯方式で、赤や黄色などの原色を使っていた。それが不健康なファスト・フードを連想させるとして、プラスチックの行灯タイプの看板や赤や黄色の原色を使わないようにした。
食材面でも、生の食材を店舗内で客に見えるように加工調理する。当時の米国で流行りだした食べ方が、最近日本でも取り上げられるようになった、低炭水化物ダイエット(アトキンスダイエットやロカボとも呼ばれる)だ。当時のLAで大人気のIN&OUTアウトバーガーの裏メニューにあるプロテインと呼ばれるハンバーガーは、炭水化物であるバンズを使用せず、レタスの葉で肉を包んで提供する。同様のメニューは最近日本にも進出した、カールスジュニアでも提供している。
マクドナルドでは生産性のためにビッグマックなどで使うレタスを刻むのは工場だし、季節によっては海外から輸入する。刻みオニオンも乾燥した玉ねぎを水で戻しているだけだ。モスバーガーは丸ごとのレタスや玉ねぎを店舗でカットする。その手間をかけた調理方法はまさにファストカジュアルそのものだと気が付いた。そこで新デザインの野菜を強調する看板や店舗デザインの店舗を1998年に三軒茶屋にテスト開業した。その手作り感のある看板と野菜を強調した店舗を2000年代に大々的に展開することになり、緑モスと呼ばれるようになった。緑モス展開時には米国で人気のロカボメニューにヒントに開発したメニュー・匠味レタスを備えていた(大型のミートパティをバンズでなくレタスの葉で巻いた高額のハンバーガー)。この緑モスを武器にフランチャイジーに古臭くなった店舗を改装させるようになったのだ。
この緑モスへの転換は話題となり、業績を大きく伸ばすことに成功した。それなのにモスバーガーはマクドナルド不振の際に業績を伸ばすことができなかった。この大きな原因はモスバーガーの強みであった、フランチャイズ・システムであろう。直営中心のマクドナルドと異なり、好調時のモスバーガーはフランチャイジーの店舗が中心であり、直営店舗は100店に満たなかった。しかし最近の直営店舗数はなんと300店舗以上になっている。モスバーガーの強みは地方の優秀な個人フランチャイジーが多いことであり、最盛期には500名近いフランチャイジーがいた。またフランチャイジーの指導は、本社が行わず、フランチャイジーに共栄会という組織を作らせ、その共栄会が店舗同士を指導するという独特の効率の良いシステムであった。
モスバーガー共栄会
http://www.mos.co.jp/company/csr/society/kyoeikai/
因みに、モスバーガーとマクドナルド本社へ訪問するとその違いがよくわかる。マクドナルド本社はビジネスライクのそっけない対応で、よほど重要な顧客以外にはお茶一杯も出さない。モスバーガーの本社を訪問するとにこやかな受付嬢(派遣社員ではあるが)が応対し、コーヒーなどの飲み物が丁寧に出される。理由はフランチャイジーの訪問が多く、フランチャイジーは大事な顧客であるというモスバーガーの考え方である。
このフランチャイジーを丁寧に扱うという趣旨は成長時代にはよかったのであろうが、日本の人口減やデフレ経済の日本ではマイナスとなっているようだ。比較的早くから個人オーナーによるフランチャイジーを展開していたが、それらのフランチャイジーや企業の老齢化が進行している。そのため、店舗のリニューアルが遅れたり、廃業するフランチャイジーの店舗を買い取るため直営店の増加につながっているのだろう。
もう一つの脅威がある。マクドナルドが不振の間に店舗数を伸ばせなかったのは同業との業績激化ではなく、異業種との競合激化である。それはコンビニの売り上げ増大と低価格戦略である。マクドナルドが100円コーヒーで話題となるやコンビニも100円コーヒーを売り出し、マクドナルドに大きなダメージを与えた。また最近のコンビニ・ドーナツの販売はミスタードーナツに壊滅的なダメージを与えた。カウンターで販売するフライドチキンもKFCの成長を止めている。30年以上前から、マクドナルドの最大の強豪はコンビニであるが、立地の違いから店舗同士という意味では明確でなかった。それに引き換え2等地立地を強みとする、比較的価格の高いモスバーガーは店舗を囲んだコンビニに大きなダメージを与えられているようだ。筆者の自宅近くにモスバーガーの1000号記念店があった。今年に改装が始まったので期待していたら、完成したらなんとモスバーガーはなくなり、隣のセブンイレブンが店舗を拡張し、総菜を強化したイートイン客席を備えた店に代わった。これがモスバーガーの真の不振を物語っているようだ。
ファスト・カジュアル
低炭水化物ダイエット(アトキンスダイエット)
ファスト・フード業界ではモスに次ぐチェーンは、ロッテリア、フレッシュネスバーガー、ファーストキッチンを傘下に入れたウエンディーズ、バーガーキングが態勢を刷新しつつあり、マクドナルド不振の最中に海外からは高級で健康的な商品のイメージのハンバーガーチェーン、カールスジュニア、シェイクシャック、UMAMIバーガー、ザ・カウンターなどが参入し、品質が売り物のモスバーガーを脅かし始め、日本人好みの新商品を売り出したマクドナルドも脅威となるだろう。
続く
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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース
最新の情報は私のfacebookに掲載していますのでご覧ください。
https://www.facebook.com/toshiaki.oh
<日本外食ニュース>
柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。
柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。
「文春マルシェ」は柏原さんと食通販サイト「セコムの食」伝説のバイヤー猪口由美さんがタッグを組んでいます。「セコムの食」は残念ながら閉業。そこで「文春マルシェ」では、これまでが猪口さんが築き上げたおいしいものの人脈に、柏原さんの有名シェフの人脈がプラスされていて、魅力たっぷりに紹介されています。
おいしいは、ニュースだ
「文春マルシェ」
https://shop.bunshun.jp/store/top.aspx
2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。
食べログフォロワー数5万人。
https://tabelog.com/rvwr/kotarokashiwabara/
飲食業界ニュースまとめ #1099 2023/3/30
https://note.com/kassie/n/n1f81998ad73c
飲食業界ニュースまとめ #1100 2023/3/31
https://note.com/kassie/n/nd9bfd1039bf3
飲食業界ニュースまとめ #1101 2023/4/1
https://note.com/kassie/n/n7ad273c236d4
飲食業界ニュースまとめ #1102 2023/4/2
https://note.com/kassie/n/n995321245506
飲食業界ニュースまとめ #1103 2023/4/3
https://note.com/kassie/n/n7c0021d2f27f
飲食業界ニュースまとめ #1104 2023/4/4
https://note.com/kassie/n/na6b87218d7bc
飲食業界ニュースまとめ #1105 2023/4/5
https://note.com/kassie/n/n99238a030ab8
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日本食糧新聞社
プロの視点(日本食糧新聞社)
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http://toyokeizai.net/category/restaurant
フードスタジアム
フードリンク
http://www.foodrink.co.jp/news/
フーズチャンネル
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日本経済新聞
流通ニュース
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リテールテック
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<米国外食ニュース>
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有限会社清晃(せいこう)業務内容
王利彰 経歴
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と思っている方にお勧めするのは、
関西国際大学人間科学部経営学科
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立教大学大学院ビジネスデザイン研究科
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立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)
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大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は
立教大学観光学部
杏林大学外国語学部観光交流文化学科
等で学ぶことをお勧めします。
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王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会
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