ハンバーガー大で、次に凄いと思ったのが、マーケティングHUです。ご説明しましょう。
マーケッティングというと、髪を伸ばした広告宣伝代理店の社員がわからない、英語でまくしたてる、別世界のものと思われがちです。
マクドナルドは米国だけでなく、ヨーロッパ、東欧、東南アジアという、歴史、文化、政治体制が異なる地域に店舗展開している。国によってマーケッティングのあり方が異なるのです。
マクドナルドの運営に携わる人たちは、やがて世界各国の経営トップになります。マクドナルドの広告宣伝は売り上げの5%をこえる莫大な金額で、経営トップもその使い方の知識がないといけないのです。
マーケッティングにはテレビコマーシャルの使い方と店舗展開の手法を熟知しなくてはいけません。もちろんコマーシャルの作成や、テレビコマーシャル出稿の作り方は、広告宣伝会社に任せればよいのですがが、管理できる知識が必要なのです。テレビコマーシャルでは日米はよく似ていますが、それでも微妙に異なります。
この暑い夏はビール会社にとって売り上げを大きく伸ばす大事な時期で、ビールをうまそうに飲み干すテレビコマーシャルをよく目にします。日本のビールのコマーシャルではビールをグラスになみなみと注ぎ、うまそうに飲み干します。
しかし米国のビールのコマーシャルでは人がビールを飲み干すことはできません。米国は清教徒が移民し建国した国で、結構宗教上の戒律が厳しいのです。日本は仏教徒で飲酒に規制はありません。僧侶も般若湯と言って日本酒を飲めます。日本ではこの暑い中、海水浴場の浜辺で飲んでもよいし、街角の自動販売機でビールを買い、歩きながら飲んだりできます。駅のホームで飲み事故を起こすことも多いのです。
米国では歩道や、海水浴場でなどの公共の場で飲酒すると罰金を科されます。米国の映画を見ていると、紙の袋に入れて何かわからないようにこそっと飲む姿がありますが、あれが警察の目を逃れる方法です。海水浴場や公園には、バーベキューエリアの設定があり、誰でも使えるバーベキュー機器を置いていますが、その場所のみ飲酒は可能です。
昔、禁酒法時代があり、酒の製造・販売・飲酒は禁止だったことがありましたが、それが厳格なキリスト教の影響です。(カトリックはワインを飲むことはできます)
米国のビールにバドワイザーという有名ブランドがあります。本社がセントルイスで巨大な工場があります。
ある日曜日にセントルイスを訪問し、暑いのでバーに入ってバドワイザービールを注文したらないというではないですか。近くに大工場があるじゃないと言ったら、日曜日はお酒の販売ができないというのです。日曜日は安息日で、お酒の販売ができないのです。このようにキリスト教徒の多い州ではドライステーツと呼ばれ南部に多く、お酒の販売は現在でも禁止されています。
バドワイザーのCM
また、日本ではコマーシャルに人気俳優を起用しますが、米国テレビコマーシャルは有名俳優を使いません。CMの放映秒数は米国の場合、30秒と1分間でストーリー性のあるものですが、日本は15、30秒が中心であり、15秒を多く使用しています。放映時間が異なるので米国のCMとはかなり質の異なる映像が多いのです。
1本当たりの制作費は質により大きく異なります。安いもので200万円から高いもので2000万円以上と、品質により大きな金額の差が出ます。
米国では有名タレントを使用するCMは少ないのですが、日本の場合有名タレントを使用するケースが多いようです。タレントのコストは1流で契約金2000万円以上、1作品ごとに2000万円以上、年間3回のCM撮影としてとして最低5000万円から1億円かかるのです。
有名人を使用するメリットはタレントの良いイメージを使用し一気に商品名を浸透させるメリットがあることです。しかし、デメリットとしてスキャンダルでイメージが悪化したり、人により好き嫌いがある場合です。また、あまり色々な商品のCMに出るタレントであると、自社の商品のイメージが正確に伝わらないことがあるのです。
私の経験ではマクドナルドで最も評判の良かったCMは初期のドライブスルーのCMでした。ドライブスルーの特徴を訴えるために家族でパジャマを着てドライブスルーを利用するCMでした。
ドライブスルーの窓口で出てくるアルバイトの女子は、本当のアルバイトの女子を使用しました。ドライブスルーの特徴をよく捉え、素人っぽい女子のすばらしい笑顔が大好評でした。要は如何に自社の商品の特徴を具体的に楽しく相手に訴えるかというアイディアの問題であり、いくらお金をかけたという問題ではないのです。
さてマクドナルドは世界中に進出しています。米国文化と近い英国などはほとんど問題ないのですが、東欧や北欧やロシアなどの共産圏ではテレビ局が国営で、規制も多いのです。特にテレビコマーシャルの放映時間や内容のチェックが厳しいのです。
米国はスポーツが盛んで、アメリカンフットボールや、野球、バスケットボール、アイスホッケーなどはプロチームがあり、季節ごとに多様なスポーツ一をテレビ放映します。1番人気は激しくぶつかり合うアメリカンフットボールです。
ヨーロッパでの1番人気のスポーツはサッカーです。プレーする選手はスポンサーのロゴマークを身に着け、競技場のフェンスには広告が掲載されています。東欧や北欧やロシアなどの共産圏ではテレビコマーシャルの規制や放映時間の短さもあるので、スポンサーのロゴマークを身に着けた選手や、競技場のフェンス広告がテレビコマーシャルの代わりになるのです。
マーケッティングHUではこれらの専門職の仕事を、細部までわかりやすく教えるのです。マクドナルドはそのほか、店舗用不動産を取り扱う、店舗開発部の仕事もHUでわかりやすくまとめてHUの授業を作っています。
もちろん広告宣伝で一番重要なのは、テレビコマーシャルです。一つの商品やキャンペーンの告知期間は4週間で、テレビコマーシャルを4000GRP放映します。
ある時日本マクドナルドの創業者故・藤田田氏が、4000GRP以上出せばもっと売れるのではないかと言い出し、テストしたことがあります。テストの結果、4000GRP以上コマーシャルを流しても費用対効果が落ちることが判明しました。
このようにマーケッティング理論は現在は確立しているのです。このマーケッティングHUで学んだことを、執筆しているのでお読みください。
以下王のマーケッティング記事
コンビニのマーケッティング説明
飲食業のマーケッティング説明
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米国マクドナルドのコマーシャルの歴史
日本マクドナルドの50年の歴史
日本マクドナルドのCMの歴史
キムタクのCM
続く