富貴寺のだんご汁

食の宝庫九州から

大分県国東半島の富貴寺に行きました。古来より宗教関連の施設が多い国東半島でも、別格のお寺で、阿弥陀堂そのものが国宝です。祀られている本尊、阿弥陀像は重文。平安初期に建てられた阿弥陀堂は、九州の木造寺院建築では最古のもの、内部に描かれていた壁画は、剥落退色してうっすらとしか見れませんが、建立当初は豪華絢爛であっただろうと思われます。

おりしも紅葉の季節で、鮮やかな紅葉や銀杏に彩られた阿弥陀堂は素晴らしいものでした。

大分県の中でも観光客が押し寄せる人気のスポットですが、コロナ禍で、そろそろ動き出すかなという人出でした。

お昼前で混まないうちにと、門前の茶屋で「だんご汁」を頂くことにしました。

九州各地に「だご汁」という練った小麦をちぎって入れる汁がありますが、大分では、延ばして幅広の麺として汁に入れます。名前も「だんご汁」です。

汁は、いりこ出汁の味噌仕立て、人参や大根、刻んだ揚げ、青ネギが入っています。

厚め太目の麺は歯ごたえがあります。米の取れない地域では麦が多く食べられてきましたから、上手に食べる術が進んだのでしょう。山梨県の「ほうとう」に近い感じがします。

この麺にきな粉と砂糖をまぶすと、「やせうま」という、これも大分の名物料理になります。

旅をして、高級な料理店ではない、普通の食堂で、地元の料理を食べる、少し前の普通が、ちょっと普通ではなくなっています。ちょっとだけ元に戻したいものです。

上田 和久

上田 和久

スタジオワーク合同会社 代表。熊本県生まれ。厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年1月コンサルタントとして独立。安全安心な食品を提供することに日々、注力する企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。 JHTCリードインストラクター

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