デジタル化 日本と他国での普及度の違い

南イタリア美食便り

今週はまた暖かい日が続いているプーリアです。暖炉に火を入れるのは午後からでも大丈夫な感じです。

先週から高校生の娘はポーランドのクラコヴィアへ行っています。プーリア全土から選抜された高校最終学年の5年生、18-19歳の学生が集まり、アウシュビッツ収容所見学など、ショア(ホロコースト)の歴史を学ぶ旅行です。これはプーリアでは毎年慣例冬のこの時期に行われていますが、同様にイタリア各地からも実施されているとのこと。成績優秀者には費用の一部が免除になります。

ヨーロッパでは、重要な歴史教育の一部となってます。最近もネオナチの動きなどが報道されるなか、貴重な体験です。正直言って私自身は敢えて訪れようとも、子供を連れて行こうとも思ったことがないところなので、娘が選ばれて本人も行きたいと行った時に、ちょっとした戸惑いがありました。余りにも重い歴史の場所に、増してこの寒い時期に、丸一日バスに乗って行くのかー、と思うと笑顔では送り出せないような親心ともいうのでしょうか。

「いらない」と言う娘に日本から持ってきた携帯カイロ10枚と粗塩を包んだお守りを無理やり持って行かせました。

私自身も18歳の時、アメリカ留学を前にもっと日本を知りたいという思いから日本国内ひとり旅に出ました。その途中広島の原爆ドームと資料館へ行って実際感じた衝撃は40年以上経った今でもはっきり思い出すことができます。

日常的に今の現実としてテレビやデジタルディヴァイスから流れる戦争の映像を見るとまだ同じようなことを繰り返している人間の愚かさに無力感さえ感じますが、無力感に苛まれていては自分の毎日が無駄になると信じて平常心を保つことに努めています。

そんな折、とある朝7時まだベッドの中でうつらうつらしているところに、夫の携帯が鳴りました。相手は娘の代母(ゴッドマザー)にもなって貰っているアンナ。何事かと出てみると、彼女のご近所さんの息子が今大阪に着いたばかりで電車に乗ろうとしてもクレジットカードが使えなくて困っている、そこでこの辺でただ1人の日本人である私と親しいことを知っていたご近所さんは私たちがなんとか出来ないかとアンナに頼んで欲しいと連絡があったとのこと。

アンナも常識的に考えてこの内容の話をこんな朝早くから電話するのを躊躇したけど、ご近所のマンマの心配ぶりと圧に押されて迷惑だろうとは思ったけどごめんね、とのこと。

京都の大学院で研究のため日本を訪れた26歳の息子くんにとって日本とはイタリアよりデジタル化が進んだ国というイメージを持っていたのでクレジットカード一枚あれば現金なんかなくても大丈夫だろうとタカを括っていたようです。

カードが使えない上、英語も通じないので焦りまくってマンマに電話したのでした。私としてはツッコミどころ満載ではありますが、イタリア人あるあるのエピソードです。

結局本人とwhatsappというsnsアプリ経由で話をしたところ、普段からネット依存気味の息子くん、クレジットカード番号のフィッシングを恐れてイタリア国外での利用ができないように自分でブロックしていたというのがオチでした。

旅行中の娘も、ポーランドの貨幣はユーロではないのでイタリア郵便局が学生向けに発行しているプリペイドのクレジットカードを使って全てキャッシュレス決済です。こちらは問題なく使えているようで、一安心です。

デジタル化について日本と他国での普及度の違いなどインバウンド対策として知見を広める必要性も感じたのでした。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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