日本のお盆休みと同様、8月15日を挟む1週間はイタリアでも全国的に夏休みのピークとなります。とはいえ、観光地であるプーリアの我が家周辺の地元民にとっては稼ぎ時。飲食店、宿泊施設など観光業者はフル回転で稼働中です。
コロナ禍の2020年から昨年まで、当初は国外への移動が制限されていたこともあり、プーリアでは例年にも増して大賑わいでした。その時期に比べると今年は少し来訪者が減った気がすると地元の人々は話していますが、それでも人口が3倍ぐらい増えている感じがします。
我々の住むプーリア中央部のヴァッレ・ディートリア地域は、アドリア海から15km、イオニア海から40km程の距離で、海抜400-500m程の小高い丘の上に築かれた5つの町が囲むなだらかな田園地帯です。
800kmの海岸線を有するプーリアで観光業が特に発達しているのは、アドリア海沿いの北部ガルガノ半島一帯と我が家から近い中央部のバーリからブリンディジにかけてです。特にポリニャーノアマーレ、モノーポリ、ファサーノ地域には5つ星リゾートホテルが数件ありプーリアの観光業の中でも最も華やかと言えます。
我が街チステルニーノには大きなホテルはありませんが、トゥルッリやマッセリアと呼ばれる伝統的な農家の建物を改築したアグリツーリズモ、貸別荘、B&Bなどがたくさんあります。
特に最近は接客の必要のない貸別荘が増えています。貸し出しは1週間単位であったり、長期滞在のファミリー向けです。プール付きの8人程度宿泊可能なところでは1週間で5000ユーロ以上するところも珍しくありません。それでも毎年の様に訪れる人々もいてヨーロッパの夏休みの過ごし方の典型と言えるでしょう。
都市部からの観光客のニーズに合わせて地元のスーパーマーケットの品揃えも流行に敏感です。
以前「日本食人気に応えている台湾のメーカーの勢いがすごい」というお話をしましたが、最近日本のメーカーも頑張っています。キッコーマンのソイソースのヴァリエーションが増えていること(醤油ラーメンスープベース、テリヤキBBQソース、ポケソース、WOKソース、BIO、減塩、グルテンフリーなど)と森永から絹ごしと木綿2種類の常温保存の効くパッケージの豆腐、伊藤園の無糖のジャスミン緑茶缶などが新しくお目見えしています。
お値段はユーロ高もあり日本の2−3倍でお高めです。顧客が地元民のみになる頃にはどれだけ残っているか興味津々です。
今年は日本からのお客様が我が家のゲストハウスにもいらっしゃるので、私たちは長い夏休みは取れませんが、それでも日帰りで人混みを避けられるプーリアの穴場を探しに行きました。
イタリア半島の踵の先端、アドリア海とイオニア海がぶつかる岬、サンタ・マリア・ディ・レウカ周辺のディープ・サレントと呼ばれる地域にはまだまだ観光客ズレしていない素朴で美しい海と風景がたくさんありました。プーリアの観光資源活用にはまだまだ多くの可能性が残されていると感じます。