クリスマスケーキの宣伝を良く見かける季節となりました。
私の子供の頃は日本ではクリスマスケーキと言えば未イチゴのホールのショートケーキが定番でしたが、そのイメージも根強く残っているようですね。
イタリアのクリスマスケーキと言えばパネトーネです。こちらはミラノ発祥のお菓子ですが、イタリア全土に浸透しています。日本でも随分おなじみになってきたようです。
パネトーネ種という独特の植物性乳酸菌を含む酵母を使って作られるパン菓子です。卵をたっぷり使い、しっとりもちもちとした黄色がかった生地にレーズンやオレンジピールが入ったものが定番です。
最近はオリーヴの実入りなどちょっと奇抜な風味づけをしたもの、材料や製法にこだわり抜いた有名パテシエの作るグルメパネトーネというべき商品も目にしますが、パネトーネ好きはやはりオーソドックスなクラシコ(クラシック)に戻るようです。
我が夫ジョヴァンニも、お店に並び始める10月末からクリスマス後のセールが終わる1月末まで毎日でもパネトーネを食べたい派です。
パネトーネ種は特殊な酵母と乳酸菌の働きで保水性、防腐性、防菌性に優れているので常温で長期保存が可能な有難い代物。ただ扱いも難しいのでイタリアでは家庭で作る人は少数派です。フォカッチャやパンは家で焼くという人でもパネトーネはお店で買うものなのです。
日本ではネットで「パネトーネマザー酵母」なるドライイーストも購入可能です。凝り性の日本人らしくパン作りにハマった方はお家でパネトーネ作りにもチャレンジするのか!とちょっと驚きました。酵母と言えば、イタリアでは一般的な生のビール酵母が日本では手に入りづらいようです。空気や土地に左右される菌や発酵の奥深さですね。
イタリアの郷土菓子は日本人の口にもよく合うシンプルなものが多いのですが、南イタリア各地で愛されるその名も「修道女のおっぱい(テッテ ディ モナケ)」というお菓子はまだ日本ではほとんど知られていません。どんなお味かはご想像にお任せしておきます。私はマリトッツォの次はこれが流行るのではと密かに思っています。
イタリア語のレシピをみるとどれも「ミックスアフリカーノ(アフリカンミックス)」という謎の粉が主原料です。これも日本未輸入ですが、ちょっと研究する価値はあると思います。