雨や風の強い日が続きまるで11月のようだった5月初旬からやっと初夏らしい爽やかな陽気が訪れたプーリアです。
先週は来年のG7サミットはプーリアで開催という発表もありました。数年前はG7外相会議が州都バーリで行われたことがあります。その際は第二の都市ブリンディジやお隣バジリカータ州の世界遺産の町マテーラなど各地で色々な行事がありました。
デリゲーション移動の際のモーターケードのため一時的に封鎖された主要幹線道路の入口で渋滞にはまり30分以上動けなかったことがありました。プーリアでは基本的にそんなこと珍しいのでよく覚えています。
プーリアのハイ観光シーズンは夏場の7月から9月。ピークは日本同様8月15日を挟んだ1週間になります。8月15日はフェラゴストと呼ばれ起源はローマ帝国のアウグスゥス帝まで遡り、カトリック教会が聖母マリア被昇天の祭日として意味づけをしたイタリアの公式夏休み的な日。
この期間は陸路、空路ともに大渋滞となります。さらに夏以外は静か過ぎるほどの我が家周辺の旧市街地や田園地帯では連日規模的には大小様々な音楽フェスが時には夜通し行われるという状況になります。地元民にとってはまさに稼ぎ時で休みなしで皆よく働きます。
飲食や宿泊関係では3ヶ月間夏休みのある高校生がアルバイトで大活躍します。
我が家のあるプーリア中央部のヴァッレ・ディートリア地区の観光業の発展はこの20年ほど継続して右上がりです。その背景にはこの土地の持つ独特な地理条件や歴史が作り出したヒューマンサイズの距離感と豊かな食材がポイントだと私は思っています。
それに便利さと不便さ、洗練と素朴の絶妙なバランス。それが都市部からの訪問者のニーズに合っているのだと感じます。今のところ人材的には地元住民とUターン者、また近郊からの通勤者で賄われています。
今後の課題は、自然環境を保持することと人材確保だろうと考えられます。この地域の一番の魅力とも言える昔ながらの小規模農業や兼業農家があったからこそ守られてきた美しい田園風景を維持していくことは地道な努力が必要とされる分野だと考えます。
実は今、我が家の隣にある空き地が誰に売られてどうなっていくのか、大事な関心事です。B&Bや貸別荘的な施設になる可能性も高くそうなってくるとインフラ面などで我が家にも影響が出てきます。
公式、非公式の情報収集(地方行政、噂、ゴシップを含め)はイタリアではエスプレッソ片手にバールで、または毎日買いに行くパン屋でなどのおしゃべりが重要なソースだったりもしますが、イタリア的人間関係のスキルの見せ所でもあるかも知れません。