東京から日本人のイタリア料理人とソムリエさんがプーリアの食文化を学びに来訪中です。
南北に細長いプーリア州の端から端まで12社のワイナリーを訪問しました。
1950年以前には地元で消費されるワイン以外全てバルクで北イタリアやフランスに販売されていたプーリアワイン。ボトリングされたプーリア産ワインが他地域へ進出するようになった歴史は短いと言えます。農家だった初代から引き継いで現在会社を率いているのは3代目、もしくは20代-30代の4代目という会社が多くあります。
プーリアのワイナリーの形態としてはぶどう生産農家の協同組合が醸造所を所有するワイナリー、自社所有の畑のみのブドウからワインを作るワイナリー、自社所有プラス他者からブドウを購入して作るワイナリーなどがあります。
他地域のワイナリーがプーリアの畑を買い上げてワインを作っているケースも多々あります。いずれにしろプーリアの変化に富んだ土壌と気候、強い太陽の力はワインになるブドウが育ちやすい環境であることは間違いないのです。
ワイナリーによってイタリア国内販売と輸出の割合が半々というところもあれば90%以上が輸出という会社もあります。
郷土の食文化が強く残るイタリア、特にプーリアの農村部では毎日の食事のお供は地元のバルクワイン。伝統的にはワインそのものを楽しむというより食事の一部という意識です。
流行りのクラフトビールやクラフトジンなどの消費も上がっていますが、食中酒としてはやはりワインです。もちろん国内でも各地の土着品種のワインが並ぶ都市部のエノテカ(ワイン専門店)やワインバーでは世界的に高い評価を受けているプーリア産ワインも多数取り揃えていますが、地元でしか飲めないバルクワインもなかなか捨てたものではありません。
日本に輸入されているプーリア産ワインの種類も増えています。一番有名なのはプーリアのほぼ全土で作られるプリミティーヴォでしょう。これは果実味が強く飲みやすい赤ワインです。アメリカではジンファンデールと呼ばれているものと同品種のブドウです。またボディもタンニンもしっかりした長期熟成のできるネーロディトロイアという品種はプーリア北部で作られます。
そして、プーリアワインの中でも私が個人的に超オススメしたいのは、イタリア随一のヴァラエティを誇るプーリアのロザートワイン(ロゼ)です。ブドウ品種によって色も味も香りも様々。肉にも魚にも日本食にも合うロザートが必ず見つかるはずです。特にこれから桜の季節、お花見の宴にはぴったりです。