オーラン クラフト ブリュワリー

南イタリア美食便り

地中海地域特産の野菜でわたくしが一番好きなのはカルチョフィ(アーティチョーク)です。

種類は90種以上もあり世界一の生産地は南イタリアです。プーリアでも収穫の季節が始まりました。採りたて新鮮なものはサラダとして生で食べます。揚げたり、煮たり、酢漬けにしたり、私はシンプルにアーリオ・オリオ・エ・ペペロンチーノにたっぷりカルチョフィをプラスしたパスタが一番好きな食べ方です。出汁がよく出て独特な風味がありますが、色々な食べ方ができる万能選手でもあります。生のタケノコが手に入らないプーリアでは、代わりにカルチョフィを甘辛く煮てちらし寿司の具に使ったりもします。

食べチョクや産直アウルなどの産直サイトでの出品も多数あり日本各地で生産されているアーティチョークですが、残念ながら、佐伯ではカルチョフィを生産している農家さんはまだいないようです。オーガニックシティ宣言をして有機農業を推進している佐伯市でもカルチョフィをはじめ新鮮で美味しいヨーロッパ野菜が手に入るようになることを願っています。

そんな折、佐伯で知人が開業準備中のクラフトビール醸造所のロゴを見て「おっ!これはカルチョフィではないか!!」と興奮しました。でも何故?ビールとカルチョフィ?確かにカルチョフィのフリットはビールのおつまみに最高だけど…と思いを巡らせました。

イタリアのクラフトビールは国内のビール市場の3%を占めており、プーリアでもこの10年ほどでマイクロブリュワリーがたくさんできました。一方イタリア国内のワイン消費量は減る一方。

日本ではクラフトビールのシェアはビール系飲料市場のまだ1%ほどとのことなので、今後まだまだ増える可能性があるでしょう。

佐伯初の醸造所は、佐伯城下町の大手前近く、古い蔵などが残る船頭町地区の空き家を改装してできる、その名もOrang Craft brewery オーラン クラフト ブリュワリー

https://www.instagram.com/_orangcraftbrewery

地元の若い世代のイニチアチブに大いに期待しています。実は昭和の香りがプンプンするスナック文化が色濃く残る佐伯の町に若者(心が若者の人も含めて)が集まる場所がまた一つ増えると思うとワクワクします。

ビールもアーティチョークと同じくらい大好きなわたくしとしては、目が離せません。

オーラン クラフト ビュワリーのロゴ、見ているうちにやっぱり何か違う。アーティチョークが食べた過ぎてそれにしか見えなかったのはわたくしぐらいなもので、実はビールの原料、ホップのイラストだったのでした。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

関連記事

メールマガジン会員募集

食のオンラインサロン

ランキング

  1. 1

    「ダンキンドーナツ撤退が意味するもの–何が原因だったのか、そこから何を学ぶべきか」(オフィス2020 AIM)

  2. 2

    マックのマニュアル 07

  3. 3

    水産タイムズ社 橋本様インタビュー

アーカイブ

食のオンラインサロン

TOP