すっかり秋風が吹くようになったプーリアです。帰省客や観光客で賑わった今年の夏も終わりを迎えています。
コロナ禍が始まって3度目の夏でしたが、プーリアにおいては実はそれ以前より来訪客が増え続け今年に至っては滞在期間も延びている感じがします。貸別荘やB&B滞在客が主流の当地では自家用車やレンタカーでの移動が主になりますので、道路の交通量の多さで普段よりどれだけ人口が増えているのかを実感できます。
休暇の過ごし方に自由度を多く求める傾向が強いヨーロッパでプーリア人気が高まっているのは納得できます。プーリアの過度に観光地化されていないところ、のどかな田園地帯や美しい海など広々とした自然と音楽フェスなどや展覧会など文化的刺激のバランスが良いところ、そして生産地だからこそのシンプルに美味しい食べ物が誰にでも受け入れられやすいなどがその理由だと思います。
大都会の観光とは違い移動距離がそこそこ長くなりますので、ガソリン価格の高騰が響くかとも思いましたが、スーパーマーケットなどの繁盛ぶりを見るともしかしたら飲食店の売上に出ているかも知れないと思いました。
今後の課題として、すでに実験的には始まっていますが、街と田園地帯、また町と町を繋ぐ5−10km程度の移動手段(巡回バスや乗り捨てレンタルバイク/自転車、小型電気自動車など)が完備されると良いと思います。
この夏、UMAMI (旨味)という言葉がよく目につきました。バールやピッツァ屋などメニューを見ても和食と関係あるとは思えない店にUMAMIという名前がついていたりするのです。
日本にも進出しているUMAMI Burgerはイタリアにはありませんが、グルメバーガー人気の波とスシ、ラーメンなどの和食人気の波がぶつかったところにあるのがUMAMIという言葉だったのかも知れません。イタリア語と日本語は発音がフラットなところが似ています。
偶然ですが、英語のヒューマンな、人道的なという意味のイタリア語、UMANO(イタリア語では言葉の最初にHがつかない)という言葉を連想させたりもするのでUMAMIという言葉はイタリアでは親しみ易かったのかなとも思います。
ちなみに旨味と言うと私は鰹出汁や昆布出汁を思い起こしますが、イタリア語版のWIKIを見るとUMAMI成分の多い食材として乾燥ポルチーニと完熟トマト、パルメジャーノレッジャーノチーズの写真が出ています。
私は常々イタリアではトマトを出汁として使っていると実感していたので腑に落ちる思いでした。また家庭料理で行われている裏技で豆のスープなどに熟成チーズの硬い外側の端切れを入れて煮込んだりしますが、そういえばそれも鰹節ぐらい硬いなと思いました。