メートロとはイタリア語でメートル(メーター)、長さの単位のこと。
1メートルほどにもなることから付けられた名前のインゲンがあります。別名アスパラガスビーンズ、またはヘビ豆。我が家の畑でまさに今収穫期を迎えているこのインゲンは普通のインゲンより緑色が濃く、柔らかいのが特徴です。甘味や香りも強くとても美味しいです。プーリアだけではなくイタリア各地で生産されているようですが、希少価値のある品種です。
調べてみると日本にも似たようなインゲンがありました。その名も「16ササゲ」もしくは「三尺ササゲ」。 16はサヤに16個ほど豆が入っているからとのこと。三尺は約90cmなのでメートロという名前と同じ意味の語源ですね。
現在は愛知、岐阜を中心とした地域の伝統野菜として認定されています。アフリカ原産のこの豆が江戸時代には広く食されていたというのも驚きでした。残念ながら東京のスーパーなどでは見かけたことはありませんが、JAぎふネットショップでも箱売りされていますね。レシピもいくつもネットに載っていますので、地域的にはよく知られた野菜なのでしょう。
このメートロインゲンの最もおすすめの食べ方はスパゲッティと一緒に茹でて、トマトソースにプーリア特産のカチョリコッタチーズをたっぷりかけて食べるというもの。
初めて食べた時のインパクトは忘れられません。細長ーいインゲンは初めて出会う野菜。それをスパゲッティと一緒に茹でるという発想がそれまでにはありませんでした。
新鮮なトマトを茹でて漉したシンプルなトマトソースの酸味にカチョリコッタチーズがまろやかなコクを与えインゲンの甘さが絶妙のコンビネーション。目が丸くなるほどの驚きの美味しさでした。以来我が家の夏の定番メニュー。これぞ素材の味を生かすプーリア料理の真髄!農家の家庭料理バンザイ!です。
普通の長さのインゲンでももちろん美味しく出来ますが、まだ味わったことのない16ササゲを、是非試してみたいと思っています。
美味しさはもちろんですが、季節感、素材の面白さや珍しさを含めイタリア料理店でもウケること間違いなしだと思います。中部地方の特産品としてアピールする価値ありだと思います。
旬の食材百科 ジュウロクササゲ
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