南イタリアと東九州の素晴らしき田舎での活動

南イタリア美食便り

佐伯市地域おこし協力隊に着任して2ヶ月半が経ちました。年末からしばらくイタリアで仕事をします。3年の任期中のとりあえずファーストタームが終了という感じです。インバウンド誘客担当というのが私の任務ですが、まずは佐伯を知る、仲間を知るということに時間を費やしました。

佐伯には目玉となる特質すべき観光名所などはありませんが、美しい日本の田舎の山、川、海、島、すべてがあります。平和でのどかで調和の取れた日常があります。そしてこの土地を愛する人々に囲まれて仕事をすることができることは幸せなことだと感じます。

当初から佐伯とプーリア、また東京、ロンドンなど多拠点で仕事をするスタイルを想定しています。それなりの負担はかかりますが、私と私たち家族のライフスタイルとして適しているのではないかと考えています。

プーリア、特に我が家のあるヴァッレ・ディートリア地区にもこれと言った観光名所はありません。白壁の中世の街並みとこぢんまりとしたちょうど良い平和な普通の田舎感が好まれて平均1週間程度の中期滞在の観光客は年々増加しています。コロナ禍で一層この普通にのどかな空気感が好まれたのではないかと思います。

空き家はB&Bや貸別荘、またアルベルゴ・ディフューゾ(分散型ホテル)としても使われ飲食店も軒並み繁盛しています。夏の3ヶ月のみだった観光シーズンも少しずつ伸びています。今後はオーバーツーリズムにならないように今の賑わいをいかに継続していくかということが課題でしょう。そんなプーリアで得た知見が佐伯の役に立つのであればこれほど嬉しいことはありません。

イタリアではアグリ&スロートラベルエキスポという旅行博へ視察に行ったり、サイクルツーリズムに関しての調査、また佐伯へのモニターツアー参加者を募るためにプレゼンテーションイベントを開催する予定です。イベントに際して参加者に佐伯の日本酒や梅酒の試飲をしてもらおうとも思っています。

佐伯は美しい自然と豊かな食材に恵まれ、ゆったりと時間が流れる感じがプーリアと似ています。懐の深さを感じる人間性も懐かしささえ感じます。「住めば都」と言いますが、生きていく上で、自分が暮らすのに心地よい土地かどうかという点からすると、まだまだ色々と知りたいことやできそうなことがたくさんある佐伯は、今の私にとってお気に入りの土地です。

2023年は変化の年でした。2024年は変化から始動の年になるに違いないと思っています。

引き続き南イタリアと東九州の素晴らしき田舎での活動にご興味をお持ちいただきご愛読いただければこの上なき幸せです。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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