桜まつり

南イタリア美食便り

大分県佐伯市の地域おこし協力隊として着任して6ヶ月が経ちました。4月の新年度からは観光ブランド推進部 観光・国際交流課が私の所轄部署で、インバウンド誘客担当(特に欧米豪から)というのが私のポジションです。プーリアと佐伯行ったり来たりしながらの活動、あと2年半の任期中どこまで、何ができるか、とにかく楽しみながら進んで行きます。

先週の土日に佐伯市のメインイベント、「桜まつり」が行われました。初代藩主毛利高政が築城した佐伯城の城下町の武家屋敷通りを市民が扮装して菊姫行列、大名行列が行われるほか、メインストリートである国道を地元のブラスバンドや和太鼓チームがパレードしたり、街の中心部全台が舞台になります。お天気にも恵まれ桜の花もちょうど良い具合に開花し、大変盛り上がったイベントでした。

普段は「人混み」には縁遠い佐伯ですが、多分一年で一番人口密度の高い2日間でした。

「桜まつり」と同時開催で年に1度の地域おこし協力隊の活動報告会も行われました。

私は、「簡単おもてなし英会話講座」を開きました。未来の担い手である小さい子供達と体験旅行や農泊などに即戦力として働いてもらいたい時間と好奇心ある元気な高齢者の方々をターゲットとして想定していたのですが、バッチリな感じで老若男女予想したより多くの方々がお集まりいただきました。

また、地元プーリアの農業高校と佐伯の高校との交換留学のプロジェクトを進めている私にとって、「まさに!」思うようなお子さんに英語を習わせたいとか、海外留学もさせたいというお母さんもお訪ねくださり大変嬉しく思いました。

ニューヨークから2週間の予定で訪日中で友人を訪ねて佐伯にいらした御夫妻にも御目にかかりました。その方がおっしゃっていた事でさらに、「まさに!」と思ったことがあります。

彼女曰く、東京、京都、金沢を巡ってきたが、どこも大変な混雑で充分に楽しめなかった。佐伯に来て初めて自分が思い描いていた「日本」を感じることができた、とのこと。

観光客にとって、佐伯の海辺にも山にも街にも川沿いにも溢れる桜は、日本の原風景そのもの。

おりしも大名行列や和太鼓、御神楽や軒並み並んだ屋台など日本情緒満載のまつりをちょうど良い人混みの賑わいの中、パーソナルに楽しめる機会はむしろ貴重なものに違いないと思いました。有名ではない地方の魅力を効果的にアピールする方法として「桜まつり」は最強です。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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