このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社
有限会社清晃(せいこう)が提供しています。
その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、
新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。
2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、
F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。
立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、
韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。
2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。
フードコンサルタント王利彰は長年「メーリングリストfspro」で業界関係者と双方向のコミュニケーションをしてきました。現在は、Facebookのオンラインサロンへ移行。
FSPROメーリングリスト(外食産業情報“無料”オンラインサロン)
(https://www.facebook.com/groups/280530300281763)
外食産業でご活躍の皆さまはもちろん、卒業された方々の経験や知識も共有していただける場になるよう、皆様からの投稿をお待ちしています。
● 年末年始休刊のお知らせ
● 世界・日本各地の食情報
● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 日本外食ニュースと米国外食ニュース
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● 年末年始休刊のお知らせ
本年も残すところあと僅かとなり、今号メールマガジンが2023年最後の発刊となります。
新年は2024年1月10日号を予定しております。
来年も変わらぬご愛顧をお願い申しあげます。
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● 世界・日本各地の食情報
1)食の宝庫九州から上田さんです
【小倉かまぼこカナッペ】
北九州の台所と言われた、旦過市場。
二度の火災に遭って街の半分は更地になっています。
街の台所と呼ばれるだけあって、食料品店が軒を連ねています、肉屋、魚屋、八百屋、雑貨屋。焼け残った半分は変わらず営業中。焼けた方は仮設店舗で営業継続中。中には火災を期に廃業した店もありそうだけど。メインの通りには閉店間際なので売り切りの声が飛び交います。
ぬか炊きを始めとした惣菜も並んでいて、休日には食べ歩きとか楽しそうです。
すり身を揚げた天ぷらは、バラエティが色々あって目移りします。
一番気になったのが、すり身ににんじん玉ねぎを加えて薄いパンで巻いて揚げた「カナッペ」、長崎だとハトシという食パンに海老のすり身を挟んで揚げた名物があるけど、こちらはパンを巻いて揚げています。外はサクサク、中はじゅわっと甘みが広がる天ぷら、胡椒がピリッと効いていて、おやつにもおかずにも酒のアテにも楽しめそうです。
カナッペと言って頭に浮かぶのは、小さく切ったパンやクラッカーに具をのせたスナックですが、小倉のカナッペはまるで違っています。これは食べてみないと判らないかなあ。
旦過市場には、古くから在った映画館も全焼し、高倉健さんゆかりの品や貴重なフィルムなども灰になってしまいました。映画ファンによってクラウドファンディングが成功し、さらに地元企業の支援を受けて新しい映画館として再開します。単館系の渋い映画が掛かるスクリーンとして、これからも地元に愛されていくと思います。
旦過市場そのものは、近い将来に再開発されると聞きます。小倉駅から歩いて10分ほど、昭和の雰囲気を残す市場を探索にきてください。
小倉かまぼこ
小倉昭和館
【プロフィール】
上田和久
kazz@studiowork.jp
スタジオワーク合同会社 代表
1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。
国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター
上田和久 facebookは
経歴と仕事分野
厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。
主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。
具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。
食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。
2)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第355回
佐伯市地域おこし協力隊に着任して2ヶ月半が経ちました。年末からしばらくイタリアで仕事をします。3年の任期中のとりあえずファーストタームが終了という感じです。インバウンド誘客担当というのが私の任務ですが、まずは佐伯を知る、仲間を知るということに時間を費やしました。
佐伯には目玉となる特質すべき観光名所などはありませんが、美しい日本の田舎の山、川、海、島、すべてがあります。平和でのどかで調和の取れた日常があります。そしてこの土地を愛する人々に囲まれて仕事をすることができることは幸せなことだと感じます。
当初から佐伯とプーリア、また東京、ロンドンなど多拠点で仕事をするスタイルを想定しています。それなりの負担はかかりますが、私と私たち家族のライフスタイルとして適しているのではないかと考えています。
プーリア、特に我が家のあるヴァッレ・ディートリア地区にもこれと言った観光名所はありません。白壁の中世の街並みとこぢんまりとしたちょうど良い平和な普通の田舎感が好まれて平均1週間程度の中期滞在の観光客は年々増加しています。コロナ禍で一層この普通にのどかな空気感が好まれたのではないかと思います。
空き家はB&Bや貸別荘、またアルベルゴ・ディフューゾ(分散型ホテル)としても使われ飲食店も軒並み繁盛しています。夏の3ヶ月のみだった観光シーズンも少しずつ伸びています。今後はオーバーツーリズムにならないように今の賑わいをいかに継続していくかということが課題でしょう。そんなプーリアで得た知見が佐伯の役に立つのであればこれほど嬉しいことはありません。
イタリアではアグリ&スロートラベルエキスポという旅行博へ視察に行ったり、サイクルツーリズムに関しての調査、また佐伯へのモニターツアー参加者を募るためにプレゼンテーションイベントを開催する予定です。イベントに際して参加者に佐伯の日本酒や梅酒の試飲をしてもらおうとも思っています。
佐伯は美しい自然と豊かな食材に恵まれ、ゆったりと時間が流れる感じがプーリアと似ています。懐の深さを感じる人間性も懐かしささえ感じます。「住めば都」と言いますが、生きていく上で、自分が暮らすのに心地よい土地かどうかという点からすると、まだまだ色々と知りたいことやできそうなことがたくさんある佐伯は、今の私にとってお気に入りの土地です。
2023年は変化の年でした。2024年は変化から始動の年になるに違いないと思っています。
引き続き南イタリアと東九州の素晴らしき田舎での活動にご興味をお持ちいただきご愛読いただければこの上なき幸せです。
大橋美奈子 Facebook
メール・アドレス
minako@da-puglia.com
大橋美奈子さん経歴
演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。
また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。
ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。
また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。
有限会社ダプーリア
http://www.da-puglia.com/
大橋美奈子プロフィール
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html
プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E
ダプーリア
大橋美奈子
3)FBプロデューサー日記 293回目
オーガニックビレッジ視察&情報交換 大分県佐伯市
農林水産省では、オーガニックビレッジを2025年までに100市町村、2030年までに200市町村創出することを目標に、全国各地での産地づくりを推進しています。
当初は、市町村がオーガニックビレッジ宣言するのは少ないと考えられていましたが、令和4年度は55市町村、さらに令和5年は92市町村に拡大。2025年の目標100市町村は余裕で達成できそうな勢いです。
オーガニックビレッジとは、
「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、有機農業に地域ぐるみで取り組む産地のことです。
農水省が「オーガニックビレッジ」の創出に取り組む市町村の支援に取り組んでいて、昨年この事業をお手伝いさせていただき、展示会や生産者ツアーを行いました。
オーガニックビレッジとは、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組を進める市町村のことをいい、農林水産省としては、このような先進的なモデル地区を順次創出し、横展開を図っていく考えです。
行政と生産者、消費者が地域ぐるみで取り組んでいる先進的なモデル地区として挙げるなら、関東は千葉県木更津市、関西なら兵庫県豊岡市、丹波篠山市、丹波市、淡路市。九州なら、大分県佐伯市、宮崎県高鍋町です。
今回は、プーリアから大橋美奈子さんが地域おこし協力隊として移住した大分県佐伯市へ行き、大橋さんが魅了された理由を現地で体験してきました。
初日は、初日の出スポットとして人気の夫婦岩を結ぶ「大しめ縄」の張り替えを見学しました。毎年12月第 2日曜日に、地元の有志の手で張り替えられます。高校生からお年寄り、田中市長も皆一緒にしめ縄を引っ張っています。
理由 その1
佐伯市長 田中利明さんが明るく、人を動かすのが上手。
宮崎大学農学部出身で、漁業農業地域の持続可能なビジネスモデルを実践するリーダーとして素晴らしい働き方をしています。部下の市役所の方々が、新しいことへのチャレンジ精神があり、真面目で熱心なのも、市長の理解やリーダーシップがあるからと感じました。
理由 その2
佐伯市は海、山、里が揃う自然豊かな地域で、米づくりと漁業が盛んです。そして美味しい魚が獲れます。それは400年前から「佐伯の殿様、浦でもつ」と言われ、山や林業を守ることで漁業が潤うことを知っていたから。
また、毛利高政公はキリシタン大名であり、海外から有益な情報を得ていたと思われます。ヨーロッパの伝統と文化を大切にしながら、変革をしていくスタイルを学んでいて、日本でもキリシタン大名がいた弘前や丹波篠山など、美しい田園風景や、城などの建築物が美しく残っていることが多く、観光地としても独特の魅力があります。
「佐伯の殿様、浦でもつ」
江戸の時代が始まる直前の慶長6年、毛利高政公が佐伯2万石の藩主としてやってきました。佐伯藩領の漁村は、農民も少なく、田畑も荒れていたので、開墾が奨励されていましたが、高政公は山焼きをしてはいけないと、特別に制限するお触書を出しました。そのわけは、佐伯藩は浦々の漁などで支えられていたため、山焼きで樹木の影が海にうつらなくなると、いわしが海岸に寄りつかなくなり、漁が細る心配があったからです。「魚つき林」といって、漁業が大事にされていたあかしです。
理由 その3
大分県佐伯市は、令和2年3月にさいきオーガニック憲章を制定。とても早い時期から食のブランディングに取り組んでいます。
年間537万人(令和4年度)の観光客が来る温泉「別府」から約1時間の場所にあり、佐伯は食の街としてPRをしています。
誰が指導しているのか?という点が気になったのですが、山口タカさんというお名前を聞いて納得でした。私もバイブルのように読ませていただいている、「オーガニック電話帳」、服部幸應監修「食育入門」の編集者です。
有機農業、オーガニックと聞いて、農薬を減らした農産品を作れば良いのでしょうというのは誤解です。一次産業の方々と共に、地域全体で「食」産業を守り継続させ、ブランディングしていく取り組みなのです。
この街の「食」の指導者は、100年先を見据えてアクションを実行するなどレベルが高く、食育に取り組み、地域の魅力を理解しながら、街全体で推進しているのだとわかりました。有機生産者は25名から100名へ、有機給食用の米の生産は現在4ヶ月分、さらに増やせるように生産者の教育活動をしているとのことです。
そして、市内では市役所出身の柴田 真佑さんが熱心に活動されているそうです。今回はお会いできなかったので、次回はぜひ!
や組[YAGUMI]代表 山口タカ
食育とオーガニックを中心にひとり出版で活動する編集人。2001年「オーガニック電話帳」創刊。漫画「美味しんぼ」101巻“食の安全“をコーディネート。作中に“オーガニックの水先案内人“として登場。近著に服部幸應監修「食育入門」(や組刊)大分県佐伯市出身。
山口タカnote
柴田 真佑(しばた・しんすけ)さん
佐伯市役所退職後、地元弥生で、大分県初となるオーガニックレストランでJAS認証を取得し、「志縁や」を経営。食を楽しみながら日頃の備えを学ぶ場を目指している。
『志縁や』代表 柴田真佑
今回、佐伯市をご案内、お話を聞かせていただいた皆様です。本当にありがとうございました!
佐伯市役所
観光ブランド推進部 観光課 観光国際係
鳴海宏隆さん
佐伯市役所 農政課 有機農業推進係 総括主幹
増井光也さん
観光ブランド推進部 ブランド推進課 ブランド推進係 総括主幹
尾形繁子さん
佐伯市建設部 都市計画課 計画・区画整理係
河野功寛さん
佐伯市
一般社団法人佐伯市観光協会 業務執行専務理事
川野義和さん
誘致チーム 藤原容子さん
地域おこし協力隊 大橋美奈子さん
・佐伯市観光ナビ
民宿旅館まるに丸
名物女将で一般社団法人佐伯市観光協会会長
橋本正恵さん
道の駅かまえで20代の駅長さん
早川光樹さん
LINKED CITY からは
DE-SIGN 代表取締役社長 長尾成浩さん
株式会社大村湾商事
都会から地方へ、地域おこし協力隊として派遣される人たちを支える仕組みのお話が勉強になりました。
トラストパーク株式会社
カスタマーソリューション部 次長
西岡誠さん
キャンプ場で車中泊を無人で管理できる仕組みがあり、佐伯市でも提案ができそうです。
中村学園大学 浅岡柚美先生
流通科学部 教授 流通科学部長 博士(経営学)
サービスマーケティング、サービスマネジメントの専門家としてのコメントがとても勉強になりました!
佐伯市出身の田口由紀子さん、リゾートキャンプ場を経営している間世田淑子さんもご一緒していただき、ありがとうございました。
100年佐伯市が続くように、地域の方が様々な場所で、持続可能な取り組みを行なっている地域です。海、山、川、そして城下町がコンパクトに揃っているので、様々な地域で応用ができると思います。
【プロフィール】
石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)
株式会社FOOD FIELD CREATIVE
facebook https://www.facebook.com/ffcnippon/
HPとblog http://ffcnippon.com/
東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。
お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。
フードビジネスプロデューサーとして独立して8年、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。
さらに、農林水産省 令和5年度農山漁村振興交付金(農山漁村発イ令和ノベーション対策)受託事業、北海道びえい農泊 DX推進協議会の事務局長になりました。丘のまちびえいから、美味しいものの情報をお届けします。
王先生のFSPROでニュースクリップを担当するインターン生、募集中です!
びえい農泊 DX推進協議会 事務局長
東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ
福島県楢葉町6次産業化アドバイザー
MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」
全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長
全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員
フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員
ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 監事
立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長
立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員
調理技術教育学会 会員
一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員
深沢アート研究所 マネージャー
東京お米サロン
4)飯田真弓より14回目、今回も航空会社時代のお話をお楽しみください。
【食べると飲むの英才教育】
前回、航空機は、その日に寄せ集まった乗務員で運航しているお話しをいたしました。
乗員やCAは機種、ポジションごとの業務マニュアルを頭と身体に叩き込んでいますので、その日のメンバーでポジションを割り振り、航空機を運航する事ができます。航空会社は、この仕組みにより効率良く人を配置し、網目のような運航をさばくことができるのです。
ただし、CAはお休みのパターンにより、ある程度グループ化されます。グループ内のメンバーと一緒に乗務する確率は高くなります。どのグループに属するかは重要な意味を持ちます。
なぜなら、乗務は1便で終わることはほとんど無く、何便も何日も共にする事がほとんどだからです。国内線であれば1日に何往復もしたり、2泊3日の日程であったりします。国際線で長い時には1週間以上一緒に乗務をします。長時間を共にしますのでグループメンバーとの相性が何事にも影響するのです。
訓練生のバッチをつけた新人の頃、私が所属したのは、両家の子女で綺麗どころの多いと評判のグループ。しかしそのグループの先輩方は、可憐な見た目とは裏腹に「大酒を呑む」事で有名でした。
5000人以上のCAの中、お酒に強い「四天王」のひとりが君臨するこのグループで、22歳になったばかりの私は、先輩達の英才教育を受ける事になりました。
その始まりは初ステイ先である福岡、博多の親不孝通りにあるふぐ屋でした。このふぐ屋で、四天王から受けた盃が人生初のお酒でした。おちょこを逆さにして脚の部分でこわごわほんのひと口。「?!…何これ? 美味しい!」という事でその日何合飲んだのかは覚えていません。そのまま先輩の馴染みの屋台に突入し、閉店まで飲むにとどまらず、屋台の片付けまで手伝い、すっかり夜が明けてからホテルに帰った事を覚えています。
さらに寝坊をして乗務の集合時間に間に合わず、先輩からの電話で起こされた上に、ホテルの部屋で着替えから荷造りまで手伝ってもらうという失態のおまけ付き。当時は今のように飲酒の規定が厳しくなく、ステイ先ではとにかく良く「呑み」ました。
美味しいものには相応しいお酒がマスト!という事でついつい盃が進み、翌日の早朝いちばんの便で、「おはようございますと挨拶したCAが酒臭い!」というとんでもないお叱りを頂戴した…のは内緒のお話しです。
そんな失敗を重ねながらも、お酒の才能を認められた事で、ステイ先では必ず先輩達に呑みに連れて歩かれ、食べるだけでなく呑むと言う幸せな修行を積んで行きました。
欧州や北米のステイ先ではワインを愉しむ事が多く、機内サービスで提供するワインについてもより深い知識が欲しいと思い、ワインスクールの門を叩きます。1988年、約35年前の事です。
その頃のアカデミーデュヴァンは渋谷の駅から徒歩10分ほどのビルにあり、小さな教室で講義が行われていました。生徒もワインの輸入をする大手企業の担当者が多く、サービスをする側の生徒はまだほんのひと握りで、ワインの浸透がまだまだこれからという事を象徴していました。
現在のように世界中にぶどうの産地が広がり、ワインが多様化する事は想像もつかず、割と大きな字で書かれたテキストは1センチほどの厚みしかありませんでした。実際、テキストには、基本のフランス、イタリア、ドイツに加え、アメリカやオーストラリアの躍進が説明され、南アフリカやチリなどは新世界として位置付けられているなど、今とはだいぶ掛け離れた内容でした。
覚える事も少ないですから、資格試験についてもハードルは高くなく、恩恵を受けました。現在の多種複雑なワインの有り様を暗記し、同じ資格にチャレンジしている皆様には、只々賞賛を送りたいと思います。
当時まだ珍しかったワインの資格を取得した事で、食べる事と飲む事のペアリングを覚え、「空飛ぶ胃袋」はますますその道を突き進んで行く事になります。また、その後の人生において、活動をグローバルに広げて行く際に、ワインはコミュニュケーションツールとして大いに役立ちました。
例え現代のワイン情報にキャッチアップしていなくとも、専門家のアドバイスやネットの情報など便利なツールはたくさんありますので、自分らしい楽しみ方を見つける事ができます。グラスの持ち方やワインの味わい方など、味わうためのほんの少しの基本を身につけておくだけで十分ですので、皆様もぜひワインを楽しみ、ビジネスやプライベートのコミュニュケーションツールとして活用してください。
次回は大好きなパリ滞在中の食のお話しをいたします。
【飯田真弓プロフィール】
東京で生まれ、10歳より千葉で育ちました。
35年にわたり、国内外の大手外食チェーンをはじめとするグローバルな食産業と、ホスピタリティサービスの代名詞である航空会社に勤務してまいりました。この経験を活かし、現在、成長を目指す企業様にさまざまなアドバイスをさせていただいております。
専門分野は、お客様および従業員様を主役にしたブランディングを起点とする企業戦略の策定と結果につなげる実践です。さらに、マーケティングとイノベーションを掛け合わせた商品開発と、何より欠かせないグローバルレベルの品質管理と食の安全は得意分野です。
これらを一気通貫させ、企業様の規模に合わせたサプライチェーンのデザインと創出、そしてチェーンのグローバル化やフランチャイズ化の手法など多岐にわたり、お役立ちの引き出しを多く備えております。これらの分野はどちらかというと企業様の成長過程においてなかなか手の届かない、後回しになりやすい領域です。
どのように企業運営に組み込んで行くのかについても企業様の状態に応じてアドバイスができます。どうぞお気軽にご相談ください。
【経歴】
「世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」
幼い頃から、よく言えば食への探求心が強く、本当のところただの喰意地のはった究極の食いしん坊で、さまざまな専門料理を「食べる、作る」経験を積んでまいりました。10歳の頃には近所のお母さんたちに公民館で料理を教えるほどの特異な子供でした。
そしてそんな喰意地の夢を叶えるために最初に選んだ職業はなんと航空会社の客室乗務員、CA。目的の食はもちろん、最高峰のホスピタリティとチームワーク、徹底したマニュアルオペレーションと教育システム、ブランドエンゲージメントを習得することができました。国内および国際線パーサーまでを経験できたのはありがたいことです。
思いのほか真面目にフライトする一方で、ついたあだ名は「空飛ぶ胃袋」。お給料のほとんどとフライト以外の余暇はすべて食べることに費やしていました。当時はバブルのさ中でしたので、高価な食事をご馳走になる機会もありましたが、とにかく自腹でピンからキリまで胃袋と時間の許すかぎり食べ歩きました。
国内のみならず、CAの特権を活かし、「飛んで行ける全ての地」においてさまざまなジャンル、規模のレストラン、ストリートフード、市場や小売店などを訪れることに多くの時間を費やし、食体験を深めていきました。帰国するスーツケースの中はいつもスーパーで買った食材でいっぱい、検疫で時間がかかるので先輩たちにはとても気を遣いました。
同期が蝶よ花よと扱われ、いわゆる玉の輿に乗っていく中、「エンゲル係子」のあだ名もつき、とても対照的な20代を過ごしました。
その後、当時経験する機会の少なかったインド料理と文化をどうしても学びたいと、一念発起、なんとインドの財閥系商社に転職し、2年間を30年前のニューデリーで過ごしました。
30年前のインドは想像を絶する世界、生活の近代化のレベルで言えば、若い女性が住むにはかなり厳しい環境でした。そのような中、インドだけでなく、周辺国チベットなどまで足を運び、食を経験しました。追ってこのお話もお伝えしたいと思います。
帰国後、創業者との縁あって国内大手ハンバーガーチェーンに入社しました。「世の中にないものを作る」をモットーに、当時圧倒的なプロダクトアウト力を備えると有名でしたこの会社の商品開発部門の黄金期に加わることができたのです。世界中での食体験を発揮するに最高の環境をいただきました。また、多様な新規事業のメニュー開発、商品企画、海外事業など幅広い経験を積むことができました。このお話も興味深いかと思います。
一方でプロダクトアウトとは真逆の世界、ブランディングとマーケティング戦略を軸に経営戦略を策定、実践を学ぶ環境に身を置き、スキルを身に着けました。その結果、一度は自身のブランドを立ち上げ、経営を行うことが必要と考えて独立。オーナーシェフとして東京都中央区に、無名のところから飲食店を開業しました。
2年近くほとんど休みも取らず毎日オープンキッチンに立ち、生のお客様と対峙することで多くの事を学びました。努力が実り、短期間で複数店に展開しました。何より嬉しかったのが、後輩シェフ達を育てることができたことです。同時に専門誌への執筆や企業様へのブランド立ち上げ、業態、メニュー開発などコンサルタントとしての事業も開始いたしました。
このコンサルティング事業をきっかけに、米国大手ハンバーガーチェーン、世界最大店舗数のサンドイッチチェーンの国内展開のみならず、アジア地域においてのR&Dイノベーション、調達サプライチェーン、品質管理と食の安全を統括する機会をいただきました。
世界に展開する米国2大チェーンの本社と働くことで世界の最先端を知ることができました。また、のべ2000以上の工場を視察、監査した実績がありますので世界中のあらゆる工場や生産現場を熟知しています。
さらに、店舗、現場を主役とするための営業、オペレーションの統括も任され、約10年にわたる負のスパイラルからの脱出、V字回復を2年間で成し遂げました。グローバルレベルのチェーンビジネス、FCビジネス、その手法とさまざまなパターンを横断的に熟知するに至りました。
現在は飯田真弓事務所を開設し、外食のみならず、さまざまな企業様の成長や課題解決に対し、お役立ちをさせていただいております。
趣味は筋トレとゴルフ。どちらも変態レベルでストイックに攻め、体脂肪率10%未満を常にキープ。ゴルフは2年で90切り。「健やかにしなやかに歳を重ねるコツ」や、「食べても太らない身体作りのヒント」もお伝えできると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
飯田真弓
飯田真弓事務所 代表
(一般社団法人)全日本食学会会員
(公益社団法人)日本ヘルスケア協会会員
ライザップBODY MAKEアンバサダー
【特記】
・品質管理、食の安全分野における専門性/GFSIの主要認証、BRCG(旧BRC)ASIAアドバイザリーボード(HACCP,ISOなど食の安全、管理領域含む)
・フードサイエンスおよび官能評価技術/英国グローバルリソースであるLEATHERHEAD FRにて取得
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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー
読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。
このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。
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● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□
12月14日-12月20日
■セブンイレブン/11月は好天とインバウンドなどで既存店売上1.2%増
流通ニュース
■ファミリーマート/11月、既存店売上高27カ月連続の前年越え
流通ニュース
■ローソン/11月は、まちかど厨房など好調で既存店売上高3.4%増
流通ニュース
■くら寿司/11月の既存店売上高1.4%減、客数5.5%減
流通ニュース
■アルシェ大宮/県内最大1フロア121席の「マクドナルド」オープン
流通ニュース
■くら寿司/10月期、国内・海外ともに好調で増収増益
流通ニュース
■一橋学園「鶏出汁おでん くっく堂」がオープン。国分寺「ワラヤキスタジオ 炙ブリ」の系列店で、店主はグローバルダイニングや猿屋一家の出身。地域の人の懐に飛び込み、愛される店づくりを行う
フードスタジム
■日本初の成型ポテトチップの「チップスター」がガチャポンに登場します。
ラインナップとしては定番のうすしおから少し変わったプレミアムチップスター海老しお味まで全6種類です。ヤマザキビスケットではポテトフレークの美味しさを最大限活かすためにつなぎを使用せず植物性油を使用することでさっぱりとした味わいを実現しています。
さらに、環境に配慮したパッケージや規格外商品を飼料として活用するなど地球にやさしい「チップスター」を目指しているそうです。個人的にはチップスターの丸みをおびたシルエットが完璧に表現されていることに並々ならない企業努力を感じました。【M.M】
大人も子供もみんな大好きチップスター 大満足の商品サイズで「ガシャポン」に初登場!!
株式会社バンダイ ベンダー事業部
■Diorとミシュランシェフ アンヌ=ソフィー・ピックがコラボレーションします。
Diorは関西国際空港第2ターミナル内「カフェ ディオール バイ アンヌ=ソフィー・ピック」にて、最もミシュランの星を多く獲得した女性シェフのアンヌ=ソフィー・ピックとコラボレーションしたケーキ、焼き菓子を12月8日から提供します。
「トワル ドゥ ジュイ」や「カナージュ」、「千鳥格子」など、ディオールのアイコニックな要素やレガシーから着想を得たスイーツがラインナップされるそうです。
食べるのがもったいないような、繊細で美しいスイーツに目が留まりました。長期的なコラボレーションになるそうなので、今後のリリースも楽しみですね。【K】
ディオール×ミシュランシェフのレストランが大阪に、関空ブティック併設カフェでスイーツ販売も
ファッションプレス
■柔らかいスポンジと優しいバナナの味が人気の東京ばな奈からガチャの第二弾が発売されます。
今回のガチャでも「東京ばな奈」のなんとも言えないふっくらとしたスポンジの触り心地と可愛らしい形がしっかり再現されています。ラインナップは定番の「東京ばな奈」以外に新たに7種類のフレーバー。もちもちの触感とさまざまなパッケージを楽しめる東京ばな奈のガチャ。自身の推しバナナを求めて回して見てかいかがでしょうか。【M.M】
シリーズ出荷累計数100万個突破!大人気『東京ばな奈』ガチャに、待望の第2弾が発売決定
株式会社グレープストーン
■「缶」にケーキを詰めた「SWEETS CAN」が登場します。
ケーキ・スイーツ専門通販サイト「Cake.jp」を運営する株式会社Cake.jpは、株式会社DADACAとコラボレーションし、新たなスイーツブランド「SWEETS CAN」を12月13日から販売開始しました。
「ときめきをシェアするギフト」がコンセプトの「SWEETS CAN」。食べた瞬間だけでなく、食べた後も思い出に残せるように再利用できる「缶」を採用したそうです。
個性的なクッキー缶が注目されていますが、容器を工夫することでデザイン性だけでなく、冷蔵庫での保管のしやすさなど実用的なメリットもあるのだと気付くことができました。【K】
CACAOCATなどを展開するスイーツメーカーDADACAとのコラボブランド「SWEETS CAN」をCake.jpにて販売開始
誰かに贈りたくなる、誰かと共有したくなる新しい誕生日ケーキ
株式会社Cake.jp
■久原本家グループから年末年始に行われるInstagram投稿企画、「教えて!みんなの#令和のお雑煮」を紹介します。
今回実施される企画は地域の食文化と密接に結びつくお雑煮という料理に着目しお雑煮文化を繋げていくことを目的にしています。また、茅乃舎の特設サイト「お雑煮という奇跡」ではお雑煮の起源や各地のお雑煮が素敵なイラストで紹介されています。
日本は南北に細長く各地の特産物が異なるためお雑煮に入れる具材も大きく異なります。皆さんがあげた写真を見ながらその土地ならではのお雑煮を作ってみるのも楽しそうですね。【M.M】
茅乃舎、年末年始にInstagram投稿企画「教えて! みんなの #令和のお雑煮」を開催!2023年12月22日(金)-2024年1月15日(月)
株式会社久原本家
■スリランカの「アーユルヴェーダ」に特化したセレクトショップがオープンします。
インド・スリランカに伝わる世界最古の伝統医学 アーユルヴェーダに特化したセレクトショップ「mok Ayurveda select shop & Drink stand」が1月11日に代官山にオープンします。
ストレスの多い現代にメンタルヘルスケアの意識向上に貢献していきたいとの想いから、「シャタバリ」や多くのミネラルが含まれる「桑」をブレンドした「シャタバリ桑茶」や、奇跡のオイルと呼ばれている「オーガニックギ―」など、アーユルヴェーダ流のやさしいセルフケアを誰でも簡単に取り入れられるようなプロダクトやドリンクがラインナップされるそうです。
「アーユルヴェーダ」という言葉を初めて知りました。ストレス社会の現代だからこそ、改めて「セルフケア」を意識するきっかけになりそうですね。【K】
【日本初】スリランカアーユルヴェーダに特化したセレクトショップ「mok(モク) 」が2024年1月11日代官山にプレオープン!
自分に合ったセルフケアアイテムを手に入れる
株式会社サユリインターナショナル
■「雪景色」がテーマのアフタヌーンティーが登場します。
今年7月にオープンした、タイのセンタラ ホテルズ&リゾーツが手掛けるセンタラグランドホテル大阪の最上階ラウンジ「スモーク&スピン」にて、洗練された雪景色をイメージしたアフタヌーンティー「Snow Afternoon Tea」が12月26日よりスタートします。
雪の結晶を模ったチョコをトッピングしたバニラのムースやゆり根を使ったモンブラン、ツリー型のスタンドに白いマカロンやギモーブを木の実のように並べたスイーツなど、見て食べて冬を感じられるアフタヌーンティーになっているそうです。
ホテルで楽しめるアフタヌーンティーだからこその、最上階からの景色を背景にした写真が魅力的だなと感じます。「雪」モチーフのスイーツも素敵ですね!【K】
テーマは雪景色!真っ白なスイーツ&セイヴォリーが美しい 「Snow Afternoon Tea」を12月26日(火)から提供開始
大好評のツリー型スタンド&タイ風ぜんざいも登場
センタラグランドホテル大阪
■古谷乳業株式会社から学校給食でお馴染みの「ミルメーク」ブランドの「ミルメーク コーヒー」が全国のファミリーマートで発売されます。
生乳を50%以上使用した同商品はしっかりとしたミルク感を感じられる商品となっています。地域差はもちろん年齢によっても大きく異なる給食。6年間お世話になったソウルドリンクの古谷牛乳を思い出すような「ミルメーク コーヒー」を飲みながら給食の話を誰かとしたくなりますね。【M.M】
チルドカップ飲料「ミルメーク コーヒー」誕生!千葉県から全国に、おいしさを追求したミルクコーヒーを届けたい
古谷乳業株式会社
■六本木の和カフェ「MATSUNARI -まつなり-」がリニューアルオープンします。
株式会社イートクリエーターは六本木にある和カフェ「松也-MATSUNARI-」を、オフィスワーカーや観光客など幅広く楽しんでもらえるようメニューを一新した「MATSUNARI -まつなり- 」にリニューアルオープンします。
旬の野菜・魚・肉を使った彩り豊かな「いなり寿司」や、こだわりの抹茶で作る「霧島 有機抹茶のパフェ」、江戸甘みそを使用した「白味噌おはぎ」など、テイクアウト・イートイン問わず和カフェの世界観をより一層楽しんでもらえるメニューがラインナップされるそうです。
シンプルさの中にも華やかさのあるメニューで、思わず写真を撮りたくなりますね。テイクアウト可能なメニューも用意されていることで、近隣のオフィスワーカーのランチの選択肢にも入りやすくなるように感じます。【K】
六本木【MATSUNARI -まつなり-(旧 松也 -MATSUNARI-)】が「幅広い世代に寄り添う和カフェ」 にリニューアル!
旬が香る「いなり寿司&豚汁」と至福の「和パフェ」が12月22日(金)より新登場
株式会社イートクリエーター
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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□
技術改革: IT革命への取り組みは企業生命を左右する
私がコンサルティング支援先を訪問すると、いまだにITを使いこなせていない人が多いことに驚かされます。
ITスキルは文字を読める、箸をもてると同じくらい基本であり、そのスキルが無い人に合わせる時代はもう今年で終わりにしましょう。
2024年、皆が幸せな暮らしになるために、王先生のわかりやすいITの解説をご紹介します。
(編集長石川)
21世紀に向けた本部のあり方 第12回(商業界 飲食店経営2000年12月号)
IT革命への取り組みは企業生命を左右すると言って良い。現在は各企業の生存競争をかけた厳しい時代に突入している。大企業は組織が肥大化し意志決定が遅くなり、IT革命への取り組みに遅れている。このような下克上の時代に如何にIT革命に取り組むかは中小の飲食業のこれからの生存を左右するほど重要だ。ITというと苦手な方が多いようだが、何を取組むべきか筆者の体験から論じてみよう。
1)ITの定義
IT インフォメーションテクノロジー には「IT」、「IT革命」等の表現があり、定義は人により異なる。ITというのはインフォメーションテクノロジーつまり、情報技術の事を言う。情報技術とは情報の伝達、交換を意味する。情報というと難しく考えるが、簡単に言うと、音(音声)、文字、映像、等の情報を伝えることを言う。
一番簡単な情報伝達の手段は2人の人間の会話であり、一対一の情報交換だ。上司への口頭での業務報告がそれにあたり、会議は複数の人間の情報交換だ。会社からの通達や伝達、損益計算書、マニュアルなどが文書で配布される。これを文字による情報伝達という。
会議の席でわかりやすくプレゼンテーションするために、売上げのグラフや、店舗の販売促進の状況をスライドで説明する場合があるが、これは映像による情報伝達だ。映像の場合は文字や音声の情報よりも遙かに情報量が多いのでより正確に情報伝達をすることが可能になる。
上記の情報伝達を遠距離で行おうとすると、音声の場合大声で叫ぶか、太鼓の音などで情報を遠距離まで伝えてきた。遠距離の会議というと簡単な物ではボイスメールと言う一対複数の伝達システムや複数の人間で電話会議を行うなどがあり、最近ではテレビ会議などがでてきた。文字の電送は郵便からFAXと言う即時性のある情報伝達が可能になっている。
上記の情報伝達手段はテレビ電話のように進んだ技術のように思えても、実は音声と同じくアナログで情報を送っている。簡単にいうと情報量が多すぎ、電話線を占有しながら情報を流している無駄の多い情報伝達手段で、それをアナログ情報という。
2)IT革命はアナログからデジタルへの変革だ。
IT革命とは、アナログによる情報伝達手段をデジタルに置き換え、より迅速に、より正確に、より安価に、国境を越えて、だれでも、容易に、共通用語で、伝達できる事を言う。
その結果、仕事の生産性の向上、スピードときめ細かい対応による顧客満足度向上、正確な販売予測可能、在庫ロスト販売ロスの両方を削減、資本や系列を越えた新しいグループの誕生、直接購買による中間マージンの削除等を可能にする。
IT革命とはITその物を使うだけでなく、明確な目的を持って使いこなすことにより具体的な成果を出すことにある。実行力を必要とするのだ。
3)外食産業におけるITの体験
外食産業におけるIT革命にはどのようなものがあるか筆者の経験から見てみよう
(1)POSの採用と発注予測システム
外食産業のIT革命の洗礼は機械式のレジスターからPOSへの移行からだった。今では機械式レジスターを製造しているメーカーは皆無なほど激しく変革を遂げた世界だ。米国マクドナルドからPOS化が開始され、日本でもマクドナルドがいち早く大手のT社と開発を開始した。1976年当時スーパーバイザーだった筆者は開発業務にも関与していたのだが、たかが電子レジスターと真剣に勉強をしていなかった。それがあるきっかけで真剣に勉強を開始せざるを得なくなった。
それはマクドナルドのメニュー多角化による食材ロスの問題だった。マクドナルドがチェーン化に成功した最大の理由はお客様を待たせないように注文を受けてから1分以内に商品を提供できる仕組みを作ったことだ。客を待たせないのでテイクアウトが可能になり、それが客席数に限定されない巨大な売上げを可能にしたのだ。従来の調理方法は注文を受けてから調理を開始するので、できあがるまでに客は5-6分間待たされる。(クック・ツー・オーダー)
そこで、料理の種類をハンバーガーとチーズバーガーの2種類に絞り込み、ハンバーガーを売上げ予測に基づいて事前に調理後、包装しウオーマーに保管して置く。できあがって10分間経過したハンバーガーは廃棄処分することにより何時でも最高の品質のハンバーガーを提供できるようにした。客の注文を受けたら、ウオーマーから包装されたハンバーガーを取り出し、注文後1分以内に提供できるようにした。これをストック・ツー・オーダー・システムという。このシステムによりテイクアウト中心の効率の高いハンバーガービジネスを成功させることが出来たわけだ。
しかし、チェーンが出来てから年月が経過し、お客様は大型サンドイッチやソースの異なるサンドイッチ、チキンサンドイッチ、朝食メニューや、多国籍料理を望むようになってきた。そのため、数多くの商品を保温する必要があるが、商品の保管時間を過ぎると破棄する必要が出たり、製造に時間がかかり、サービングタイムに問題が出るようになってきた。
その矛盾を解決するために従来経験と勘で調理後保管していたシステムを、正確に計算することを考えついた。例えば時間帯売上げ10万円で100円のハンバーガーが売上比率10%の売上げがあったとする。
そうすると10分間に販売する数は100,000×0.10÷100÷6=17個弱となる。そしてそれぞれの製造時間に応じてどの位の頻度でコンスタントに製造するか計算する。それを手計算でやると時間がかかるので、計算尺を作り計算することにした。あの、レベルの低い労働者を使う米国マクドナルドでそれを開発したのだ。しかし、皆さんもおわかりのように現場の忙しいさなか悠長に計算尺をいじっている暇はない。
そこでひらめいたのがPOSだ。POSはデーターをデジタルで蓄積している。計算はお手の物だ。そこで、1981年7月にマクドナルド300号店を統括SVとして開店する特権を活用し、予算を300万円捻出し、POS活用の自動発注システムを構築した。当時ディスプレーが高価だったのでPOS端末その物をディスプレーとして活用した。本当は気温、湿度、通行量までデーターとして入力し、もっと正確な予測をしたかったのだが当時の技術レベルでは実現できなかった。
このシステムは素晴らしかったのだが、ハードウエアーのコストが高いという欠点があった。そこで、部下のSVのアイディアによりレシートプリンターにその数値をプリントして使用することにした。毎日閉店時にPOS生産をすると時間帯別の商品別売上げをプリントする。また、各時間帯毎に販売個数をプリントされるようにした。そして、プラスチックケースに昨日、または参考にしたい日の実績をロール紙で巻き付け、必要な時間帯の部分を表示するようにする。同時に各時間帯の売上げ個数を横に貼り付け、予測と実績の誤差を見ながらハンバーガー類の製造をするようにした。
このシステム開発によりハードウエアーのコストの増加なく、精度の高い発注予測システムを実現することができ、最近まで20年以上も使われてきた。たった300万円(当時は、えらく怒られたが)でこんな生産性の高いシステムができあがったことで筆者はITは金になると言うことを実体験した。
その後、各社は同様の製造予測システムを作り上げたが、大方のチェーンはバックオフィスのパソコンから大型の紙で印刷するようにしたので、肝心の店舗の前線で活用する事はできなかった。POSのレシートプリンターを活用するためにはそれこそドット単位で計算し、略称まで詳細に決め一覧性があるように工夫した現場の勝利だろう。
(2)ドライブスルーの売上げはPOSにより倍も違う
さて、上記のシステムは大変優れたシステムだが、売上げにつながるシステムにまでは到達していない。経費削減、労力削減のシステムだ。しかし、やがてドライブスルーが日本に普及するようになり、POSが売上げを左右する事に気がつかされた。
ドライブスルーは一台のPOSで注文を取り、そのPOSで会計するというカウンターと同様の販売システムでは1時間に最高でも60台しか捌くことはできない。(一組の顧客の注文と会計商品取り揃えに最低でも1分かかるからだ)
そこで流れ作業方式のPOS方式を取り入れた。まずドライブスルーに並んだお客様はオーダーボードでオーダーをいれる。オーダーボードには写真入りのメニューとカメラ、マイクロフォン、スピーカーを設置してあり、ここでメニューを撰び、オーダーを入れる。店内ではオーダーテーカー(注文を受ける人)がオーダーを取りすぐにPOSに入力している。入力されたメニューはディスプレーに表示され、製造担当と取り揃え担当の人がそれを見て作業にはいる。ディスプレーに表示されてからでは遅いので、ワイヤーレスコミュニケーションシステムを使用しオーダーを入れた時点で作業に入るようにする。
次にキャッシングウインドーで代金を支払い、商品を受け取る。会計に使うPOSはオーダーを入力するPOSとは別に設置する。2台で注文と会計をこなすのだ。オーダーテイクに1名、キャッシングに1名、商品の取り揃えに2名の販売員を置くことにより、1組あたりの所用時間を30秒にすることができる。これにより理論的に1時間最大で120台の車を捌くことができるのである。しかし、まだオーダーの仕方を理解していないお客様や、子供連れの場合の注文が遅かったりするため、現実には100台が限界と言う問題を抱えた。
そこで、一つの窓口(ウインドー)で代金の授受と商品の受け渡しをするのでなく、注文を受けた後に、もう一つの窓口で代金の授受をし、二つ目の窓口で品物の受け渡しをする方式が考案された。これをダブルドライブスルーと言う。これにより15秒間に1台の車を捌くことができるようになった。ロスを考えても1時間に200台の車を捌けるようになったのである。
ドライブスルーが普及するに従い、お客様はスピードアップという点で満足したが、問題点も出てきたのである。注文をマイクを通して行うことにより、応対が冷たく感じられたり、オーダーの間違いが数多く発生するようになってきた。
元々ドライブスルーは売上の20-30%位のセールスを予想して追加してきたのであるが、売上比率が50%を超え55%位にまで上昇してきて、もっとドライブスルーのお客様へのサービスに力をいれる必要に迫られた。
そこで、米国では、2つあるウインドーにもう一つウインドーを追加して、対面でオーダーをとるようにした。オーダーを受けてその際に、塩やケチャップなどの調味量やストロー、ナプキン、コーヒークリーム、砂糖などを渡すのである。これにより、スピードがアップするわけではないが、オーダー受けの正確さが上昇し、人間がオーダーを受けるのだという柔らかいサービスを訴求することに成功した。
米国では平日と土日の売上げがそう変わらないが、日本は土日の売上げは平日の3倍以上もある(ドライブスルーの多い郊外はファミリーで外食するため土日が忙しい)ので、そのような設備は平日には不要だ。日曜日の数時間だけ必要なだけだ。
そこで、筆者はアウトサイドPOSと言うシステムを考え出した。これはケーブルをドライブスルーのオーダーボードまで地下配管し、ボードからケーブル接続し、忙しい時間帯だけ外で注文を取ろうという日本独自のシステムを考え出した。これなら地下配管代数万円の追加ですむわけだ。
このシステムの開発により時間帯売上げ(ドライブスルーのみ)で240台捌くという記録が続出するようになった。
他のドライブスルー機能を持つファーストフード企業はその優れたPOSの仕組みを備えていないのでひどいチェーンは50台も裁けないと言う惨状だ。ドライブスルーの売上げはPOSと言うIT革新への取り組みが左右するのだ。
(3)帳票管理
利益管理ではPOSだけでなく、POSのデーターを本部で店舗で処理するシステムの構築が重要になる。マクドナルドでは月単位の利益管理だけでなく、週単位の利益管理を行う。その情報は印刷されてでてくるが、そのフォームの作成には精魂を傾けた。それこそドット単位でレイアウトを計算し、一枚の紙で全ての情報を網羅し、それぞれの数値の関連性が一目瞭然になるように工夫を凝らした。数字というのは単月度だけ表示しても傾向として良くなっているのか、全月、前年同期と比較してどうなっているかという傾向値が重要だ。
そこで全てのデーターを前年度と比較できるようにし、関連の数字は側に置き、それらの関連性を簡単にチェックできるようにした。この当たりの知識は店舗で数値管理を実際に行い、その帳票を元に経営指導するという経験がないといけないのだ。このPOSと帳票システムを活用した経費管理システムがマクドナルドの店舗利益を最大限にさせている秘訣だ。
(4)システム開発の最終責任者は営業担当者だ
上記のように情報システムの構築には熟練の営業担当者の関与と最終決済が必要不可欠だ。店舗の営業活動を知らない情報だけの専門家に情報システムの構築をさせることは現場で使えないシステムを作り上げる無駄金使いだ。システム構築を行う際には、文化系でも良いから店舗のオペレーションを熟知し、スーパーバイザー以上の管理業務を経験した辛抱強い人間に関与させるべきだ。もし、情報構築に失敗している企業の方がいたら、専門家集団に営業のベテランを混ぜてみよう。驚くほど使いやすいシステム構築ができるはずだ。
(5)全世界の数値管理を何処でもチェックできる
筆者は香港マクドナルドの経営者と仲が良かった。彼は日本マクドナルドのシステムを勉強しに頻繁に日本に滞在をしていた。香港の経営者だからそんなに国を離れていたら、数値管理できないじゃないかと言ったら、彼はにやりと笑い、おもむろに携帯端末を引っ張り出し、電話線経由で米国のホストコンピューターに接続し、香港の全店の数値を見せてくれた。携帯端末と電話線があれば世界の何処にいても経営管理は可能だと豪語していた。今から15年以上も前にそのようなリモートコントロールを行っていたのだ。
(6)低価格と品質を実現したのはIT革命だ
マクドナルドが平日65円という低価格で急成長したのは海外から一番安い食材を購入できるワールドパーチェシングと言う情報システムを活用しているからだ。この構築には情報システムだけでなく、HACCPと言う世界水準の安全管理の導入、そして、品質規格の世界統一、現場での食べ比べという品質基準の確立、等をベースに世界レベルの情報システムを構築して初めて可能になった。
そこで、店舗数だけでなく味でも良い評判を獲得できるように、1999年からメイド・フォー・ユーと言う熱々ハンバーガー提供システムを全店舗へ導入開始をした。
従来のステージングシステムは焼成後常温保管のバンズ(当初は焼いていたが後に焼かなくなった)、焼成後高精度な加湿保管庫で保管したミート、調味料、野菜、を組み上げ、包装後電子レンジで加熱していたが、電子レンジ調理は味の劣化を招き、客のイメージも良くないと言うことで廃止した。その代わりバンズを15秒以下で焼き上げる超高速トースター(従来は30-60秒かかった)を開発し、注文後即座にバンズを焼き上げ熱々のハンバーガーを電子レンジなしで提供できるようにした。
焼き上げたミートを保管する高精度加湿保温庫と、フライしたチキンやフィッシュポーションを保管する乾燥保温庫の2種類が必要であったが、複雑な作業とスペースを削減するため、ミートとフライ物を同時に保温保管できる高精度のマルチホールディングキャビネットを開発した。(高速トースターとマルチホールディングキャビネットはマクドナルド社がパテントを保有している)
さらに、従来は包装したハンバーガーをウオーマーに10分間保管していたが、それを廃止し、客の注文後、調理組み立てを行うようにした。できあがったハンバーガーは客に提供するまでの数秒の間にも冷めないようにランチングパッドという小型の保温スペースに置き、客に熱々のハンバーガーを提供できるように工夫を凝らした。
このシステムの最大のポイントは客の注文を厨房に伝えることであり、カウンターの販売員が客の注文をPOSに入力すると、その内容が厨房の各セクションに置かれたモニターに表示され、速やかに調理が開始される。このPOSシステムの導入により客の好みにあった熱々のハンバーガーを待たせないで提供できるようになったのだ。
競合店舗でその調理方法を真似をすることは可能だが、POSシステムとモニターの連動を実現するのは殆ど不可能だろう。POSシステムの全面的な変更を要求されるからだ。これからの調理システムの改善にはIT革新への不断の取り組みが不可欠な証拠だろう。
4)IT革命は会社内の活動から会社外の活動に変革を迫っている
筆者が8年前にコンサルタントとして独立して感じたのは、情報量の不足だ。マクドナルド時代は座っていても世界中の情報を入手できたが、独立するとその情報量が圧倒的に少なくなる。
ある時にお客様にインターネットに取り組んでいるかと聞かれ、当時パソコン通信を取り組んでいた筆者はどうせ同じ通信だろうと返事をしたら、えらく怒られ、マンツーマンで指導を受けた。そして、インターネットによる世界規模の情報の入手の可能性に気がついた筆者は、5年前より専用線を引き、ホームページによる情報発信と入手を開始した。
情報入手不足による典型的な事件は,腸管出血性大腸菌o-157による食中毒だろう。今年は中堅や、大手のチェーンがこの菌による食中毒をおこしている。それらの事件を分析すると食中毒菌の活躍が企業の情報入手のスピードを上回っているからだ。
例えば、食中毒で言えば腸管出血性大腸菌o-157の食中毒に目を奪われているが、従来最も多かった食中毒事故原因の腸炎ビブリオ菌による事故が増加している。従来の衛生講習会では魚介類に多い腸炎ビブリオ菌は7℃以下であれば増殖を防げると教えていたが、最近の新型菌は4℃以下で保管しないと危険だと修正している。実は色々な衛生関連の本ではその変化に対応していなく、衛生関連のホームページでようやくその表記を見つけることができるのだ。
腸炎ビブリオだけでなく貝類による食中毒の大きな原因となっているのは小型球形ウイルスで、腸炎ビブリオ以上に事故を引き起こしている。
それに対応するために、都保健所では事件を引き起こした店名まで公表するようになっている。
日本以上に食中毒の問題を抱えている米国ではCDCと言う世界でも最も進んだ衛生管理の研究所の事故発生情報をメールで発信している。日本でも厚生省のお役人と同じスピードで同じ情報を民間で入手することが可能なのだ。この様にIT革命はあらゆる場所で進んでおり、それにどのように取り組むかはまさに企業生命を左右すると言っても過言ではないだろう。
5)IT革命は顧客サービスを実現する。
経営者の本当の仕事は何かというと皆さん異口同音に「顧客を満足させること」と答えるだろう。では皆さんは本当にそれを実行しているだろうか。チェーン店などに行くと店頭にアンケート用紙がおいてあり、そこにQSCについての不満や要望を書くようになっており、宛先はお客様サービス室などになっている。これらの内容を社長も読むことがあるだろうが、より深くその不満を聞きたい場合にそれを聞けるようにはなっていないはずだ。
ところが最近の消費者は不満や要望があるとそれらを会社のホームページを検索して、問い合わせ先のアドレスにメールを出すようになっている。あるチェーンで衛生対策のために調理方法を変更し、味が変わってしまった際に1年分のメールが1日で殺到したと言うことだ。
現在の若者、特に大学生は学校入学の際にメールアドレスを発行しており、2部上場企業以上の会社では殆どの社員はメールを使えるほど情報装備している。彼らは不満を感じたらすぐその場でメールをだす。
多くのホームページ上のメールの宛先は殆ど情報システムで、広報か社長室が受け取るシステムになっていない。顧客のクレームが情報システムに流れても、店舗の現状を知らない担当者にとってはその重要性を理解できず、問題点の分析対応に遅れをとってしまう。肝心の経営者がIT装備をしていない現状では、顧客の抱えている問題点は届かないのだ。
不満を感じてメールを出した消費者は36時間以内に返事が返ってこないとかえってその会社に不満を持つようになる。つまり、ちょっとしたクレームが2次クレームに発生するのだ。しかし、もし、メールでの問い合わせに社長ないしは責任のある人が的確に対応したら、その評価は高まり、ファンも増加する筈だ。
特に広報室のIT対応の遅れは致命的だ。広報とはパブリックリレーションだが、日本の広報はマスコミリレーションとインベスターリレーションしか頭にないようだ。これからのワンツーワンマーケティングにとって、一般消費者一人一人に対するリレーション、つまりメールに対する対応が必要不可欠になっているのだ。
企業に対する一般消費者のITを使ったクレームは多く発生している、1年ほど前の大手電機会社のVTRのクレーム対策が失敗し、怒った消費者がホームページのその対策のまずさを音声入りで掲載したのは大きなイメージダウンであった。外食でも大手牛丼チェーンの丼に蛙の混入のクレームが発生し、それもホームページで取り上げられ後に週刊誌で取り上げられイメージは大幅に低下してしまった。
さらについ最近では大手居酒屋チェーンの不当労働行為による労働基準監督局の査察の後も問題が解決しないと言うことで、従業員がメールを使ってチェーン店の不買運動を起こしている。
不満を抱えたらそれを我慢しないで即座に一般に発信できるIT革命の手段を獲得した消費者への対応を急がないともっと大きな事故を発生するのだ。しかし、早くIT革命に対応した場合、消費者の絶大な支持を受けることは可能になる。
6)IT革命の最大のメリット
IT革命による最大のメリットは意志決定の早さだ。E-mailのスピードの速さと同時性により中間管理層を通らない情報の早さは経営意志決定能力を飛躍的に向上させる。しかし、パソコン、サーバーをいれ、インターネット、イントラネットを導入しても、従来と同じ組織、同じ人数、同じ意志決定方法、では効果が出ない。
会議はディスカッションを積極的におこない、意志決定をできる能力のある6名以内の参加とする。会議の議題は事前にメールで流しておく、決定した内容は直ちにメールで必要な部署に流し、異議があれば24時間以内に申し立てる、等の意志決定のルール化をしなければならない。印刷物は全て廃止する。また、全ての意志決定を経営トップが行うのでなく、金額、内容により決裁権限を部下に委譲し、問題がないように監査システムを導入する。それらの対策を行ってからIT革命に取り組まないと実際の効果は出ないのだ。
「最後に」
IT革命は専門家の仕事で自分たち外食のプロには関係ない、社外の専門家やコンピューターメーカー、ソフト会社、POS会社に任せればよいと思うと大失敗する。本当に自分の使いこなせるシステムを作り上げるのは、実際に業務に携わり、問題点を抱えている人なのだ。もちろん一朝一夕にIT革命を達成することができるわけではない。
まず、自らパソコンを使いこなしてみよう。(少なくとも会社、自宅にデスクトップを1台ずつ、携帯用に小型のパソコンを2台持ち、実際にモバイルで仕事で使ってみるレベルを言う)
例えばホームページを使いこなしたい場合、ホームページで何処までの事ができるのか
筆者のポータルサイトhttps://www.food104.com/ を訪問してみよう。ここではホームページを使った食材販売、調達、店舗物件探し、人材募集、等を無料でできるようになっている。もちろん販売促進をどのように行うか実験もしており、メンバーの店舗を使って販売促進効果測定を開始している。情報発信とファン倶楽部作りもメールマガジンやメーリングリスト、通信教育などで体験できるようになっている。
お断り
このシリーズで書いてある内容はあくまでも筆者の個人的な経験から書いたものであり、実際の各チェーン店の内容や、マニュアル、システムを正確に述べた物ではありません。また、筆者の個人的な記憶を元に書いておりますので事実とは異なる場合があることをご了承下さい。
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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース
最新の情報は私のfacebookに掲載していますのでご覧ください。
<日本外食ニュース>
柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。
柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。
「文春マルシェ」は柏原さんと食通販サイト「セコムの食」伝説のバイヤー猪口由美さんがタッグを組んでいます。「セコムの食」は残念ながら閉業。そこで「文春マルシェ」では、これまでが猪口さんが築き上げたおいしいものの人脈に、柏原さんの有名シェフの人脈がプラスされていて、魅力たっぷりに紹介されています。
おいしいは、ニュースだ
「文春マルシェ」
2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。
食べログフォロワー数5万人。
飲食業界ニュースまとめ #1358 2023/12/14
飲食業界ニュースまとめ #1359 2023/12/15
飲食業界ニュースまとめ #1360 2023/12/16
飲食業界ニュースまとめ #1361 2023/12/17
飲食業界ニュースまとめ #1362 2023/12/18
飲食業界ニュースまとめ #1363 2023/12/19
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編集:石川史子、金子佐和美
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このマガジンを発行する王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社有限会社清晃(せいこう)は、海外から日本に進出する外食企業、日本から海外に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズチェーン展開をする企業へのサポートを行っています。
日本の外食企業では、大手ファスト・フードの殆ど、大手居酒屋、大手ファミリーレストラン、大手ホテル旅館、大手食品メーカー、大手食品卸売業、サービス業等へのコンサルティングを行っています。
有限会社清晃(せいこう)業務内容
王利彰 経歴
ご質問、ご相談はeditor@food104.comにお寄せ下さい。
実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を
企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、
将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、
と思っている方にお勧めするのは、
関西国際大学人間科学部経営学科
http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科
立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/
大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は
立教大学観光学部
杏林大学外国語学部観光交流文化学科
等で学ぶことをお勧めします。
http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/
王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会
http://saitekiken.jp/saitekichubo/
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