weekly Food104 Magazine 2024年6月12日号

メルマガバックナンバー

このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社

有限会社清晃(せいこう)が提供しています。

https://www.food104.com/発行人の王利彰は、

その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、

新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。

2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、

F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。

立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、

韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。

2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。

フードコンサルタント王利彰は長年「メーリングリストfspro」で業界関係者と双方向のコミュニケーションをしてきました。現在は、Facebookのオンラインサロンへ移行。

FSPROメーリングリスト(外食産業情報“無料”オンラインサロン)

(https://www.facebook.com/groups/280530300281763)

外食産業でご活躍の皆さまはもちろん、卒業された方々の経験や知識も共有していただける場になるよう、皆様からの投稿をお待ちしています。

● 世界・日本各地の食情報

● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

● 食ビジネスニュースリリース

● 王利彰のレストランチェック

● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

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● 世界・日本各地の食情報

1)食の宝庫九州から上田さんです

【お石茶屋 梅ケ枝餅】

福岡市の南側、須恵町から宇美町そして太宰府市へと東側に連なるのが三郡山地、その南端にあるのが宝満山です。太宰府天満宮の北東にあり、古来より修験の山として信仰を集めて来ました。山頂には竈門神社の上の宮、麓とには本宮があります。アニメ「鬼滅の刃」の主人公の名前の由来になったのではないかと人気になっています。

その宝満山を5月から6月に掛けて登るヒキガエルの幼生が大挙して登るのが確認されて、この季節に登山者が増えています。なにを隠そう、この私もカメラを担いで登ってきました。残念ながら天候が良すぎて遭遇できませんでした。

1千匹ものヒキガエルが登るという不思議な状況を観たいと思いませんか、思わない?そうですよね、宝満山は福岡近郊でも一番登山者が多いと言われています。かつ標高は829.6メートルと低いのですが、勾配がきつく厳しい山でもあります。

カエルは空振りになりましたが、帰り道はお楽しみがあり、太宰府天満宮の参道に寄り道します。

太宰府天満宮の名物といえば「梅ケ枝餅」小豆餡を薄い餅の生地でくるみ、梅の刻印が入った鉄板で焼いた焼き餅です。参道には看板を上げた店が並びます。皆さん小豆の炊き方や皮の加減で好みの店があるようです。また観光客にはガイドブックに載っている有名店が人気で、行列で判ります。

私たちは、宝満山から竈門神社を通って下りてくるので、天満宮の北東からトンネルを抜けて入ります。境内は梅園となっていて茶屋が並びます。

一番最初の店が「お石茶屋」

歴史のありそうな構えとはいえ茶屋ですから素朴な設え、店内のテーブルか、季節が良ければ、外の緋毛氈の上でいただきます。

大量生産ではない4個ずつ焼いた「梅ケ枝餅」と梅干とわかめの入った「梅の香うどん」が定番です。

太宰府天満宮を正面から参詣した人からすると一番奥にある店です。私の知っている範囲で30年変わっていません。おそらくもっと長い間愛されて来たお店なんだと思います。

「お石茶屋」食べログ

https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400301/40003617

「梅ケ枝餅」おすすめじゃらん

https://www.jalan.net/news/article/646302

【プロフィール】

上田和久

kazz@studiowork.jp

スタジオワーク合同会社 代表

1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。

国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター

上田和久 facebookは

https://www.facebook.com/kazz.ueda

経歴と仕事分野     

 厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。

 主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。

 具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。

 食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。

2)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第375回

日本でそろそろ入梅、梅仕事の時期でもありますね。私はプーリアへ戻って最初の手仕事はアマレーナチェリー(サワーチェリー)のシロップ漬けでした。我が家ではアンズはたくさんとれますが、梅はありません。日本食の認知度が上がってきていてもまだ梅干や紫蘇などはまだ馴染みが薄いかと思われます。健康に良い梅をはじめ麹、海藻類など海外での和食文化の今後の可能性を感じます。

明日から始まるG7サミットの会場となるボルゴ・エグナツィア・リゾートホテルはプーリア州の中央部、ファサーノ市にあります。我が家から14kmほどの距離です。過去イタリアがG7の議長国となった際にサミットが行われたのはヴェネチア(2回)、ナポリ、ジェノヴァ、ラクイラ、タオルミーナ、の各都市です。2009年のラクイラは同じ年にあったイタリア中部地震の被災地でその復興支援の意味合いで選ばれました。2017年に行われたタオルミーナは風光明媚な観光地として世界中に名の知れた街ですが、街の規模としては人口1万人ほどの小さな街。今回行われるファサーノも樹齢数百年のオリーヴの巨木に囲まれた自然豊かなリゾートと農業の街です。

この周辺に今回のボルゴ・エグナツィアをはじめ5つ星ホテルが8件もあります。もちろんそれ以外にもファミリー向けのホテル、貸別荘、B&Bなどがこの10年ほどで驚くほど増えました。世界中から”何もない”のんびりとした田舎町へセレブと呼ばれる人々をはじめ、都会の喧騒を逃れるために多くの人々が集まってきます。海とオリーヴに囲まれたこの地域一体は夏の観光シーズンのピークには例年交通量がグッと増えます。地元民は観光業関連の仕事についている人々が多いので稼ぎ時でもあります。

とはいえ、日本だけではなくイタリアでも有名観光地で問題になっているようなオーバーツーリズムの予兆は危機感を持つほどではないと言えます。自然の中でのんびりすること、ゆっくりした時の流れを楽しむこと、がバカンスの目的であるとしたらプーリアのこの周辺一体は最適な場所だと言えます。G7サミットに関してはこのところ都市部で多く見受けるデモなども起こりにくいし、防犯上好条件の地域でもあるに違いありません。今回のG7のロゴもオリーヴの木と東と西の海を結ぶ地中海がモチーフになっており、プーリアらしいデザインです。一般的なイタリアのイメージは、ミラノを代表するデザイン性だったりローマやフィレンツェの歴史や文化、パルマなどの肉加工品やチーズなどのブランド食品が根強いかと思いますが、中東やアフリカにも距離的に近い南イタリア、そしてプーリアにスポットライトが当たることは地元贔屓としては嬉しいことでもあります。

大橋美奈子 Facebook

https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス

minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。

 そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。

https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。

 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア

http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール

http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア

大橋美奈子

3)FBプロデューサー日記 315回目

美瑛の自然を感じながら、バリスタの至福の一杯を

美瑛の白樺の森の中で、コーヒーを飲んでいると

日常の慌ただしさから解き放たれて、心と身体がすーっと軽くなります。

そんな感動体験をできる場所は意外と少なく、個人の所有地であることが多いのですが、

今回、美瑛のペンション「菜摘実の里」のご協力をいただき、秘密の場所で体験プログラムをスタートします。

美瑛の美しい白樺の森を散策した後、

バリスタ木村大樹がコーヒーを淹れ、

美瑛産の食材を使用したスイーツを提供します。

美しい景色や、鳥のさえずり、おいしいコーヒー&スイーツで、癒しの時間を過ごしませんか?

ご要望があれば、美瑛の食材を使った料理が食べられる素敵なレストランや、観光スポットをご紹介します。

「おいしい食」をつくる生産者の営みやサスティナブルな取り組みを学びながら美瑛とつながる仲間になってもらえたら嬉しいです。

美瑛の丘ファームステイ千代田

【プロフィール】

石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)

株式会社FOOD FIELD CREATIVE

facebook  https://www.facebook.com/ffcnippon/

HPとblog  http://ffcnippon.com/

 東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。

お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。

 フードビジネスプロデューサーとして独立して8年、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。

さらに、農林水産省 令和5年度農山漁村振興交付金(農山漁村発イ令和ノベーション対策)受託事業、北海道びえい農泊 DX推進協議会の事務局長になりました。丘のまちびえいから、美味しいものの情報をお届けします。

王先生のFSPROでニュースクリップを担当するインターン生、募集中です!

びえい農泊 DX推進協議会 事務局長

東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ

福島県楢葉町6次産業化アドバイザー

MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」

全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長

全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員

フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員

ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 監事

立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長

立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員

調理技術教育学会 会員

一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員

深沢アート研究所 マネージャー

東京お米サロン

4)飯田真弓さんより36回目の記事です

【バンコクのグルメ体験1】

タイは東南アジアで唯一植民地になっていない国です。ビルマやカンボジアなどのかつての支配を欧米に奪われ、領土を縮小してしまったという歴史はありますが、時には緩衝地となって他国の侵攻をかわすなど、運としたたかさで国の独立を守り続け、今にいたっています。ですから、タイの食は、強制的に欧米などの支配が流れ込むことはなく、ごく自然に、地政学上隣接した国々から影響を受けながら、独自の文化として形成されていきました。

地図を見ていただくとわかるように、タイはインドシナ半島に位置するため、北からは中国の移民がもたらした中華料理をベースに、その向こうのインドのカレー、さらにはアラブ、ヨーロッパなどの影響を受けることとなりました。さらに、広い国土をもつことから、地域で採れる食材はもちろん、気候から来る味覚の好みにも地域性があり、それぞれのエリアに隣接している国の影響を濃く受けながら、地域色豊かな郷土料理文化が形成されていきました。主に4つの郷土料理がありますが、中部料理、南部料理、北部料理とイサーン料理で有名な東北料理ととても個性的です。要は日本同様、郷土色豊かな料理がたくさんある、食いしん坊にはたまらない国という事です。

1980年なかば、この郷土色溢れる「微笑みの国」タイ、バンコクに初めて降り立った時のことは今でも忘れられません。現在のスワンナプーム空港はまだなく、ドンムーアン空港が国際線の主要空港でした。ローカル規模の空港であったにもかかわらず、すでに国際色豊かで、さまざまな国の人で溢れていました。バンコクまではミニバスで移動しましたが、途中の渋滞は今ほどではないにしろ、すでにトゥクトゥクや車などがぎっしりと行きかい、モンスーンの熱気と相まって、圧倒的なエネルギーを発していました。車窓からの風景に目を奪われながら、どんな食体験ができるのかと期待は膨らむばかりでした。

タイ料理と言えば、トムヤンクン、タイカレー、パッタイ、ソムタムなど有名な料理がたくさんあります。今では日本にも多くのタイ料理専門店がありますし、実際にタイに旅行したという人も多いでしょうから、割合ポピュラーな料理となっています。しかしその当時、本場のタイ料理は日本で簡単に口にすることができませんでしたので、このバンコク初ステイにて、初体験をすることとなります。

ホテルに着いたあと、軽装に着替えて、先輩の後について行きます。街には現在のように高層ビルもなく、BTS(スカイトレイン:バンコクを中心に走る鉄道)も建設中でしたので、南国らしい土壁と赤茶色の瓦でできた小さな建物がぎっしりと並ぶ路地を歩いていきます。むーんと暑い空気の中、ローカルのレストランに到着しました。店内にはエアコンもなく、天井に大きなファンが回っているだけですので、汗だくです。とにかく喉が渇いたということで、シンハービールを注文、一気に飲み干します。喰い地の張ったCAの集団ですので、もの凄い量の食べ物を、てきぱきと先輩が注文してくれました。

最初に出てきたのが、スープです。蓋つきのどんぶりで運ばれてきました。蓋を開けると、今までに嗅いだことの無い香りがします。ライムやレモン、バジルのような爽やかな香りに、ほんの少し生姜、そして海老の香り。透明なスープに、大きなお頭付きの海老、ふくろ茸、紫玉ねぎや、名前の知らない葉っぱや唐辛子のようなものがたくさん入っています。スープをひと口すすってみると、酸っぱくて辛く、海老の旨みが溶け出した、爽やかで深みのある味わいに驚きます。この「酸っぱ辛く爽やかな」スープは、抜群に美味しいだけでなく、食べ進むごとに心地よい汗をかき、身体に溜まった熱を鎮めていきました。「トム(煮る)ヤム(混ぜる)クン(海老)」、世界の三大スープとされる、タイを代表するスープです。酸っぱくて辛く、爽やかなハーブの香りに満ちたこのスープに、世界中の人が魅了されて来たということです。かくなる私も、このスープの虜になり、バンコクに滞在するごとに、さまざまなレストランに行っては、トムヤンクンを食べ歩きました。

すると、ある発見をします。トムヤンクンには大きく分けて2種類があるのです。あの関東と関西のうなぎです。トムヤンクンには「こってりタイプ」と「あっさりタイプ」があり、料理名でも明確に区別されているのです。こってり味は、「トムヤンクン ナームコン(濃い水)」と呼び、あっさり味は「トムヤンクン ナームサイ(澄んだ水)」です。主な違いは、こってりタイプは、仕上げにココナッツミルクや牛乳を加えてコクを付け、さらにほんの少しの砂糖を入れることで、味わいの厚みを増しています。スープの色も白濁しており、赤唐辛子や海老の頭から出るオレンジ色の色素がスープの表面に浮いています。辛味もややマイルドで、日本にあるタイ料理店で提供されているのはこちらのタイプが多いのです。個人的には、断然あっさり味の「ナームコン」、酸味と辛味、そして爽やかなハーブの織りなすシンプルなタイプが好みですが、日本ではなかなかお目にかかることはありません。タイに行ったらぜひ2種類のトムヤンクンをお試しください。

【飯田真弓プロフィール】

東京で生まれ、10歳より千葉で育ちました。

35年にわたり、国内外の大手外食チェーンをはじめとするグローバルな食産業と、ホスピタリティサービスの代名詞である航空会社に勤務してまいりました。この経験を活かし、現在、成長を目指す企業様にさまざまなアドバイスをさせていただいております。専門分野は、お客様および従業員様を主役にしたブランディングを起点とする企業戦略の策定と結果につなげる実践です。さらに、マーケティングとイノベーションを掛け合わせた商品開発と、何より欠かせないグローバルレベルの品質管理と食の安全は得意分野です。

これらを一気通貫させ、企業様の規模に合わせたバリューチェーンのデザインと創出、そしてチェーンのグローバル化やフランチャイズ化の手法など多岐にわたり、お役立ちの引き出しを多く備えております。これらの分野はどちらかというと企業様の成長過程においてなかなか手の届かない、後回しになりやすい領域です。どのように企業運営に組み込んで行くのかについても企業様の状態に応じてアドバイスができます。少し固いお話になりましたが、次の経歴をご覧いただくと、王先生がおっしゃるところの「面白い」を感じていただけるかと思います。

【経歴】

「世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」

幼い頃から、よく言えば食への探求心が強く、本当のところただの喰意地のはった究極の食いしん坊で、さまざまな専門料理を「食べる、作る」経験を積んでまいりました。10歳の頃には近所のお母さんたちに公民館で料理を教えるほどの特異な子供でした。そしてそんな喰意地の夢を叶えるために最初に選んだ職業はなんと航空会社の客室乗務員、CA。JALに入社し、目的の食はもちろん、最高峰のホスピタリティとチームワーク、徹底したマニュアルオペレーションと教育システム、ブランドエンゲージメントを習得することができました。国内および国際線パーサーまでを経験できたのはありがたいことです。

思いのほか真面目にフライトする一方で、ついたあだ名は「空飛ぶ胃袋」。お給料のほとんどとフライト以外の余暇はすべて食べることに費やしていました。当時はバブルのさ中でしたので、高価な食事をご馳走になる機会もありましたが、とにかく自腹でピンからキリまで胃袋と時間の許すかぎり食べ歩きました。国内のみならず、CAの特権を活かし、「飛んで行ける全ての地」においてさまざまなジャンル、規模のレストラン、ストリートフード、市場や小売店などを訪れることに多くの時間を費やし、食体験を深めていきました。帰国するスーツケースの中はいつもスーパーで買った食材でいっぱい、検疫で時間がかかるので先輩たちにはとても気を遣いました。同期が蝶よ花よと扱われ、いわゆる玉の輿に乗っていく中、「エンゲル係子」のあだ名もつき、とても対照的な20代を過ごしました。

その後、当時経験する機会の少なかったインド料理と文化をどうしても学びたいと、一念発起、なんとインドの財閥系商社に転職し、2年間を30年前のニューデリーで過ごしました。30年前のインドは想像を絶する世界、生活の近代化のレベルで言えば、若い女性が住むにはかなり厳しい環境でした。そのような中、インドだけでなく、周辺国チベットなどまで足を運び、食を経験しました。追ってこのお話もお伝えしたいと思います。

帰国後、創業者との縁あって日本発祥、海外にもモスバーガーを展開するモスフードサービスに入社しました。「世の中にないものを作る」をモットーに、当時圧倒的なプロダクトアウト力を備えると有名でしたこの会社の商品開発部門の黄金期に加わることができたのです。世界中での食体験を発揮するに最高の環境をいただきました。また、多様な新規事業のメニュー開発、商品企画、海外事業など幅広い経験を積むことができました。このお話も興味深いかと思います。

一方でプロダクトアウトとは真逆の世界、ブランディングとマーケティング戦略を軸に経営戦略を策定、実践を学ぶ環境に身を置き、スキルを身に着けました。その結果、一度は自身のブランドを立ち上げ、経営を行うことが必要と考えて独立。オーナーシェフとして東京都中央区に、無名のところから飲食店を開業しました。2年近くほとんど休みも取らず毎日オープンキッチンに立ち、生のお客様と対峙することで多くの事を学びました。努力が実り、短期間で複数店に展開しました。何より嬉しかったのが、後輩シェフ達を育てることができたことです。同時に専門誌への執筆や企業様へのブランド立ち上げ、業態、メニュー開発などコンサルタントとしての事業も開始いたしました。

このコンサルティング事業をきっかけに、米国大手ハンバーガーチェーンのWendy‘s、世界最大店舗数のサンドイッチチェーンSubwayの国内展開のみならず、アジア地域においてのR&Dイノベーション、調達物流サプライチェーン、品質管理と食の安全を統括する機会をいただきました。世界に展開する米国2大チェーンの本社と働くことで世界の最先端を知ることができました。また、食材だけでなく、包装資材や衣類、消耗備品などのべ2000以上の工場を視察、監査した実績がありますので世界中のあらゆる工場や生産現場、圃場を熟知しています。

さらに、Subwayにおいては店舗、現場を主役とするための営業、オペレーションの統括も任され、約10年にわたる負のスパイラルからの脱出、V字回復を2年間で成し遂げました。グローバルレベルのチェーンビジネス、FCビジネス、その手法とさまざまなパターンを横断的に熟知するに至りました。

現在は飯田真弓事務所を開設し、バリューチェーンの専門家として、サプライチェーンの上位概念であるバリューチェーンおよび各機能の評価、課題解決、戦略策定や実行など、外食のみならず、さまざまな企業様の成長を目指して寄り添い、お役立ちをさせていただいております。

趣味は筋トレとゴルフ。どちらも変態レベルでストイックに攻め、体脂肪率10%未満を常にキープ。ゴルフは2年で90切り。「健やかにしなやかに歳を重ねるコツ」や、「食べても太らない身体作りのヒント」もお伝えできると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

飯田真弓

飯田真弓事務所 代表/ フードサイエンティスト/バリューチェーン構築プロフェッショナル

miida@craft-wine.com

https://www.facebook.com/iida.mayumi

(一般社団法人)全日本食学会会員

http://aj-fa.com/

(公益社団法人)日本ヘルスケア協会会員

https://jahi.jp

ライザップBODY MAKEアンバサダー

【特記】

・品質管理、食の安全分野における専門性/GFSIの主要認証、BRCG(旧BRC)ASIAアドバイザリーボード(HACCP,ISOなど食の安全、管理領域含む)

https://www.brcgs.com

・フードサイエンスおよび官能評価技術/英国グローバルリソースであるLEATHERHEAD FRにて取得

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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー

 読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。

 このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。

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● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□

6月6日-6月12日

■マクドナルド/神奈川県の94店舗をフランチャイズ経営に

流通ニュース

■【速報】ミスド、やりおったな!!「衝撃の星評価5」中の人”満場一致”で「こっち食べて」ガチファン速攻レポ

ヨム―ノ

https://yomuno.jp/posts/114978

■イオン/新総菜工場が稼働、店舗の総菜販売能力2割アップへ

流通ニュース

■キーコーヒー/アマンド六本木店60周年でリニューアル

流通ニュース

■すかいらーく/5月既存店売上高11.1%増

流通ニュース

■ビアードパパの親会社とは? 「知らんかった!」と話題に「かなりの衝撃」。ミスドはダスキンの子会社

All About ニュース

https://news.allabout.co.jp/articles/o/80842

■【幸楽苑お家騒動第2章・第2弾】社長に復帰したオヤジは黒転の決算発表で「息子に任せたら会社が潰れかけた」。オノデラフード副社長に転じた息子は、ハワイへ逃亡?!

FOODRINK NEWS

https://www.foodrink.co.jp/foodrinkreport/2024/06/0763508.html

■日本KFCにTOB、「ケンタッキー」はどう変わる?

東洋経済ONLINE

https://toyokeizai.net/articles/-/759416

■米国の炭酸飲料市場において、ドクターペッパーが売上を伸ばしています。販売量データを調べたビバレッジ・ダイジェスト誌の新データによるとドクターペッパーが1985年以来、米国の炭酸市場売上で2位の座を維持していたペプシを僅差で上回り、コカ・コーラに続き第2位の炭酸飲料ブランドとなりました。売上増加の成功の要因にインターネットを駆使したマーケティングと拡散力があり、TikTokでの動画シェアに加え、新フレーバーの開発など様々な方向からアプローチなどが行われています。また、同社のブランドマーケティング担当上級副社長は「当社の専門フレーバー科学者チームは、おいしいものを求める人々や既存のファンを驚かせ喜ばせる新しいフレーバーを生み出すために、絶えず革新を続けています」と述べています。

米国の炭酸市場においてドクターペッパーがさらに売上を伸ばしていくのか、日本でもこれから人気に火がつくのか、気になるところです。【A】

FOOD&WINE

https://www.foodandwine.com/new-soda-brands-compete-with-pepsi-coca-cola-8619223

■“オニワッサン(onigiri croissant)”がクロワッサンのアレンジ系として新たなトレンドになりつつあります。

ここ数年、クロッフル(クロワッサン+ワッフル、croffle)、クルンジ(クロワッサン+ヌルンジ、flat croissant)、クロッキー(クロワッサン+クッキー、crookie/clocky)が韓国を中心に話題になりましたが、新たなトレンドとなっている“オニワッサン”は、おにぎりとクロワッサンが融合したもので、サクサクとした食感と豊かな風味が特徴となっています。

このペストリーはシンガポールのLe Levain Bakeryで誕生し、スイーツやペストリーを提供するChez Christopheはバンクーバー、ソウル、シドニーの店舗でも“オニワッサン”を提供しているそうです。最近ではニューヨークのCafe W Bakery & Dessertsでも提供され、同店では平日150個/日、週末300個/日を焼いており、毎日売り切れるほどに好評だといいます。

日本でも“オニワッサン”を提供するお店があるようです。これらのトレンドの移り変わりが早いので、現在流行しているクロッキーに加え、この“オニワッサン”も食べてみたいものです。【A】

TODAY.com

https://www.today.com/food/news/viral-onigiri-croissant-trend-rcna155925
https://www.foodandwine.com/onigiri-croissant-food-trend-8657024

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

カスタマーハラスメント

最近カスハラ(カスタマーハラスメント)という、横暴な顧客が問題となっています。

タクシー業界でも問題になっており、入社3か月以内に退職する運転手の1/3の理由がカスハラと言われ、人手不足の中大きな問題となっています。

カスハラは、外食産業、宿泊産業、食品販売業、タクシー業界、百貨店、など幅広い産業で問題となっています。

その大きな原因は業界と顧客の関係に対する認識です。「お客様は神様」という考え方が浸透し、顧客は何を言ってもよいという誤った考え方を直さなくてはいけないのです。

顧客と接客する側は対等でありお互いを尊重するという考え方に切り替える必要があります。その考え方をイコールパートナーシップと言います。

イコール‐パートナーシップ(equal partnership)対等な関係 とは

https://kotobank.jp/word/%E9%96%A2%E4%BF%82-2501
https://note.com/naka_68/n/n3d9acfa3531d

 対等な関係で行う協力や提携。

Yahoo社では社員と会社の関係についても対等だとしています

https://about.yahoo.co.jp/info/blog/howtowork.html

「お客様は神様」を死語とし、イコール‐パートナーシップという考え方を浸透させましょう。

私が在籍したマクドナルドには「お客様は神様」という概念はなく、顧客と接客する側は対等でありお互いを尊重するという考え方で接客させていました。顧客からのクレームに対してはただ詫びるだけでなく、何が問題化を明確にしていました。

私のクレーム対策の膨大な経験談を、マクドナルド時代のクレーム対策として執筆した岩波書店刊の「クレーム対策」がありますのでご参照ください。

全文HPに掲載しています。

以上

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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース

最新の情報は私のfacebookに掲載していますのでご覧ください。

https://www.facebook.com/toshiaki.oh

<日本外食ニュース>

柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。

 柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。

2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。

食べログフォロワー数5万人。

https://tabelog.com/rvwr/kotarokashiwabara

飲食業界ニュースまとめ #1533 2024/6/6

https://note.com/kassie/n/n63b7d16c2c34

飲食業界ニュースまとめ #1534 2024/6/7

https://note.com/kassie/n/nae072ea2032a

飲食業界ニュースまとめ #1535 2024/6/8

https://note.com/kassie/n/nb8216e726722

飲食業界ニュースまとめ #1536 2024/6/9

https://note.com/kassie/n/nf07e1aa2fdf1

飲食業界ニュースまとめ #1537 2024/6/10

https://note.com/kassie/n/nb2c5b496a33f

飲食業界ニュースまとめ #1538 2024/6/11

https://note.com/kassie/n/nef4959f6d4b5

飲食業界ニュースまとめ #1539 2024/6/12

https://note.com/kassie/n/n569f9828a098

みんなの経済新聞

https://minkei.net

日本食糧新聞社

https://info.nissyoku.co.jp

プロの視点(日本食糧新聞社)

https://news.nissyoku.co.jp/column

東洋経済オンライン 外食

http://toyokeizai.net/category/restaurant

フードスタジアム

http://food-stadium.com/

フードリンク

http://www.foodrink.co.jp/news/

フーズチャンネル

https://www.foods-ch.com/gaishoku

日本経済新聞

https://www.nikkei.com

流通ニュース

https://www.ryutsuu.biz

M&A NEWS 食品・外食

https://ma-times.jp/category/manews/food

日本能率協会展示会(FOODEX、HCJ他)

https://www.jma.or.jp/website/exhibition.html

リテールテック

https://messe.nikkei.co.jp/rt

<米国外食ニュース>

QSR マガジン

NRN紙

http://www.nrn.com/

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発行人:有限会社清晃 代表取締役 王利彰

編集:石川史子、金子佐和美

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このマガジンを発行する王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社有限会社清晃(せいこう)は、海外から日本に進出する外食企業、日本から海外に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズチェーン展開をする企業へのサポートを行っています。

日本の外食企業では、大手ファスト・フードの殆ど、大手居酒屋、大手ファミリーレストラン、大手ホテル旅館、大手食品メーカー、大手食品卸売業、サービス業等へのコンサルティングを行っています。

有限会社清晃(せいこう)業務内容

王利彰 経歴

ご質問、ご相談はeditor@food104.comにお寄せ下さい。

実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、

将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、

と思っている方にお勧めするのは、

関西国際大学人間科学部経営学科

http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

https://business-school.rikkyo.ac.jp

立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/

大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は

立教大学観光学部

杏林大学外国語学部観光交流文化学科

等で学ぶことをお勧めします。

https://www.rikkyo.ac.jp/undergraduate/tourism

http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/

王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会

http://saitekiken.jp/saitekichubo/

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