パネットーネ

南イタリア美食便り

11月にもなるとイタリアのクリスマスの伝統菓子、パネットーネが店先に並び始めます。日本でも輸入食品店などで見かけるようになりました。このパネットーネ、発祥はミラノと言われていますが、イタリア全土で親しまれています。美味しさを競うコンテストも毎年いくつかの団体で行われており、南イタリアの菓子職人が優勝したりもしています。

パネットーネ菌という特別なイーストを使ったパン菓子で、しっとりとした生地にレーズンやオレンジピールなどのキャンディドフルーツ入りが定番ですが、最近はチョコレート、塩キャラメルなどから砂糖がけのオリーヴの実やランパショーニというらっきょうのような野菜を入れた変わり種などヴァリエーションが増えてきています。

パネットーネはイタリアでは大手メーカーのものはスーパーマーケットやバール、手作りのものはパスティッチェリアと呼ばれるケーキ屋やパン屋で売られています。有名店ではインターネット販売もしています。大手メーカーのものと比べると老舗メーカーのこだわりのものは値段も味も格段の違いがあります。1kgのパネトーネが、7−8ユーロから50ユーロ以上とピンからキリまでです。

日本のイタリア料理店では自家製パネトーネを毎年作る店も増えてきていて「パネットーネ・ソサエティ」という協会もあるようです。

イタリアではクリスマスと同様に大事な祭日であるイースター(パスクワ)の伝統菓子にコロンバという鳩の形をしたパン菓子がありますが、実はこのコロンバとパネットーネ、形こそ違うものの生地はとてもよく似ています。両方とも賞味期限が2-3ヶ月と長いのが特徴。季節商品とはいえ10月からとイースターの4月頃まで半年以上はパネットーネかコロンバどちらかが手に入ります。イタリア人はこのシンプルなパン菓子が大好きなのです。シンプルだけど奥が深い、伝統と革新の味、パネットーネ。とてもイタリアらしいスイーツです。グラッパやくるみを使った食後酒ノチーノ、レモンチェッロなどと一緒に是非味わって見てください。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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