JR九州のラグジュアリークルーズトレイン「ななつ星 in 九州」。今年は開設10周年の記念の年でもあります。アメリカの旅行雑誌、「コンデナスト・トラベラー リーダーズ・チョイス・アワード」2023版では歴史ある有名なオリエンタルエクスプレスなどを差し置き3年連続1位獲得という栄誉を与えられています。客両7両、全スイートルーム10室乗客最大20名のために8名のクルーが乗車しています。
昨年の秋の車両構成やプログラムを大幅に改編し、よりエクスクルーシブに高価格になっています。1泊2日の九州周遊コース、3泊4日のテーマ別霧島コースと雲仙コースがあり、価格は最低でもおひとり様65万円、最高で170万円です。現在は当選確率は3-5倍と言われています。ちなみに歴代最高予約倍率はなんと316倍(2015年10月-2016年2月出発分)との事。
1泊2日、九州を一周するツアーでは朝、博多駅を出発して西九州の沿岸を鹿児島まで降り、翌日宮崎駅から東九州沿岸を延岡まで上りそこから内陸に入り大分、由布院駅を経由して、夕方博多駅着というプログラムです。
その行程中ほとんどが車内で豪華な空間とお食事、そして車窓の景色を楽しむことに重点を置いていることが感じられます。停車時間は短いところでは1分、長いところで1時間。1時間停車というのは食事のタイミングでのことで、ほとんどの駅では写真を撮るか、プラットフォームに設置されるななつ星だけのための特設物産品売店で急いで買い物をするか、のどちらかです。まさに主役は乗車体験そのものという事でしょう。
降車して駅の外を散策するプログラムは2か所しかないのですが、そのうち一つがなんと我が佐伯で行われます。参加者は佐伯最大の海鮮市場への買い物、もしくは造船工場見学のどちらかに分かれ、駅に用意された豪華な専用バスに乗り込みます。電車到着から出発まで1時間弱と短い時間ではありますが、佐伯を象徴する目的地が駅直近にあることは幸いです。
ということで、佐伯市観光協会の職員と地元物産の生産者は交代で毎週土曜日の朝、お迎えに上がるのです。
先日は乗客名簿にニュージーランド国籍の方が4名との事前連絡があったので、インバウンド担当のわたくしもお迎えに出ました。海鮮市場でのお買い物のお手伝いをして佐伯市宇目地区特産の和栗を使ったジャムと大分名産カボスを使ったお菓子をお買い上げいただきました。
多くの乗客が感動すると言う列車が見えなくなるまで手を振ってお見送りする日本特有の「儀式」にも佐伯市の観光キャンペーン「浦100」のハッピを着て参加しました。乗客のインバウンド客率は今のところそう高くはなく毎週お呼びがかかる訳ではないのですが、今後増えることも多いにあると思います。
「乗り鉄」の究極の夢と言えるのかどうか、鉄分の少ないわたくしにはわかりませんが、優雅な海外旅行へも十分行ける値段の豪華寝台列車、「ななつ星 in 九州」。サービスを含めその乗り心地を是非一度体感してみたいものです。
ななつ星 in 九州