佐伯のスーパーに行って、まず驚いたのは地元産の魚の種類の多さと安さです。佐伯の魚の美味しさには定評があり、大分市からわざわざ1時間以上かけて佐伯にお寿司を食べに来る人もいるとのこと。ですが、スーパーで売っているお刺身の質もとても高いです。
そして鶏肉売り場が広い、色々な部位が売っている事。生食用の鶏肉も売っているのにはびっくりでした。鶏肉料理専門店も多くあり、生食は極一般的で抵抗ないようです。
あともう一つは、醤油。九州もしくは大分のメーカーが数社あり、商品のバラエティも甘味の強さによって色々とあること。関東の大手メーカーの商品も隅の方に並んでいますが、存在感が薄いです。関東育ちの私は味比べをするためにも九州醤油と関東醤油の2種類を入手しました。
地域性豊かな品揃えは楽しくなります。素材の良さはもちろんですが、調味料や出汁の味の違いは、料理の最も基本的な部分。慣れ親しんだ味を一番美味しく感じるものでしょう。とはいえ、世界共通に美味しいものは美味しい、というのも真理。まだ知らない美味しさはたくさんあるに違いありません。
プーリアのオリーヴオイルたっぷりの料理に慣れ親しんだ私は、当然我が家のオリーヴオイルを自炊用に持って佐伯に来ました。分厚い佐伯流のお刺身を甘めのお醤油で食べるのも美味しいですが、新鮮な生魚を薄くカルパッチョにして適量のオリーヴオイルとレモンで食べるのも美味しいに決まっています。
が、こちらでまだその様に供される店に行ったことがありません。美味しいオリーヴオイルを普及する余地があり過ぎます。オリーヴオイルも醤油同様地域性があります。イタリア国産オリーヴオイルの40%以上がプーリア産ですから、当然プーリアの郷土料理はで地元産のオイルをたっぷり使います。
自然に恵まれ新鮮な食材が豊富なところは九州と共通していますから、美味しいオリーヴオイルさえあれば九州でプーリア料理が出来るのです。
プーリア産のオリーヴオイルは樹齢数百年という巨木から採れる実があってこその味ですが、そのマイルドさは、素材の味を生かすために適していると考えています。オリーヴオイルそのものを楽しむというより素材との相性が重要だと思うのです。
佐伯の休耕地にオリーヴを植えようと言う話をしている人にも出会いました。これから植える木がたくさん実をつけるようになるまで時間はかかりますが、佐伯産のオリーヴオイルを使ったカルパッチョを食べられる日が来ることを夢みるのも楽しいものです。