車の安全性

レストランチェック

 前回セレナC-28(6代目)e-power ルキシオン のお話をしました。その調べ物をしていたら自動車の安全性への取り組みが物凄く進歩していることがわかりました。自動車の安全性を突き詰めると自動運転車ですね。自動運転車への取り組みは大きな将来のビジネスで、各国は国を挙げて取り組んでいます。

 自動車の安全対策のきっかけは1960年代の米国です。当時はヨーロッパの車が米国でも人気で、特にドイツのVW社のビートルが人気でした。カブトムシのようなかわいいデザインで、空冷のエンジンをリアに積んだモデルです

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 この人気に目を付けた米国GM社はビートルをまねたヨーロッパ風の車シボレー・コルヴェア(Chevrolet Corvair)を販売して人気となりました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%A2

 デザインはちょっと異なりますが、ビートルより大型でモダンなデザインですが、ビートルのように空冷のエンジンをリアに積みました。ビートルのサスペンションも真似しましたが、米国人好みのソフトなものにしました。サスペンションのスイングアクスルは乗り心地が良いのですが、カーブでブレーキを踏むと後輪が逆ハの字になり、接地性が悪くなり、リアが外に流されスピンしたり横転します。

コルベアは重量が重くサスペンションも柔らかいので、横転事故を多発しました。それを見た、環境問題、消費者の権利保護問題や民主化問題に携わっている弁護士のラルフ・ネーダー(Ralph Nader)は批判しました。

1965年、彼はUnsafe at Any Speed:The Designed-In Dangers of the American Automobile(どんなスピードでも自動車は危険―アメリカの自動車に仕組まれた危険)において、アメリカの乗用車の欠陥を指摘し全米に衝撃を与えたのです。

アメリカの自動車産業がシートベルトなど安全装置の導入に抵抗し、安全性向上のための投資を渋っていると述べ、特にゼネラルモーターズの空冷リアエンジン車「シボレー・コルヴェア」に欠陥が多いと告発したのです。

ラルフ・ネーダー

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC

 では日本の車安全の歴史を見てみましょう。

車ニュース では以下のように述べています。

安全技術を大きく分けると、事故が起きてしまったときに人体の影響を最小限に抑えるパッシブセーフティ(受動的安全)と事故を未然に防ぐアクティブセーフティ(能動的安全)の二つに分かれます。

パッシブセーフティで要となるのが自動車のボディです。かつては『全てが頑丈なのが安全』だといわれていましたが、1953年に登場したメルセデス・ベンツ「180シリーズ」は、キャビン部は強固、エンジン部&トランク部は潰れやすい『衝撃吸収構造』を世界初採用。

これ以降、この構造はクルマ全体の基本技術として世界に広まります。日本車も以前から研究・開発を行なってきましたが、今ほど重要視されていなかったのも事実でした。

しかし、その流れが大きく変わったのが1993年1月の『道路運送車両法の保安基準』の改定で、1994年4月以降の新型車には前面衝突試験が義務付けられたことです。これは、1980年代後半から1990年にかけてクルマの販売台数が大きく伸びた一方で、死亡事故も比例して増えたことに危惧した国が動いたのです。

 各自動車メーカーは、自動車の正面衝突に加えて、車体の一部分のみに負荷が加わり変形量が非常に大きいとされるオフセット衝突。さらには側面衝突における乗員保護性能と生存空間を確保する『衝突安全ボディ』を導入し、この開発のために解析技術も大きく向上したといわれています。

 ちなみに多くのモデルは、副次的効果として走行性能もレベルアップしており、国内自動車メーカーが『車体剛性』に注力するキッカケにもなりました。

また、衝突安全基準は年々厳しくなっており、2018年6月15日以降に発売される新型車については、側面ポール衝突試験も導入されています。今後はさらなる衝突安全性能を確保するためにもクルマが大きくなるのはやむを得ないかもしれません。

 安全装備のなかで、基本中の基本となるのがシートベルトです。今でこそ装着が当たり前のシートベルトも、日本で一般道での前席シートベルトの着用が義務化されたのは1992年(平成4年)になってからです。

 黎明期は2点式が一般的でしたが、1959年にボルボが3点式シートベルトを発明し特許を取得。しかし『安全は独占されるべきではない』と特許を無償公開しました。以降、多くの自動車メーカーが採用し、世界中でこれまでに100万人以上の命を救ったそうです。

 年々進化を遂げ、急ブレーキや衝突などで急な動きのときはロックして乗員の体を固定する『緊急ロック式巻き取り装置(ELR)』は1987年に義務化。さらに衝突を検知した時点で強制的にシートベルトを巻き取る『プリテンショナー機構』は、1990年登場の初代「レジェンド」が国産車初採用しました。

 また、拘束力を一定レベルに保ちながらシートベルトを少しずつ緩めることで乗員の胸部に加わる衝撃を緩和させる『フォースリミッター機構』は1996年登場の8代目「マークII」三兄弟(チェイサー/クレスタ)が国産車初採用されています。

 シートベルトと並び、今では安全装備のデフォルトとなっているSRSエアバッグシステムが日本で初めて標準装備されたのも1989年(平成元年)、初代トヨタ「セルシオ」でした。

 その後、助手席エアバッグ(1990年登場の2代目ホンダ「レジェンド」)、シートサイドに内蔵のサイドエアバッグ(1996年登場の3代目日産「シーマ」)、ルーフライニングに内蔵のカーテンシールドエアバッグ(1998年登場のトヨタ「プログレ」)。

 ほかにも、インパネ下部に内蔵のニーエアバッグ(2002年登場の3代目トヨタ「カルディナ」)、シートベルトエアバッグ(2010年登場のレクサス「LFA」)、歩行者保護エアバッグ(2016年5代目スバル「インプレッサ」)など、さまざまなタイプが登場しています。

 ただ、エアバッグはあくまでも補助拘束装置(SRS=Supplemental Restraint System)であり、シートベルトをした上で効果があるシステムであることを忘れてはいけません。

 ちなみにエアバッグは海外では義務化されている国もありますが、じつは日本では義務化はされていません。運転席/助手席エアバッグに関してはほぼ採用済みとなっていますが、サイドエアバッグに関してはまだオプション設定のモデルが多いのも事実です。

しかし、前出の側面ポール衝突試験の実施により、今後は事実上義務化の流れになっています。

 衝突安全ボディ、シートベルトの義務化、エアバッグの装着率アップにより、自動車乗車中の死亡事故は2001年以降一貫して減少していますが、近年では減少幅が縮小しているのも事実です。

 そこで注目されているのが、「事故を起こさないための技術」になります。研究・開発は以前から進められていましたものの、普及するようになったのは平成に入ってからです。

 その代表が急ブレーキ時でもタイヤのロックを防ぐABS(アンチロックブレーキシステム)でしょう。後輪のみは古くから採用例がありますが、4輪ABSとなると世界初採用は1978年に登場の初代メルセデス・ベンツ「Sクラス」へのオプション、日本初採用は1982年に登場の2代目ホンダ「プレリュード」へのオプション、標準装備は1983年登場の7代目トヨタ「クラウン」でした。

 初期のABSは、制御が荒く制動距離も伸びてしまうことから疑問視の声もありましたが、緻密な制御や車両状態を計測するセンサーの進化も相まって、今ではモータースポーツでも使えるレベルになっています。

ABSの進化を支えたのはクルマと同じように平成に入って飛躍的に向上したコンピューター、つまり「制御技術」と「タイヤ」の進化になります。

 このABSと発進・加速時のタイヤの空転を防止させる、TCS(トラクションコントロール)を統合制御して車両姿勢の乱れを安定させる装置が車両挙動制御システムです。

 各メーカーによって名称は異なりますが、基本的な構造や効果はほぼ一緒になります。ブレーキ主要メーカー3社は一般名称として、ESC(Electric Stability Control)を提唱しています。

 世界初採用は、1995年に登場の3代目メルセデス・ベンツ「Sクラス」、日本初採用は1995年に登場のトヨタ「クラウンマジェスタi-FOUR」でした。

当初は『お仕置き制御』と呼ばれ不評でしたが、ABS同様システムの進化により、今では高性能モデルの中にはESC-ON時のほうがサーキットでのラップタイムが良いという事例もあるそうです。日本において、新型生産車は2012年(軽自動車は2014年)から、継続生産車は2014年(軽自動車は2018年)から装着が義務化されています。

 さらに、その認知度を大きく高めたのは、2010年に5代目スバル「レガシィ」に採用された『アイサイト(バージョン2)』でしょう。『ぶつからないクルマ?』というキャッチコピーはもちろん、それまで高価だったシステムを約10万円という戦略的な価格設定が功を奏して『ユーザーは安全にお金を払わない』という定説を覆しました。

その後、ほかの自動車メーカーも積極的にプリクラッシュブレーキシステムの展開を行なっているのはいうまでもないでしょう。

 前車との車間距離を維持しながら追従走行を行なう『アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)』も快適装備と思われがちですが、ドライバーの運転負荷を軽減するという意味では安全装備の一つです。

 また、最近ではスバルの『アイサイト・ツーリングアシスト』やトヨタの『レーントレーシングアシスト』、日産の『プロパイロット』、ホンダの『LKAS』のように、ACC作動時にハンドル操作をアシストし同一車線内を走行できる機能なども用意されています。

 さらにプリクラッシュセーフティシステム以外にも側方、斜め後方、後方と360度をカバーする運転支援システムも次々と採用されはじめているのです。

 このように、クルマの安全性能は平成の30年の間に飛躍的にレベルアップしてきたものの、残念ながら大きく普及するようになったキッカケは自動車メーカーの積極的なアピールよりも法規制対応に合わせて……という部分が大きかったのも事実でしょう。

恐らく、当時は安全の事は解っていながらも、ビジネス的な問題(=販売価格の上昇)との葛藤があったのも否めません。

 昨今、注目を集めているのが『プリクラッシュセーフティシステム』です。ミリ波レーダーやカメラ、赤外線レーザーなどのセンサーにより、前方車両の接近や障害物を検知すると警告もしくは自動的にブレーキをかけ、衝突を回避もしくは被害の軽減を図る機能です。

 世界初採用は2003年に登場の2代目トヨタ「ハリアー」ですが、『自動でブレーキを掛ける』という機能を持つのは同年に登場した4代目ホンダ「インスパイア」です。当初は装置の過信を心配して完全停止は規制されていましたが、2009年にボルボが「XC60」の日本導入の際に国交省を説得して規制は撤廃させました。』

 さて車ボディの衝突安全はどのように変化していったのか、動画を見てみましょう

で古い車と最近の車の衝突画像を見れます。

1959年のChevrolet Bel Airと2009年のChevrolet Malibuの比較

1997年製のRover 100と2017年製のHonda Jazzの比較

 この動画は1959年製のChevrolet Bel Airと2009年製のChevrolet Malibuを衝突させた実験の動画です。50年前に製造されたChevrolet Bel Airの耐久性能はとても低く、今回の衝突実験では2009年製のChevrolet Malibuと比べて無残な姿となってしまっています。長いボンネットも潰れてしまい運転席は完全に押しつぶされてしまっています。

対してChevrolet Malibuはそこまでひどく損傷しているようには感じられません。

先ほどの1959年製のChevrolet Bel Airと2009年製のChevrolet Malibuの比較では50年の差を感じられる結果となりました。ではここ最近の20年間ではどのような違いが生まれてくるのでしょうか。

1997年製のHonda Jazzと2017年製のRover100を衝突させて20年という月日は衝突安全性能にどのような変化をもたらしているのかわかります。1959年と比べて衝突安全性能が高くなっていますが1997年のRover100ではまだ運転席が潰れてしまっています。そのためエアバッグが作動していても室内まで衝撃が伝わりそのまま潰されてしまっているので安全とはまだ程遠い印象です。

1959年から40年近い年月が経っていますがそれでも運転席などの室内の安全が守られていると言いがたい状況です。それに対してHonda Jazzはぶつかった際に前方だけではなく左右にもエアバッグが展開して乗員を守っています。

またHonda Jazzの車内は衝突の力に負け潰れることはなく原形をとどめています。このように20年で自動車の衝突安全性能はかなり向上しました。

 衝突安全性能の向上をさせるにはまず室内が潰れてしまわないようにする必要があります。そのためにボディー構造を見直し設計していましたがそれだけでは乗員の衝撃を和らげられませんでした。

自動車が衝突した衝撃から乗員を守るために開発されたのがエアバッグです。1990年以前ではエアバッグ搭載車自体が少なく衝突した際乗員の安全は守られていませんでした。エアバッグの登場で衝突安全性能は向上し多くの人の命を救ってきました。

しかし自動車の乗り方ひとつ変わるだけでもエアバッグの効果がなくなってしまいます。そのため安全の面から考えてもきちんとシートベルトを締めて正しい乗り方を心がけましょう。

日本車の衝突時の安全性については

https://www.nasva.go.jp/index.html

をご覧ください

日産セレナの評価等の評価画像は

です

 シボレー・コルヴェア(Chevrolet Corvair)事故のきっかけに米国で自動車への安全対策が始まりました。最初はシートベルト、次にエアーバッグ等の車両事故時の乗員保護でした。次に車自体の構造になり、衝撃吸収ボディ等の開発を行い始めました。次に車の挙動に注目し、ブレーキの強化、ディスクブレーキ、アンチロックブレーキ、などが開発されました。

 15年ほど前まではADASという言葉で自動車交通安全に取り組んでいました。ADAS とは

「Advanced Driving Assistant System」の略称です。読み方は「エーダス」、自動ブレーキ装置や急発進防止装置などを含む先進運転支援システムのことです。

 それが現在ではASV advanced safety vehicleと呼ぶ取り組みになっています。

ASFとADASです。ちょっと見てみましょう。

の記事では

先進安全自動車「ASV」のADAS技術、徹底まとめ!自動運転につながる重要技術

国土交通省、理解促進へ資料を公表

安全運転を支援するため先進技術システムを搭載した先進安全自動車「ASV」(Advanced Safety Vehicle)。そこで搭載されているADAS(先進運転支援システム)技術はいずれも、将来の自動運転技術につながる重要な技術であると言える。

そんなASV技術について国土交通省は2020年12月23日までに、それぞれの技術の概要をまとめ、資料として公表した。この記事ではその中から主要な技術を取り上げ、紹介していこうと思う。

▼主要なASV技術の概要

https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/01asv/resourse/data/asvtechnology.pdf

■乗用車のASV技術

AFS(配光可変型前照灯)

夜間走行時、カーブや交差点などで進行方向の視認性を向上するため、走行状況やハンドル角、方向指示器などの運転操作に応じ、前照灯の配光や照射範囲を自動的に制御する機能だ。

ふらつき警報(ふらつき注意喚起装置)

運転者の居眠りや疲労などによる事故を防止するため、低覚醒状態に起因する挙動を検知し、運転者に注意喚起する機能だ。

車間距離警報(車間距離警報装置)

前方車両への追突事故の防止のため、前方の車両との車間距離を検知し、そのまま走行した際に衝突の可能性が高いと判断された場合に、運転者に衝突を回避するよう警報する。

車線逸脱警報(車線逸脱警報装置)

走行車線からの逸脱を防止するため、走行車線を認識し、車線から逸脱した場合、あるいは逸脱しそうになった場合には、車線中央にハンドルを戻すよう警報する機能だ。

衝突被害軽減ブレーキ(前方障害物衝突被害軽減制動制御装置)

前方の障害物への衝突防止と、衝突時の被害を軽減するため、前方の障害物との距離と相対速度を検知し、そのまま走行すれば衝突の可能性が高いと判断した場合には運転者に衝突を回避するよう警報する。衝突が避けられないと判断した場合には自動的に制動装置を制御する。

全車速ACC(全車速域定速走行・車間距離制御装置)

全車速域において一定速度で走行する機能、および車間距離を制御する機能を持った装置だ。

レーン・キープ・アシスト(車線維持支援制御装置)

走行車線を認識し、走行車線の中央付近を維持するよう操作力を制御する。車線から逸脱しそうになった場合には、運転者が車線中央に戻す操作をするよう警告する。

パーキング・アシスト(後退時駐車支援制御装置)

後退駐車時、運転者が設定した目標駐車位置付近へハンドルを自動制御して後退駐車を補助する。

急ブレーキ連動シートベルト(緊急制動時シートベルト巻き取り制御装置)

衝突の際、乗員の拘束性能を高めて乗員被害を軽減するため、ブレーキの踏み込み速度などから、緊急制動と判断した場合にはシートベルトを巻き取る機能。

リアビークル・モニタリング・システム(後側方接近車両注意喚起装置)

車線変更時の後側方車両との衝突を防止するため、後側方車両を検知して情報提供を行う機能で、運転者が車両接近方向へ方向指示器を操作した場合には注意喚起を行う。

エマージェンシー・ストップ・シグナル(緊急制動表示装置)

高速走行時に急ブレーキをした際、ストップランプまたはハザードランプを高速点滅させて、後続車両への注意を喚起する。

低速域衝突被害軽減ブレーキ(低速度域前方障害物衝突被害軽減制動制御装置)

低速走行時における先行車などの前方障害物への衝突防止、また衝突時の被害を軽減するため、低速走行時に先行車などの前方障害物を検知し、衝突の危険性が高いと判断した場合に自動的に制動装置を制御する。

ペダル踏み間違い時加速抑制装置

間違ってアクセルを踏み込んだ際、障害物への衝突が予測される場合に、エンジンの出力制御やブレーキ制御などによって急発進・急加速を抑制する機能だ。

アダプティブ・ハイビーム・システム(自動防眩型前照灯)

前方の先行車、対向車、対向自転車を検知し、眩しさを与えないようヘッドライトの照射範囲を可変制御して部分遮光することにより、ハイビーム同等の視界を確保する機能だ。

リアクロストラフィック・アラート(後退時接近移動体注意喚起・警報装置)

後退時に左右方向から接近してくる車両などを検知し、運転者に注意喚起もしくは警報を出す機能だ。

リアクロストラフィック・オートブレーキ(後退時接近移動体衝突被害軽減制動制御装置)

後退時に左右方向から接近してくる車両などを検知し、衝突の危険性がある場合は、衝突回避または被害軽減のために、自動的にブレーキを制御する機能だ。

ブレーキ付周辺ソナー(低速度域車両周辺障害物衝突被害軽減制動制御装置)

駐車時や渋滞時などの低速走行時に車両周辺の障害物を検知して、衝突の危険性がある場合は、衝突回避または被害軽減のために制動制御する。

後退時衝突被害軽減ブレーキ(後方障害物衝突被害軽減制動制御装置)

後退時に、後方の障害物への衝突防止あるいは被害軽減のために、自動的に制動ブレーキを制御する。

路外逸脱抑制機能(路外逸脱抑制装置)

クルマが車線をはみ出しそうになるのを防ぎ、車線内へ戻す、またはそれ以上逸脱させないように支援する機能だ。

エマージェンシー・ドライビング・ストップ・システム(ドライバー異常時対応システム)

運転者の体調の急変により、運転の継続が困難になった場合など、運転者の異常を検知し、事故の回避や被害軽減を図るため、車外に報知するとともに自動的に減速、停車制御し、運転者に代わって車両を停止させる。

衝突被害軽減ステア(前方障害物被害軽減操舵制御装置)

前方の障害物への衝突防止と衝突時の被害軽減のため、障害物との距離や相対速度、横位置を検知し、そのまま走行してブレーキ制御だけでは衝突が避けられないと判断した場合、操舵装置を制御する機能だ。

レーン・チェンジ・アシスト(車線変更支援制御装置)

車線変更時、操舵制御して車線変更を補助する装置で、運転者の車線変更意志により隣接車線へ移動するためのハンドル操作を制御する機能だ。

通信利用型運転支援システムV2X(信号情報活用運転支援機能装置)

信号ジレンマにおける運転者の急激な加減速を未然に防止するため、通信で取得した情報と自車の情報を車載機で処理し、次に通過予定の信号情報を画面に表示する装置だ。

先行車発進お知らせ機能(先行車発進注意喚起装置)

後続車からの追突を防止するため、先行車が発進した後に自分の車が一定時間停止し続けた場合、運転者に先行車が発進したことを情報提供する。

交通標識認識システム・標識認識機能(道路標識注意喚起装置)

道路標識の見落としによる事故を防止するため、走行中にカメラ等などで道路標識を検知、その情報を運転者に提供する。また、制限速度の超過なども運転者に注意喚起する。

フロントクロストラフィックアラート(前側方交差接近移動体注意喚起・警報装置)

前進時に左右方向から接近してくる車両などを検知し、運転者に注意喚起もしくは警報する。

運転者監視システム

運転者の顔などを認識し、わき見や居眠りなどの危険運転を防止する機能で、過労運転または前方不注意に対して注意喚起を行うためのものだ。走行中、一定時間以上目を閉じていたり、顔の向きを前方から大きく外したりするなど、ドライバーに眠気や不注意があるとシステムが判断した場合、警報音や警告表示で注意喚起する。

■トラック・バスのASV技術

後側方カメラ(後側方視界情報提供装置)

車両の後側方や側方の見えにくい領域の安全確認を補助するため、車両の後側方および側方の視界を撮影し、車室内の表示装置に画像を表示する機能だ。

ESC(車両横滑り時制動力・駆動力制御装置)

車両が横滑りしたときの横方向安定性の向上や、転覆の可能性を低減させるため、エンジン出力や制動力を制御する機能だ。

巻き込み警報(側方衝突警報装置)

左折巻き込み事故、左車線変更時の側方の衝突事故防止のため、側方の車両や自転車を検知して、車両の通過範囲を予測し、衝突の可能性が高いと判断した場合には運転者に衝突を回避するよう警報する機能だ。

統合型速度抑制装置(統合制御型可変式速度超過抑制装置)

重量車の速度超過の防止を支援するため、運転者が設定した速度以下にエンジン・リターダーなどの複数の機能を統合的に使用して統合制御する機能だ。

 日本では各省庁が自動車安全にばらばらに取り組んでおり、使っている言葉も多くわかりにくいですね。ちょっと見てみましょう。

 以上のシステムはセレナC-28(6代目)e-power ルキシオンのほとんど装備されていました。その他のメーカーも装備を進めていますが、メーカーにより装備の呼び名が異なるのでわかりにくいですね。

<車のニュース メーカーによるASV 名称の違い>

によると

『2020年2月現在、国産メーカーがラインナップする予防安全装備の名称は、以下のとおりです。

●トヨタ:Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)

●ホンダ:Honda SENSING(ホンダセンシング)

●日産:インテリジェント エマージェンシーブレーキ

 ※衝突被害軽減ブレーキ機能の名称

●マツダ:i-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)

●三菱:e-Assist(イーアシスト)

 ※MI-PILOT以外の予防安全機能の総称を指す名称

●スズキ:Safety Support(セーフティサポート)

●ダイハツ:SMART ASSIST(スマートアシスト)

続く

王利彰(おう・としあき)

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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