新生フラッグキャリアーのITAエアウェズ

南イタリア美食便り

東京の蒸し暑さを抜け出して4週間ぶりにプーリアの我が家へ戻ってきました。

今回は今年からやっと就航した羽田-ローマ直行便を使いました。アリタリア航空が破綻して新しく国営のITA エアウェイズ(イータエアウェイズ)として再出発した後コロナ禍の3年間延び延びになっていた路線です。

東京滞在中は外国人観光客の多さに目を見張るほどでしたが、それを反映するように帰りの便の乗客もイタリア人以外にもスペイン人やフランス人の家族連れが目立ち、日本人は少数派、ほとんど満席の賑わいでした。

更に定刻で出発かと思いきや乗客の搭乗が終わってドアが閉まってから、「中国上空の航路が渋滞しており出発が1時間遅れます。」という機長からのアナウンス。これも世界中の人々が動き出していることを反映する状況と言えるのかと思いました。

新生フラッグキャリアーのITAエアウェズですが、機体を緑、白、赤のイタリア三色旗の色からオリンピックなどの際スポーツのナショナルチームの色であるアズーロ(空色)に塗り替えてイメージチェンジを図っても経営や運営などの内情は以前とさほど変わっていないようで、早くも国営から民営へ移行する噂が立っています。

コロナ禍や戦争の影響で航空会社の大改革は難しい時期であることには違いありません。エコノミークラスの機内食の質の低下は惨憺たるもので美食の国イタリアの航空会社としてはいかがなものかと思いますが、そんなことを気にしてはいられない状況なのかと想像します。

日本からプーリアにあるバーリ、ブリンディジの二つの国際空港までは最短でも一度はどこかでトランジットする必要があります。

それがローマであろうとフランクフルトであろうとまたはイスタンブールであろうと1回のトランジットで待ち時間にそれほどの違いがなければどこでも良いのですが、乗り継ぎの際、想定できる遅延などの事を考えると同じ航空会社の方が安心感があります。

もっとも以前と比べるとスーツケースが着かなかったり、壊れていたりというトラブルはほとんどなくなりました。費用や待ち時間など色々な要素を鑑みて私の場合、結局ローマ経由が一番便利という結論です。これはかれこれ25年間以上変わりません。

ローマ直行便のなかったコロナ禍の3年間はブリンディジーチューリッヒー成田というスイス航空便を使っていましたが、こちらは季節のよってチューリッヒーブリンディジ(またはバーリ)便の乗り継ぎに一泊要する場合もあることを除けば悪くありません。むしろ乗り継ぎの際の空港内の移動はローマよりスムーズで楽と言えます。

ここしばらくの円安で日本人にはまだ海外への出控え感がありますが、来年は是非プーリアへ行きたいという声も多く聞くことができました。そんな方々のご参考になれば嬉しいです。

今回はローマ着が遅れて乗り継ぎに間に合うかドキドキでしたが、ブリンディジ便も運よく1時間ほど出発が遅れ無事同日に家まで辿り着くことができました。最後に積み込まれたであろうスーツケースも一番先にベルトコンベアーから出てきてラッキー、中に入れた日本酒やウイスキーも無事で何よりでした。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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