ガンベロロッソというのはイタリアのグルメ本を出している出版社のこと。毎年秋に発表されるレストランガイド、ワインガイドの格付けにはイタリア国内外で評価に注目が集まります。イタリア国内でイタリアンに関してはミシュランよりも詳しく信頼も厚いと言えます。
ちなみに「ガンベロロッソ」とは「赤いエビ」という意味。
国民的童話「ピノッキオ」の中でネコとキツネが食事をする料理店の名前からとったとのこと。レストランの場合は星ならぬフォーク(イタリア語でフォルケッタ)、ワインの場合はグラス(ビッキエリ)の数で評価が付きます。
昨日は、六本木のミッドタウンにあるリッツカールトンホテルで、2023年度版でトレ・ビッキエリ(グラス3つ=最高評価)を獲得したワインの試飲会がありました。
今年は3年ぶりの開催、海外からの来日も可能になり多くのワイナリー関係者が来日し日本のレストラン関係者からの期待も高まり大盛況と言える結果になりました。参加したワイナリーは84社、そのほとんどが既に日本にも輸入されておりますが、日本未輸入のワイナリーも7社ほどありました。プーリアのワイナリーでは今回参加7社のうち1社が現在未輸入でした。
全体的にはトスカーナ州のワイナリーが21社と州別では一番多く、ピエモンテ、ヴェネト、ロンバルディアなど北部合計40社、ラツィオ、ウンブリア、マルケなど中部が5社、
シチリア、サルデーニャを含む南部は合計で19社です。プーリアのワイナリーは南部では一番多く参加しています。
この数が何を表すかと考えると色々なことが思い浮かびます。一つはやはりトスカーナはマーケティング力は突出してるということ。次に南のワインが伸びる余地はまだまだあるなということ。そして良いワインがたくさんあるのに日本では一般的には認知度の低いモリーゼやウンブリアなど中部のワインの今後の可能性です。
試飲会と同時にワイン上級者向けのセミナーも開かれましたが、北部のワインについてのものがほとんどで南部のワイナリーはまだまだこういった啓蒙運動に積極的ではないことが個人的にはもどかしい気持ちになりました。