マックのマニュアル その17

レストランチェック

 イヤー暑いですね。私の家は24時間エアコンを使わざるを得ません。そうなると心配なのはこのエネルギー価格の高騰による、電気、ガスの料金高騰ですね。

 直営店舗の多いマクドナルドはエネルギーコントロールを徹底しています。他社は案外エネルギーコストを意識していません。

 エネルギーコストで一番高いのはエネルギー消費の多い空調に使う電気です。40年ほど前に米国駐在から帰り、統括SVとして関西に赴任し、最初にぶつかったのが店舗のエアコンの機器の清掃性の悪さです。

よくよく調べたら、天井内に格納するエアコン本体を清掃していなかったのです。事務所用の設計のエアコンを、導入したので厨房の調理の油煙が詰まっていたのです。そこでSVに原因を追究させ、清掃させたところ、涼しくなっただけでなく、電気代が大幅に減少したのです。それ以来エアコンの清掃マニュアルを作り、外部清掃業者による清掃を行うようにしました。

 もう一つの問題は当時の設計業者が、店舗面積当たりの空調負荷をきちんと設定していなかったので、冷却能力不測の問題がありました。

新店舗は空調負荷をきっちりと計算させ改善したのですが、空調設備の交換が必要な旧店舗は困ります。そこでエアコンの外部室外機冷却エバポレーターを水噴霧で冷やすようにしました。また外部室外機エバポレーター周囲の空気の流れが干渉しないように注意し、置き換えるようにして大幅な冷却効果を得ました。

 また店舗客席への太陽光が直接入らないようにブラインドを設置する基準に変えました。客席照明も明るく感じるように、温白色電球に変更しました。

 案外水道をきちんとコントロールしない例が多いのですが、飲食店の店舗では水冷の冷却機器に水を大量に使います。業者は設置するとき冷却トラブルを恐れて、冷却水を必要以上に流します。そこで機器を設置するときに機器により異なる冷却ガスに最適の設定にさせ、その時の水温を計測させ、大幅な水道料を削減しました。

 またそれ以後、水冷機器を減らし。店舗室内への温度を影響しないように、空冷の機器で室外機を建物外部に設置するようにしました。

 部下への教育でエアコンの電力量を大幅に低下させた経験談

 以下はマニュアルのエネルギーマネージメントです。

第27章 エネルギーマネージメント

目次

第1節 イントロダクション ………………………………………………………… 609

第2節 エネルギーマネージメントシステム ……………………………………… 609

第3節 ベースラインの設定 ………………………………………………………… 609

第4節 電気使用量の記録 …………………………………………………………… 610

第5節 ガス使用量の記録 …………………………………………………………… 610

第6節 ウィークリーのエネルギー使用量の記録 ………………………………… 610

第7節 水の使用量 …………………………………………………………………… 611

第8節 ドットシステムの使用 ……………………………………………………… 611

第9節 ファイヤーアップスケジュール …………………………………………… 612

第10節 電気及び水の使用量のコントロール ……………………………………  612

第11節 空調設備 ……………………………………………………………………  613

      調整テクニック メインテナンステクニック ON-OFFテクニック

第12節 冷却ユニット ………………………………………………………………  615

      調整テクニック メインテナンステクニック ON-OFFテクニック

第13節 プロダクションシステム …………………………………………………  616

      調整テクニック メインテナンステクニック ON-OFFテクニック

第14節 照 明 ………………………………………………………………………  618

      調整テクニック メインテナンステクニック ON-OFFテクニック

第15節 ウォーターシステム ………………………………………………………  618

      調整テクニック メインテナンステクニック ON-OFFテクニック

第16節 建 物 ………………………………………………………………………  619

*エネルギーサーベイ ………………………………………………………………… 620

第1節 イントロダクション

 この章は店舗で消費するエネルギー(電気・ガス)と水の量をコントロールすることにより、プロフィットを増やすにはどうしたらよいかを示すことを目的としています。

 エネルギーはますます高価なものになってきています。そしてエネルギーのコストが上昇してくると、利益率を守るためには必然的に消費量を減らさなくてはなりません。

 もちろんエネルギーを使わずに店舗運営をすることはできません。エネルギーは必要不可欠な”原材料”なのです。エネルギーは電気、天然ガス、都市ガス、LPガスという形で店舗に入り、完成品、気持ちの良い環境というビジネスの成功に欠くことのできないものに変えられます。

 エネルギーは、他の原料と同様に効率よく使用することもできれば無駄にしてしまうこともあり、無駄に使われたエネルギーはプロフィットの損失につながります。ですから、正しいエネルギーマネージメントの方法を学ぶことは意味があり、店舗にとって大いに役立つことです。

◆エネルギーのチェックを行う

 この章の最後にエネルギーサーベイというチェックリストが出ています。マネージメントチームはエネルギーツアーを定期的に(6ヶ月ごと、冷房開始時期、暖房開始時期)実施しなくてはなりません。

 その結果、問題が発見された場合は、それを解決し、また作成したエネルギーサーベイの用紙は店舗のエネルギーの使い方に関する情報として、いつでも見ることができるように保管しておかなくてはいけません。

 店舗で最近実施したエネルギーサーベイの用紙を見てください。まだエネルギーサーベイが行われていない場合は、あなたがはじめに行ってください。

エネルギーサーベイを行うと、これまでにエネルギーマネージメントとしてどのようなことが行われてきているか、それはどれだけうまく行われたか、よいエネルギーマネージメントを行う上で、どのようなエクイップメントが重要か、また店舗にエネルギーに対するアウェアネスがどれくらいあるかがわかります。

更にどこでエネルギーが無駄になっているかを確認し、エネルギーコストをできるだけ抑えるために無駄にしないようにすることができます。

第2節 エネルギーマネージメントシステム

 エネルギーは他の原材料と同様にインベントリーが可能です。エネルギーサーベイからわかるように店舗では傾向を見るためにエネルギーの使用量を測定し、その年の使用量と前年の使用量を比較するプログラムを定期的に実施していく必要があります。

 エネルギーを測定するための単位は、電気の場合「キロワット時(kwh)」、またガスと水は「立方メートル」で表されます。

第3節 ベースラインの設定

 エネルギーの使用量をトラッキングするにあたり、まずウィークリー使用量比較表(ユーセージコンパリソン)を使用して、前年のユーティリティの使用量に基づくその年のウィークリーの平均使用量(ベースライン)を計画してください。この用紙はサプライヤーより入手できます。

(写真入る)

 ウィークリーの電気の使用量のトラッキングには、キロワット時(kwh)単位の用紙を用い、またガスの場合は立方メートル単位の用紙を用いてください。はじめに記入するベースラインの数値はウィークリーの平均値なので、ある月の各週の数値は等しくなり、そのラインは、月ごとで階段状に変化することになります。

 このグラフは掲示板に貼っておいてください。このグラフに週ごとのトラッキングをしていきます。こうすると店舗で働く全ての人が、エネルギーのコントロールがどれだけうまく行われているかを見ることができます。

 エネルギーコストを低く抑えられるかどうかは、いかに全員の協力を得られるかにかかっているので、全員にその点を理解させておくことが必要です。

第4節 電気使用量の記録

 電力メーターが2つ以上ある場合は、それぞれにどの機器と接続しているかを書いたラベルを貼って、別々にインベントリーを行います。

 どの電力メーターにも「キロワット数」の表示があるので、ウィークリーベースで記録をとっていくことが可能です。

 メーターの表示にはアナログ式とデジタル(数値)表示の2種類があります。

アナログ式は車の走行計と同じで、一番右のダイヤルの針が一回転して”0”を通過した時点で、左隣のダイヤルの針が一目盛り進むようになっています。以下順次隣のダイヤルが連動して進みます。

 メーターの読み方は、デジタル(数値)表示の場合は数値を直読し、アナログ式の場合は左から右へ針の指している数字を拾っていきます。2つの数字の間を指している時は少ない方の数をとり、ちょうど数字の上にさしかかっている時は、右のダイヤルの針が”0”を通過しているか見て、通過していればその数値を超えていると見なせばよいということになります。

 1週間の電気使用量を算出するには、その時のリーディングから前回のリーディングを引きます。

 次に、その差と「メーター乗数」を掛けます。メーター乗数は電気の請求書かメーターに明記されていますが、そのどちらにも載っていない場合は、電力会社に問い合わせてください。

 前回と今回のリーディングの差にメーター乗数を掛けると、前回のリーディング以降に使用した電気使用量(キロワット時)が出ます。

第5節 ガス使用量の記録

 ガス使用量は「立方メートル」で表されます。メーターの読み方は電気の場合と同じです。表示の数値を拾ってその時のリーディングから前回のリーディングを引けば使用量が出ます。

第6節 ウィークリーのエネルギー使用量の記録

 週末ごとに行う原材料のインベントリーの一環として、店舗の電気とガスの使用量も算出し、ベースラインを記入したウィークリー使用量比較表(ユーセージコンバリソン)に記入していきます。

 エネルギーの使用量に関しては、毎週マネージャーとクルーに必ず説明してください。こうするとエネルギーの使用量を抑えるための方法について話し合うことができます。

エネルギーの節約には店舗の全員を巻き込み、省エネはユーティリティを減らすために全員が力を合わせて行うべきことであるということが理解されるようにしてください。

(天候と売上が年によってエネルギーの使用量に影響を及ぼすのは確かですので、インベントリーと使用量の比較が絶対とはいえませんが、エネルギーの使用量の傾向を判断する上では信頼できるものです。)

第7節 水の使用量

 水の使用量のトラッキングを行うには、電気とガスで用いたのと同じインベントリーシステムを使うことができます。

つまり前年のユーティリティー検針表からそれぞれの月のウィークリーの水の使用量を計算し、前年の数値から水の使用量比較表にベースラインを記入し、週に1回、水道のメーターをチェックしてウィークリーの使用量を出してグラフに記入し、掲示板に貼って全員が水の使い方を考えられるようにするのです。

第8節 ドットシステムの使用

 ドットシステム(ドット=小さい丸い点)は、分電盤にカラーのドットを貼ってON/OFFのタイミングが一目でわかるようにするシステムで、このシステムを採用するとクルーとメインテナンスパーソンが省エネルギー対策を実行しやすくなります。

1日にどの時間帯にどのライトをつける必要があるか、またどのライトなら省エネルギーのために消すことができるかということを、写真にあるようにカラーラベルをスイッチに貼って区別します。

赤…常時つけておくもの(非常灯、漏電警報器、P.O.S.、R-1500)

青…オープニング時に”ON”、クロージング時に”OFF”

白…営業中”ON”(厨房照明、メニューボード、客席照明)

黄…マネージャー管理、日没時に”ON”にし、営業時間終了時に”OFF”にするもの(屋根照明、看板)

緑…メインテナンスパーソンが作業を開始する時点で”ON”

 このようにしてカラーラベルの意味と活用の仕方をメインテナンスパーソンとクルーに徹底的に教えてください。

第9節 ファイヤーアップスケジュール

 必要のないエクイップメントの電源を切っておくと、省エネルギーになります。

それには1日のうち、あるいは1週間のうちで売上の低い時間帯につけておく必要のないエクイップメントを確認し、店舗のセールスパーソンに基づいて図のようなファイヤーアップスケジュールを全てのエクイップメントについて設定します(図はあくまでも参考例)。季節やプロモーションあるいは休日や天気などを考慮したものも考えておいてください。

◆もう一つの強力なエネルギーマネージメントのツール

 正しくメインテナンスしたエクイップメントは故障せず長持ちするというだけでなく、エネルギーのコストの節約にもなります。

プランドメインテナンスカレンダーには、ほとんど全てのエクイップメントのメインテナンスとカリブレーションのスケジュールが出ています。これはエネルギーとコストを節約する上で重要なマネージメントシステムです。

第10節 電気及び水の使用量のコントロール

 電気及び水の使用量をコントロールするテクニックとして、”調整テクニック””ON-OFFテクニック””メインテナンステクニック”があります。

 ”調整テクニック”は、エネルギーを消費するものの調整を細かく行うテクニックのことです。空調機のサーモスタットを正しくセッティングしたり、湯を適正な温度に保ったりする事は”調整テクニック”の例です。また、ワット数の小さい電球に替えるのも照明として用いる電気の量を調整することなので、”調整テクニック”の一例といえます。

“ON-OFFテクニック”は、この章で既に説明したドットシステムやファイヤーアップスケジュールに代表されるものです。冷凍庫のデフロスト(霜取り)サイクルをコントロールするためにデフロストタイマーの調整を行ったりすることも”ON-OFFテクニック”の例です。

 プランドメインテナンスカレンダーに従って”メインテナンステクニック”を使っていくことは、省エネルギーばかりでなく、エクイップメントがトラブルなく作動するようにしていくことにもつながります。フィルターの交換、漏れている蛇口の修理なども”メインテナンステクニック”です。

 以上のエネルギーの使用量をコントロールする方法が活かされるか否かは、店舗で働く人々のトレーニングとアウェアネスによって決まります。

エネルギーコントロールプログラムにとって、店舗で働く人々は重要なキーとなります。トレーニングとエネルギーに対するアウェアネスを高めることに時間を投資することは、エネルギーに対する他のどんな投資にも増して、プロフィットの獲得につながります。

以下のセクションでは、エネルギーの使用量をコントロールするための”調整テクニック””ON-OFFテクニック””メインテナンステクニック”を具体的に説明していきます。

第11節 空調設備

 冷暖房、換気を行う空調設備も大きなエネルギーを消費し、経費のかさむところです。空調の省エネルギー対策としては、大きく分けて次の3つがあります。

1)空調システムの調整とメインテナンスをしっかり行って最高の効率を保つようにします 。

2)空調システムのオペレーションを正しく行います。

3)空調機の効果を台無しにするようなこと、例えば暖めたり冷やしたりした空気を逃がすようなことをしないよう注意します。

◆調整テクニック

 空調システムが順調に働くか否かは、主にサーモスタットとコントロールパネルのオペレーションにかかっています。

 サーモスタットは壁面か空調機本体の中に取り付けられているはずです。いずれの場合でも冬期は18℃-22℃、夏期は24℃-28℃の温度を目安に室温を保てるようにセットしなければなりません。これらの温度は大部分の人にとって快適に感じられる温度であり、電気の使い方として最も無駄のない方法です。尚、温度はお客様の座った時の頭の高さで測ります。

◆ON-OFFテクニック

 店全体を常に冷房したり暖房したりする必要はありません。例えば戸外の温度が22℃-24℃の時は、客席は冷房を入れなくてもすむかもしれませんが、厨房の中はやはり冷房しなければならないでしょう。また逆に戸外の温度が12℃-18℃の時、厨房は暖房しなくても(「換気のみ」)すむかもしれませんが、客席は暖房が必要でしょう。

注:営業中に冷暖房を切るということは送風状態まで切るということではありません。送風まで切ると換気のための新鮮な空気の取り入れまでできなくなり、店舗のポジティブエアーバランスを保っていくことが難しくなります。

冷暖房を”OFF”にする必要のある時とない時とを意識してとらえて、必要がなければ”OFF”にするようにしてください。

 最近の店舗では、各空調機が別々にON、OFFできるようになっています。店舗の各部を暖房または冷房できるという能力を利用すると、かなりの省エネルギーにつながります。しかし、これを効果的に行うには、まずどのスイッチがどの空調機を作動させるものであるかを確認し、それに従ってラベルを付ける必要があります。

  特にグリルやフライヤーの火を消した30分後にはダクトを必ず切ってください。ダクトはONになっていると多量の空気を排気します。営業中は調理によって生じた汚れた空気を排気しているので無駄ではありませんが、厨房機器のスイッチは切ってあるのにダクトがついていると非常に無駄になりますので、必要のない時にはダクトは必ず切ってください。

◆メインテナンステクニック

 ほこりは空調機の最大の敵です。空中に漂うほこりは、エバポレーターや他のパーツに付着して、空調機の効率を大幅にダウンさせます。

 空調システムのパーツには、はじめから汚れるものと想定して簡単に清掃や部品交換ができるようになっているものもありますが(例えばパッケージ用フィルター)、そうでないものも確実に清掃することが必要です。

 空調機のメインテナンススケジュールは「プランドメインテナンスカレンダー」に載っています。

 省エネルギー、経費節減の見地から考え出された対策とその理由を以下に述べます。

・フィルターの定期的な清掃

 フィルターは少なくとも1週間に1回は必ず清掃します。厨房のリターンエアーのフィルターは他のユニットのフィルターよりグリースが付着しやすく、早く汚れます。

 フィルターが汚れると設備に負荷がかかり、エアーバランスも崩れやすくなります。

・コンデンサーコイルの清掃

 コンデンサーコイルとは室外ユニットの外側についているコイルを指します。冷房のシーズン中は汚れやすいので毎月チェックして清掃します。

 清掃方法としては、ほうきもしくはデッキブラシをかける方法とデラクリーナーとオールパーパス溶液を使って洗浄する方法があります。

注:クーリング・フィンは先が鋭利になっていて指を切りやすいので気をつけてください。また非常に曲がりやすくできていて、曲がるとコイルの効率を落とすおそれがありますので取り扱いに注意してください。万一、曲がってしまったら元通りに戻す「フィン・コーム」という櫛状の道具がありますので、エアコン業者から購入してください。

・Vベルトとプーリーのチェック

 月1回はベルトとプーリーをチェックして、年1回ベルトを交換します。プーリーとプーリーのちょうど真ん中当たりを指で持ってベルトをねじってみれば、張り具合が適正かどうかわかります。90度から180度までいけばOKです。

またベルトにひびが入っていないか、磨耗していないか、プーリーの溝が磨耗していないか、プーリーの端をかすっていないかもチェックしてください。

・エバポレーターコイルの清掃

 エバポレーターコイルは室内機の内側の空気が流れるところに位置しています。3ヶ月ごとに清掃するのが一応の目安ですが、もちろん汚れ方が早ければもっと頻繁に掃除するべきです。エアーは絶えず(一年中)コイルを通過しているわけですから、汚れたままで使い続けていれば、当然、無駄なコストがかかります。コストの汚れが早いということは、フィルターの取り付けが悪くて、エアーがフィルターをよけて入っているという可能性もあります。

 エバポレーターコイルは、コンデンサーコイルと同じ方法で清掃してください。クーリング・マフィンで手を切らないように注意してください。エバポレーターコイルの清掃がすんだら室内機の内側のほこりも忘れずにとってください。少しでも残っているとエバポレーターコイルに吸い付けられてまた付着するか、店の中に吹き出されてしまいます。エバポレーターコイルをチェックしたり清掃したりした時は、必ずその下のドレーンパンもチェックしてください。長いワイヤーかブラシで、ドレーンパイプを掃除することも忘れてはいけません。(パンに水がいっぱいたまると、水があふれ出る恐れがあるので注意してください。)

・本体のチェック

 定期的に屋外機、屋内機本体にひびや腐食が生じていないか、ねじがとれていないか、あるいは痛んでいるところはないかチェックして、あれば修理してください。(単に修理するだけではなく、どうして壊れたかということも考えて原因を正してください。)

本体に傷がついていたり、ネジが取れていたりすると空気が漏れる原因になり、空調の効率にも差し障りがでてきます。

・冷媒管のチェック

 年に2回、冷媒管に腐食が生じていないか、つなぎ目からオイルが漏れていないかをチェックしてください(オイルが漏れるということは、フレオンが漏れているということです)。また銘板のところに書かれている指示に従って冷媒系統を点検することも必要です。

・ダクトのチェック

 ダクトもエアーもれの原因になりそうな異端だ箇所、接続部のゆるみ、避けているつなぎ目やコーナーがないかを年2回チェックします。

・サプライヤー、リターンエアーのレジスターのチェック

通常の清掃のスケジュールに従って、サプライエアー、リターンエアーのレジスターをチェックします。

汚れている場合に清掃すると、店舗の見た目がよくなるだけでなく、空調機が正しく機能するようにすることができます。空気の流れは直接壁やその他の障害物にあたり、トランスファービン、フライヤー、グリルなどに直接吹き付けたりしないように調整してください。

メインテナンスのスケジュールに従い、以下の作業を必ず行うようにしてください。

*定期的なフィルターの清掃または交換

*エバポレーターコイルの清掃

*エバポレーターのドレーンパンのチェック(シロッコファンの周辺で作業を行う時には必ず全てのスイッチを切ってください。またモーターをぬらさないよう注意してください。)

 屋上に出た時には、ダクトの定期的なメインテナンスも必要だということを忘れないでください。ダクトモーターを固定しているパッキン、ベルトの状態と張り具合、プーリーの取り付けもチェックしてください。その他はプランドメインテナンスカレンダーに従ってください。

 最も必要なことは空調機自体をきれいにしておくことです。ほこりは自然にある最大の断熱材です。ほこりがついているとクーリングコイルやその他のパーツがつまり、効率が著しく落ちてしまいます。(内外機コイルを清掃する時にはサーモスタットプローブも忘れずに清掃してください。)

注:以上の作業を行う時には必ずスイッチを切っておいてください。

続く

王利彰(おう・としあき)

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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