プーリアの暖炉料理

南イタリア美食便り

イタリアでは、3月いっぱいで2年と2ヶ月続いた緊急事態宣言が解除され、店舗への入店や公共交通機関利用の際のグリーンパス提示や屋外でのマスク着用義務も廃止になります。

イタリア入国の際の陰性証明提示も不要です。

観光業界では北ヨーロッパやアメリアの人々に人気の観光地としてライバル関係にあるギリシャやスペインなどに遅れを取らないように4月の復活祭休暇から夏休みにかけてどれだけ観光客を獲得できるかと躍起になっています。

日本人にとってもイタリアから日本へ帰国の際には72時間以内のPCR検査での陰性証明書が必要ですが、強制隔離義務はなくなりましたので、イタリア観光旅行の敷居はぐっと下がったかと思います。

やっと「是非プーリアへいらしてください」と言えるようになりました。航空便の運航などウクライナとロシアの戦況次第という大きな不安定要素はありますが、願望も込めてあえてコロナ後のニューノーマルな行動様式に則って動き出してみませんかと言いたいと思います。

暖炉に火を入れるのもあと数週間かと思い、焚き火料理ならぬ暖炉料理で肉を焼きました。

じゃがいもはアルミ箔に包んで灰の中に放り込みます。ミニトマトはそのまま赤い炭で囲って皮に亀裂が入ったら取り出し皮を剥きます。それを網の上で焼いたパンに擦り付けオリーブオイルと塩を振って食べるのです。

揺れる炎と赤々と輝く炭、パチパチと滴る油の音や香ばしい香りも相まって特別感満載。家の中で野趣を楽しむ冬ならではの夕食です。暖炉のある生活は手間も場所も必要ですが、一度味わったらもうそれなしでは物足りなくなってしまいます。

日本の囲炉裏も同じような感じでしょうか。是非囲炉裏のある生活もしてみたいです。

薪を割ったり、灰を取ったり、煤を掃除したりという手間は、スイッチオンにすればすぐに温まる便利さとは比べものにならない程の時間と労力が必要ですが、それと同時にまた比べものにならない楽しさや美しさも感じられるのです。

大袈裟に言えば生きていることに感謝したくなるような。冬から春に向かって陽が長くなり生き物が動き出す感覚を空気中に感じています。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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