梅の花創業者、会長の梅野重俊氏が2022年1月20日に急性骨髄性白血病のためにお亡くなりになりました。71歳でした。
下記は、2019年12月にこのコラムで紹介した際の記事です。この記事を書いたのは、梅野社長が社長を退任し会長に就任された時期です。アイデアとセンスで全国展開し、一代で上場を果たすレストランチェーンを築いた傑物であったと思います。
豆腐と湯葉の店「梅の花」として知られる梅の花グループは、久留米市に本社を置く東証2部上場企業です。梅の花77店舗、その他28店舗、古市庵127店舗、その他テイクアウト56店舗と全国展開しています。
創業者の梅野重敏現会長が始めた、かに料理専門店「かにしげ」からスタートしました。蟹料理は一杯食べるとどうしても高額になるので、お造り、グラタン、コロッケ、鍋と様々なコース料理にすることで、リーズナブルだけど満足できるみせとして評判になりました。その後、代名詞となっている湯葉と豆腐の店「梅の花」がヘルシー、おしゃれ、リーズナブルという点で女性客を掴み一気に出店していきました。店舗のしつらえや食器のこだわり、おもてなしはチェーン店とは思えないレベルです。
出店攻勢を支えたのは、セントラルキッチンの存在で、店舗では揚げる、蒸す、焼くといった最終の仕上げだけで調理を済ませることが出来る体制を取ったこと、更に電化厨房にしたことで、高層階のビルにテナントとして入ることが出来たのです。1994年には関西、1997年には関東へ進出しています。
1997年に株式の店頭公開、2002年に東証2部上場を果たします。その後も着々と店舗数を広げ、沖縄を除く全都道府県に出店しています。
また、持ち帰り寿司の「古市庵」や「すし半」「さくら水産」などを吸収合併して事業の拡大を行ってきました。
梅の花
http://www.umenohana.co.jp/
さて、会長逝去の記事が出た翌日には、有価証券報告書虚偽で梅の花に課徴金300万円の納付命令を決定したと金融庁が発表した旨の新聞記事が出ました。
金融庁によると、同社は不適切な会計処理をし、2016年9月期の有価証券報告書で、約7600万円の純損失を約9700万円の純利益と記載していたとのことです。
梅野会長逝去の翌日に、このような記事が出たことを近所に住む身としては少々心配しております。
同社のホームページはまだ会長逝去の報告もなく、代表者として掲載されたままです。
上場企業としては、いささかお粗末な状況ではあります。