大分県国東半島の富貴寺に行きました。古来より宗教関連の施設が多い国東半島でも、別格のお寺で、阿弥陀堂そのものが国宝です。祀られている本尊、阿弥陀像は重文。平安初期に建てられた阿弥陀堂は、九州の木造寺院建築では最古のもの、内部に描かれていた壁画は、剥落退色してうっすらとしか見れませんが、建立当初は豪華絢爛であっただろうと思われます。
おりしも紅葉の季節で、鮮やかな紅葉や銀杏に彩られた阿弥陀堂は素晴らしいものでした。
大分県の中でも観光客が押し寄せる人気のスポットですが、コロナ禍で、そろそろ動き出すかなという人出でした。
お昼前で混まないうちにと、門前の茶屋で「だんご汁」を頂くことにしました。
九州各地に「だご汁」という練った小麦をちぎって入れる汁がありますが、大分では、延ばして幅広の麺として汁に入れます。名前も「だんご汁」です。
汁は、いりこ出汁の味噌仕立て、人参や大根、刻んだ揚げ、青ネギが入っています。
厚め太目の麺は歯ごたえがあります。米の取れない地域では麦が多く食べられてきましたから、上手に食べる術が進んだのでしょう。山梨県の「ほうとう」に近い感じがします。
この麺にきな粉と砂糖をまぶすと、「やせうま」という、これも大分の名物料理になります。
旅をして、高級な料理店ではない、普通の食堂で、地元の料理を食べる、少し前の普通が、ちょっと普通ではなくなっています。ちょっとだけ元に戻したいものです。