大型連休が始まる26日にJR九州久大線に新しい観光特急列車「かんぱち・いちろく」が走り始めました。
名前のかんぱちは大分の銘酒八鹿を造った麻生観八、大分県農工銀行頭取を務めた衛藤一六に由来するもの、両名の活躍で久大線が開通したことに由来するとのこと。
福岡県久留米市と大分別府を結ぶ久大本線は地元の足として、通勤通学での利用と。一大観光地である、別府、湯布院へ福岡から送客する重要な路線です。いつも走っているのは、2両か3両のディーゼル列車ですが、JR九州がD&S列車と銘打つ特急列車があります。デザインとストーリーを持った特別な列車たちです。米国の旅行雑誌で毎年トップを獲るクルーズトレイン「ななつ星in九州」は別格として、特別なスイーツと豪華な内装の「或る列車」、D&S列車のパイオニア、緑色の車体がスマートな「ゆふいんの森」、さらには「特急ゆふ」が定期的に走っています。この連休に合わせては、つい先日退役した蒸気機関車「SL人吉号」を陰で支えていた、ディーゼル機関車が人吉号の客車を牽引する「快速ゆふ」が臨時で走ります。(撮り鉄情報ですね、すみません)
D&S列車は特別な内装と同時に、車内で提供される食事も魅力です。「かんぱち・いちろく」では博多や大分の有名店監修のお弁当が提供されます。最近の新幹線などで駅の売店はコンビニに変わり、車内販売は廃止されてしまうという状況とは正反対のホスピタリティ溢れる対応です。
福岡から大分に向かうのは久大線以外に、日豊本線があり「特急ソニック」が毎時に往復しています。また観光特急「36ぷらす3」が日曜日に走っています。こちらもゴージャスです。
JR九州の戦略として、最高級の「ななつ星」、次の「36ぷらす3」「或る列車」とセグメントを分けていて、庶民に手が届くところに「かんぱち・いちろく」を投入したというところでしょう。車体は数年前の豪雨で不通が続いている人吉線で使っていた「いさぶろう・しんぺい号」を大改装しています。まったくの新型車両を投入せず、手持ちの車両を改装するというのも、このところ取ってきた手法。新しい動きとしては、長年デザインを担当してきた水戸岡鋭治さんから鹿児島のIFOOという会社が担当しています。
4月1日から6月30日まで「福岡・大分ディステネーションキャンペーン」が実施されていて、それに合わせて様々な企画が打たれています。キャンペーンは福岡県、大分、JR九州が主体となっており、それぞれの県の魅力をPRして両県での交流を図ろうというものです。隣県への旅は、近くて楽なことは何より安くつくのも利点なのかもしれません。コロナ後の観光復活には良い起爆剤になるのではないでしょうか。このキャンペーンを見て、福岡大分の周遊も楽しい旅になるので、どちらかでなく、どちらも行く。さらに道中を楽しむ、という点で特別な列車を選ぶというのがおススメなのです。
特急「かんぱち・いちろく」
臨時快速「ゆふ」
「福岡・大分ディステネーションキャンペーン」
「36ぷらす3」
霧島神宮駅のデザインも株式会社IFOO