Toriki Burger大井町

レストランチェック

話題のToriki Burger やっと訪問しました。

 マクドナルド出身の高田さんが社長で、レイアウトを長時間シュミレ―ションして
厨房レイアウト研究したそうで、行列は長いのですが、サービスは速度早いですね。
マクドナルドのメイド・フォー・ユーのように、具材を調理してホールディングキャビネットのDuke のホールディングユニット使っているのです。
https://dukemfg.com/
 厨房のレイアウトしっかりと検討したそうですが、やや変形の厨房でちょっと苦労していますね。厨房は厨房企業のHPを拝見したところ、燕三条のハイサーブウエノさんのようです。ハイサーブウエノさんは最近ワタミの焼き肉業態を手がけています。自社の機器をまとめて安く売るのではなく、効率の良い厨房をシュミレーションし提案し、性能の良い他社の調理機器を使ってレイアウトするという、米国スタイルで、最近人気沸騰ですね。
<ワタミ焼肉とハイサーブウエノ>
 ハイサーブウエノは、ワタミの焼き肉業態の店舗で、厨房や提供装置の製作・設置などを一手に引き受けたのです。
 小越元晴社長は、合弁会社設立と開業した焼肉店の店舗構想、厨房設計の考え方について、次のように語っています。
「ワタミの創業者・渡邉美樹さんとは以前から面識がありました。渡邉さんの参議院議員任期があと1年と迫った頃に『再度、飲食店の経営に取り組みたい。これからの飲食店は、厨房の仕組みづくりが大事になる。世界で戦える飲食店を一緒につくってほしい』と熱いメッセージをいただきました」
「そして昨年、ワタミ、カミチクグループで取り組む新たな焼肉店の開業に一役買ってほしいと依頼を受けました。『イニシャルコストも大事だが、それよりも大切なのは料理の質、お客さま満足度、そこで働く社員の満足度。新会社の株主になってもらい、経営の視点で新しい店舗レイアウトや厨房設計を考えてほしい』というお話でした」。「当社は自社ブランドを持たないことを“強み”として、モノを売り込むのではなく、飲食業界のお客さまに寄り添って厨房づくりをお手伝いするビジネスモデルを追求しながら、“繁盛店”をつくりたいと考えてきました。これまで店舗・厨房設計の最適化に取り組んできたことで、外食店舗の生産性を向上させるノウハウを持っていると自負しています。そこで、株主として、設計・提案をさせていただきました」。「新型コロナに対応するためには、徹底してお客さまとの接触機会をなくす『非接触型店舗』を目指す必要があると考えました。そこで、お客さまがタブレット端末で注文し、特急レーンを使って厨房からお客さまのテーブルまで飲み物や料理、食材を無人で配膳する仕組みを検討しました。また、野菜などを置く場所には飛沫防止ガードを設置しました」。「肉は、店舗ではいっさいカットせず、すべてカミチク様で加工してから納品してもらいます。厨房は、できるだけ人が動かずにすむように動線を短くし、作業効率を徹底的に追求しています。また、厨房の面積をコンパクトにすることで客席数を増やし、注文から配膳までのフローを無人化したことで、フロアの収益効率も改善しています」。
「大切にしたのは“QSC+ES” ― 品質(Quality)、サービス・おもてなし(Service)、清潔さ(Cleanliness)、そして従業員満足度(Employee’s Satisfaction)です」。
https://www.ryutsuu.biz/store/l122422.html

 ワタミはカミチクホールディングス、ハイサーブウエノとの間で、合弁会社設立のための合弁契約を締結したと発表しました。

 ハイサーブウエノは、店舗・厨房設計の最適化により、外食店舗の生産性を向上させるノウハウを持つ。

 各社の強みを生かし、様々なノウハウの融合を図った焼肉業態を開発。国内外で直営店、フランチャイズ店の展開を行うことを目的として4社で合弁会社を設立することに合意した。

 今後は、合弁会社の直営店と全世界での和牛の消費拡大に向けて、中国、米国でのフランチャイズによる多店舗展開を目指す。

 出資比率:ワタミ53.4%、カミチクホールディングス25.0%、ビースマイルプロジェクト(カミチクグループ)20.0%、ハイサーブウエノ1.6%

https://www.foods-ch.com/news/press_1031429/
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7522/tdnet/1779647/00.pdf

ユーチューブ 動画
https://www.youtube.com/watch?v=8wSkqUijQEM

厨房 ハイサーブウエノ
https://www.hi-serv.com/
https://www.hi-serv.com/kitchendesign.html

回転レーン 北日本カコー
http://www.ishino-group.com/group/k-kakoh/

 TORIKIのサンドイッチの開発はよくできていますね。メニューの種類も多いし、デザートまでしっかり作りこんでいます。スタンダードのトリキバーガーはフライした胸肉ですが、しっとりして美味しいし、ボリュームがあります。値付けの単品で390円と、原価率を高めにしてバリューを出しています。私が気に入ったのは白いバンズに、蒸した鶏むね肉細切りと、野菜、マヨネーズを和えた、サラダチキンです。カロリーを気にする、女性に人気出そうです。

 弱点は国産の素材に拘って、日本製の馬鈴薯を使ったフレンチフライです。短いし、揚げ色が黒くて、フワフワです。国産の馬鈴薯は蒸したり、煮ると美味しいのですが、糖分が多く分布にむらが多く、フライ向きではありません。種類を変えないといけませんね。こればっかりは品種、気候、土壌が異なる日本では無理でしょうね。前回ご紹した、ロイヤルのラッキー・ロッキー・チキンはベルギー産の芋と、パルスフライヤーで、見事な仕上がりでした。マクドナルドよりおいしいくらいです。
  ハンバーガーチェーンで一番大事なのは、フレンチフライです。ハンバーガー類は原価率が30%から40%と高く、ハンバーガーではもうかりません。フレンチフライは原価率10%台で、セットで売れてやっと利益が出るのです。マクドナルド創業者のレイ・クロックさんはハンバーガーは汎用品の規格でしたが、フレンチフライには物凄く力を入れていました。フレンチフライの基準はゴールデンブラウンという美味しそうな色と、長さ、中ホクホク外カリッとした仕上がりが大事です。その秘密は米国北東部のアイダホで育てた、ラセットバーバンクという種類です。
 大きくて長いフレンチフライになります。日本ではポテトを蒸かしたり、煮物として調理しますから色の変化を気にしません。フレンチフライは油で揚げるので、成分の糖分が変色するのが困るのです。日本の芋は中に糖分が多く黒い揚げ色になるのでフレンチフライには向いていません。マクドナルドも日本進出時は北海道のジャガイモを使っていましたがおいしくありませんでした。クロックさんはポテトの研究者で博士号を持っているポテト博士を日本に何年も派遣して品種改良をしました。もちろんラセットバーバンクを持ってきましたが、土壌と気候の違いで成功せず、アイダホから輸入することになったのです。
 マクドナルドでは冷凍フレンチフライの管理には最も気を使い、荷造り、運送の仕方、店舗での扱いに厳しいマニュアルを設定していました。また、工場での栽培から収穫後の保管期間と温度、水洗い、一度揚げに厳しい基準を作っています。店舗で使うフライヤーの性能や、温度管理も厳しい基準を作っています。また使う油も大事で、初期はバターのような香ばしさの牛肉油脂を使っていました。今でも日本は使っています。
https://www.foodwatch.jp/primary_inds/fsandagri/9456/
https://potato-museum.jrt.gr.jp/russetb.html
https://www.jrt.gr.jp/q_a/potatoqa_rasetto/

 デザートは卵を使った、プリン、エッグタルトに、ソフトクリームです。美味しいのですがちょっとボリュームが少ないし、特徴がないのが残念。
https://toriki-burger.co.jp/menu/toriki-burger_menu.pdf?2

 さすがトリキブランド。天気が優れない土曜日に関わらず、長い行列です。
https://toriki-burger.co.jp/

 今は開店人気で行列ですが、落ちつくと苦労する立地だと思います。大井町は乗り換え駅で乗降客数は多いのですが、駅の外に出る人が少ないのです。大井町には日本進出初期のマクドナルドが阪急inの1階に開店しましたが、月の売り上げが600万円くらいと苦労した思い出があります。その後閉店するか改装するか迷い、裏の喫茶店を買収し、増床大改装し、客席とデザイとのレイアウトを米国から輸入し、改善した苦労を思い出します。店のレイアウトでは、入り口からカウンターまでの距離を十分にとり、混んでいるように見せず、客席も120席くらいに増床しました。立地の評価では、坂の多い町で、電車の線路と川で商圏が分断され、自転車や歩行での来店が少ないのが問題です。また店前に坂があり、店舗正面入り口には階段があるのも風水(経験率)から見て駄目ですね。
https://toriki-burger.co.jp/news/42/

 世界展開考えているようですが、デザイン的に問題が有りますね。2階客席ちょっと狭いですね。最低でも80席は欲しいですね。
 トイレこのデザインでは世界は無理です。身体障害者向けなどの多目的トイレとまでは言いませんが、男性用と女性用を設置した変なトイレで、身体障害者用の手すりもないし、子供のオムツ交換用のベッドもありますねん。

 もう1つは、モバイルオーダーやオーダーをするレジ前が狭すぎます。レジの機種がクレジットカード対応は良いのですが、セルフレジで結局従業員がつきっきりだし、時間がかかります。

情報HP
https://tokusengai.com/_ct/17479995?fbclid=IwAR2b6bbnSxzw2sPOcAhCcyjRPJ30kj6d77o3V6MqS9oDjdF3AIHejaXZtAg
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000082136.html
https://tokusengai.com/_ct/17479995

画像
https://www.facebook.com/photo?fbid=4335373616539440&set=pcb.4335386516538150

DOO WOP 代官山 
https://doowop.co.jp/
画像
https://www.facebook.com/photo/?fbid=3552840988126044&set=pcb.3552842244792585

ロイヤルのラッキーロッキーチキン武蔵小山.
https://netatopi.jp/article/1328004.html
https://lr-chicken.jp
https://www.order-cheese.com/products/detail/90
画像
https://www.facebook.com/photo/?fbid=4182927351784068&set=pcb.4182929565117180

 これからハンバーガー業隊に参入するかたはファト・カジュアルトいう業態を
研究した方が良いですね。次号で詳しくご説明しましょう
https://www.sayko.co.jp/food104/post-2272/

以上

王利彰(おう・としあき)

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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