weekly Food104 Magazine 2005年12月21日号

メルマガバックナンバー

● 米国レストランNEWS
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック

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● 米国レストランNEWS———————————————■□

■ クリスマス商戦追い込みのシカゴから美味しいお話

日本も大雪で随分寒いようですが、シカゴも今日は-5℃に冷え込んで毛皮のコ
ートを着ている人を大勢見かけます。特に今年は毛皮をあしらったコートやバ
ック、ブーツがアメリカで大流行です。しかしショッピング・モール内はクリ
スマスの買い物で白熱しており、コートとコーチのバックを小脇に半袖姿のテ
ィーンも多く見受けられます。何百ドルもするコーチのバックを10代の女の子
が持つようになったのですから、シカゴ郊外も変わったものです。5~6年前に
は見かけなかった現象です。これも日本や中国を始めとするアジア商業文化の
影響でしょうか。

シカゴ最大の屋内モール、Woodfield Shopping Center(ウッド・フィールド
・ショッピング・センター)に十数年前に初めて来た時には、広くて駐車した
場所を忘れてしまい、帰りに車を探すのに大変で泣きそうになったことを思い
出します。ショッピング・センター内のあまりの広さに方角が分からなくなり
インフォメーションでもらった地図を頼りに歩いたものです。日本でも最近ア
メリカ型の巨大ショッピングセンターが相次いで建設されているようですね。

ただ私がこちらのショッピング・センターに対して一つ不満に思っていたこと
は、食事なのです。買い物の途中できちんと食事をしたいなと持った場合、日
本ではデパート内のレストランが結構充実していますが、こちらではデパート
の地下には食料品売り場もなければ、レストランも入っていません。モール内
のフードコートのピザ屋やサンドイッチ屋くらいで軽く食べる事しか出来ませ
ん。食事をしたければわざわざ車を運転して外に行かないといけないのでとて
も不便でした。

ところが2003年9月にカニ食べ放題で人気のあるTodai Restaurant(灯台レス
トラン)がカリフォルニアからウッドフィールド・ショッピングセンター内に
進出した頃からモール内のレストランもめきめきと充実し始めました。灯台レ
ストランでは寿司、刺身、カニ、生カキやスモークサーモンなどのオードブル
やサラダの他にも、てんぷらや照り焼きチキン、中華、そば、ラーメン、また
デザートもプチケーキやクレープなど多くあり、ランチ$12.95(平日)$14.95
(土日祭日)で食べられます。

また最近ブラジル料理のビュフェ式レストラン、Texas de Brazil(テキサス
・デ・ブラジル)もモール内に今年の12月にオープンし賑わっています。こち
らはグリルしたお肉食べ放題でランチ$25と高めですが、25ドルの価値大いに
ありです。入ったら内装が凄くゴージャス。高級ホテルのフロントを思わせる
大きな花のアレンジが出迎えてくれます。実は食事の後そっと花を触れて見た
ところ造花でしたが、一瞬生花と見間違えるほど綺麗なアレンジメントです。
カウンターには案内嬢が数名いて優しくコートを受け取ってくれる、モール内
のレストランという事を忘れてしまうような雰囲気に感激です。

食事の内容ですがブラジルのコスチュームを着た男性が、炭火焼き串焼き肉の
塊を、テーブルに持って回ってきて、その場で切り取ってサービスしてくれま
す。肉の種類も牛の各部、羊、豚、鶏、ソーセージ、ベーコン巻きなど、なん
と10種類もあり、肉好きアメリカ人にとっては嬉しい食べ放題です。テーブル
の上に「No, Yes」と裏表に書かれた札が置いてあり、自分好みの肉でない場
合は、Noと札をひっくり返して置くとサービスの人は過ぎ去って行ってくれま
す。

サラダバーも豊富で各種チーズやハム、シュリンプカクテル、生野菜の他、茹
で野菜、グリルした椎茸やポテトサラダなど盛りだくさんです。日替わりのス
ープや、ピラフや豆の温かい煮物なども沢山あります。茹でたアスパラガスな
どにかかっているソースがさっぱり味で美味しく、買い物の疲れを取ってくれ
ます。極楽、極楽。ワインを初めカクテルも豊富です。別料金ですが、ブラジ
ルのユニークなデザートも味わえます。

サラダのドレッシングもまた何種類もありあきません。テーブルにはチーズ味
のブラジルのパン、マッシュドポテト、口直しにはシナモンでソテーしたバナ
ナまで出てきて、デザート代わりに2回もお替りしてしまいました。

サーバーは全員男性で、きびきびとした態度で小まめに皿の交換もする至れり
尽くせりのサービスです。なんだか日本のホテル内レストランのサービスを思
い出させてくれました。食事中、サーバーがさりげなく気にして見ていてくれ
ているという、あの感覚です。何もこちらから言わなくても先回りして、給仕
してくれる。これが25ドルなら安いじゃないか。このTexas de Brazilの向い
にはチャイナ・ビストロのP.F.Chang’s(P.F.チェン)もあり、益々高級感を
増すモールでの食事です。
http://www.shopwoodfield.com/search/index.html

Home


http://www.todai.com

(イリノイ州シカゴ在住 カズコ・デイビス)

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ ニンニクげんこつらあめん花月、スーパーカスタマイズキャンペーン

グロービート・ジャパン株式会社は、エボリューションプロジェクトの第2弾
として2006年1月3日より「スーパーカスタマイズキャンペーン」を展開します。
これは、お客様に花月にある全商品を自由に組み合わせて新しい食べ方をご提
案いただき、そのコンテストを行おうというものです。すでに流行りつつある
チャドリング(自分独自の食べ方を楽しむ)という行為を進んで楽しんでいた
だき、その出来栄えを競い合っていただこうというのが狙いです。尚、当該キ
ャンペーンは、ニンニクげんこつラーメン花月・らあめん花月嵐・ニンニクげ
んこつらあめん花月寅の3業態の全店で展開いたします。

20世紀の終り頃から、商品に自分なりの解釈を加えて、利用・活用するような
消費が顕著になりました。この動きはラーメンにも顕著であり、チャドリング
と言われるチャーシューを使って自分独自のどんぶりを作り上げることが流行
っています。

今回のスーパーカスタマイズキャンペーンというのは、当社全商品を使ってカ
スタマイズし、自分の独自の商品を作ることを楽しんでいただくことと、それ
を応募していただいて、コンテストを楽しんでいただくという2つの要素から
成り立っています。後者のコンテストはネット上で行い、投票形式で、より多
くの賛同を得た方に「スーパーカスタマイザー」という称号を差し上げるとい
うものです。より多くの方からの支持を集めなければスーパーカスマイザーに
なれないというところがユニークです。

キャンペーンにはもうひとつの流れもあり、店舗で620円以上の商品を注文い
ただくと差し上げる応募シールを集めて、景品を獲得できるコースもあります。
この景品にもひと工夫してあり、全ての景品がカスタマイズすることができる
ようになっています。
具体的には、カスタマイズできるパーソナルコンピューター、カスタマイズで
きる自転車、カスタマイズできる温泉旅行などが景品となります(DELL PCコ
ース、カスタム自転車コース、温泉カスタマイズコース、iPod nanoコース、
おもちゃ券コースの5コースを設置)。

○URL: http://www.kagetsu.co.jp

■ 手作り料理とお酒『えん』のビー・ワイ・オーが新規物販事業スタート

○12月より楽天市場にて『和食屋生まれのアイスクリーム』を開店
○1月から『豚の角煮・山椒味噌風味』も販売予定
○えん自家製ポン酢商品化予定
○“えん”和の器を窯元協力のもとに商品化予定

第一弾として『和食屋生まれのアイスクリーム』を楽天市場にて販売スタート
しました。

○商品名  :和食屋生まれのアイスリーム
(極上抹茶・ほうじ茶・玄米茶・蕎麦茶)
○発売価格 :6個入2,400円(税込)12個入4,200円 送料別
○発売日  :2005年12月1日(木)より
○商品特徴 :今まで培ってきたノウハウを活かした4種のお茶のアイス。
お茶の旨み、渋み、香り、そして濃厚な味わいを表現。
特に特徴的なのは鼻に抜ける香ばしい香りと滑らかな口解け。

○HP: http://www.byo.co.jp

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ マクドナルド50周年を記念の調理機器技術50年史 その2。

5)1975年ドライブスルー Drive-Through Window

マクドナルド創業時から素早いサービスがモットーです。創業しばらくすると
西海岸でジャックインザボックスなどがドライブスルー店舗を開発しだしまし
た。2代目社長のフレッド・ターナー氏は自動車社会の成熟を見てドライブス
ルーの開発を決意しました。最初は既存の店舗の改造でドライブスルーを追加
しました。そのため、ドライブスルーウインドーにコンベアーで料理を運ぶな
どの工夫が必要でした。しかし、研究の結果、独自のドライブスルーシステム
を開発しました。1984年にアリゾナ州のシエラ・ビスタでマクドナルド社とHME
社(音響システムの会社)が共同でワイヤレスコミュニケーションシステムを
開発し、店舗で使用を開始したのです。

6)1983 厨房用給排気システム研究所 Commercial Kitchen Ventilation Lab

1970年代の半ばのエネルギー危機の際に、機器開発部在籍の給排気空調設備HV
AC専門家ジョー・ナップ氏(Joe Knapp)は素早く対応を開始しました。ナップ
氏に与えられた課題は厨房の排気風量を削減することで、外部からの新鮮空気
の供給を最小限度にして、空調負荷を下げることでした。厨房内で使用する調
理機器の燃焼済みのガスを排気するには、燃焼ガス量の数十倍の空気を排気し
なくてはいけません。その分の新鮮空気を外部から厨房内に導入すると、その
空気を冷暖房するために膨大なエネルギーが必要なのです

そこでナップ氏は、転職前の職場である空調機器会社のエアー・ディストリビ
ューション・アソシエイツ社(Air Distribution Associates)とマクドナル
ド社を説得し、両社で給排気空調システムの研究所を設立させることにしまし
た。ウッドデールに設立した研究所は密閉した空間で給排気量を精密に計測で
きるようになっています。その研究所でマクドナルドの特別デザインの排気フ
ードや調理機器ラインの研究を行い、エネルギー使用量を大幅に削減すること
に成功しました。マクドナルド社はその研究成果を業界に公開し、最終的には
その研究所をArchitectural Energy Corp.とFisher-Nickel,Incに売却しまし
た。その研究所の顧客はチェーンレストラン、給排気設備製造業、エンジニア
リング会社、省エネルギー設備会社などとなっています。

私はこの頃ジョー・ナップ氏の研究所によく見学に行きました。密閉したテス
トキッチンにはマクドナルドと同じサイズの厨房を再現し、グリドル、フライ
ヤーなどのガス機器は全て使えるようになっています。そして、給排気の状態
を見る実験をします。グリルやフライヤーから出る排気とベーパー(油分や水
蒸気)を効率よく排気しているかを見るために、あるガスで細かい泡を作り、
グリルやフライヤーの上に吹きかけます。その細かい泡がどのように吸い込ま
れていくか、フードからはみ出てしまうのかを観察するために、厨房内部の電
気照明を全て消し真っ暗にします。そして、ブラックライトを当てると細かい
泡の動きが見えてくるのです。

そして、飛行機の設計と同じく、空気がスムーズに流れるように排気フードの
形状を変更したり、ダクトフィルターの形状を変更すると言う気の長い作業を
延々と繰り返します。ナップ氏は大変親切な方で、東洋から来た男にも丁寧に
説明をしてくれたのです。そして、NAFEM北米厨房工業会展示会において氏は
厨房給排気の勉強会の座長を務め啓蒙活動をしておりました。

日本ではこのような地道な活動がなされていないので、米国に比べると30年以
上遅れているのです。そこで、今年4月から有志で最適厨房研究会を立ち上げ、
まず、調理場の基礎的な給排気システムの研究を開始することにしたのです。
http://www.saitekichubo.com/
あー、日本にもナップ氏のような人がほしいな。

7)1986年 クラムシェルグリル Two-Sided Griddle

サービス提供時間を短縮するために、1980年代の初期に機器開発部は新しい調
理システムの開発、特にハンバーガーのミートパティの焼成時間の短縮に取組
むことにしました。。機器開発部のトム・エドワード氏(Tom Ewald worked)
は、最初にマクドナルドで使用していたガスグリルの製造メーカーであるウオ
ル・フレンジ社(Wolf Range)と調理時間の短縮と安定した品質を実現するグ
リドルの開発をすることにしました。

その後、テイラー社(Taylor Company)とガーランド社(Garland Range)が
その開発に加わり、色々な開発を実施し、その結果1985年に、従来のグリドル
と同じ床面積の上下の鉄板で加熱調理するクラムシェルグリルを開発すること
に成功しました。しかし皮肉なことにラング社(Lang Mfg)が後にグリルとブ
ロイラーを組み合わせた調理機器を開発し、クラムシェル“Clamshell”と言
う名称で商標登録をしたので、マクドナルド社は対外的にクラムシェルグリル
の名称を使用することは出来なくなりましたが、社内では未だにクラムシェル
グリルと呼んでいます。

筆者はクラムシェルグリルには当初から開発に加わっていました。その当時の
内緒のお話をしましょう。
米国マクドナルド創業時に機器開発部の陣頭指揮を執っていたのは、ジム・シ
ンドラーと言うボヘミアン(東欧のボヘミア地方の出身で芸術的な才能が有る
人が多い)でした。創業者のレイ・クロック氏もボヘミアンで同郷のシンドラ
ー氏は技術面の腹心の部下でした。芸術家の氏は調理機器の設計だけではなく
店舗の内外装や有名なMマーク(ゴールデンアーチ)の設計もしていました。
マクドナルドオリジナルの厨房は、マクドナルド兄弟がテニスコートにレイア
ウトの線を引いて検討して作ったものですが、通常のコーヒーショップのグリ
ドルを引っ繰り返したのが特徴で、急激な売上げの伸びを示す当時のマクドナ
ルド店舗では作業導線の交差の問題を抱えていました。

当時の競合(現在でも第2位のハンバーガーチェーン)のバーガーキング社は
自動調理器のブロイラーと作業導線が交差しないレイアウトで高い生産性とス
ピードサービスを実現していました。その優れたブロイラーを大変気に入った
シンドラー氏は、その製造メーカーのNIECO社にマクドナルド向けの自動調理
器を作らせることにしました。バーガーキング社のハンバーガーパティを焼き
上げるブロイラーはグリルではなく、直火で上下からパティを焼き上げる形式
でした。そこで、シンドラー氏はハンバーガーの大きさの小さな2枚の鉄板に
パティを挟んで焼き上げることを考案しました。小さな鉄板は自動で上下に動
き、コンベアーで冷凍のパティが送られ、サンドイッチにされて焼き上がりま
す。

今回の米国ニュースでシカゴのウッド・フィールド・ショッピングモールが紹
介されていますが、その店舗で何回も実験をし、私も深夜まで立ち会ったこと
が昨日のように思い出されます。

さて、この自動調理機器は大成功だったのですが、値段が当時で2,000万円と
従来の厨房全体のコストと同じくらい高かったのです。もう一つの問題は、当
時スタートした朝食の卵料理を調理することが出来なかったのです。従来のグ
リドルは温度を下げれば卵料理が簡単に作ることが出来るのですが、自動調理
機器はそれが出来ないし、他の調理機器を入れるスペースもありません。と言
うことで、自動調理機器をあきらめたのですが、その調理方法が後のクラムシ
ェルにつながっているのです。

私もシンドラー氏に命じられて日本でちょっと風変わりな自動調理機器を作ら
されましたが、特許は取れたものの物になりませんでした。しかし、その過程
で高精度の温度計や、簡単なグリドルの清掃方法を開発しました。先端技術と
いうのはそれ自体が成功しなくても色々な派生技術を入手することが出来ると
いう勉強でした。いい思い出です。
(続く)

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