● 新店オープン情報
● 米国レストランNEWS
● 赤石貴麻の酒蔵探訪記
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
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● 新店オープン情報 ———————————————-■□
■ イタリアワインと本格イタリアンの店「vini italiano Osei」銀座にOPEN
食事をワインを一緒に気軽に楽しんで欲しいという想いから生まれた「vini
italiano Osei」が今年3月21日、銀座にオープンしました。
お客様の好みに合うワイン、好みのワインに合う食事をその場で作ってくれま
す。“おいしい食事が合ってこそワインが引き立つ”という考えからワインバ
ーでありながら、本格イタリアンを実力派シェフがつくります。
イタリアのワイン、約200種を常備。中でもこだわりは1980年代-1990年代後半
にイタリアで製造された“バックヴィンテージワイン”。他ではあまり手に入
ないヴィンテージワインを中心に、最高のアイテムを用意しています。
ダチョウのお肉は、柔らかく、脂肪分が少ないのが特徴。健康的でカロリー控
えめ。生でも食べることが出来るダチョウの肉を使った料理を年中楽しむこと
が出来ます。またカウンターの目の前には“アッフェッタート(サラミや生ハ
ムなど)”が並んでいます。ワインを飲みながら気になるものをお申し付け下
さい。料理はお客様のお話を聞いてお作りします。
メニュー例 ワイン・料理ともにお客様の意見を伺ってつくります。何を食べ
たいか、どんなワインを飲みたいか気軽にご相談下さい。
○おすすめワイン
Monte Vertine llSodaccio 1983
Quercivalle Armonia 1995
ボトル 3000円台から
グラス 600円から
○フードメニュー一例
*ダチョウ肉を使った料理がおすすめ
ダチョウもも肉のタルタル
本日のハム・サラミの盛り合わせ
ダチョウラグソースのメッツェマニケリガーテ
*パスタ、ドルチェなどもあります。
○店舗データ
住所:東京都中央区銀座7-6-5-石井紀州屋ビル
アクセス:地下鉄銀座線よりB5出口より徒歩4分
TEL:03-3572-8665 FAX:03-3572-8665
営業日:18:00-26:00
定休日:日・祝日
坪・席:12席
予算:7,000円~8,000円
○URL: http://www.wine-osei.com
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● 米国レストランNEWS———————————————■□
■ メニュー・トレンド
近頃ではフルサービスのレストランでサーモンをメニューに載せていないとこ
ろを探すのが難しいくらいのブームとなっています。以前は高級魚であったサ
ーモンが、今ではファミリーレストランから高級レストラン、何とファスト・
フード・チェーンまで色々なサーモンのメニューを試案中です。
Subway(サブウエイ)はサーモンをエリアごとにテスト販売していたり、アト
ランタのイタリアン・レストラン、La Tavola Trattoria(ラ・タボラ・トラ
ットリア)では生のサーモンにセリグノラ・オリーブとルッコラが添えられ、
シチリア・オリーブオイルで風味豊に味付けされたアペタイザーがあり、また
クレソン・ピューレと全粒粉マスタードソース風味のサーモンのグリルのパス
タ添えなどがあります。
カリフォルニアで102店舗展開しているMimi’s Cafe(ミミズ・カフェ)では、
1週間で150食ものサーモンのオーダーが入ります。味付けは、ケージャン風の
黒く多少焦しているサーモンと野菜とポテトのコンビネーションで12ドル99セ
ント、焙り焼きされた、ヒバチ・サーモンがテリヤキ風味になっており、アジ
ア風野菜とジャスミンライスが付いて、12ドル99セント、柑橘系で味付けされ
たサーモンのグリルが乗せられたサラダに、バルサミコビネガーのドレッシン
グがついて、9ドル99セントです。サラダはランチタイムに人気があり、ケー
ジャン風サーモンは心の安らぐ食事を求める時に、いろいろと試してみたい時
はアジア風サーモンと、時と状況により食べ分けられているようです。サーモ
ン・メニューは毎年5パーセントの売り上げが上昇しているということです。
サーモンと言ってもいろいろありますが、天然のキング・サーモンは依然とし
て高級品ですが、カリフォルニア、ワシントン、オレゴン州ではキングサーモ
ンの漁獲が減り、この時期のサーモンの供給は少ないものでした。アメリカで
は以前よりも紅鮭を使うことが多くなり、またその仕入れ先も日本ではなく3
分の1が国内からというものです。一番安いサーモンである、ピンクサーモン
(樺太マス)は缶詰めの代わりに冷凍されています。92年から2002年の間には
75パーセントが缶詰めにされていましたが、2005年には54から56パーセントが
冷凍されているということです。イエローストーン国立公園内では、養殖のサ
ーモンではなくて天然の銀鮭を使っています。銀鮭はサーモンよりも脂肪が少
なく、調理にはドライになりすぎないようにミディアム・レアで調理します。
銀鮭は平均22ドル50セントでメニューに出しているということです。
フィラデルフィアのMarigold Kitchen(マリゴールド・キッチン)ではスコッ
トランド産の適度に脂肪がのった養殖サーモンを使っており、手頃な値段が魅
力とのことです。またシカゴのNacional(ナシオナル27)では養殖のタスマニ
ア・サーモンを使っており、スコットランド産よりもリッチな風味だそうです。
また通常養殖だとパウンド3ドルくらいのサーモンがありますが、天然のコッ
パー・サーモンをパウンド10ドルで個人の漁師から仕入れをしたり、ケンタッ
キー州のルイビルがUPSのハブということもあり、それを利用してアイルラン
ドの紅鮭を仕入れるなど、いろいろなルートがあります。
(イリノイ州シカゴ在住 畑田ひろ子)
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● 赤石貴麻の酒蔵探訪記~日本の酒~——————————■□
■ 瀬戸の躑躅と蔵の夢(広島県・榎酒造株式会社(華鳩))
3月29日号でご紹介した榎酒造で、初となる蔵まつりを開催するというので、
広島は呉市音戸に伺いました。呉といえば、戦艦大和のふるさと。大和ミュー
ジアムや海上自衛隊呉地方隊が眺められる、路線バスにゆられ、本州と音戸の
ある倉橋島を結ぶ、つつじが見事に咲きそろった音戸大橋を渡り、海沿いの停
留所で下車。2分ほど歩き当蔵に到着。
蔵まつりなので、一般の方に蔵を見学して頂き、試飲をしてということはもち
ろんなのですが、今回の蔵まつりは「工房ラ・ルーシュ」の企画展を当蔵を会
場にして開催するというもので、陶芸や絵画、オブジェなどの美術品や薔薇を
メインテーマにした商品などを蔵内に展示、「蔵と芸術のコラボレーション」
である。
麹室前には当蔵の商品がディスプレイされ、もと場には備前焼などが展示され
薔薇のコーナーは幻想的な雰囲気に包まれ、通常の蔵見学とはまた違った感を
醸しだしており、蔵の建物自体も芸術品の一部と化している。通常は洗米をし
ている、半屋外のテラスのcafeでは、ランチやコーヒーを提供。仕込水を利用
したレモン水や酒粕ムースが人気を集めていた。仕込水は井戸水と裏山の湧き
水を使い分けており、そのひとつ、裏山の湧き水を採取している小屋は、この
テラスから望むことができる。
仕込の時期を終えられていて(本日は休日の)、近くにお住まいの杜氏さんが
ご一家で遊びに来られた。30代の若き藤田杜氏は、大学卒業後すぐ当蔵に入り
先々代・先代杜氏の元修行を重ね、平成14年、杜氏となった年には全国新酒鑑
評会金賞・広島国税局主催新酒鑑評会優等賞(広島県第一位)・広島県酒類品
評会第一位・広島杜氏組合自醸酒品評会第一位受賞の快挙を達成。酒米は広島
県産の広島八反、千本錦、中生新千本を主体とされている。
当蔵の代名詞でもあり、日本で初めて当蔵で造られた「貴醸酒」は仕込の最後
「留」仕込の際、仕込水ではなく清酒を使う点が、仕込の特徴的な点であるが
通常の清酒より高い温度での仕込となるため、温度が下がらないように管理を
する点が難しいと、藤田杜氏から仕込のお話を伺うことができた。
実は今回、蔵探訪というかこのイベントのお手伝いにやってきたわけで、数日
間、蔵に滞在致しました。宿泊先はもちろん「蔵」。蔵人さんが一時期、寝泊
りする蔵内の部屋に宿泊させて頂き、薪焚きの五右衛門風呂が懐かしく。夜、
タンクの脇を通り、静寂に包まれた蔵を歩いていると、自分が蔵人さんになっ
たような、そんな錯覚を起こし、しばし蔵人気分に酔う。
また滞在中は、榎社長ご自慢の酒器コレクションを拝見させて頂き、旬の筍や
音戸名物「音戸ちりめん」の入った奥様お手製の榎家の味を堪能、当蔵の広報
を担当されている長女真理子さんと看板犬ポチとの毎朝の音戸町巡り散歩は、
海と山に囲まれ自然豊かな音戸を十二分に満喫できるひとときでした。
本州からのアクセスには音戸大橋と、日本一短い連絡船もあります。この景色
を思い浮かべながら飲むお酒はまた格別。広島方面に行くことがあったら、ち
ょっと足を伸ばして音戸へ。
○本日お薦めの酒
「青ラベル」華鳩辛口本醸造 無ろ過生原酒
あらばしり(平成18年1月26日しぼり)
原料米:中生新千本 65%扁平 7号酵母 Al:19.7度
酸度:1.7度 日本酒度:+15
「黄ラベル」華鳩本醸造 無ろ過生原酒
あらばしり(平成18年2月吉日しぼり)
原料米:あきろまん 70%扁平 601号酵母 Al:19.6度
酸度:1.8度 日本酒度:-1
「赤ラベル」華鳩純米吟醸 無ろ過生原酒
あらばしり(平成18年2月吉日しぼり)
原料米:八反錦・千本錦 55% 広島吟醸酵母・せとうち21 Al:16.7度
酸度:1.5度 日本酒度:+2
「緑ラベル」華鳩雄町純米吟醸 無ろ過生原酒
あらばしり(平成18年3月吉日しぼり)
原料米:広島雄町 55% KA-1・広島吟醸酵母 Al:17.0度
酸度:1.7度 日本酒度:+3
「貴醸酒」無ろ過生原酒
原料米:こしひかり 65%扁平 28号 Al:16.6度
酸度:4.4 日本酒度:-55
○お問い合わせ先
〒737-1205 広島県呉市音戸町南隠渡2-1-15
TEL:0823-52-1234 FAX:0823-51-2238
E-Mail: enohato@muj.biglobe.ne.jp
URL: http://www5b.biglobe.ne.jp/~hanahato/
○著者撮影の写真
http://saketanbo.exblog.jp/4769387/
○食文化研究家 赤石貴麻(あかいし・たかお)
E-Mail:tafdmail5@yahoo.co.jp
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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□
■ 「好きな食べ物」に関する調査
株式会社日本能率協会総合研究所では、「好きな食べ物」に関する調査(1)
を実施しました。全国の20歳以上の男女を対象に、「好きな食べ物」の具や味
などについて調査しました。
1.好きなアイスクリームの味を尋ねたところ、「バニラ」(80.1%)がもっと
も多くなった。次いで、「チョコ」(53.8%)、「抹茶」(51.6%)の順となり
以上3つの味が50%を超えた。
以下、「ストロベリー」(44.4%)、「クッキー&クリーム」(38.2%)、
「あずき(小倉)」(33.0%)、「キャラメル」「ラムレーズン」(ともに
32.8%)と続く結果となった。
2.好きなおにぎりの具を尋ねたところ、「鮭」が68.3%でもっとも多くなった。
2番目が「梅干し」で54.2%、3番目が「ツナマヨネーズ」で50.0%、以上3つの
具は半数以上の方が選択する結果となった。
以下、「鰹節(おかか)」「焼たらこ」「生明太子」(ともに46.0%)、
「昆布」(44.9%)、「生たらこ」(37.5%)と続く結果となった。
○調査対象エリア: 全国
調査対象者 : 20歳以上の男女
サンプル数 : 448票(有効回答数)
調査実施期間 : 2006年5月12日~5月15日
○関連HP: http://www2.mdb-net.com/netsurvey/w_report/report78.html
■ 有名レストラン8店のカンタン裏レシピ『15分で!プロ級おかず』
株式会社 千趣会が今年2月1日に創刊した頒布会方式(毎月1回、定期的に商品
をお届けするシステム)の料理本『15分で!プロ級おかず』が、発売3ヶ月で
累計15万部を超える大ヒット商品となりました。
この『15分で!プロ級おかず』は、「なだ万」「キハチイタリアン」「ポワソ
ン六三郎」など、一度は行ってみたい憧れの有名レストラン8店のシェフたち
が、仕事の合間にパッと仕上げるまかない料理や自宅で食べている裏メニュー
を掲載しています。
冷蔵庫にある身近な食材(肉、魚、魚介類、卵・加工品、野菜、豆・きのこ)
をテーマに、忙しい方でもたった15分でつくれる料理を一流シェフがレクチャ
ー。下準備に手間がかからず、見栄えの良いレシピを1冊に約30種類紹介して
います。また、食材の基本的な調理法やシェフ直伝のワンポイントアドバイス
などの情報も満載で、料理の腕に自信のない方にもわかりやすい内容となって
います。
有名レストランと同じ味が楽しめて、手軽に彩り鮮やかなプロ級のおかずがつ
くれるということで、『15分で!プロ級おかず』は働く女性や主婦を中心に、
たくさんの方々からの支持を得ています。
○商品名:『15分で!プロ級おかず』全12巻
価格:毎月790円(本体753円)
協力店(8店舗):「赤坂四川飯店」「アルポルト」
「なだ万リーガロイヤルホテル店」「日本橋ゆかり」
「キハチイタリアンあべのHoop店」「キハチ銀座店」
「ポワソン六三郎」「老香港酒家北野店」
版型:中綴じ製本 オールカラー 60頁 サイズA4正寸(21カケル29.7cm)
○この件に関するお問い合わせ先 株式会社千趣会 総務・IR広報部IR広報チーム
(担当者名田島・有江) TEL:06-6881-3100 FAX06-6881-3050
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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□
■ 池袋東武のスパイス
JRは駅中ブームを仕掛け、大宮や品川のエキュートは素晴らしいお店が入って
いますね。さて、私の地元、池袋には東口にはパルコと西武百貨店、西口には
東武百貨店と百貨店が目立ちます。百貨店に負けないぞと、東武に隣接してい
るJR系のメトロポリタンプラザは飲食フロアーを大改造中し、その目玉は、ク
リエイツ・レストランツの中華の香港蒸籠と自然食ビッフェのハーベストです。
そして、ちゃんとは居酒屋「ちゃんと」を出しています。ずいぶん個性的にな
りましたね。
http://metopoli.com/
隣の東武百貨店もそれに負けずと、レストラン街のスパイスを大改装中です。
http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/restaurant/index.html
それまでのデパートの食堂街というとダサい店が多かったのですが、まず、巣
鴨のカレーうどんの古奈屋を入れ、それから続々と新顔が登場しています。
最近は13階を大幅に改装し、大流行の自然食ビュッフェ、柿安 三尺三寸箸、
私の大好きな台北の鼎泰豐(ディンタイフォン)、そして、ちゃんとのアッパ
ーバージョンの和食 橙家(だいだいや)が開店しました。
12階には片山護さんのトラットリア ドン アルポルトも開店するなど、池袋と
は思えない雰囲気です。13階には料理教室のABCクッキングが華やかな教室を
開き、若い女性で大賑わいです。
早速、鼎泰豐(ディンタイフォン)には数回いきました。ただし、私の好きな
酢漬けのキャベツがなかったり、名物の鳥スープの塩味がばらつきすぎるのが
欠点です。また、久しぶりに和食 橙家に行きましたが、ちょっとガッカリ、
食べたくなるメニューもないし、従業員も普通のファミリーレストラン風。
あの元気の良いちゃんと風のサービスと、特徴のある料理はもう見られないの
でしょうか?ドン・アルポルトは気楽にパスタを楽しめるので良いですね。で
もちょっと料理によって味にばらつきがあるかな?
という事で、東武百貨店はずいぶんがんばっています。しかし、まだなれない
ためか、やや店舗の味やサービスにばらつきがありますが、それでも、池袋駅
で居酒屋や美味しい中華料理、パスタが食べられると街に出なくなりそうです。
お客様には便利でも商売をしている人にとって困りますね。
■ マクドナルド50周年を記念の調理機器技術50年史 その22
日本マクドナルドの調理機器技術史 その7
調理機器開発のポイント
過去数回ハンバーガーの肉を焼き上げるグリルの話をしてきました。当初は火
力が不足するという問題でした。これはどんな機械でもそうですが、一流の機
械を使ったことがないと機械の改善をすることは出来ません。車の開発もそう
ですね。私は現在、埼玉県新座市にある立教大学の観光学部で外食産業論を教
えていますが、新座キャンパスは私が高校時代に通っていた場所です。家は西
武池袋線の練馬ですから、池袋に出て東上線に乗り換え、志木まで行き、それ
からどろどろの田圃の中を徒歩で10分もかかります。朝は1時間ほどもかかる
のです。朝寝坊の私はたまりませんでした。そこで父親に軽四輪のスバル360
を買ってもらい家から通うことにしました。車ですと渋滞がないので30分で到
着です。
家から学校の途中にホンダ自動車技術研究所があったのです。当時は本田は、
S360という軽スポーツカーを開発中でした。その他、本格的に四輪車に進出す
るべく研究していたのです。当時、ホンダはヨーロッパの最新の車を購入し、
社員が毎日運転しては研究していたのです。研究所の玄関には何時も最新の車
が並んでいたのでどんなジャンルの車を研究しているのかが一目瞭然でした。
本田はS500というスポーツカーを最初に開発したのですが、それは後輪駆動で
した。しかし、本田の本当の狙いは家族が乗れるスポーティな小型車だったの
です。後のアコードやシビックを開発するために当時のヨーロッパの前輪駆動
の小型車を取り揃えて研究をしていました。
サーブ、シトロエン、ミニクーパー、などが並んでいましたがその中で印象的
だったのはパナールという小型の前輪駆動車です。エンジンは1100ccしかない
非力な車ですが、流線型のデザインと高いギア比により140kmを超える巡航速
度が可能だったのです。その車と毎朝近所から競争をしていました。スバル360
は軽ですが、2ストロークで簡単な構造なので、シリンダーをボアアップし、
圧縮を上げて、マフラーを抜いていましたから、結構な速度が出るのです。そ
んな競争を毎朝やって、優れた車を目の当たりにすると本当に良い車とわかっ
てくるのです。
高校にはホンダの本田宗一郎氏、トヨタ自動車販売の神谷氏などのご子息が在
籍していたためか、かなりの人が車通学です。本当はいけないのですが、近所
の農家にお願いして預かってもらい、帰りには皆で車のボンネットを開けて車
談義をしていました。夜になると友人の六本木の家に夜な夜な集まり、当時開
通したての首都高速で横浜まで爆音をとどろかせてドライブを楽しんでいまし
た。この間、閉店してしまいましたが、夜になるとお腹を減らして六本木のハ
ンバーガーインやピザのニコラスに通ったものです。当時の車仲間にはトヨタ
のドライバーになった舘信秀やF1を作った三村など、車キチガイがそろってお
りました。
そんな周囲の影響から車好きになり、大学に進学すると初代スカイライン2000
GTという化け物車を手に入れました。当時のポルシェより早いのですが、曲が
りませんし止まりません。怖い車でした。大学に進学すると体を鍛えようと、
間違って体育会空手部に所属してしまいました。空手というと攻撃が主のよう
に思いますが、殴られても大丈夫なようにまず、腹筋を鍛えるのです。それも
毎日最低でも300回、時々2000回という気の遠くなるような練習です。腹筋を
木の床に座って行うので御尻がすれてサルの尻のように真っ赤になり血がにじ
んでくるのです。そうするとひりひりして痛くてクラッチを踏めなくなりまし
た。
そこで、ギア付を諦めて自動変速機にすることにしました。もちろん自分の運
転技術が低いことも自動変速機にする大きな理由でした。そして、当時まだ日
本で余り人気のなかったBMW2000CAという車に出会うのです。この車の出来は
素晴らしく、これで車に対するメカの目が向上したといってよいでしょう。
その経験をグリルの開発に生かすことにしたのです。まず、米国研修の際にハ
ンバーガー大学で本場のグリルを目の当たりにしました。しかし、分解掃除な
どをする暇はありませんでした。チャンスはやってきました。スーパーバイザ
ーの最後の時に結婚をすることになりました。これはチャンスと新婚旅行を香
港にしたのです。当時の米国人上司が出来立ての香港マクドナルドの社長と仲
が良かったのです。そこで、現地で夜にグリルの分解作業をさせてもらうこと
にしたのです。旅行カバンの中には計測用の温度計やガス圧計をぎっしりとつ
めていきました。香港では3泊したのですが毎晩徹夜でグリルを分解していま
した。新婚旅行で来たのに毎晩一人で徹夜ですから現地の人は気を遣ってくれ
て、女性社員が当時の奥さんの案内をしてくれたほどです。
この香港で本場のグリルを徹底的に分解研究したおかげでずいぶん勉強になり
後のグリルの開発に大きく役に立つことになったのです。
でも、このおかげで当時の奥さんには早々と見切りをつけられたようです。
(続く)