weekly Food104 Magazine 2007年6月27日号

メルマガバックナンバー

● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報
● 立教大学独立研究科ビジネスデザイン研究科進学相談会のお知らせ
● 新店オープン情報
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 王利彰の米国外食情報

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■ 韓国外食事情掲載の開始のお知らせ

Food104マガジンの読者の皆様、何時もご愛読ありがとうございます。当マガ
ジンも常に内容を向上するように色々な努力をしております。編集長の私が立
教大学ビジネスデザイン研究科(MBAコース)で教えているのも単に、教える
だけでなく、国内外の実務に詳しい生徒からも学ぼうという趣旨もあるからで
す。

当研究科の学生の特徴の一つとして外食、ホテル、観光業、食品関連企業など
の実務経験者が多いことと、東南アジアの留学生が多いことです。そこで、外
食関連に興味を持っている留学生に対し数年間にわたり指導を継続してきまし
た。その結果、韓国、中国、台湾、などの留学生の力がめきめきとついてきま
した。

さらに力をつけさせるために、今後、韓国、中国、台湾などの外食や食事情を
留学生に執筆させ掲載することにしました。まず、韓国留学生の李美花さんに
原稿執筆を今回からお願いしました。この原稿は飲食店経営の2005年から連載
した記事を当マガジン向けに編集したもので、画像データーをごらんになりた
い方は飲食店経営の過去記事をご覧ください。

李美花さんは調理師の資格も持ち、韓国料理も自ら作ります。バイタリティの
あるダイナミックな料理が得意です。その料理に詳しい李美花さんの目で見た
韓国の生の飲食業界の動向をこれからお伝えしていきます。
お楽しみください。

筆者の李美花(イミハ)さんの略歴は以下の通りです。
韓国出身。
長安大学日本語科卒業
ソウル首都料理専門学院で和食と韓国料理の調理師資格取得。
草堂大学調理科学科にて外食経営を学び、卒業。
2004年4月に日本に留学し、立教大学ビジネスデザイン研究科(MBAコース)
入学。
2006年3月同校卒業。経営学修士。
2006年4月立教大学経営学研究科博士課程後期入学、
米日韓におけるフランチャイズ・システムをテーマに博士号取得を目指して
いる。その他、日本では「飲食店経営」執筆中、韓国では「外食経営」等に
執筆し、現在は韓国フランチャイズ雑誌Business & Franchiseに日本のフラ
ンチャイズ企業動向を執筆中。

○筆者連絡先 jane0423@hanmail.net

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● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報———————–■□

■ 韓国外食事情 第一回目
韓国人の外食に対する嗜好性とマーケットの動向
立教大学経営学研究科博士課程後期専攻  李美花(イミハ)

韓国人は食べることが大好きな国民である。日常の挨拶の中でも、「食事は済
みましたか?」というのが挨拶の代わりにもなるほどである。米国CBSテレビ
局の2005年4月13日ニュースで「韓国、米国、中国など世界11ヶ国を対象とす
る外食頻度、中食頻度、会社や学校に行く途中で買い求める頻度等を調査した
結果、韓国人の外食利用率は63%で、米国の66%に次いで世界2番目の高い外食
頻度だ」と報道されている。

また、韓国にあるマーケティング戦略研究所(1999年)が実施した外食に対す
る嗜好性調査によると、韓国人の70.4%は外食の際に韓国料理よりも他国の料
理を選び、もし選択ができるのであれば64.7%が日本食を選ぶと答えた。

このように、韓国人は外食が好きだし積極的に他国の料理を楽しむ傾向がある
が、まだ市場にある7割以上の店舗は伝統的な韓国料理店だというのが実態だ。
経済の発展による所得の増加は韓国人のライフスタイルを変化させ、食に対す
る新たなニーズを生み出したが、韓国の外食市場はまだその変化に追いついて
いないのが現状であり、他国料理などの新業態の進出が望まれているのだと言
える。

韓国における外食トレンド→ファスト・フードからスロー・フード(健康食)
へ世界的に食の安全性が問われ、インスタント食品・ファスト・フードから、
健康食品(スロー・フード)へとブームが移りつつある。昨年韓国で最も話題
になった流行語は、Well-Being(健康な人生を暮らす)である。Well-Being
とは、より豊かで健康的な生活をすることである。その一つの動向として海鮮
しゃぶしゃぶ料理店が進出したので紹介してみよう。

海鮮しゃぶしゃぶ料理店 スチームポット(Steam Pot)
最近韓国で、豚肉と牛肉の中間価格で味わえるメニューとして海鮮しゃぶしゃ
ぶが人気を集めだしている。Well-Beingブームにのって、食べやすく、健康に
良く、そして手ごろな値段で食べられると、この海鮮しゃぶしゃぶは老若男女
の顧客から、高い評判を得ている。

海鮮しゃぶしゃぶ料理の専門店、スチームポット(Steam Pot)は、ランチ1万
5,000ウォン(約1,500円)、ディナー1万8,000ウォン(約1,800円)で牛肉・
海鮮しゃぶしゃぶをはじめ各種サイドメニューを食べ放題(制限時間無し)で
提供している。しかも、子供連れのお母さん達が気楽に食事を楽しめるように
授乳室や子供向け遊び部屋などの付帯施設も揃え、お母さんたちからの高い支
持を集めている。

スチームポット(Steam Pot)が激安値段で海鮮しゃぶしゃぶを提供すること
が可能になった背景は、オーシャン(Ocean)という輸出・流通を管理するス
チームポットの親会社があったからだ。オーシャンが取り扱う既存の品目の
一つである海鮮の調達ルーツを活かし、競合他社よりも低コストで物流・流通
費用の削減が可能になったからである。

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■ 立教大学独立研究科ビジネスデザイン研究科(MBAコース)の2008年度の
進学相談会のお知らせ(編集長の王よりのお知らせ)

私は立教大学大学院独立研究科ビジネスデザイン研究科(MBAコース)で教え
ております。立教大学大学院独立研究科では、下記の日程でビジネスデザイン
研究科、21世紀社会デザイン研究科、異文化コミュニケーション研究科それぞ
れに入学を希望する受験生・社会人を対象に進学相談会を行います。私も説明
会に参加いたしますので、ぜひ、おいでください。青々とした蔦の絡まるチャ
ペルを見学しながらの説明会です。気楽にご参加ください。

○説明会の詳細
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/sindaigakuin/sodankai20070714.htm

○ビジネスデザイン研究科の概要
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/sindaigakuin/bizsite/index.html

○実施日:2007年7月14日(土)
場所:立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館
対象:下記研究科2008年度入学試験の受験を検討している方
(社会人、在学生、外国人ほか)
1.ビジネスデザイン研究科(博士課程後期課程含む)
2.21世紀社会デザイン研究科(博士課程後期課程含む)
3.異文化コミュニケーション研究科(博士課程後期課程含む)

プログラムA・・・各研究科からの概要説明

ビジネスデザイン研究科
第1回   13:00集合 (約20分)
第2回   15:00集合 (約20分)

21世紀社会デザイン研究科
第1回 13:30集合 (約20分)
第2回 15:30集合 (約20分)

異文化コミュニケーション研究科
第1回  14:00集合 (約20分)
第2回  16:00集合 (約20分)

※第1回、第2回の説明の内容は同じです

場所:立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館1階会議室

なお、研究科からの概要説明開催時間中も太刀川記念館3階で個別相談を受け
付けています。私も参加しておりますので、気楽に声をかけてくださいね。

プログラムB・・・各研究科教員による個別相談

13:00~17:00

場所:立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館3階多目的ホール

※申し込み不要・入退場自由です。当日は2008年度入試要項(秋季)、
その他入試資料を無料配付します。

お問い合わせは、立教大学独立研究科事務室( 03-3985-3321 )まで

事務室開室時間:  月~金 12:00~20:30
土  10:00~17:00

以下はビジネスデザイン研究科のご説明です。

私が本校で教えているビジネスデザイン研究科はいわゆるMBAコースで社会経
験2年以上あることが条件です。そのため、平均年齢は35歳です。

1学年90人が定員で、そのうち15%程度が海外からの留学生です。一番多いのは
中国、次が韓国、そして台湾、その他東南アジアです。

留学生も大変優秀で、私のゼミ学生の1名、授業をとっている学生の1名、計2
名の中国人留学生は中国語は勿論、韓国語、日本語を流暢に話します。

台湾人留学生1名は、米国大学のホテルレストラン学科を卒業し、英語、北京
語、台湾語、日本語を操ります。今、東南アジアは中国語だけでなく、英語、
韓国語、日本語が必要不可欠のようですね。

さて、ビジネスデザイン研究科の学生で外食、ホテル旅館、観光、食関連の
学生はどんな会社の方がいるか紹介しましょう。

外食では
スターバックス、KFC2名(内1名は中退)、ディアスープ、

ホテル旅館
ペニンシュラホテル、リッツカールトンホテル、星野リゾート

観光
JTB(数名、JTB会長が教授を務めていますから学生が多いですね)、
日本航空(知っているだけで3名)

食関連
明治屋産業(卸売業)
伊藤忠関連会社
サカタインクス(種子)

その他、私の知らない学生でこの分野の方が多くいらっしゃいます。

さて、私の主催するfsproメーリングリストから今年は2名、food104マガジン
からは1名が入学しました。1名は台湾からの留学生、もう1名は日本人ですが
中国語ばっちりと楽しみですね。皆さんも大学院に挑戦しませんか?

ビジネスデザイン研究科も6年目になり、教授陣も変わりました。
いつの間にか 立花 隆さんが教授になっていました。この科目は面白そうで
すね。

教授陣は
http://www.rikkyo.ne.jp/%7Ez3000142/bizsite/index.html
で、本職の大学教授の他に実務経験のある方を迎えています。

商業界社長の結城義晴さんも引っ張り込んでしまいました。

その他
青木 輝夫 教授は
(株)三菱商事(MC)役員待遇、(株)ローソン取締役(取締役会議長)、
(株)デジタルガレージ及び(株)イーコンテクスト取締役。

高岡 美佳 准教授は
元アイドルの美人で東京大学大学院経済学研究科博士課程終了。専門は、流通
システム論、企業間関係論。フランチャイズビジネスで、学生には大人気。

嶋津 良樹 教授は
東急総合研究所取締役地域開発研究部長・顧問を経て「住宅・都市および地域
計画」を教えています。

簗瀬 允紀 教授は
味の素ゼネラルフーヅ(株)マーケティング部長、デュポン(株)マーケティ
ングディレクター等を経て、「消費財ブランドマーケティング」、「ブランド
と広告」、「新製品導入戦略」などを教えています。

元治 恵子 准教授は
今年から就任しました。(株)リクルートなど勤務後、立教大学大学院社会学
研究科博士後期課程単位取得退学。立教大学社会学部助手、兼任講師などを経
て現職。社会調査法、社会統計学を教えます。

ちょうど日経新聞の私の履歴書でセブン&iの鈴木敏文さんが履歴書を書いてい
ますが、統計を立教大学の教授を招いて勉強したと述べています。立教大学の
社会学部は統計の分野が強く、そこで学んだ元治准教授の統計の授業は大変期
待されています。

舩山 龍二 教授は
JTB会長,日本旅行業協会副会長、ツーリズム産業団体連合会会長、日本観光
協会副会長などを務めており、業界の詳細なお話が聞けるので大人気です。

甲田 浩 教授は
株式会社ニューオータニ代表取締役副社長、兼ホテルニューオータニ(東京・
大阪)総支配人でホテル業務の第一人者です。

後藤 克彦 客員教授は
株式会社日経リサーチを創設し、現在特別顧問を務める、調査業界の重鎮で
学生は調査に困ると駆け込んで相談をしています。

その他色々な専門家の方がおります。

今年からビジネスデザイン研究科には博士課程後期が解説され、博士号取得を
目指す学生が9名誕生しました。昨年度解説した経営学研究科(博士課程後期)
には私の教え子が日米韓のフランチャイズシステムをテーマに博士号取得を目
指しています。小売、サービス、外食、観光、関係で博士号をとるには立教の
大学院は最適だと思います。

博士号を取得して将来教鞭に尽きたい、学究生活に入りたいと言う方にぴった
りです。勿論ビジネスの最先端にも博士号は役に立ちますよ。
では、7月14日にお目にかかりましょう。

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● 新店オープン情報 ———————————————-■□

■ 秋葉原に「多酒多菜 千人同心」OPEN

JR秋葉原駅に隣接するアトレヴィ秋葉原の3階に、東京ジューキ食品株式会社
が手掛ける「多酒多菜 千人同心」が5/24にオープンしました。
日本に満ち溢れた多種多彩な「うまいもん」を存分にご堪能いただけます。
魚介類は福島県の相場原釜の新鮮地魚を毎日直送しています。相馬沖は親潮
と黒潮が混じり合う「潮目の海」で、年間150種もの魚介があがる漁港です。
カレイをはじめ普段なかなか食べる機会のないカスベやサッタロなどの珍し
い魚を、刺身・焼き・煮など素材の旨さを引き出した調理法で丁寧に仕上げ
ます。

○メニュー一例
海の幸いっぱいの料理長おすすめサラダ(3~4人前)  1,800円
京のおばん菜 にしんと小芋の炊き合わせ         630円
まぐろ 中トロ                     780円
黒豚ねぎ風味焼                    680円

○店舗データ
住所:東京都千代田区神田花岡町1-9-アトレヴィ秋葉原3F
アクセス:JR秋葉原駅昭和通り出口よりすぐ
TEL:03-3255-1010
営業日:ランチ 11:00~15:00  ディナー 15:00-23:30(L.O.22:30)
定休日:不定休(ビルの休日に準じます)
坪・席:120席 最大宴会人数 30名 個室4室

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ モス、「カレーチキンバーガー」新発売

株式会社モスフードサービスでは、平成19年7月20日(金)~平成19年8月下旬
まで、全国のモスバーガー店舗(一部店舗を除く)にて、まろやかな味わいの
「カレーチキンバーガー」(250円/税込)を新発売します。

鶏むね肉をサクサクの衣で上げたチキンフライを、デミグラスソースをベース
にしたまろやかなカレーソースに漬け込み、その上にたっぷりの千切りキャベ
ツとマヨネーズを合わせ、ふわふわのパンでサンドしました。カレーソースの
甘めでまろやかな風味とシャキシャキの千切りキャベツとマヨネーズの相性が
抜群の親しみやすい味わいです。

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ LAの和食ブーム その2

ビバリーヒルトンでSukiさんに食事をご馳走になってから、桑田さんのご案内
でLAの日本食の見学です。日本食を一躍お洒落に仕立て上げた功労者の松久信
幸氏が経営するMATSUHISAはLA、ビバリーヒルズ中心街のラ・シェネガ・ブルー
バードにあります。このMATSUHISAの影響でLAは空前の和食ブームです。でも
松久さんのおかげで米国の和食は日本の和食とはかけ離れた存在になりつつあ
るのです。

そこで、本格的な和食を紹介しようと2007年春にグローバルダイニングの権八、
元ワタミ常務の江村氏のTokyo Tableが2006年暮れに開店しました。両店とも
隣り合って開店しましたが、その道路の反対側には老舗MATSUHISAがあります。
その横には日本のチタカ・インターナショナル・フーズがフランチャイジーとし
て経営する老舗ベニハナがあります。
http://www.chitaka.co.jp/overseas.html

権八は蕎麦と焼き鳥をメインにした居酒屋で寿司カウンターも備えています。
ブッシュ大統領と小泉元首相が会食したことで有名になった西麻布の権八をベ
ースにした立派な内外装と本格的な庭を備える和風居酒屋です。Tokyo Table
は江村氏が開発したお洒落な「ごはん」をベースに開発した若者居酒屋の米国
バージョンです。

○権八: http://www.global-dining.com/jp/news/la_gonpachi/index.cfm
○Tokyo Table: http://www.tokyotable.com/

権八もTokyo Tableも大繁盛だろうと思ったら、意外とお客様が少ないのです。
こんなに良いお店なのにどうしたのだろうかと思ったらLAにはMATSUHISA以外
に強敵がいるのです。その一つが、桑田さんお勧めのKatsuyaです。渡米20年
近くなるUechi Katsuyaさん経営のお店です。Uechiさんは沖縄出身で大阪の
辻調理で調理技術を身につけ、その後、沖縄のビューホテルで働きました。
22年ほど前にLAにわたり、幾つかの寿司店を経て1997年に自身の名前をつけ
た寿司店Katsuyaを開店しました。

ベニハナの創業者ロッキー青木さんの本を読んで米国でチェーン展開しようと
思い立ったようです。1997年にKatsuyaの一号店はStudio Cityに開店しました。
しかし、最初の数年は試行錯誤の連続だったのですが、その苦労が実ってある
日突然お店は大繁盛となりその後はとんとん拍子です。

その後
2002年 LA日本食トップのKOIのメニューコンセプトを担当
2004年 Katsuya Encino店オープン
2006年7月 Katsuya Brentwood開店
2007年 The Izaka-Ya By Katsu-Ya ウエスト・ハリウッド開店
2008年 夏にダウンタウンとマイアミに開店予定と大忙しです。

http://www.sushikatsu-ya.com/home.html
http://www.japaneserestaurantinfo.com/columnsp/chef/052307/index.html

○Katsuya Brentwoodの写真:
http://pics.livedoor.com/u/jizakeworld/album/39312

早速Brentwoodのお店を訪問しました。ハリウッドスターも多く居住する住宅
地に隣接した良い場所にあります。Valetパーキングサービスも勿論完備です。
店頭はガラス張りのお洒落な内装はなんとフィリップ・スタルク(Philipe
Starck)のデザインです。和を思わせるのは入り口にある炎を灯した大きな石
と店内の寿司カウンターの天蓋にかかれた「勝」と言う漢字くらいです。寿司
カウンターも白木ではなく、ガラス作りのお洒落なものです。ニューヨークの
ルビー・フーが影絵のような寿司カウンターを作って以来使われるようになっ
た、行灯入りの衝立がありますが、そこにはなんと女性の眉毛や睫のコラージ
ュが描かれています。

http://www.philippe-starck.com/ の2006年の作品で紹介されています。
勿論、パーティーをできる別室の用意もあります。そのお洒落な内装は日本を
連想できるものはありませんが、米国人にとってはなんとなく和風なのでしょ
う。着飾った男女で満席でした。

Katsuyaを経営するのはUechi氏が代表取締役を務めるTaiheyo Corporation社
です。その日はVice PresidentのKazuhiko Yatsuさんが出迎えてくれてメニュ
ーのご説明をいただきました。Yatsuさんの身のこなし方、話し方に隙があり
ません。どんな経験かと伺ったら日系大手ビール会社の出身だとのこと。納得
です。

さて、人気メニューを頼んでみました。ハマチの刺身にハラペーニョの味付け、
巻物はタラバガニとアボガド、マヨネーズをライスペーパーで巻いています。
これは米国人が黒い色の海苔巻きの色と、ネーミング(海の雑草)が嫌いだか
らです。そして神戸牛(米国産ですが、神戸牛の種を使った肉です)のステー
キ、ヒラメの薄造りにオニオンのから揚げをかけたカルパッチョ、油をひいた
鉄板で両面を焼いた酢飯の上にネギトロをのせたもの、蟹入りチーズの天麩羅
と言うジャパニーズ・カリフォルニア料理です。

これが日本料理と目を剥いてもしょうがありません。米国人は美味しいといっ
ているのですから。さて、この大繁盛の店を後にウエスト・ハリウッドについ
最近開店した、KATUYAの居酒屋バージョン、The Izaka-Ya By Katsu-Yaです。
この周辺も雰囲気の良い住宅街で、Brentwood よりも若い客層が多く、カジュ
アルな雰囲気です。

道路を隔てた向こう側には「すし六」があります。ちなみにすし六を経営する
カーディナス兄弟はもとグローバルダイニングで働いた経験があり、その当時
の同僚の中村さんが日本で独立するときにその名前をかりて、カーディナスと
言うカリフォルニア料理を開店したのでも有名です。

さて、Brentwoodのフィリップ・スタルクデザインのお店とは打って変わって
カジュアルな和風居酒屋です。従業員も日本人が中心です。メニューは、Bren
twood とほとんど一緒ですが、もう少しくだけています。居酒屋で飲んで最後
の締めにご飯を食べますよね。皆さんは何を食べますか?通常、おにぎり、お
茶漬け、混ぜご飯、寿司、などですよね。しかし、このお店のお勧めはなんと
ハンバーガーでした。ハンバーガーと言ってもKobeバーガーと言う、神戸牛
(神戸牛の種を使って米国産の牛に生ませたもの)で10.8ドルもします。でも
味があって美味しかったですね。

さて、このKATSUYAのグループを見てみると、日本料理をベースに米国人の好
みを徹底的に追求したことがわかります。NOBU(Matsuhisaも同様)はまだ、
日本的なメニュー構成と言えますが、KATUYAは完璧に米国人向けです。デザイ
ンをフィリップ・スタルクに任せたり、独特の料理といい、これは和食に対す
る論議を呼ぶでしょうね。

さて、その後、Uechiさんがメニューコンセプトを作り上げたLA、ハリウッド
のセレブ達御用達和食レストランKOIを訪問し、その繁盛ぶりに瞠目しました。
あまりの繁盛振りに感心したのですが、お腹が一杯で食べられなかったので、
翌日訪問することにしました。
(続く)

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● 王利彰の米国外食情報

■ ルイビルのチリズ・フランチャイジーがブリンカーインターナショナル社
からチリズ76店舗を買収 Nation’s Restaurant News, June 11, 2007

ケンタッキー州ルイビルのチリズの大手フランチャイジーのERJ Dining社は
フランチャイザーのブリンカーインターナショナル社とチリズの既存店76店舗
購入と、中西部で49の新店舗を開店する権利を購入する契約を締結したと発表
しました。

ダラスに本社のあるブリンカーインターナショナル社は今回の契約締結により
直営店をフランチャイジーに売却する計画の数値を達成したと発表しました。
2007年6月30日末までにブリンカーインターナショナル社は同社のフランチャ
イジーと182の既存店の売却と、今後10年間の間に165~189の新店舗の開店を
約束していました。ERJ Dining社は25店舗のチリズをイリノイ州、インディア
ナ州、ケンタッキー州、ミズーリー州、ウイスコンシン州、で運営しており、
4つの新店舗を開発中です。

ERJ Dining社の役員の一人Junior Bridgeman氏は元プロバスケットボールの選
手で、ウエンディーズのフランチャイジーでもあります。もう一人の役員Greg
Cloud氏はWhit-Mart Inc.を通してアップルビーズ店舗を経営しています。
この取引により、ERJ社は1,765店舗展開しているチリズで最大手のフランチャ
イジーになります。

■ バハ・フレッシュの新オーナーはCKE社のメキシカン部門La Salsaも買収
Nation’s Restaurant News, June 11, 2007 by Lisa Jennings

ウエンディーズ社の傘下にあり極度の経営不振にあえいでいたメキシカン料理
のバハ・フレッシュ社を1ヶ月前に買収した、B.F. Operations Holdings LLC社
は今度はCKE社(カールスジュニアやハーディース等のハンバーガーチェーン
経営)から、メキシカン料理部門のLa Salsaも買収しました。

バハ・フレッシュの親会社のB.F. Operations Holdings LLCのオーナーのDavid
Kim氏は昨年にバハ・フレッシュ292店舗を31ミリオンドルでウエンディーズ
より買収しました。Kim氏は元CKE社のフランチャイジーでした。

Kim氏は今回の買収に際して、投資ファンドのM Plus Capital社(Santa Moni
ca, Calif.)とGarMark Advisors社(Stamford, Conn.)、J.H.W. Greentree
Capital社(New Canaan, Conn.)と提携していました。Kim氏はバハ・フレッ
シュとLa Salsaのブランドは統一せず、それぞれのブランドを使用すると語っ
ています。Kim氏はCinnabonのフランチャイジーのCinnaWorks社等も所有して
います。

CKE社にとってLa Salsaは長年に渡って赤字部門でしたので、業界筋は売却の
動きについては意外性はないとしています。CKE社はハンバーガー部門に専念
するとともに残りの2つのメキシカンブランドのGreen BurritoとRed Burrito
は残す予定です。

カールスジュニアの1,087店舗のうち300店舗はGreen Burritoとのデュアルブ
ランド店で、これから20~25店舗の直営のデュアルブランド店を開店する予定
です。ハーディースの1,906店舗のうち35店舗がデュアルブランドで、今年に
は30~35店舗のデュアルブランドを開店する予定です。

CKE社は2002年にLa Salsaを(Green Burritoも含む)Santa Barbara Restaura
nt Group Inc.社より買収しました。La Salsaの創業は1979年でメキシカン料
理のファストカジュアル業態のパイオニアでした。前期1年間の売上は81ミリ
オンドルで、CKE社は直営店を55店舗、フランチャイズ店を41店舗運営してい
ました。La Salsa1店舗あたりの平均年間売り上げは$797,000ドルで、ウエン
ディーズ時代のバハ・フレッシュの1店舗あたりの年間売上高$1.2ミリオンで
した。La Salsaの既存店対前年比売上は1.2%プラスでした。しかし、直営店6
店舗と4つのフランチャイズ店舗は閉店しました。

■ レッドロビン、ジーから店舗を買収
Nation’s Restaurant News, June 11, 2007

高級ハンバーガーチェーンのRed Robinはカリフォルニア州のフランチャイジ
ーのTop Robin Ventures Inc.社より、18のRed Robin店舗を$47.5ミリオンド
ルで買収すると発表しました。

■ マクドナルドの幹部教育
Nation’s Restaurant News, June 11, 2007 by Dina Berta

Marcia Vargas氏の13年間にわたるマクドナルド社での勤務は安定したもので
した。氏はポートランド州の地区事務所の人事部の勤務からスタートしました。
3年後にシカゴの郊外のオークブルックにある本社人事部に移動になりました。

2005年に氏の上司がマクドナルド社のLeadership Instituteと言う中間管理職
向け講座を受講するように勧めました。6ヶ月間の研修を終えると氏は部長に
昇進しました。この講座ではリーダーシップの能力の向上だけでなく、世界を
飛び回る役員クラスの仕事を学ぶことができたのでした。この講座はものすご
くきつかったのですが、受講した価値はありましたと氏は語っています。

レストラン業界は常に人材難にあえいでいます。それを克服するためには中間
管理層のリーダーシップや部下への接し方の能力を改善する必要があるのです。
また、人材難を克服するには女性や少数民族を積極的に採用する必要があるの
です。

マクドナルド社の人材部門の役員のRich Floersch氏は118の異なる国に展開し
ている以上、優秀な人事部の人材を育てる必要があるのだと語っています。
マクドナルド社は新商品のスナック・ラップの導入や営業時間の延長などの戦
略の成功により長期間既存店の対前年売上は好調です。この好調の影にあるの
は新商品だけではなく、3年前に導入した”Plan to Win”と言う戦略により、従
業員の会社に対する貢献意欲が増したことです。

このプログラムの目的は中間管理職のリーダーシップの向上でした。このプロ
グラムは世界中の中間管理職に年間を通して実施されました。研修は米国の本
社か、世界各国の本部で実施され、中間管理職の上司によって受講者は選定さ
れました。最終のコースの卒業者38名を加えると合計で、45カ国184名の中間
管理職が研修を終了したことになります。その内の40%が昇進しました。修了
者の42%は女性で36%は少数民族でした。

年間数百人の店長とフランチャイジーがオークブルックのハンバーガー大学の
研修を受けにきています。建物は2階建てで教室と大型劇場を備えています。
人口湖の対岸にはハイアットの運営するホテルが備わっています。

このハンバーガー大学の勉強の後はほんの少しのリーダーシップ教育があるだ
けでした。しかし、マクドナルドのビジネスは最近は大きく変革をして、より
洗練されたリーダーシップ教育が要求されるようになったのです。

2000年代の初期にはマクドナルドの営業成績は良くなかったのですが、マクド
ナルド社は経営計画を見直す上で、中間管理職に必要な異なる技術と能力の要
求をすることにしました。そして、このリーダーシップ教育に投資したおかげ
で業績が大幅に改善したのです。

Vargas氏は今回の中間管理職研修を受ける前に、これは大変な集中トレーニン
グだとやや躊躇しました。氏はこの過去に中間管理職研修を受けていた人が途
中で脱落したのを見ていたからです。

この研修にはフェニックスにある外部研修期間のThunderbird School of Global
Managementへの出張が必要でした。研修生は経営戦略ワークショップやファイ
ナンス、能力開発マネージメントなどにも取り組まなくてはいけなかったので
す。授業の最終には彼らが作成した経営戦略をマクドナルド社の経営幹部(社
長のジム・スキナー氏もメンバーの一員)に行うことが義務付けられていまし
た。

Vargas氏チームの策定した経営戦略は、店舗のマネージャーの書類管理業務を
軽減し、顧客への対応や従業員教育により時間を使わせようと言うものでした。
彼女のグループは店舗のマネージャーの作業を分析し、POSレジスターのお金
を数えずに金庫に投入すれば、自動的に計算をし、集金人が集金をしてくれる
と言う仕組みで、マネージャーが銀行まで行く時間と計算の時間を削減できる
ようになります。

この経営トップへのプレゼンテーションの後に彼らのチームはフランチャイズ
・コンベンションで同社のジーへの説明の機会を与えられ、現在、イリノイ州
やオーストラリアなどで彼らの仕組みをテストしています。

研修を受けたVargas氏は「この中間管理職研修はビジネス上の問題点を解決す
るために異なる視点を与えることです。そして、リーダーシップとは単なる技
術ではなく、部下を指導し、元気付け、方向性を明示し、将来を見つめること
です。私がもう一度この研修を受けるチャンスがあれば、躊躇なくもう一度取
り組むでしょう」とその成果を語っています。

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