三寒四温の頃とは言え、気温差が激しいのは日本もプーリアも同じ様です。野草は花を咲かせる前のこの時期が美味しいのですが、ルーコラやボラジなどは例年より1ヶ月程早くすでに花盛りです。
ルーコラはルッコラ、ロケットとも呼ばれていますが、ゴマのような風味とちょっと辛みと苦味のあるイタリア料理に馴染みの深い葉野菜です。
魚や肉との相性がよく、お刺身にルーコラを散らし、お好みでレモン、塩、コショウ、オリーヴオイルをかければカルパッチョという立派なイタリア料理に変身します。
我が家ではルーコラはそこらじゅうに自生しているので野草扱いです。栽培している数種類のレタスと共にルーコラもほとんど毎日サラダとしてたくさん食べています。ルーコラ好きの私としては嬉しいことにカルシウム、鉄分、ビタミンCが豊富で、さらに血管の老化を予防する効果があると言われる一酸化窒素の体内濃度を高める食品の一つであるということです。プランターなどでも簡単に栽培できるので是非ご家庭で育てて身近に感じていただきたい野菜です。
ボリジという草は馴染みが薄いかも知れません。イタリア語ではボラジネと言います。マドンナブルーと呼ばれるルリ色の可愛らしい花はエディブルフラワーとしてサラダや料理の付け合わせとして食されたりハーブティーとして飲んだりします。キュウリのような生牡蠣のような変わった匂いがする葉はサラダに入れたりもします。解熱作用や強壮作用があると言われ古くから薬草として扱われていた植物です。
庭に勝手に生えて花を咲かせたり、実をつけたりしてくれる植物がたくさんあるのは有難いことです。自然の流れに任せてその時期になったらその時期にしかない恵みとして有り難く食べさせていただく。知らなければ食べない様な野草ですが、美味しいだけではなく身体に良い効能まであるとは。きれいに形が整ってもいませんし、場合によっては先客(虫や鳥)に先を越されてしまったりもします。お天気によって花や実のつきが毎年違います。そういうものだと納得して味わう食物は買ってきたものとは違う味がします。