プーリアでは夏のこの時期海岸で自生しているサリコルニア。和名は厚岸草です。北海道の厚岸湖の牡蠣島で明治24年に初めて発見されたことからこの名前がついたとのこと。
秋になると赤く色づきその様子が珊瑚のように見えることから珊瑚草とも呼ばれているそうです。むしろその景観が有名で、日本では食用にはされていなかったようですが、自生のものは絶滅危惧種で採取は禁止されているようです。
海水で育つ植物でプチッとした食感と塩味が独特です。我が家では茹でて緑色の外側を芯からするっとこそげ取り、オリーヴオイルとレモンでシンプルに食べます。魚の蒸し焼きなどの付け合わせにピッタリです。
このサリコルニア、東京のレストランでも使われているのを発見しました。まだ一般的ではありませんが、調べてみるとコストコや楽天市場などでもシーアスパラガスという名で販売されています。アスパラガスとは全く違う種類の植物なのですが、細長く緑色の外見が似ているからという安易なネーミングです。
トルコやイスラエル、またハワイからの輸入品が多いようですが、日本国産もありました。福岡県の糸島市で栽培されているものです。イタリアのみならずフランスやイギリスなどヨーロッパでは割と一般的な野菜でもちろん栽培されており、スーパーマーケットなどでも売っていますが、日本ではまだニッチな高級食材という位置付けでしょうか。
おひたしなど和食にも合う食材だと思います。乾燥させて粉末状にしたサリコルニアはナトリウムの含有量が低い塩としてグリーンソルトという名で商品化されています。
一方マグネシウム、カリウム、アミノ酸、食物繊維などが豊富なことから健康食品としてもPRされています。海水で栽培できる植物というのは面白いと思いました。海水の水耕栽培の植物というのはあまり聞いたことがありません。今後一般的な食材になる可能性を秘めているかも知れません。
青空マルシェというサイトで種も販売されています。https://www.marcheaozora.com/?pid=98708082 (現在欠品中)。
このサイトはマニアックとも言えるほど珍しい植物の種や苗などを販売していてとても興味深いです。