このマガジンは王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社
有限会社清晃(せいこう)が提供しています。
その他に2011年4月より2015年3月まで関西国際大学教授に就任し、
新しく発足した人間科学部経営学科のフードビジネスを担当していました。
2004年4月から2009年まで立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授を務め、
F&Bマーケティング、サービス・マーケティングなどを教えていました。
立教大学観光学部、杏林大学外国語学部応用コミュニケーション学科観光文化コース、
韓国のSejong大学大学院フランチャイズ学科、女子栄養大学・短期大学、会津大学・短期大学等でも非常勤講師の経験があります。
2012年9月に脳梗塞で倒れ、重い嚥下障害を患っており、その顛末と嚥下対策は「月刊厨房」で1年間記事を連載しました。
フードコンサルタント王利彰は長年「メーリングリストfspro」で業界関係者と双方向のコミュニケーションをしてきました。現在は、Facebookのオンラインサロンへ移行。
FSPROメーリングリスト(外食産業情報“無料”オンラインサロン)
(https://www.facebook.com/groups/280530300281763)
外食産業でご活躍の皆さまはもちろん、卒業された方々の経験や知識も共有していただける場になるよう、皆様からの投稿をお待ちしています。
● 世界・日本各地の食情報
● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 日本外食ニュースと米国外食ニュース
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● 世界・日本各地の食情報
1)食の宝庫九州から上田さんです
【こやまパーキング】
このマガジンの石川史子編集長が出張で来福されるということで、ミニオフ会を開催しました。
石川さんをお迎えするのに、変なお店を紹介するわけにはいかないと知恵を絞って、辿りついたのが
「めしやコヤマパーキング」
なんとも人を喰ったネーミングですが、昼からやっている居酒屋です。
日本酒、ワインの取り揃えもしっかりしていて、オリジナルのカクテルもありました。
鍵穴の形をしたカウンターに20席、4人席のテーブルが2つ、カウンターにくっついています。
カウンターの真ん中に丸型の調理台、半分が炭火の焼き台、半分がガス台になっています。
お客さんに向いた側に調理台があり、調理、盛り付けの様子が判ります。
カウンターを囲む席は満席、ほぼ女子。月曜日の19時に若い女子で満席。
たしかに女子好みのメニューが並びます。
和食が基本ですが、材料はチーズやフォアグラと和洋の垣根がなく、面白い組合せのものが続きます。
テーブルの横にもコンロがあり、土鍋の炊きあがりの香りに編集長がきゃあきゃあ言っていたのが印象的でした。
ライブ感のある賑やかな居酒屋は人気がでるはずですね。
椎茸とお米のポタージュ:お通しで、椎茸の香りが良い
鰆の炙り刺しと温泉たまご:ビジュアルはすごいけど、確かにまろやかで美味しい
パリパリピーマンと肉味噌:これは福岡だけですか、冷水で締めたピーマンが本当にパリパリで良い食感
のどぐろ昆布締めとアオリイカ:鮨の舎利の替わりにアオリイカ、のどぐろを乗せて握って
チーズそぼろ:鶏そぼろを生姜で甘辛く炊いて、クリームチーズと合わせて。海苔、ワサビと一緒に
フォアグラ最中:国宝「漢委奴国王印」の形をした最中の皮にフォアグラのクリームを詰めて
生からすみ餅:干す前のカラスミを炙った餅に挟んで
大人のマッシュポテト(里芋、酒盗);里芋の鉄板焼き、フワフワ
海老づめ椎茸の天ぷら:椎茸に海老をゴロゴロ詰めて
秋の木の子と鰆の土鍋ご飯:季節感のある炊き込みでした
鯛と焼きなすの土鍋ご飯:こちらも外れがないですね
本日のお味噌汁:なめこの味噌汁でした
下見に行ったときに食べたもの
シャインマスカットとチーズの生ハム包み:字の通りの組合せ、外しようがない
本気のアジフライ:新鮮な鯵なので、火を通し過ぎないようにしました。タルタルソースで
蟹味噌くりぃむコロッケ:売り切れで、また次回食べてみたい
めしやコヤマパーキング
Webサイト 予約もInstagramからというのがいまどき
食べログ
【プロフィール】
上田和久
kazz@studiowork.jp
スタジオワーク合同会社 代表
1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。
国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター
上田和久 facebookは
経歴と仕事分野
厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。
主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。
具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。
食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。
2)南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第348回
プーリアの我が家では毎日昼夜2食は料理するのが日常的で、滅多に独りで食事をすることはありません。特に週末は私たち家族のうち誰かが独りだと知ると友人や親戚が一緒に食べようと招いてくれます。それが、単身赴任の身になって孤食の機会がぐっと増えました。慣れていなくて、ちょっと寂しい思いをしています。
パスタ料理にしても一人分を上手に作るのは至難の技。多めに作って冷凍しておくというのも味が落ちるに違いないと思うと作り置きする気にもなりません。
料理を作る作業全体、メニューを考える、材料を選ぶ、調理をする、盛り付ける、というすべてがクリエイティブな行為だなとつくづく思います。私にとっては趣味というかストレス解消にもなっていたのかもと思っています。
それに加えて誰とどこで食べるのかという要素もとても大切。むしろそちらの方が大事と思えるほど食事というのは社会性が高い行為ということを実感します。「どんなものでも好きな人と食べると美味しく感じる」というのは真実だと思います。
そこで、「料理がしたいので食べる人集めてください。」と地元の知人にお願いして、地元の食材で私がイタリア料理を作るというお食事会をしました。
メニューは主に佐伯産の魚を使った料理。新鮮なブリ、イトヨリ、車エビを地元の海鮮市場で入手。佐伯ではブリは天然、養殖ともとてもポピュラーな魚でお刺身の分厚さと歯応えのあるプリプリ感は目をみはるものがあります。これをあえてカルパッチョのように薄く削ぎ切りにして名産品のカボス、ローズマリー、オリーヴオイルと佐伯の海水塩で軽くマリネにしました。
車エビは殻で出汁をとりズッキーネと身を一緒に炒め煮にしてパスタソースにしました。メインはイトヨリのオーブン焼き。特産マリンレモン、玉ねぎ、プチトマトと白ワイン、オリーヴオイルで蒸し焼きです。新鮮な魚があってこそのシンプルな調理方法です。
プーリアの我が家のオリーヴオイルをたっぷり使うことで味にコクが出るのが、隠し味でもあります。改めてオリーヴオイルのチカラを実感しました。
前菜からデザートまでプーリアでするように料理をしてみて、気づいたことがいくつかあります。出来るだけ地元で簡単に入手できる地元産の食材を使いたいと思ったのですが、パプリカやトマトなどの味が薄いこと。スーパーなどで買えるパスタの種類が少ないこと。良質なオリーヴオイルもスーパーでは売っていないこと。小麦粉の味も違うし、そもそも水が違うので塩分の分量も調整が必要なこと。
地元の酒屋さんでもプーリア産のお手軽値段のワインは購入できること。そして何より魚の値段が安いこと。
参加してくださった方々は「こんな食べ方があるとは!」と言って驚いてくださり、美味しいと喜んでくださいました。お料理教室やったら参加してくださるとも言ってくださいました。私も料理することの喜びと共に、お話にも花が咲き楽しいひと時を過ごすことができました。
大橋美奈子 Facebook
メール・アドレス
minako@da-puglia.com
大橋美奈子さん経歴
演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
そのジョバンニ・パンフィーノと、日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をし、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。
また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。
ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。
また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。
有限会社ダプーリア
http://www.da-puglia.com/
大橋美奈子プロフィール
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html
プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E
ダプーリア
大橋美奈子
3)FBプロデューサー日記 285回目
九州みどりの食料システムEXPO
10/24,25九州・沖縄 観光宿泊外食産業展@福岡マリンメッセに
LINKED CITY の農泊DX担当で出展、福岡に来ています。
今回は、「九州みどりの食料システムEXPO」が同時開催でした。
東京で企画委員をしている私も、関係者の皆様とご挨拶し、聴講をさせていただきました。
講演会、まず最初はロイヤルホールディングスの菊地会長、続いて農林水産省大臣官房 みどりの食料システム戦略グループ長 久保牧衣子さんは、さらに多くの立ち見客が出るほど盛況でした。
生産者は、農業資材の高騰や人手不足からの人件費の高騰などを、価格を転嫁できないため本業である農業の収益が下がり、苦しい状況に置かれています。
このままでは、自給率を上げるどころか、農業を辞めてしまう人が増えるかもしれないという危機感を感じます。
この状況を打破するため、何か新たな情報は無いかと、藁をもすがる状況で展示会に足を運んできている事が分かりました。
日本能率協会(主催者ブース)で、国際観光施設協会「LINKED CITY」農泊DXの講演をさせていただいているのですが、ランチを食べる暇もないほど、次々と来場者がありました。熱心に聞いていただき、本当にありがとうございました。
今、大都市圏の観光業や、外食産業の方々は、インバウンド客が増え、収益がどんどん増えています。
円安や、原油高の影響があったとしても、客数が増えているので、収益が増大
見かけ上は大きな問題になってはいません。
しかし、人手不足は深刻で、物流や、飲食店の従業員が獲得できないという声を耳にしました。
ロボットやDXによる効率化、ライバル企業との共同物流などで対応をせざるを得ない状況になりつつあります。
今後のビジネスは、生産性を上げ、経済価値を上げることと、社会課題を解決するということの両輪で動かなければならないことを、展示会や講演会で、改めて勉強させていただきました。
菊地会長は講演の中で、日本はお客様の声や、株主の声が強いのだとお話をされていました。
資本主義は無限ではなく、有限です。
ステークホルダーへの還元は重要ですが、安く買い叩くことで、日本国民全体が大事なものを失いつつあることを、早く多くの人に気づいてもらえればと願っています。
展示会場では、福岡県のいちご生産地域で、地域の行政担当がリーダーになり、JA、生産者組合の青年部が一緒に展示会場を巡り、何か解決策はないのかと探している姿に出会いました。
いちごの6次産業化は47都道府県で作っているので、この農作物で収益性を向上させるのは、ブランディングや他の地域が生産しない夏季に栽培するなどの工夫が必要です。でも、必死に次の手を探してる地域は、きっと新たな戦略を見つけることでしょう。
LINKED CITY 農泊DXについて、詳しく知りたい方は、次回2月のHCJ2024 ホテルレストランショー 2月13日から16日@ビックサイトのステージトークセッションの中でも、ご紹介予定です。
ぜひ、ご予定ください!
農泊DX 「ノウハク・デジタルトランスフォーメーション」
デジタルテクノロジーで、6次産業化ビジネスを発展させ
食感動・交流体験を新たに創造・提案し、
観光客ニーズの多様化等の市場要求と、
地域課題を同時に解決させるプロセスです。
農泊DX で解決できる地域課題
・地域利益の最大化
・サステナブル経済社会の実現
・インバウンド対応
・女性活躍推進
【プロフィール】
石川史子 Ishikawa Fumiko (旧姓 戸田)
株式会社FOOD FIELD CREATIVE
facebook https://www.facebook.com/ffcnippon/
HPとblog http://ffcnippon.com/
東京都生まれ。立教女学院中学・高校を経て立教大学理学部化学科を卒業後、東京ガスに入社。2010年、業務用厨房ショールーム「厨BO!SHIODOME」開業を担当、王先生と最適厨房研究会などでご一緒させていただきました。
お客様へのプレゼンや、HCJなどの展示会では、有名なシェフの方にご出演いただき、厨房設計を支援できる私はフランス料理界のシェフにかわいがられるようになりました。
フードビジネスプロデューサーとして独立して8年、おかげさまで活動の幅を広げています。リケジョとしての能力を活かし、厨房機器メーカー、フランス料理界、東京都や北海道、福島県などの生産者支援や、オーガニック農業の推進、観光、料理、厨房業界のPRに幅広く取り組んでいます。
さらに、農林水産省 令和5年度農山漁村振興交付金(農山漁村発イ令和ノベーション対策)受託事業、北海道びえい農泊 DX推進協議会の事務局長になりました。丘のまちびえいから、美味しいものの情報をお届けします。
王先生のFSPROでニュースクリップを担当するインターン生、募集中です!
びえい農泊 DX推進協議会 事務局長
東京都農林水産振興財団 チャレンジ農業支援センター販路開拓ナビゲータ
福島県楢葉町6次産業化アドバイザー
MLA豪州食肉家畜生産者事業団 ラム肉PR大使「ラムバサダー」
全日本司厨士協会 埼玉県本部 広報企画部長
全日本司厨士協会 東京地方本部 協賛会員
フランス料理文化センター アミティエグルマンド 会員
ホテル&ホスピタリテイビジネス衛生管理実践研究会 監事
立教学院諸生徒礼拝堂ハンドベルクワイア OBOG会会長
立教大学観光クラブ理事、校友会企画委員
調理技術教育学会 会員
一般社団法人 日本商環境デザイン協会 正会員
深沢アート研究所 マネージャー
東京お米サロン
4)飯田真弓より6回目の記事です。
今回も航空会社時代のお話をお楽しみください。
【航空会社の飲食サービス】
今回は乗務員用の機内食、クルーミールのお話です。クルーミールはお客様用の機内食同様、空港で駐機中に機内に搭載されます。国内線では一部クラスを除き、お客様への機内食の提供はありませんが、クルーに対しては乗務時間に応じて機内食が搭載されます。国内線の乗務は、1日あたり、1便から多いときで5便までを乗務しますので、長い時で10時間近く、飛行機の中に閉じ込められます。ですから食事を飛行機の中で採る必要があります。
このクルーミールは大きな箱に入ったお弁当です。サイズでいえばお客様のテーブルサイズ。普通のお弁当より豪華で、洗練された献立です。メニューは和食、洋食が数種ずつ用意されます。
機長と副操縦士は同じメニューを選ぶことはできません。同時に食中毒にならないためです。CAには制限はありませんので、自由に選ぶことができますが、先輩から選んでいきます。後輩はいつも人気のないメニューを食べることになります。牡蠣の燻製とピンクペッパーのサンドイッチの入った洋食が一番の不人気だったのを覚えています。
さて、このクルーミール、乗員(コックピットクルー)は水平飛行に入った上空で食べることができますが、CAはいったいいつ食べるのでしょうか。国内の飛行時間は1時間から1時間半程度、水平飛行に入った時はお客様への飲み物サービスなどの真っ最中ですので、食べることはできません。
多くは飛行機の到着地、駐機中に食事を済ませることになります。飛行機は飛んでナンボの世界、駐機中には稼ぎはゼロですので、駐機時間をなるべく短くするような過密運航スケジュール、飛行機繰りが組まれています。
機種にもよりますが、飛行機が着陸してから次に離陸するまでの駐機時間は30分から1時間程度です。この時間からお客様が降機される時間と搭乗される時間、さらに忘れ物の確認や、新聞や雑誌、各種配りものなどの準備の時間を引きますと、食事にあてる時間は10分もありません。
新人CAは、この10分を少しでも無駄にしないよう、てきぱきと機内の客席にクルーミールの箱と飲みものをセットし、先輩CAに『クルーミールの用意ができました』と声をかけます。機内清掃が行われている落ち着かない中、束の間の食事時間です。
まず先輩からメニューを選び、着席します。新人CAは先輩達が座った事を確認してから、残った箱の前に着席し、食べ始めます。そして先輩の食べ終わった音、箱を閉める音を聞いたとたん、『ご馳走様でした』といって食べるのをやめて、立ち上がります。ミールの箱を回収し、客席を元通りに整えます。新人CAに与えられた食事時間は5分もないのです。これを繰り返すわけですから早食いはもちろん、どんな時もまず美味しそうなもの、食べたいものから食べるくせがつきます。
飛行機が遅延してしまうと、このクルーミールは上空でお客さまサービスの合間を縫ってギャレイで立ち食いをすることになります。この哀れな食事環境に対するストレスと肉体労働で業務後は大食いになり、お酒が進みます。ますます喰意地が張ってしまうわけです。
CAの『かきくけこ』、ご存じでしょうか。『金遣いが荒い、気が強い、喰意地がはっている、案外結婚できない、でも根性だけはある』見た目よりはるかに体力や気力を使う仕事ですので、飲む、食べる、浪費する、がいちばんのストレスを発散させる方法なのです。
さらに、クルーミールは多くて月替わりで、冷たい食事ですの。皆飽きてしまいます。そこで短い駐機時間をなんとか工夫して、地上の温かい食事をとろうと涙ぐましい努力をすることがあります。
例えば長崎。長崎空港に皿うどんとちゃんぽんが美味しい空港職員用の食堂があります。約50分の駐機時間、この食堂に行く時間をなんとか捻出しようと、全乗務員が一致団結します。まず、副操縦士が機内連絡を使って注文をまとめます。その注文をコックピットから地上に無線を使って連絡します。『えー、●●便、ちゃんぽん4つ皿うどん7つ』
一方のCAは、次の便の準備を前倒しで進めます。お客様が降機後、業務口から社員食堂にまっしぐら。用意された本場の長崎ちゃんぽんと皿うどん。美味しいに決まってます。
しかし、ここでも先輩後輩の序列があります。後輩はお水を配り、最後に着席、できたてのちゃんぽんを一生懸命すすります。『熱いーっ』に決まってます。目から鼻から涙が出ます。先輩が席を立つ音を聞くと同時に真っ先に社員食堂のドアを開けます。まだ半分も食べていませんし、鼻水が止まりませんが、飛行機に戻って次の便のお客様のお迎えをしなければなりません。
先輩は綺麗にお化粧直しをする時間がありますが、新人CAにはそんな時間はありません。鼻先は真っ赤、鼻の下のお化粧は剥げたままでお客様をお迎えします。そこは若さでご愛敬、と言いたいところですが、口の中のやけどは隠しきれず、『ひらっしゃいまへ』のご挨拶。長崎からご搭乗のお客様、失礼いたしました!
でもこのちゃんぽんにありつきたいがために、キャプテンは飛行機をぶっ飛ばし、到着時間を少しでも早める努力をしていましたので悪しからず。
次回は国際線のクルーミールのお話を書きますのでどうぞお楽しみに。
【飯田真弓プロフィール】
東京で生まれ、10歳より千葉で育ちました。
35年にわたり、国内外の大手外食チェーンをはじめとするグローバルな食産業と、ホスピタリティサービスの代名詞である航空会社に勤務してまいりました。この経験を活かし、現在、成長を目指す企業様にさまざまなアドバイスをさせていただいております。
専門分野は、お客様および従業員様を主役にしたブランディングを起点とする企業戦略の策定と結果につなげる実践です。さらに、マーケティングとイノベーションを掛け合わせた商品開発と、何より欠かせないグローバルレベルの品質管理と食の安全は得意分野です。
これらを一気通貫させ、企業様の規模に合わせたサプライチェーンのデザインと創出、そしてチェーンのグローバル化やフランチャイズ化の手法など多岐にわたり、お役立ちの引き出しを多く備えております。これらの分野はどちらかというと企業様の成長過程においてなかなか手の届かない、後回しになりやすい領域です。
どのように企業運営に組み込んで行くのかについても企業様の状態に応じてアドバイスができます。どうぞお気軽にご相談ください。
【経歴】
「世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」
幼い頃から、よく言えば食への探求心が強く、本当のところただの喰意地のはった究極の食いしん坊で、さまざまな専門料理を「食べる、作る」経験を積んでまいりました。10歳の頃には近所のお母さんたちに公民館で料理を教えるほどの特異な子供でした。
そしてそんな喰意地の夢を叶えるために最初に選んだ職業はなんと航空会社の客室乗務員、CA。目的の食はもちろん、最高峰のホスピタリティとチームワーク、徹底したマニュアルオペレーションと教育システム、ブランドエンゲージメントを習得することができました。国内および国際線パーサーまでを経験できたのはありがたいことです。
思いのほか真面目にフライトする一方で、ついたあだ名は「空飛ぶ胃袋」。お給料のほとんどとフライト以外の余暇はすべて食べることに費やしていました。当時はバブルのさ中でしたので、高価な食事をご馳走になる機会もありましたが、とにかく自腹でピンからキリまで胃袋と時間の許すかぎり食べ歩きました。
国内のみならず、CAの特権を活かし、「飛んで行ける全ての地」においてさまざまなジャンル、規模のレストラン、ストリートフード、市場や小売店などを訪れることに多くの時間を費やし、食体験を深めていきました。帰国するスーツケースの中はいつもスーパーで買った食材でいっぱい、検疫で時間がかかるので先輩たちにはとても気を遣いました。
同期が蝶よ花よと扱われ、いわゆる玉の輿に乗っていく中、「エンゲル係子」のあだ名もつき、とても対照的な20代を過ごしました。
その後、当時経験する機会の少なかったインド料理と文化をどうしても学びたいと、一念発起、なんとインドの財閥系商社に転職し、2年間を30年前のニューデリーで過ごしました。
30年前のインドは想像を絶する世界、生活の近代化のレベルで言えば、若い女性が住むにはかなり厳しい環境でした。そのような中、インドだけでなく、周辺国チベットなどまで足を運び、食を経験しました。追ってこのお話もお伝えしたいと思います。
帰国後、創業者との縁あって国内大手ハンバーガーチェーンに入社しました。「世の中にないものを作る」をモットーに、当時圧倒的なプロダクトアウト力を備えると有名でしたこの会社の商品開発部門の黄金期に加わることができたのです。世界中での食体験を発揮するに最高の環境をいただきました。また、多様な新規事業のメニュー開発、商品企画、海外事業など幅広い経験を積むことができました。このお話も興味深いかと思います。
一方でプロダクトアウトとは真逆の世界、ブランディングとマーケティング戦略を軸に経営戦略を策定、実践を学ぶ環境に身を置き、スキルを身に着けました。その結果、一度は自身のブランドを立ち上げ、経営を行うことが必要と考えて独立。オーナーシェフとして東京都中央区に、無名のところから飲食店を開業しました。
2年近くほとんど休みも取らず毎日オープンキッチンに立ち、生のお客様と対峙することで多くの事を学びました。努力が実り、短期間で複数店に展開しました。何より嬉しかったのが、後輩シェフ達を育てることができたことです。同時に専門誌への執筆や企業様へのブランド立ち上げ、業態、メニュー開発などコンサルタントとしての事業も開始いたしました。
このコンサルティング事業をきっかけに、米国大手ハンバーガーチェーン、世界最大店舗数のサンドイッチチェーンの国内展開のみならず、アジア地域においてのR&Dイノベーション、調達サプライチェーン、品質管理と食の安全を統括する機会をいただきました。
世界に展開する米国2大チェーンの本社と働くことで世界の最先端を知ることができました。また、のべ2000以上の工場を視察、監査した実績がありますので世界中のあらゆる工場や生産現場を熟知しています。
さらに、店舗、現場を主役とするための営業、オペレーションの統括も任され、約10年にわたる負のスパイラルからの脱出、V字回復を2年間で成し遂げました。グローバルレベルのチェーンビジネス、FCビジネス、その手法とさまざまなパターンを横断的に熟知するに至りました。
現在は飯田真弓事務所を開設し、外食のみならず、さまざまな企業様の成長や課題解決に対し、お役立ちをさせていただいております。
趣味は筋トレとゴルフ。どちらも変態レベルでストイックに攻め、体脂肪率10%未満を常にキープ。ゴルフは2年で90切り。「健やかにしなやかに歳を重ねるコツ」や、「食べても太らない身体作りのヒント」もお伝えできると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
飯田真弓
飯田真弓事務所 代表
(一般社団法人)全日本食学会会員
(公益社団法人)日本ヘルスケア協会会員
ライザップBODY MAKEアンバサダー
【特記】
・品質管理、食の安全分野における専門性/GFSIの主要認証、BRCG(旧BRC)ASIAアドバイザリーボード(HACCP,ISOなど食の安全、管理領域含む)
・フードサイエンスおよび官能評価技術/英国グローバルリソースであるLEATHERHEAD FRにて取得
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● 読者からのご意見・要望・質問・情報 コーナー
読者の皆様のご意見・要望・質問・情報・欄を作成しました。皆様のご意見・要望をぜひお送りください。匿名で掲載させていただきますので忌憚のないご意見をお聞かせください。また皆様が見聞き体験した外食・食材情報もお知らせください。
このFOOD104を支えてくださっている組織にFSPROと言う食の世界の専門家の方が500名ほどいらっしゃいます。皆様のご質問・疑問に答えられるようになっておりますので、ご遠慮なくご質問などをお寄せください。ちょっと時間はかかりますが回答させていただきます。
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● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□
10月19日-10月25日
■オーケー/銀座店オープン、299円弁当・限定総菜・インバウンドが充実
流通ニュース
■【寄稿】ライフ、ヤオコー、サミット/首都圏スーパーのPB戦略
流通ニュース
■サンマルク/自由が丘に新業態のクロワッサン専門店
流通ニュース
■プレナス/3-8月、既存店好調も助成金・為替差益減少で純利益減益
流通ニュース
■すかいらーく/9月既存店売上高19.5%増、客数11.3%増
流通ニュース
■DD、24年度第2Qで営業利益率9%と往時に近付く。飲食・アミューズメント事業では12%も稼ぐ。
フードリンクニュース
■ゼットン、親会社アダストリアの唯一の飲食企業に。「ジャンバ・ジュース」運営子会社を清算。
フードリンクニュース
■「”やっぱりすごい”はずのダイニングイノベーション」 『焼肉ライク』に100店の壁!? 有村前社長降格。旗艦店続々閉店の異変。
フードリンクニュース
■2月決算の外食企業分析
フードリンクニュース
■フジオフードグループ本社藤尾社長 遠回りした食堂業態への進出
日経ビジネス
■消えた「和民」が鳴り物入りで大復活 ワタミが本気で仕掛ける新ブランドは、何がすごいのか
ITmediaビジネスオンライン
■「外食チェーン」値上げで客が離れる過酷な現実
東洋経済オンライン
■「吉野家」が復活 1年前倒しで売上目標を達成 近づくラーメン店の買収
M&A Online
■大手傘下に入っても貫く「らしさ」 アキダイ社長が引き継ぐノウハウ
ツギノジダイ
■スシロー/9月の既存店売上高9.9%増
流通ニュース
■くら寿司/9月の既存店売上高10.1%増、客数2.9%増
流通ニュース
■521人が食中毒「吉田屋」社長が初の会見で謝罪 米飯“温度測定せず放置、独自の判断で冷却し使用で菌増殖”大きな要因に
日テレNEWS
■ピーク時は150店舗弱運営も…飲食業者を破産に追い込んだ赤字体質と足かせ
ニュースイッチ
■JR新札幌駅、新さっぽろ駅/複合商業施設「BiVi新さっぽろ」オープン
流通ニュース
■スーパーマーケット/9月の既存店売上4.3%増
流通ニュース
■日本生協連/9月の総供給高1.2%増、住関・衣料品は苦戦
流通ニュース
■コンビニエンスストア/9月既存店売上3.5%増、残暑と行楽需要に対応
流通ニュース
■神楽坂「しんぱち食堂」、チェーン初の鰻丼メニュー化。国産鰻を独自開発の炭火焼機でファーストフードとして提供。「鰻の成瀬」を追撃。
フードリンクニュース
■タイミー/累計ワーカー数600万人突破
流通ニュース
■無印良品の「世界のお菓子」シリーズに新たなお菓子が登場します。
無印良品は、世界各地の伝統的な製造や素材を生かして作る「世界のお菓子」シリーズから、オランダ、ベルギー、フランスのお菓子の販売を新たに開始します。
スパイスをしっかり効かせて味を引き締めたオランダの「ストロープワッフル」、食感にこだわったベルギーの「スペキュロス」は通年販売、コーヒーのほろ苦さと香りを感じられるフランスの「オペラケーキ」は季節限定で販売されるそうです。
無印良品が販売するからこそ、世界の伝統的なお菓子が気軽に楽しめるという点が魅力的だと感じます。肌寒い日が増えてきているので、温かいドリンクと一緒に楽しみたいですね。【K】
10/18(水)から順次 オランダ、ベルギー、フランスの菓子 発売のお知らせ
無印良品 世界のお菓子シリーズ
株式会社良品計画
■「温度」に注目した冷凍熟成餃子ブランド「-Ond°(オンド)」が誕生します。
株式会社ReLikeは、日本初の温度に注目した冷凍餃子ブランド「-Ond°(オンド)」を冷凍食品の日である10月18日にリリースしました。
製造工場から自宅までの商品流通における温度差に着目し、温度の違いを利用して「1次熟成」「2次熟成」を商品設計の軸として組み込むことで、濃厚な味わいの広がる餃子になっているそうです。
餃子とは思えない、スタイリッシュなロゴデザインに目が留まりました。商品についての情報はまだ少ないですが、流通における温度差に着目したコンセプトが面白いなと感じます。【K】
冷凍食品誕生から約100年 日本初の温度に注目した冷凍熟成餃子ブランド「-Ond°(オンド)」が10月18日(水)誕生!
2023年12月5日(火)からMakuakeにて先行販売を予定
株式会社ReLike
■港区青山につけ蕎麦スタイルで楽しむ十割蕎麦屋「十割蕎麦否否三杯」がオープンします。
提供される蕎麦粉は青森県と秋田県の境に跨る十和田湖に広がる蕎麦畑で畑栽培されている玄蕎麦を使用しています。繋ぎの小麦粉を使用しておらずコシがつよい仕上がりになっています。
また、本ガツオと甘みのあるサバ節、コクのあるイワシ節を使っただし汁もしっかりとした風味があります。こだわりの十割蕎麦のお蕎麦をいただいた後、蕎麦湯をいただくのも楽しみになりそうです。【M.M】
十割蕎麦を“つけ蕎麦”スタイルで味わう 十割蕎麦の香りとのどごしを最大限に楽しむ港区青山「十割蕎麦 否否三杯」10月19日(木)11:00オープン
株式会社バルニバービ
■「犬」モチーフのおやつレシピ本が発売されます。
株式会社パイ インターナショナルから、犬をモチーフにしたお菓子をつくるアトリエ「Maison terrier」の、まるで絵本に登場するかのようなかわいい犬の形のおやつ50種類以上を紹介する書籍『My Little Dogs メゾン・テリアの犬モチーフのかわいいお菓子』が発売されます。
シャンティイで毛並みを表現した「マロンシャンティイ犬」や、食パンの焦げ目を模様に見立てた「柴犬トースト」、クッキーで耳をつけた「ショートケーキ犬」など、いつものお菓子がときめくようなデコレーションアイデアが掲載されているそうです。
ちょっとしたアレンジでよりワクワクするようなお菓子に変身するレシピ、ぜひ作ってみたいです!【K】
犬好きのあの人に贈りたい! 心ときめく幸せなおやつの時間『My Little Dogs メゾン・テリアの犬モチーフのかわいいお菓子』12月14日発売
株式会社パイ インターナショナル
■可愛いクマちゃんが鍋の中で徐々に溶けていく様が可愛くて切ない、「北海道めんこい鍋 くまちゃん温泉」のオンラインショップから新商品「マッシュくまちゃんファミリーセット」と「3種の人気くまちゃん温泉PARTYセット」が発売されます。
ファミリーセットのクマちゃんには椎茸がくまの頭に乗っている”きのこヘッド”使用です。また、途中で味変も楽しめる仕様になっています。温泉RARTYセットは三匹の異なる味のくまちゃんと3種類のタレが入っているのでたくさんの味が楽しめるセットになっています。
冬の厳しい寒さが近づく中でコラーゲンたっぷりで冷えの緩和やむくみ予防も期待できる鍋で美味しく病気を予防できそうです。【M.M】
キノコの帽子を被ったかわいい“くまちゃん鍋”でLet’s鍋パーティー!秋限定「マッシュくまちゃん」が期間限定で登場
イートアンドHD
■規格外農産物から生まれた健康で美味しく宝石のような見た目の玉葱ピクルスについて紹介します。
玉葱ピクルスはsweetとsourの2種類あり、sweetはピクルスが苦手な方でも程よい酸味です。sourはアントシアンが豊富に含まれるバタフライピーがたっぷり使用されています。
また、M.vegeさんはスーパーなどに卸す際、形が悪かったりするなどで味が変わらないのに廃棄されてしまう農作物を減らし頑張る農家さんと消費者への架け橋になれるように頑張っているそうです。
ピクルスといえば小さなキュウリ(ガーキン)を思い浮かべるのですが、今回紹介するピクルスは玉葱の食感と酸味のハーモニーが楽しめるのではないでしょうか。【M.M】
奥京都から今注目の新商品「玉葱ピクルスソース」天然ハーブで印象的な見た目。ハロウィン、クリスマス、お正月のイベント、ホームパーティーにバエる手料理。お土産やプレゼントにも人気
M.vege
■徳島県産食材の新たな魅力を発信する限定メニューが登場します。
グランド ハイアット東京にて、地方で活躍している生産者を支援する活動「グランド グルメ トリップ」の一環として、徳島県産食材の魅力を伝える限定メニューの提供が11月1日から30日の期間限定で開催されます。
直径7cm以上のオリジナルブランド椎茸天恵こ、柚子、徳島県産すだちの果皮を混ぜた飼料で育った「すだちぶり」などを活かしたメニューを、ホテル内のレストランやバーなどで楽しむことができるそうです。
10日、11日には徳島の美しい景色や豊かな自然と寄り添って生きる生産者や職人たちを撮影した写真も展示されるそうです。味覚や嗅覚、視覚など、五感で楽しめる素敵なイベントですね。【K】
旬のジビエなど厳選食材を通じ、徳島県産食材の新たな魅力を発見する食体験「グランド グルメ トリップ 徳島」2日間限定ディナーも登場!
県産の厳選食材を通し、豊かな森や自然の生態系を守り 地元生産者の支援と新たな発見につなげる食体験
グランド ハイアット 東京
■「大相撲」とのコラボカフェがオープンします。
株式会社エスエルディーが運営するkawara CAFE&DINING KITTE博多店にて、大相撲九州場所の開催を記念したコラボレーションカフェが10月27日から11月26日の期間限定で開催されます。
実際の相撲部屋のちゃんこ鍋レシピをアレンジした「福岡県産博多いちばん鶏とたっぷりお野菜の“麦味噌バターちゃんこ鍋定食”」、お相撲さんをかわいいスイーツに落とし込んだ「どすこい!横綱の“つっぱりプリンパフェ”」などがラインナップされるそうです。
大相撲×かわいいで「すもカワ」、初めて知りました。相撲×カフェ、面白いコラボレーションですね!【K】
大相撲&kawara CAFEの期間限定コラボカフェをオープン 大相撲九州場所公認のちゃんこ鍋や“すもカワスイーツ”など、kawara CAFE&DINING KITTE博多店にて開催!
株式会社エスエルディー
■地元野菜の目利きからチャレンジする親子食育体験が開催されました。
日清オイリオグループ株式会社は、子どもたちに食への関心を高めてもらう機会を提供する企画「親子食育体験イベント」を、小学生親子9組を招きクッキングサロンハマッ子にて、3年ぶりに開催しました。
横浜市で採れる旬野菜とその目利きポイントを教わり、実際に直売所で新鮮な地元野菜の購買を体験、そしてそれらの野菜を使った料理「はまぽーくとナスのロールカツ」など4品の調理に挑戦したそうです。
地元野菜を使った料理を作るだけでなく、その野菜の目利きから学び、購買する体験も取り入れている点が魅力的だなと感じます。親子で買い物に行く機会に繋がり、様々な食材を目にするきっかけにもなりそうですね。【K】
地元野菜の目利き&調理にチャレンジ!横浜市で親子食育体験イベントを開催
日清オイリオグループ株式会社
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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□
外食産業基礎コース 第7回目 物の管理 その2
物の管理 科学的なアプローチ
ドライブスルーシステムの続きです。
<POSシステムの重要さ>
ドライブスルーシステムで最も大事なシステムは,POSシステムである。POSがなければドライブスルーシステムは成り立たないのである。
まずオーダーテークで会計が終了しない間に次々とオーダーを受付けて、そのオーダーを、キャッシングウインドーに送付し、そのオーダーをピックアップウインドーまで送付しなければならない。また、その間のオーダーの内容を店内のディスプレーに表示し、調理をする人、取り揃える人が確認できなければならないのである。
また、いったん取ったオーダーがキャッシングウインドーやピックアップウインドーで変更や追加があったときにどうするか、途中で割り込みがあったときにどうするかなどの、複雑な対処ができなければならないのである。
<コミュニケーションシステムの設計>
POSと同様に重要なのはコミュニケーションシステムである。POSではお客様のオーダーを取り終わらないと、ディスプレー画面にオーダー内容が表示されないが、大量オーダーが入ったり、特殊な注文が入ったときにすばやく対応することができない。そこで、マイクとスピーカーでの音声によるコミュニケーションが必要になる。
<ドライブスルーレーンの設計の注意点>
ドライブスルーの場合には、建物の配置、ドライブスルーレーンの線引き、車の出入り、看板の位置など気をつけなければならない。
ドライブスルー店舗は看板の設置が重要である。国道などは車線が多く車のスピードが早いので、店舗の前にきてから駐車場に入ろうとしても通り過ぎてしまうのである。そのため、告知看板の設置が重要になってくるのである。
店舗には当然回転式の大看板を設置するが、町中では高さ規制や、高層ビルの為に遠距離から見にくいという問題がある。郊外でも車のスピードが早いため大看板が見える距離では店舗に入るだけの十分な減速ができない。
そのため告知看板を設置するわけであるが、店舗からの距離は店舗のロケーション競合状態により異なる。また、車の平均速度や、前方の競合店の存在により設置場所は異なってくる。
車の流れが安全でスムーズにするには、カウンターでの並ぶスペースが必要なのと同様に入り口からオーダーボードまで十分な距離が必要である。また、各ウインドー間に何台の車が入るかも全体のサービングタイムがスムーズにいくかに影響する。
全体の敷地の中の建物の位置であるが、町中の店舗の設計の習慣から建物を道路際に建てる傾向があるが、それではドライブスルーレーンの長さを十分に取ることができず、日曜日の忙しいときにお客様を逃がしてしまう原因となる。また、駐車場に車を止めて店内にはいるのに、ドライブスルーレーンを通過することになり危険である。ドライブスルーレーンは敷地の周囲を回し、歩行客特に子供に危険がないようにしなければならない。
建物が道路際にあると車から見やすいように錯覚するが、実は奥に建物があった方が車から見やすいのである。新幹線で遠くの富士山を見るとはっきり見えるが、線路の中の砂利を見てみると流れてはっきり見ることができない。スピードがある時には、距離があった方が景色が流れず見やすいのである。
夜間に建物が目立たないと車が通り過ぎてしまうので、客席内部の照明を明るくし、建物外部の照明も明るくし、周囲の暗闇から浮き上がるようにすると店舗が目だち車が入りやすくなる。
また、駐車場の照明も十分に明るくし、家族ずれのお客様や、若い女性客も安心して入ってこれるようにする。駐車場が暗かったり、部分的な死角があると暴走族などがたまり場にし易くなるので注意する必要がある。
また、キャッシングウインドーで品物を受け取ってからすぐに道路であると、通行料が多いところではすぐに出ることができず、待たなくてはならない。そうすると次の車に品物を渡すことができず全部の車がストップしてしまう。キャッシングブースから、何台か車をためることが出きれば比較的スムーズにドライブスルーの車を流すことが可能である。
入り口からオーダーボード、オーダーボードからキャッシングウインドー、キャッシングウインドーからピックアップウインドー、ピックアップウインドーから出口までの距離はきちんと計算しなければならない。
特に設計の際の車と車の間の距離、車のサイズの設定は重要である。最近は車のサイズが大きくなり、小型者規格を越える車が増加し、また、1ボックスカーなどの車高の高い車が増えてきたので設計には十分に注意する必要がある。定期的に来店客の車のサイズのチェックも必要である。
<ドライブスルーの安全対策>
1)照明
駐車場の照明は十分な明るさが必要である。特に、部分的な暗がりは犯罪を発生し安いので注意が必要だ。特に店舗への入り口の照明は十分明るくし、入ってくる人が確認できるようにする。
2)速度
駐車場内部の速度制限が必要である。一般的に5KM以下でなければならない。物理的に速度がでないように駐車場内の通路に蒲鉾上の突起物を作り速度を出せないようにする。
3)レイアウト
駐車上に止めたお客様が店内にはいる通路と、ドライブするー利用のお客様の導線が重ならないようにする。特にドライブスルーのキャッシングブースの前方の横断歩道での事故が多いので注意が必要である。
最近では1ボックスカーや、大型の4輪駆動タイプの車両が増加しているが、それらの車の左側面に子供が立っていると全く見えないので注意しなければならない。
特に子供の遊技場などを作る場合には、店内から直接遊技場に出入りできるようにし、幼い子供が駐車場にでないようにしなければならない。
4)犯罪への対策
郊外型の店舗では、事故や犯罪の発生に注意しなければならないので、以下の項目に注意し店舗設計、運営基準を作成しなければならない。
・銀行納金の法
・早朝、深夜の従業員の安全対策
・店舗の鍵の掛け方、管理方法
・金庫の鍵の管理
・盗難対策
・火災対策、自動消火装置、警報装置
・駐車場における表示内容、長時間駐車対策
以上はドライブスルーマニュアルの一部である。日本マクドナルドは基本的に米国マクドナルドのマニュアルを翻訳検討して作っている。上記のドライブスルーのマニュアルは米国マクドナルドには存在しない。日本で試行錯誤しながら作り上げたものだ。米国は車が普及したのはフォードがモデルTの高品質でありながら、低価格な自動車の大量生産に成功したからである。
フォード・モデルTの販売開始は1908年であるから、自動車の普及後110年以上がたっている。そして第2次世界大戦後、経済復興で全国にハイウエイを建設し、ベイビーブーマーの誕生により、郊外に住むようになり自動車は生活必需品となった。
劉のファスト・フードの技術革新 大量生産方式(フォードモデルT) 修士論文
平均的な米国人の郊外一戸建てには扉のあるガレージが2台あり、そのガレージから道路の間に、2-4台の車を止めることができる。米国では州により異なるが運転免許は15-16歳で取得できる。つまり高校生になると自分で運転して学校に通える。そのため各家庭に3-4台の車がある。子供の頃から車を運転する米国人にとって、ドライブスルーなんて当たり前でマニュアルなんて必要ないのだ。
日本で自動車が普及しだしたのは1964年開催の第一回東京オリンピックに際しての国道整備と首都高速道路の建設からである。そして、1970年の大阪万博にあわせて作られた名神高速、東名高速などの高速道路の建設が、車の普及を加速させた。米国の車の普及に50年以上遅れており、特に大都市居住者の多い日本では自動車の運転に縁が無い人も多い。
自動車になじみがない日本でのドライブスルーの設計は大変である。マクドナルドは1972年、環八高井戸店で始めてドライブスルーを取り入れた。設計は米国マクドナルドの天才エンジニアの故・ジム・シンドラー氏によって行われた。
笑い話であるが氏の設計は当初、米国の右側通行で行われ、慌てて左側通行にしたので、やや使い勝手が悪かった。それ以降の店舗は日本側で設計を行ったが、社内各部の部長クラスも、自動車免許を持っておらず自動車も持っていない時代で、店舗の立地選択や設計上の問題が多かった。
当時急速に店舗展開していたすかいらーくグループは、環八高井戸店が面していた五日市街道沿いの三鷹に本社を構えていた。その立地上、社員は車で移動しており、三多摩地区の良い立地にドライブインレストランを急速に展開できた。
それに対し、当時都心駅前型店舗中心の展開が多かったマクドナルドは、西新宿の住友三角ビル高層階に本社を構え、社員の移動は電車だった。この問題によりマクドナルドの郊外型ドライブスルーの展開が遅れた。
店舗建物の設計も問題があった。すかいらーくなどのドライブインレストランはドライバーの視認性が高いように道路側に店舗を置き、駐車場を奥におく。ドライブスルーの場合には、ドライブスルーレーンの長さが重要で、店舗は奥に設置する。この違いを車を運転しないマクドナルドの社員は理解できなかった。
もう一つのマクドナルドの課題は店舗設計の標準化が遅れ、店舗コストが高く利益性が低かったことである。すかいらーくは店舗の標準化を図りコストが低かった。ノウハウのなさを解決するために、米国のドライブスルー店舗を買い上げてフランチャイジーとして運営しながら勉強することになった。
社員教育のために1980年初頭にサンフランシスコ郊外のシリコンバレーの中心サンタ・クララ市に店舗を構えた。現地法人のカリフォルニア・ファミリー・レストラン(C.F.R.)という会社であった。店舗を運営する社員を統括スーパーバイザー、スーパーバイザーから3名ほどを選抜して2年間程度送るという形態であった。
私が統括スーパーバイザー時代に、一言も英語を話せないのに2代目の現地責任者として1981年11月アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララ郡サンタクララ店に統括責任者として派遣された。 英語の研修とUSのマネージメント、オペレーション、物の考え方を学ぶのが目的だった。
特に多国籍民族の使い方を修得。日常業務としては、USマクドナルド社の1フランチャイジーのオーナーとして店舗を運営した。ドライブスルー店舗で、建物を敷地に長いドライブスルーレーンを備え、車の出入りがスムーズで良かった。
ドライブスルーレーンの改善や、日本製のPOSの導入、プレイランドの導入と改善、客席改造など店舗運営のやり方や設計を勉強した。 ドライブスルーでは毎日ランチタイムにシングルブースながら常時90から110台前後をさばく経験を積んだ。
1984年 3月帰国し、関西地区本部 統括スーパーバイザーとして、神戸地区及び 中国四国地区を担当。その時驚いたのは日本のドライブスルー店舗の設計が悪く、ドライブスルーのさばける車の台数が低いことだった。建物を道路側に建てるためにドライブスルーレーンが短く道路に出入しづらかったのだ。
ドライブスルーレーンの設計はドライブスルーレーンにどれだけ車を並べられるかできまる。駐車場の入り口を入ってドライブスルーレーンに入って、オーダーボードまで8台以上並ばないとだめだ。
次にドライブスルーウインドウまで4台くらい並ばないといけない。ウインドウから道路出口まで3台並べないとだめだ。交通量が多い道路に面していると車が出られず、フン詰まりを起こす。交通量の少ない側道に逃がすか、ユーターンして駐車場を横切り他の出口に出れるようにするとよい。
また駐車場内の地面に書く矢印や歩道、文字の表示も課題だった。紙に書く時の書体ではだめだ。車に座って低い位置から見て読めるためには、道路に書く読みやすい縦長の書体や形にする。これも普段車を運転していないとわからないのだ。
こんな改善の試行錯誤に数年の歳月が必要だったが、関西地区のドライブスルーは使い勝手がよくドライブスルー店舗は大幅に増加した。
続く
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● 日本外食ニュースと米国外食ニュース
最新の情報は私のfacebookに掲載していますのでご覧ください。
<日本外食ニュース>
柏原光太郎(カッシー)さん発行の飲食業界ニュースまとめのリンクです。
柏原さんは、文芸春秋の編集者として活躍され、2023年3月末で定年退職。1967年から続くグルメガイド『東京いい店うまい店』(私が愛用していた信頼のおけるグルメ本です)の編集長を務め、自身もグルメとして知られる有名な方です。
「文春マルシェ」は柏原さんと食通販サイト「セコムの食」伝説のバイヤー猪口由美さんがタッグを組んでいます。「セコムの食」は残念ながら閉業。そこで「文春マルシェ」では、これまでが猪口さんが築き上げたおいしいものの人脈に、柏原さんの有名シェフの人脈がプラスされていて、魅力たっぷりに紹介されています。
おいしいは、ニュースだ
「文春マルシェ」
2018年1月に「日本ガストロノミー協会」を設立し会長に就任しています。
食べログフォロワー数5万人。
飲食業界ニュースまとめ #1302 2023/10/19
飲食業界ニュースまとめ #1303 2023/10/20
飲食業界ニュースまとめ #1304 2023/10/21
飲食業界ニュースまとめ #1305 2023/10/22
飲食業界ニュースまとめ #1306 2023/10/23
飲食業界ニュースまとめ #1307 2023/10/24
飲食業界ニュースまとめ #1308 2023/10/25
みんなの経済新聞
日本食糧新聞社
プロの視点(日本食糧新聞社)
東洋経済オンライン 外食
http://toyokeizai.net/category/restaurant
フードスタジアム
フードリンク
http://www.foodrink.co.jp/news/
フーズチャンネル
日本経済新聞
流通ニュース
M&A NEWS 食品・外食
日本能率協会展示会(FOODEX、HCJ他)
リテールテック
<米国外食ニュース>
QSR マガジン
NRN紙
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発行人:有限会社清晃 代表取締役 王利彰
編集:石川史子、金子佐和美
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このマガジンを発行する王利彰の率いるフードサービスコンサルタント会社有限会社清晃(せいこう)は、海外から日本に進出する外食企業、日本から海外に進出する外食企業のサポート、及び、チェーンレストラン、フランチャイズチェーン展開をする企業へのサポートを行っています。
日本の外食企業では、大手ファスト・フードの殆ど、大手居酒屋、大手ファミリーレストラン、大手ホテル旅館、大手食品メーカー、大手食品卸売業、サービス業等へのコンサルティングを行っています。
有限会社清晃(せいこう)業務内容
王利彰 経歴
ご質問、ご相談はeditor@food104.comにお寄せ下さい。
実務的な仕事だけでなく、外食産業を基礎から学びたい、家業の飲食業を
企業にしたい、家業の飲食業を継承したい、外食産業に将来就職したい、
将来独立して飲食業を経営したい、将来外食企業の経営者になりたい、
と思っている方にお勧めするのは、
関西国際大学人間科学部経営学科
http://www.kuins.ac.jp/old_faculty/management.html
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科
立教大学ホスピタリティ・マネジメント講座(毎年9月~12月、30回、受講料5万円)
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/
大学で外食を含む観光分野をきちんと学びたいという方は
立教大学観光学部
杏林大学外国語学部観光交流文化学科
等で学ぶことをお勧めします。
http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/
王利彰の長年蓄積した調理機器開発のノウハウは最適厨房研究会
http://saitekiken.jp/saitekichubo/
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