黒糖ドーナツ棒

食の宝庫九州から

「黒糖ドーナツ棒」というお菓子を食べたことはありますか? 熊本の銘菓としてお土産に使われています。固めのドーナツ生地に黒糖を染み込ませた、駄菓子に近い菓子です。 四角に伸ばして切り揃えたものは福岡、久留米では「黒棒」、鹿児島では「下駄ん歯」として販売されています。熊本のフジバンビが作っているのは、シンプルに大人の親指大に延ばして焼き、黒糖をまぶしたものです。

ドーナツ棒を一躍有名にしたのは、サッカーなでしこジャパンがW杯で優勝した頃、国内最強を誇ったINAC神戸のユニフォームスポンサーだったことでしょうか。FWの川澄奈穂美選手が試合後のお立ち台で「買ってください」と言うと売上げが倍増したそうです。

熊本の製菓会社が神戸のチームのスポンサーというのも珍しいのですが、フジバンビの創業地が姫路だったとのことです。

黒糖の独特の香り、甘みにドーナツのサクサク食感がクセになる美味しさです。

そのフジバンビについて先週JR九州が子会社化するという大きなニュースが届きました。 事業承継に悩むフジバンビと、業態拡大を目指すJR九州の思惑が一致したということでしょう。ドーナツ棒が九州各地の駅で買えるので便利になるし、いろんなコラボ商品も開発していくとのこと。

黒いお菓子って少ないし、鉄道って黒いイメージだし、案外悪くない組合せだと感じました。

フジバンビ http://www.fujibambi.com/

 JR九州、「黒糖ドーナツ棒」のフジバンビを買収 JR九州は熊本の菓子メーカーで「黒糖ドーナツ棒」の製造販売を手掛けるフジバンビ(熊本市)を子会社化したと発表した。新商品の開発なども行っていくとし、子会社化することで流通・外食部門を強化するとしている。

買収額は非公表。JR九州リテールの松本順次取締役が副社長に就任した。JR九州は2019年にいかしゅうまい製造販売の「萬坊」(佐賀県唐津市)、21年に焼肉チェーン「焼肉ヌルボン」を買収している。 2023年6月14日 14:30 日本経済新聞

上田 和久

上田 和久

スタジオワーク合同会社 代表。熊本県生まれ。厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年1月コンサルタントとして独立。安全安心な食品を提供することに日々、注力する企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。 JHTCリードインストラクター

関連記事

メールマガジン会員募集

食のオンラインサロン

ランキング

  1. 1

    「ダンキンドーナツ撤退が意味するもの–何が原因だったのか、そこから何を学ぶべきか」(オフィス2020 AIM)

  2. 2

    マックのマニュアル 07

  3. 3

    水産タイムズ社 橋本様インタビュー

アーカイブ

食のオンラインサロン

TOP