冷えたスプマンテに入れていただく野イチゴ

南イタリア美食便り

初夏の爽やかな陽気が続いているプーリアです。

今オリーヴの花が満開です。そろそろオレガノの花も咲き始めてきました。

一方、春先の不安定な天候のせいでいつもはこの時期食べきれないほど取れるさくらんぼがほぼゼロという異常事態はプーリアに移り住んで15年、初めての経験です。

その他の果物ではイチジクやマルベリー(桑の実)も少ないです。

剪定や下草取り以外ほとんど手を掛けず自然に任せたままの果樹からの恵を与えてもらっていることを改めて感じます。それと同時に「こういう年もあるさ。来年は大丈夫」とお気楽に構えているだけではいられない不安感もそこはかとなく感じています。

唯一例年通りたくさん実をつけているのが野イチゴです。

冷えたスプマンテ(スパークリングワイン)に入れていただくのがこの時期の楽しみです。シュワーとした泡の感じも色も気分が上がりますよね。野イチゴは随分小さくて甘味は少ないのですが特徴的な香りがあります。その小ささ、実の柔らかさ、プチプチとした種の食感の楽しさがスプマンテに入れるには普通のイチゴより適していると思っています。

統計を見るとスパークリングワインの消費は世界的に拡大しているとのことですが、ヨーロッパに比べると日本ではまだまだ拡大の余地がありそうです。乾杯の定番として「とりあえずビール」ではなく「とりあえずスプマンテ」が広まってもいいですね。

また、イタリアでは、デザートのタイミングでスプマンテを開けることが一般的でもあります。レストランでドリンクの勧め方の新しいスタイルとしても良いのではと思います。

2月にプーリアのワイナリー巡りをした時に驚いたことの一つが、多くの会社でメトド・クラシコと呼ばれる瓶内二次発酵で作るシャンパンーニュ方式の発泡ワインの製造に取り掛かっていることでした。

イタリアで一番ワイン用ブドウの生産量が多いプーリアでは、長く続いたブドウ液をバルクで北イタリアやフランスへ売る時代から独自にボトリングを始め、新しいワイナリーの隆盛期を経て、メトド・クラシコ分野への進出の時代を迎えています。

イタリアの発泡ワインといえば、プロセッコ、フランチャコルタ、トレンティーノなど北部の有名産地が思い浮かべられるかと思いますが、競争力の高いプーリアのスプマンテが日本でもよく見かけられるようになる日も近いと思います。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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