すかいらーくグループ新業態 飲茶テラス桃菜その1

レストランチェック

 スカイラークグループの新業態飲茶テラス桃菜2号店、新甲州街道の中心、三鷹天文台交差点の元ガストの良い立地です。

1号店は鶴川のバーミヤン1号店を改造。バーミヤンでテストしていた食べ放題の飲茶業態です。バーミヤンよりかなり単価アップですね。元ガストを全面改造して流行りのテラス席を設けたおしゃれな店です。バーミヤンは安いけれど、油じみてきたないので女性に敬遠されますが、この内装は女性に支持されるでしょう。

開店3日目の土曜日、4時半に行ったら24組待ち1時間半かかりました。座った時には45組待ちの大繁盛ぶりです。スカイラークグループの大当たりの新業態です。

 むさしの森珈琲や、ラ・オハナのようなおしゃれな内装でゆったり食べさせようという新業態ですね。その分客単価は高めです。

 食べ放題コースはA 90分24品食べ放題・90分・2,199円/B 36品食べ放題・120分・2,699円/C 48品食べ放題/120分・3,199円/の3コース。その他4品・1,290円、5品・1,540円、6品・1,790円のセット。他に単品。があります。単品でもバーミヤンより高めです。

バーミヤンメニュー

https://www.skylark.co.jp/bamiyan/menu/

 3,199円のCコース食べての評価は、一皿の分量が少ないけれど、日本人向きの食べやすい味の飲茶です。ま、値段並みの品質です。

美味しかったのはデザートです。胡麻団子、マンゴープリンです。酷かったのは私の大好物の海老蒸しクレープ(海老腸粉)です。海老が桜エビのようなミニサイズ。でもきれいなゆったりした店内なので食べやすく。子連れのファミリー客には向いていますね。

公式HP

https://www.skylark.co.jp/tohsai/

メニュー

https://digital-book.skylark.co.jp/230…/book/index.html…

画像

https://www.facebook.com/photo?fbid=6166475900095860&set=pcb.6166479270095523

 最近増殖中の注目されているのが、香港料理や台湾料理や飲茶です。米国で人気のある外国の料理の1番はメキシコ料理です。ちょっとおしゃれな人気店がチポトリで、ファストフードでもタコベルが大人気ですね。

米国でメキシコ料理が人気なのは地続きの隣国で、移民向けのメキシカン料理も多いし、気楽に観光旅行してなじんだ味になります。日本人の親しんでいる隣国は、韓国、台湾、香港、中国ですね。そのため移民の多い中華料理や韓国料理が多いですね。町中華や、焼肉屋はもう日本料理と同じ感覚ですね。

 その人気の中華料理で、最近人気で新規開店が増えているのが、香港や台湾系の点心料理です。点心は飲茶と言って、土日に友人たちと歓談しながらのブランチです。

香港や私の好きなサンフランシスコの飲茶は、平日は夕食に料理をだす大型料理店が、土日の昼にブランチとして提供します。100品目を超える点心をワゴンで次々と運んできます。

軽い点心と一緒にお茶をゆっくり飲みながら友人家族と歓談し、さらに料理を数品とって、締めに中華そばや、かけご飯を食べます。帰りに余った料理を持ち帰り、夜に軽く食べます。人気店の繁盛ぶりはすごいのです。点心が飛ぶように売れていきます。

 日本でもワゴンで運ぶ飲茶が開店しましたが成功しませんでした。ワゴンで大量に運んでも日本人はそんなに食べないので、廃棄が多くなるからです。最近日本で人気の飲茶はワゴンでなく注文で作るので無駄がなくおいしいのです。

 5年ほど前に日本に進出して飲茶人気に火をつけたのが、W.D.Iが提携して日比谷ミッドタウン前のゴジラ広場に出したティム・ホウワンで、現在新宿にも出して大人気です。

ティム・ホウワン公式HP

https://timhowan.jp/

ティム・ホウワン画像

https://www.facebook.com/photo/?fbid=5611016062308516&set=pcb.5611017438975045

 その人気につれられて開業したのが、台湾飲茶のフージンツリー コレド室町店です。

https://fujintree.jp/location/

 その後を追ってシャンパンで食べる飲茶をテーマで開店したのが、二重橋スクエアーの飲茶のヤウ・メイですが価格の割に料理が少なくいまいちでしたね。

ヤウ・メイ公式HP

http://yaumay.jp/

https://www.marunouchi.com/building/nijubashi/

ヤウ・メイ画像

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2008044082605750&set=pcb.2008044755939016&type=3&theater

 最近上記の、飲茶の3店は飲茶に絞った店で、あまり料理はありません。ヤウ・メイは北京ダックなどの少ない料理を出していますが。

実はこんな業態は、本場香港や、サンフランシスコ(ダンプリングタイムはサンフランシスコにあるようですが、中華料理になじみない白人向けのお店でしょう)やニューヨークの中華街や、日本の横浜・神戸の中華街にもありません。中華料理の調理師と飲茶を作る点心師は技術が異なるのです。調理師と点心師を雇っているお店は、大きな店になります。

 飲茶は週末に家族が集まって長時間談話を楽しむ、ブランチの存在です。美味しいお茶を飲みながら、点心をつまむのです。空腹でお茶を飲むと胃が痛むので軽い点心をつまみます。

点心ではお腹がいっぱいにならないので最後には、中華料理を数品頼み、かけ御飯や麺類、ビーフン類を食べます。そのため調理師と点心師を雇っている、大きな店大きなお店でないとだめなのです。

 東京でそれができるのは3つです。横浜中華街の菜香と鼎泰豊、そしてちょっと小さいですが、蒲田のリップスティック等です。リップスティックは小さなお店ですが、オーナーシェフの欧さんは香港で料理と飲茶の技術を習得しているのです。

私が飲茶で評価するのは、腸紛(海老やチャーシューを無米粉の皮で包み蒸したもの)です。海老クレープとも呼ばれます。この腸粉を注文してすぐ出す店は作り置きです。リップスティックは注文後丁寧に作るので30分ほどかかります。また欧さんでないと形が崩れてしまいます。

ここで私が注文するのは、海老腸紛と蒸した海老餃子(ハーカオ)、蟹味噌の鱶鰭スープ、シンガポールビーフン、マンゴープリンです。ランチ時には美味しい定食を安価に楽しめます。コース料理でも4,000円台からあり、1万円も出せば最高の料理が出ます。

なお、欧さんはもうすぐ(数年以内に)香港に帰国しそうなので美味しい飲茶と料理を食べたい場合はお早めに。

 本格的な飲茶レストランは横浜中華街の菜香です。腸粉は今一歩ですが、料理が豊富です。

鼎泰豊は豊富な具材の小籠包と小皿料理に、チャーハンや麺を楽しめます。鼎泰豊は高島屋の外食子会社が運営しているので、店舗数が全国の20店舗ほどと多くお勧めです(グループの香港飲茶の糖朝も美味しいです)。

点心は小籠包が中心で、あとは、焼きと蒸し餃子、シュウマイ、大根餅、春巻きと少ないのですが、前菜に蒸し鶏、クラゲ、腸詰め、揚げ物、野菜炒め、などがあります。〆には粽、豊富な麺、名物の炒飯と充実しています。

続く

王利彰(おう・としあき)

王利彰(おう・としあき)

昭和22年東京都生まれ。立教大学法学部卒業後、(株)レストラン西武(現・西洋フードシステム)を経て、日本マクドナルド入社。SV、米国駐在、機器開発、海外運営、事業開発の各統括責任者を経て独立。外食チェーン企業の指導のかたわら立教大学、女子栄養大学の非常勤講師も務めた。 有限会社 清晃(せいこう) 代表取締役

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