「店づくりは町づくり。それが面白い。」〈スタイルスグループ〉

立教大学生インタビュー

※宮城大学3年 加藤さんのレポートです。

「町・人・食に貢献できる企業であれ!」そんな理念を持ち、東北・宮城を発信する企業であるスタイルスグループの佐々木浩史社長にお話を伺いました。

スタイルスグループは平成19年11月に設立されました。初めは飲み屋から始まり、現在では地産地消を取り入れたカフェやカラオケ等様々な業態で経営されています。令和4年には日本三景の一つでもある松島の松島離宮に「海の食べ放題 松島おさしみ水族館」がリニューアルオープンしました。食材王国みやぎとも呼ばれる宮城の新鮮な魚が食べ放題という贅沢でワクワクする食事を提供しています。

スタイルスグループのお店はBGMや内装がレトロであったり祭り仕様になっていたりと、そのお店に入った瞬間にワクワクを感じる店舗ばかりです。それは佐々木社長の常にワクワクしていたいという思いからきています。佐々木社長はもともと音楽や放送などのエンターテイメント系の仕事をしていました。その目線で外食業界に参入した佐々木社長ならではの店づくりなのです。音楽の経験を生かしたBGMや内装だけが店づくりではありません。自分が属する店舗で自分が自らお客様にサービスを提供するのが外食産業です。自分で判断し、自分がどうあるべきか、どのようにお客様を楽しませるかをスタッフ一人一人が考えることができる場、人を成長させる場としてスタイルスグループの店舗があります。そんな場があることはスタッフを含め佐々木社長の仕事に対するワクワクの一つであるそうです。

そんなスタイルスグループのターニングポイントは2011年に宮城を襲った東日本大震災です。佐々木社長の地元である石巻も甚大な被害を受け、その光景が佐々木社長の人生観を変えました。都心部ももちろん地震による被害はとても大きかったが、何より沿岸部を襲った津波被害は容易に想像できるものではありませんでした。特に漁業生産者は運よく命は無事であったとしても、加工場も船も、そもそも海自体が不能の状態であったため、震災直後は希望を失っていました。しかし人間はしぶとい生き物で、「何とかしなければならない」と前に進もうとします。「生産者をどうやって助けようかなんてことはおこがましい」と、佐々木社長は仰いました。どうやって生産者と一緒に「良かった」と思える方向にもっていくことができるのか、そこから今のスタイルスグループが心掛けている地産地消を取り入れることにつながったのです。

最後に今後の展望についてお話を伺いました。まず、今世間を騒がせている新型コロナウイルスで学んだことがあるというお話から始まりました。コロナ禍で居酒屋を主体としていたスタイルスグループは「どつぼにはまった、これは危機管理のなさが露呈された結果である」と佐々木社長は仰っていました。コロナ禍で飲み屋などの飲食店が被害を受けている一方、デリバリー機能やドライブスルー機能などの非接触のシステムがしっかりと出来上がっている企業は打撃が少なかった、これはリスク分散ができていたからなのです。そして、コロナが収まったとしても非接触のために普及したセルフレジやデリバリー、冷凍自販機がなくなるわけではありません。そのため佐々木社長は新たな事業として急速に冷凍することで旨味を閉じ込めて品質を保つ急速冷凍を取り入れることを考えているそうです。

まず飲食業界に共通するテーマとして「圧倒的な人手不足」が挙げられる。そもそも少子化が進んでいるため今後この課題が解消されることは見込めない。そこでどうすれば少ない人員でサービスを提供できるかが課題となる。コロナ禍から学んだこと、飲食業界の人手不足を考慮したうえで考えている事業が「無人カラオケ」だそうです。カラオケで提供される料理は電子レンジで加熱する冷凍食品がほとんどです。しかし、カラオケではそれを加熱調理する従業員が必要となっています。そこに着目したのです。カラオケの一角に冷凍自動販売機と電子レンジを設置することで食べたいものを食べたい時間に電子レンジで加熱調理をして食べることができる、そんなシステムになっています。近年、コンビニエンスストアやスーパーなどでセルフレジが普及しているためそれを導入すれば会計もお客様だけで行うことができます。

コロナがあったから不幸だと考えるのではなく、コロナをきっかけに新しい事業スキームを生み出すことを考えるべきなのです。自分でどうすればよい方向に進めることができるか、考える癖をつけることが大切だと佐々木社長は仰いました。佐々木社長率いるスタイルスグループは今後も飲食店の枠だけではなく、時間をかけてでもいろいろなことに挑戦し、変わらないために変わり続けます。そんなスタイルスグループが作り出すエンターテイメントを仙台という地で楽しんでみてください。【N】

松島おさしみ水族館で作ったオリジナル海鮮丼

〈スタイルスグループ〉

住所:〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町2丁目6-17 内ヶ崎ビル5階

株式会社スタイルスグループ [STYLES GROUP] (styles-group.com)

関連記事

メールマガジン会員募集

食のオンラインサロン

ランキング

  1. 1

    「ダンキンドーナツ撤退が意味するもの–何が原因だったのか、そこから何を学ぶべきか」(オフィス2020 AIM)

  2. 2

    マックのマニュアル 07

  3. 3

    マクドナルド 調理機器技術50年史<前編>

アーカイブ

食のオンラインサロン

TOP