福岡屋台

食の宝庫九州から

福岡の屋台でも指折りに美味しいと言われる店に連れていってもらいました。

200店舗ほどの屋台の中には、中州川端のように観光客相手が多いエリアですと、少々値段が張ることもあるとの噂も聞こえてきます。いわゆるボッたくり?

客の会話を聞いて、訛っていないときは高めに請求する、値段の高いもの、酒を含めて勧めるなんてやると、そこそこの値段になってしまいます。

もちろん屋台ですから、お造りとか、お寿司とか時価の商品はありませんが、肉の種類が和牛になったり、ブランドのお酒が出ると、そこらの居酒屋の会計では済みません。気を付けたいところです。

そういう中で、良心的な値段と、大将と女将さんのホンワカとした雰囲気が抜群で、この道30年の大将の料理は屋台のレベルを越えています。聞けばもともとフレンチのシェフだったそう。ひとつひとつの料理に工夫と手間が掛っています。

眺めていると、おでん鍋とラーメンのスープ鍋と麺用の鍋の他は、小さなガスコンロ2つで大半の料理を作っていきます。最大でも12人の客数ではありますが、料理は全て加熱したものを提供することになっていますから、ずっと手を動かしている感じ。

先代から60年超える歴史のある屋台なのだそうですが、1代限りという条例があるのがもったいない話です。

当日、いただいたのは

餃子→これだけで専門店が開けそう

めんたい玉子焼き→明太子のボリュームが凄い

ホルモン鉄板焼き。このタレを使った焼きラーメンを〆に

山芋ステーキ→箸休め

さがりステーキ→とにかく柔らかい肉感がたまりません

にんにくホイル炊き→この出汁を使ってリゾットに(これは裏メニュー)

小柱とアスパラバター炒め→屋台であることを忘れそうです

おでん→キクラゲの入ったつけ揚げ

同行の方は酎ハイをグビグビ呑んでいました。

お腹いっぱいになりましたが、これで一人4,000円ほど。リーズナブルでした。

一緒の時間帯に、大阪からやって来たという若い女子が2名。僕たちと同じくらいの料理を食べて、呑んで、写真を撮って、きゃあきゃあ言って楽しんでいました。食べっぷりの良さに大将も喜んでいました。

入れ替わりで、若い男子が2名、TikTokで見ましたと入って来ましたが、こちらは、一品二品で、いきなりラーメン!これは中々つらいパターンです。それならラーメン屋さんに行った方が良いのではないかな。

屋台ごとの料理や、大将や、隣の客との会話、少々のお酒を楽しむのが屋台だと思います。屋台の席は、本当に隣と肩が触れる距離、ここのところ無粋なアクリル板が立っているので尚更狭くなっています、せっかくのチャンスなので、会話もごちそうにすると良いのではないでしょうか。

と言っても、屋台の楽しみ方は人それぞれ、気楽に楽しむ場所が続いてくれたら良しとしておきましょう。

上田 和久

上田 和久

スタジオワーク合同会社 代表。熊本県生まれ。厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年1月コンサルタントとして独立。安全安心な食品を提供することに日々、注力する企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。 JHTCリードインストラクター

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