weekly Food104 Magazine 2007年1月10日号

メルマガバックナンバー

● 編集長 王利彰より 年頭のご挨拶
● 新店オープン情報
● 米国レストランNEWS
● 米穀情報
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 王利彰の米国外食情報

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Food104 編集長の王利彰よりの年頭のご挨拶です。
あけましておめでとうございます。
昨年の実績と、今年の抱負をちょっと紹介させてください。

1)Food 104マガジン
Food104マガジンではシカゴよりの外食情報と共に編集長の王が変化の早い米
国外食情報をお伝えするようになりました。王のレストランチェックでは高級
店と共に最近増加しつつある都市型ショッピングモール内の食動向や最新のレ
ストランの紹介を精力的に行っております。レストランは日本国内だけではな
く、米国、中国、韓国、等なるべく多くの国々の状況をお伝えしてきました。
また、マクドナルドの厨房改革の歴史を通じて調理機器開発の手法をわかりや
すくご説明しております。今年は、海外の企業の日本進出、日本企業の海外へ
の進出が積極的に行われるようになります。その実態をなるべくすばやくお伝
いできるようにする予定です。

2)最適厨房研究会
この調理機器開発のノウハウを現場にフィードバックする活動としては、厨房
分野の「最適厨房研究会」と言う研究会を一昨年立ち上げ、会長として活動し
ております。2年ほど経過しましたが、厨房の空調環境改善のために基礎的な
データーを収集しております。今年度はそれらの集大成を行い、現場に即した
形としてユーザーの店舗の改善が出来るような活動をする予定です。
また、その都度役に立てる情報を提供しようと色々な外食経営者の方々による
セミナーを開催したり、外食トップ企業経営者の方々との懇談会を開催させて
いただいております。研究会と言っても店舗現場を熟知しなくてはいけません。
年に数回は最新の外食店舗、病院給食、エアーケータリング厨房、ホテル旅館
厨房、等の見学会や、海外調理機器展示会への参加をし、その成果をHPで発表
しております。
http://www.saitekichubo.com/

3)わいがや楽食研究会と「fspro版旬の味を喰らう会」
「わいがや楽食研究会」と言う調理の勉強会を立ち上げ、19ヶ月展開して色々
な企業の方やレストランの方と学んでまいりました。その成果は参加の方のメ
ニューに反映しておりますが、編集長王の経営する莫莫居鶯においても鍋メニ
ューの充実と言う形で反映しております。今年は残念ながら大学の仕事が多忙
になるため「わいがや楽食研究会」の会長職をおり、food104やfsproで共催し
ている「fspro版旬の味を喰らう会」に重点を置き活動をしてまいります。皆
様のご参加をお待ちしております。

「fspro版旬の味を喰らう会」は食の好きな方たちに東京では食べることの出
来ない地方の隠れた美味しいお魚を食べていただこうと言う趣旨で、編集長の
王が経営する莫莫居鶯で2006年5月より毎月1回開催し、7回を終了しました。
この開催に当たっては、メンバーの(有)フーズシステムクリエイターの石川
さん(元、商業界飲食店経営編集長)、佃さん(財団法人魚価安定基金)、
井上さん(女子栄養大学OB)達のご協力をいただき、全国各地の漁港から隠れ
たとっておきの食材を直送して試食会を開いております。その成果は、莫莫居
鶯の「富士山の湧き水で育てた体長1mの虹鱒の刺身」などに出ています。

この会は外食企業に勤務していなくても、食べることが好きな方(飲むのが好
きな方も)なら参加いただける資格があります。気楽な会ですので皆様もぜひ
ご参加ください。2007年は2月から開催の予定です。ご案内はFood 104マガジ
ンで行いますので、お忘れないようにお願いいたします。

4)コンサルティング会社 有限会社清晃(せいこう)
Food104では海外の外食企業の紹介をしておりますが、コンサルティング分野
の活動としては、日本から米国に進出する企業、米国などの海外から日本に進
出する企業のお手伝いをしております。当社は殆どのファストフードの日本展
開における活動を何らかの形でお手伝いをしております。

今年の日本外食企業最大の課題は時流に乗った新業態開発です。しかも複数の
業態を短時間で開発する必要があり、そのためには自社開発だけでなく海外の
優れた業態をすばやく日本に紹介する必要があります。2006年は2社のサンド
イッチチェーン日本進出へのアドバイスを行ったり、超有名シーフードレスト
ランの日本進出へのアドバイスを行いました。また、日本企業の中国、台湾、
韓国への展開にあたり現地の情報の提供やアドバイスをしてまいりました。
また、居酒屋、ファミリーレストランの新業態開発のお手伝いをし、複数の新
業態をデビューさせております。

今年のテーマは米国、中国、韓国への日本居酒屋の進出のお手伝いです。海外
では日本の優秀な流通業がおりませんので、日本とは異なった展開やレシピ開
発が必要になります。特に難しいのが店舗立地選定です。米国西海岸では現地
の優秀な不動産コンサルタント会社と提携し、現地の視察から、店舗開発まで
の総合的なお手伝いが出来るようになっております。また、韓国においても現
地の実績のある外食コンサルタント会社や店舗デザイナー、食材メーカーとの
提携を進めており、和食や居酒屋の展開のサポートを行う予定です。
海外から新業態を日本に持ってこよう、日本から海外に進出しようと言う方は
是非ご相談いただければ幸いです。
http://www.sayko.co.jp/

また、2007年5月には米国の展示会、NRAショーがシカゴで開催されます。当社
と商業界、米国大使館、共催でNRAショー展示会に参加し、米国大使館のご協
力により米国企業の詳細な説明と日本進出希望企業のご説明をする予定です。
勿論、ショーの前後に西海岸最新の企業群を公式訪問します。皆様も是非ご参
加下さい。NRAショーは5月19日~22日、シカゴのマコーミック・プレイスで開
催です。予定に入れておきましょう。
http://www.restaurant.org/show/

5)立教大学大学院
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授としては2005年4月に7名の社会人
大学院学生のゼミを担当し、主としてサービス業、外食、食品関係、その他製
造販売業、等の分野での研究を指導してきました。その結果、6名が無事に卒
業しました。そのうち1名は韓国外食の研究の卒論を書き上げ経営大学院博士
課程に進学し、韓国・日本・米国のフランチャイズを学ぶことになりました。
その他5名は、食品問屋のリストラ、都市ホテルの今後、日本自動車産業のあ
るべき姿、外資系企業の日本参入障壁、地方企業の外食マルチフランチャイズ
への取り組み、等を研究し、立派な卒論を書き上げました。1名の中国外食を
研究対象にした学生は留年しましたが、今年卒業予定です。

地方企業の外食マルチフランチャイズを書き上げた女性の方は残念ながら書き
上げた後、まもなく末期癌で天国に旅立ちました。彼女は癌の再発を知り、人
生最後の挑戦として大学院に入学したのでした。その覚悟で書き上げた卒論は
嫁ぎ先のご主人が経営する企業の行く末を明確に描いた立派な内容でした。や
っとの思いで書き上げた彼女は、大好きな長野の山並みを眺めることの出来る
ホスピスに入院しました。大学での卒業式に出席できなかったのですが、彼女
の入院していたホスピスは立教大学と同じ聖公会に所属していたため、チャプ
レンと信者、ホスピスのメンバーの方々が集って、ホスピスのチャペルで立派
な卒業式を行ってくれました。卒業式で使うガウンと帽子まで用意してくれた
のでした。この素晴らしい卒業式を終え、彼女は静かに天国に旅立って行った
のでした。

2007年3月卒業のゼミ生の研究テーマは、「ゴルフ場再生に必要な従業員満足
度」、「IT企業のエンジニアの人事評価制度とコンピテンシー」、「内部告発
制度の問題点と改善」、「立教大学留学生の受け入れの改善策」、「デジタル
機器メーカーのブランド戦略」、「結婚ビジネスの新たな展開」、「中国にお
ける外食企業の展開状況」などです。30日まで卒論のチェック、年始は4日か
らです。

このようにドラマチックな大学院です。今年のゼミは何と現在10名の参加申し
込みがあり、その内4名ほどが中国、韓国からの留学生でどんな研究が出るか
楽しみです。
もう一度、外食やサービスの勉強をじっくりとしてみたいと言う方、是非チャ
レンジをお待ちしております。
http://www.rikkyo.ne.jp/%7Ez3000142/bizsite/index.html

また、ホスピタリティ産業をもう少し手軽に勉強したいと言う方には、王利彰
の他に、現役のホテル、旅館、観光業のトップ経営者が講師をつとめるホスピ
タリティ観光講座があります。週3回3ヶ月のコースで何と4万円の授業料です。
こちらも気楽にお申し込み下さい。
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kanken/

6)HOTERES JAPAN 2007 企画委員会
毎年3月に開催されるHOTERES JAPANの企画委員を務めております。以前から
ケータリングショーとHOTERES JAPANのシンポジウム委員を長年務めておりま
したが、昨年から構成が変更になり企画委員として外食とホテル旅館観光ビジ
ネス向けの総合展示会HOTERES JAPANの企画立案のお手伝いをしております。
今年のHOTERES JAPAN 2007は3月13日~16日です。皆さんのご参加をお待ちし
ております。
http://www.jma.or.jp/hcj/

7)和食居酒屋莫莫居鶯(ばくばくきょうぐいす)
おかげさまで開店2年半を経過しました。当店の優秀な調理長と店長のおかげ
でメニューのレベルが上がり、2006年12月は売上対前年比で120%の好成績を
達成できました。これも皆様のおかげと感謝しております。

人気の秘密の一つは落ち着いたお店の雰囲気と美男・美人・揃いのスタッフの
おかげです。私が莫莫居鶯を開業するに至った経緯は、実は優秀なスタッフが
集まりやすいと言うことでした。外食業界では求人難と言われていますが、当
店は人集めで苦労したことがないし、優秀なアルバイトも集まります。勿論、
店長の柔らかい雰囲気と、調理場を預かる調理長の凛とした姿勢の貢献が大き
いのです。

二番目の成功の理由は、調理メニュー開発です。調理開発に関しましては、
「わいがや楽食研究会の成果」の鍋です。最初は鍋の勉強会で一番人気だった
葉野菜と平田牧場の三元豚のバラ肉を組み合わせた常夜鍋が人気メニューでし
た。しかし、2006年末に桃園豚(とうえん)のバラに切り替えました。バラ肉
の脂身は真っ白で食べても脂っこくないのです。コストはだいぶ上がるし、1
頭買いをしなくてはならないので大変ですが、味には勝てません。夜は桃園豚
に全面的に切り替えました。野菜は水菜とチシャ、そして、レタスです。レタ
スと言うと意外に思われるかもしれませんが、豚のしゃぶしゃぶにぴったりな
のです。隠れたヒットメニューは「桃園豚つくねちゃんこ鍋」で、コクがあっ
て素晴らしいですね。三元豚もそうですが、桃園豚はしゃぶしゃぶにしても灰
汁が殆ど出ません。輸入の豚肉などは灰汁が出るしくさいし、鍋には全く向い
ていないのです。

もう一つの鍋メニューは金華豚のもつ鍋です。金華豚のしゃぶしゃぶは美味し
いのですが、量がありません。そこで着目したのがもつです。結構な価格なの
で、通常は使わないのですが、試食したところ全く臭みがなく柔らかいこと、
最高のもつ鍋になりました。そしてこれらの人気鍋メニューに「旬の味を喰ら
う会」で発掘した、富士山の湧き水で養殖した1mもの体長の虹鱒を組み合わせ
ました。刺身で食べるのですが、サーモンと違ってコリコリとした食感は最高
です。また、虹鱒のハラスの焼き物はこれまた美味しくてたまりません。

更に今年は美味しい国産牛を開拓しました。美味しい国産牛をメニューに入れ
たかったのですが、価格が高くて無理でした。しかし、昨年は色々な産地を訪
問し、美味しいけれどリーズナブルな価格の牛肉を発見しました。今年にはそ
の美味しい牛肉を使った料理を開発しますのでご期待下さい。

夜のメニューも完成度が高くなりましたが、昨年後半に力を入れたのがランチ
です。三元豚の手づくりハンバーグ、三元豚のしょうが焼き、三元豚のとんか
つ、お魚の煮物、お魚の焼き物、野菜の煮物、大分名物団子汁、等、ちょっと
提供時間はかかるのですが、すべてスクラッチで作り上げます。これがヒット
して、夜よりもランチの売上伸び率が高くなりました。今年は夜の食材の品質
も更に向上させますが、ランチも強化して行きたいと思っております。
当店では美味しいものを追求したいと言う方にも「旬の味を喰らう会」、単に
美味しい料理を食べたいと言う方も是非おいで下さい。
http://r.gnavi.co.jp/a106200/
http://www.bakubakukyo.com/

最後ですが、読者の皆さんにお願いがあります。
このFood 104マガジンへのご意見、取り上げてもらいたい内容、食関係の広報
記事、など、是非、投稿を積極的にお願いいたします。
2007年もよろしくお願いいたします。

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● 新店オープン情報 ———————————————-■□

■ カレーライスとフランス地方料理の融合 Restaurant TAKE オープン

昨年11/14、渋谷に仏和融合のフレンチカレーと料理の店、Restaurant TAKE
(レストラン タケ)がオープンしました。

フランス料理の基本となるフォン・ド・ヴォー(子牛のだし汁)や、ブイヨン
・ド・ヴォライユ(鶏のだし汁)、そしてワインを、なんと贅沢にもそれぞれ
カレーソースのベースに使用。

○メニュー一例
(フレンチカレーライス)
南仏野菜のベジタブルカレー プロヴァンス風     980円
鶏とオニオンのチキンカレー リヨン風        980円
牛肉と赤ワインのビーフカレー ブルゴーニュ風    980円
小海老とポテトのシュリンプカレー パリ風     1,050円
ハーブ豚とキノコのカツカレー ボルドー風     1,050円

(ミート&フィッシュ料理)
本日の鮮魚料理
真鯛のソテー 季節のスタイルで
鴨モモ肉のコンフィー 粒マスタード添え
牛ほほ肉の赤ワイン煮 TAKE風
それぞれ 1,575円

○店舗データ
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-14-14-スタンフォードアネックスビル1F
アクセス:小田急線 代々木八幡駅 徒歩5分
東京メトロ千代田線 代々木公園駅 徒歩5分
JR渋谷駅 徒歩15分
TEL:03-3467-9333
営業日:ランチ 11:30-15:30(L.O15:00)
ディナー 18:00-22:30(L.O22:00)
定休日:不定休

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● 米国レストランNEWS———————————————■□

■ シカゴ郊外食の風景 フェイマス・デイブの有名なブレッド・プディング

いよいよイノシシ年2007年が幕開きましたね。さて今年はどんな年になること
でしょう。今年もどうぞ宜しくお願い致します。シカゴは年末に引き続きとて
も暖かく連日摂氏10℃前後で、雪も降らずに過ごしやすい日々です。こんな暖
かい冬は初めてでこれから雪がどかっと降るのか、それともこのまま春が来る
のかどうなるのでしょうか。

こんなに暖かいとついバーベキューが食べたくなってしまいますが、バーベキ
ューセットを引っ張り出すのも大変なので、Famous Dave’s(フェマス・デイ
ブス)というバーベキューのチェーン・レストランに行って来ました。という
のも先日夫がビジネス・ランチで会社の人たちとこのお店に行って来たのです
が、残りのデザートを持ち帰って来てくれて、その美味しさにびっくりしまし
た。こちらでは甘いだけで美味しいデザートにはなかなかありつけないのです
が、ここのブレッド・プディングには驚きました。

日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、こちらではブレッド・プディ
ングやライス・プデリングといったデザートが結構人気があります。これは
卵、生クリーム、バターにレーズンなどのドライフルーツを入れて、バニラや
シナモン、砂糖で味付けした液に炊いた御飯またはパンを混ぜてオーブンで焼
き上げたものです。りんごなど入れても美味しいです。感触としてはドライフ
ルーツ入り蒸しパンと温かいプリンを足して二で割った感じでしょうか。それ
にホイップした生クリームやバニラアイスクリームを載せて食べます。温かい
プディングと冷たいアイスクリームが程よく合います。

アメリカの人たちは温かいアップルパイやピーチパイにアイスクリームを載せ
て食べるのが大好きなんですね。お袋の味と言ったところでしょうか。子ども
の頃の楽しい思い出と共に味わっているようです。お酒より甘い物好きな我が
家の夫も夜中に小腹が好くと、お茶漬けではなくて即席ライス・プディングも
どきをこっそりキッチンの隅で作って食べています。お茶碗に温かい御飯をよ
そって、その上に温めた牛乳を注ぎシナモン、バニラ、砂糖で味付けをしてち
ょちょと出来上がりです。初めてこれを目にした時には何をしているのかと驚
きました。御飯に牛乳なんてね。御飯にバターとお醤油をかけて食べるのは知
ってますが、甘くしてしまうとは。おいしいのかなぁと未だに私は味見はして
いないのですが、次回勇気を出して口にしてみようと思ってます。

と言うのもブレッド・プディングもあまり好きではなかったのですが、このフ
ェーマス・デイブスのブレッド・プディングを口にしてからはちょっと虜です。
何と言ったらいいのか、一口、口に入れると幸せな感じで、二口入れると止ま
らなくなります。何で美味しいのかなと良く良く見てみると、上の蒸しパンの
ような部分と下のカスタードのようなプリン状の部分との二層になっていて、
カスタードが程よく甘くとても味にコクがあるのです。蒸しパン部分も固くな
く柔らか過ぎず口の中でほぐれるようないい感じです。触感とコクがいいよう
です。このホームスタイルのデザートは$5.29でした。次回はこのお店のバー
ベキューメニューをご紹介したいと思っています。南部風のアット・ホームな
内装でなかなか居心地の良いお店です。

ちょっと私の苦手なライス・プディングも探せば美味しいのがあるかもしれま
せんね。インド料理のお店などでも必ずライスで作ったデザートがありますか
ら。今年は偏見を捨てていろいろ挑戦してみようと思います。そして今年もト
リフを探す豚ならぬイノシシになって新しい食を掘り起こして行きます。皆様
もどうぞ健康に留意なさって食と職を楽しみながら2007年も益々ご発展あれ!
http://www.famousdaves.com

(イリノイ州シカゴ在住 カズコ・デイビス)

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● 米穀情報報 ————————————————-■□
※この情報は、米穀データバンクのご協力により、「米穀市況速報」(日報)
から、一部記事を要約したものを掲載させていただいています。(月1掲載)
記事・図表の無断転載・引用を禁止します。

■ 短粒種は最大で2千トン(豪州)

水不足の影響で2007年産米の生産量が10数万トン規模となりそうなオーストラ
リア米。オーストラリア・ライスグロワーズでも「ここまで減ると短粒種もど
うなるかわからない。コシヒカリの単収を平年ベースの7トンとして、現時点
では2千トンを見込める短粒種を植えているが、水の絶対量が少なく、農業用
の供給が最後まで続くかどうかは不透明」という。つまり収穫できるまで育つ
かどうかはわからない状況のようだ。

また、自由貿易協定(FPA)交渉については「コメが交渉から除外されるかど
うかは別としても、今のコメ輸入のシステムではオーストラリアだけ関税が撤
廃されるということは現実的には考えにくい。もしそうなれば米国など他国も
黙っていないだろう。少なくとも米国、中国などとは同じ条件でなければ整合
性がなくなる」としている。
(2006年12月22日)

■ 1月4日から表示特別調査、玄米商品も対象(農水省)

農水省は昨年12月20日、例年より遅れていた表示特別調査を今年1月4日から2
月末まで「18年産米穀の特別調査」として行うことを公表した。

18年産の銘柄米を主体とした品質表示の状況と「産地」、「品種」、「産年」
等の表示と内容の真正性を確認する。作況に誘引された不適正表示等の増加も
懸念されると言及しており、「産年」と「九州ヒノヒカリ」にも重点が置かれ
そうだ。また、今年は健康志向の高まりを反映した玄米ニーズが高まっている
ことから新規テーマに「玄米」の袋詰商品を取り上げ、調査することになった。

調査対象は、量販店・小売店など全国の小売販売2千業者(目標)と卸売販売
業者。調査対象業者が販売する米穀について、表示根拠(表示事項と遵守事項
の確認)と根拠確認(18年産銘柄米主体に、内容の一致状況と表示根拠を確認)
するほか、玄米商品を含め全国で約400商品(目標)を買い上げて品種判別を
行う。
(2006年12月21日)

■ セブン、ヨーカドーが共通商品開発へ

セブン&アイ・ホールディングスでは来春以降から、イトーヨーカドーやセブ
ンイレブンなど約1万2,000店舗で独自商品を開発、発売すると発表した。

米穀関係については「独自開発商品について特別な話は入っていないが、将来
的には精米商品の小袋タイプや、無菌米飯商品、またおにぎり、弁当と中食部
門で浮上する可能性も」(関係米卸)との状況。

セブン・アイでは食品を中心に100品目からスタートし、3年後には1,200品目、
3,600億円の売上を目指す。開発した商品群には、新たなPB名が付けられる予
定。

量販店業界ではイオン、ダイエーなど大手企業を中心として、「地方部の中堅
スーパーなどに対してのM&Aが一段落、この先1~2年では共通商品の開発が急
速に進んでくるだろう。数量がまとまることで価格訴求力と仕入面の効率化が
実現出来る。また規制緩和によって予想されるコープ生協の台頭に向け、事前
に商品開発力を養成するとの思惑も」(関係筋)との動きが指摘される。
(2006年12月20日)

■ 青森まっしぐら、主食・業務向けとも好評(東光食糧)

東光食糧(株)では、18年産販売から青森県産の新品種まっしぐらを定番化、
「発売初年度ということで品種の知名度を広めることが大変だが、消費者の反
応は概ね好評で手応えを感じている」(米穀部)とする。

商品は無洗米タイプ2キロ、5キロ袋の2アイテムで、5キロ袋の定番価格は、
2,280円となっており「タイミングを見て1,780円~1,880円で特売を打つ」
(同)という。

主な販売先は東急ストア(プレッセ業態含む)で、「ゆめあかりに変わる新銘
柄としての位置を確立するには時間が掛かるが、1年間を通して大事に育てて
いきたい」との方針。

まっしぐらは主食向け販売と併行して弁当など業務向けでも使われており、
「単品使用で食味の点で特に高い評価をもらっている」(同)とのこと。
(2006年12月12日)

○株式会社米穀データバンク:民間のコメ調査会社。生産・流通・市況など
コメに関する情報の提供を行っている。
○問い合せは、ricedata@japan-rice.com
○ホームページ「日本のコメ市場」http://www.japan-rice.com/main.htm

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ 東京ドームホテルのバレンタイン情報

東京ドームホテルは、バレンタイン向けに、レストラン2店にて特別メニュー
を提供するほか、ショップ2店&ロビーラウンジにてベルギー産チョコレート
を販売いたします。

最上階(43階)に位置するサウンドステージ&ダイニング「アーティスト カ
フェ」は、2007年2月1日(木)~28日(水)まで、おふたりで取り分けるスタ
イルのディナーコース「Duet デュエット」(お二人様14,000円)をご提供。
2月8日(木)~14日(水)は、毎夜開催しているライブ演奏を「Love Song
Night」と題したラブソング特集でお届けいたします。

ダイニング「ドゥ ミル」(6階)では、2月1日(木)~14日(水)まで、カッ
プル向けディナーコース「早春のスペシャルディナー」(お一人様12,000円)
をご用意。デザートには、仏“ヴァローナ”のチョコレートをアレンジしたデ
ザート5種をお楽しみいただけます。また、同メニューやチョコレートに合う
ワインとして、カリフォルニアワインの父と称される「ロバート・モンダヴィ」
コレクションから、貴重なアイテムを含む8種をご提供いたします。

また、ベルギー産チョコレートの老舗ブランド「コルネ ポート・ロイヤル」
を12月1日(金)より販売開始しました(2月28日[水]まで)。「バーガンデ
ィー バロティン アソート」(2粒入り・税込525円~)等、全9アイテム。
カフェ&バール「ブリーズ」(3階)、ホテルショップ(2階)、ロビーラウン
ジ「ガーデンテラス」(1階)にて販売いたしております。

○お問い合わせ Tel:03-5805-2111(代)
○URL: http://www.tokyodome-hotels.co.jp

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ 代々木上原の一新

東京の美味しいレストランの多いのは、銀座、六本木、麻布十番、恵比寿、渋
谷、中目黒、神楽坂、新宿、池袋、等の山手線の内側ですが、住宅街にも案外
美味しいお店があります。住宅街と言っても普通の住宅街ではなく比較的所得
層の高い場所でなくてはなりません。地下鉄千代田線は都心の赤坂、青山、表
参道、原宿、から小田急線沿線の成城などに乗り入れています。その小田急線
との乗り入れ駅の代々木上原は山手通りと環状7号線の間にある高級住宅街で
す。その代々木上原には最近は隠れた美味しいお店が増えているようです。

その一つが和食の「一新」です。色々なグルメ本に紹介されているので以前か
ら気になっておりました。ちょうど機会があって小田急線沿線に出かけた帰り
によることにしました。代々木上原を降りてから、新宿方面に向って線路沿い
左側の道を歩いて5分ほどです。周囲にはなかなかお洒落なお店が点在してい
ます。

カウンター4席と4テーブルのこじんまりとしたお店で、年配の女将さんと調理
人のご主人2人で切り回しています。小さなお店ですが女将さんは和服を着こ
なしていますし、生花もきちんと生けているなかなか感じの良いお店です。夫
婦ともきちんとしてお店で修行したのでしょう。無駄な会話はしないで静かに
料理を作り上げていきます。古いお店ですが厨房もピカピカにしています。

料理はコースのみで税込み8,400円です。

日替わりで、当日は

突き出しは鮟鱇の肝とスッポンのにこごり
強肴にもち米の蒸し物
お椀 海老と魚のしんじょう
お刺身
お魚の焼き物
海老と鱈子の煮物
海老しんじょうの揚げ物
もずく酢
スッポンの雑炊
フルーツ

と量はちょうど良いくらいです。お酒は余り種類がなく1合小瓶ですが、その
分価格が高くなりません。

ご主人は赤坂の料亭で修行したとのことで味はきちんとしています。強いて言
えば関東風のきりりと下味ですので、関西系の人にはあわないかも知れません
が、地元でこれだけの料理を食べられるとは小田急線沿線の人はうらやましい
ですね。ただし、こじんまりとしたお店ですので、接待には向いておりません。
個人で気楽に美味しい料理を食べたいと言う方向けです。それと御酒の好きな
方にはちょっと物足りないでしょう。

店名  一新
住所  渋谷区元代々木町10-3 第二高宏ビル 1F
電話  03-3467-8933
店舗HP なし
店舗紹介のHP
http://www.asku.com/RV/010R/?_item_id=6055989&area_id=13
http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13001830/
http://r.tabelog.com/tokyo/rstlst/A1318-A131811/00-0-00/
http://tokyo.gourmet.livedoor.com/restaurant/info/16707.html
http://g.pia.co.jp/shop/55074
http://web1week.com/column/tabetai/26.html

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■ マクドナルド50周年記念の調理機器技術50年史 その50

日本マクドナルドの調理機器技術史 その35

調理機器開発 冷却機器編 その5 炭酸ガス飲料ディスペンサー

当時のマクドナルドはまだテレビコマーシャルを始める前でした。そのため開
業前の販売促進として、来店したお客様には無料のコカコーラを配布していま
した。これは日本の外食産業の幕開けを予測した外資系の日本コカコーラ社が
積極的に外資系のファストフードをサポートしたからです。当時の日本コカコ
ーラ社は顧客をサポートするためにコーラなどの炭酸飲料を製造する機器を顧
客の店舗に貸し出したり、販売促進の際の炭酸飲料を無料で顧客に提供したり
していました。

当時のマクドナルドは銀座、新宿などの繁華街に出店し、客席はありませんで
したが歩行者天国の日曜日には道路にパラソル付きの客席を設置し、ハンバー
ガーを片手にコーラやマックシェイクを飲む姿が格好がよいと人気になり、立
ち食いがファストフードのスタイルだと受け入れられるようになりました。

こんな売れるお店ですと開店日の無料コーラは1,000個以上出るのです。その
ため、冷却が不十分だったり、炭酸水を作るカーボネーターポンプが焼ききれ
たりします。当初は売れすぎるからだと言うことで、能力を倍以上の機械に入
れ替えることにしましたが、それでも問題は解決しませんでした。

では、コカコーラの製品はどのように作られるか見てみましょう。コカコーラ
の米国本社はアトランタにあります。その米国コカコーラ社が100%出資で作っ
たのが、日本コカコーラで通称CCJ(コカ・コーラ・ジャパンの頭文字)と呼ば
れています。日本コカコーラは米国コカコーラ社の極秘スペックに基づき、米
国から資材を購入し日本でコカコーラの原液を製造しています。その原液に炭
酸水を混ぜて瓶詰や缶入りのコカコーラを製造するのです。コカコーラは原液
が1に対して炭酸水が5.1と言うのが企画です。どういうわけか、米国では炭酸
水は4.75とやや甘いのです。

このようにコカコーラの殆どが水ですから、1箇所で製造して日本各地に配送
するのでは輸送費が高くてたまりません。そこでコカコーラ社は日本各地に販
社をフランチャイズ形式で作ることにしました。日本の会社であれば直営で支
店を各地に作るのでしょうが、コカコーラ社はフランチャイズ・システムを導
入しました。米国でもコカコーラの販社をフランチャイズ形式で展開していま
す。

では、コカコーラ社が採用したフランチャイズシステムを見てみましょう。
フランチャイズ・システムは数百年前に誕生しました。ヨーロパ中世において
教会関係の高職者などの有力者が、租税収入や特別な税金を徴収する権利をそ
れぞれの地方の政府(フランチャイザー)から許可され(つまりジーとなり)
その代わりにジーは徴収ジムそのほかの必要なサービスを遂行してザーにまと
めて金を支払ったのです。しかし、この形式は1562年にトレントの市議会が税
金の徴収方法を改正することを要求し、政府の庇護を受けるシステムに終止符
をうつことになり消滅しました。

18世紀から19世紀になると、色々な種類のフランチャイズがイギリスにおいて
国王あるいは立法府によって許可されるようになりました。その許可には一時
的な現金の支払いとザーに対する継続的な義務をジーは負う代わりに、いろい
ろな取引や業界における長期間の独占権を与えられることが多かったのです。

このフランチャイズ・システムが米国に導入されたのは南北戦争後のシンガー
ミシン社とマコーミック社が同社の製品を販売する形態としてフランチャイ・
ズシステムを取り入れてからです。しかし、シンガー社とマコーミック社の実
験とも言えるフランチャイジングシステムは、その後20年のうちに消滅し現在
ではあまり語られることがありません。

今日のフランチャイズ形態が明確に確立したのは1910年以後の自動車会社と30
年代の大手石油会社によるフランチャイズ・システムの採用です。1898年に電
気自動車の最初のフランチャイズ・ディーラー制度ができて以来、全ての乗用
車及びトラックの大部分はフランチャイズの販路を通じて販売するようになり
ました。しかし、自動車業界が最初のフランチャイズ・システムを構築したわ
けではなく、自動車業界の特殊な事情がフランチャイズ・システムを導入させ
たのです。

自動車業界の当初は消費者への直販や通信販売、依託形式の代理店、巡回販売
人や百貨店を通じて、販売してきました。1900年から1910年の間に色々な販売
方法を実験したのです。そして、その販売戦略の混乱の中にこのフランチャイ
・ズシステムが登場しました。

自動車業界にとってのフランチャイズ・システムのメリットは

a.排他的な地域設定による優良なジーの確保
排他的な地域な設定によって、ジーを保護することによって、優良なジーを集
められる。特に地方の有力なジーを集めることにより直営店舗の社員が売り込
みを図るよりも効果的だと言うことです。

b.ジーの数量制限と販売高の確保と独占販売
ジーの数を限定することでジーに販売高を確保する代わりにジーはザーの商品
だけを販売させ、より協力で集中した販売努力をジーに要求できました。

c.ジーの数が少ないと、販売費と輸送費を削減できる。

d.ジーから正確な販売予測を入手し、在庫負担がなくなる。

e.ジーに建物、在庫、設備の投資をさせることができる。

f.自動車メーカーは車を生産した後、直ちにジーに車を配送し代金を回収でき
る。
自動車メーカーが販売まで行うと、車を販売するまでの在庫負担が発生し、新
車の製造にまわす資金が不足します。また、販売先から販売代金を回収する手
間と費用がかかるし、場合によっては販売代金を回収できずに焦げ付くリスク
があります。特に、自動車の小売価格の維持においてジー(自動車ディーラー)
の役割が大きく、また、自動車販売で必要不可欠な中古自動車の下取りのリス
クなどもメーカーは負担をしなくても良いのでした。

g.ジーにアフターサービスをさせられる

などで、自動車業界の経済的メリットが高かったのです。特に、ジー(ディー
ラー)の土地、建物、施設、在庫に対する総投資額は自動車メーカーの設備投
資額よりもはるかに大きな金額であり、自動車メーカーが車の製造に専念し集
中投資できるためには、フランチャイズ・システムによるディーラーの確保は
必要不可欠だったのでした。

このフランチャイズ・システムを取り入れることにより米国の自動車産業は大
きく成長したのでした。

米国コカコーラ社はこの自動車産業のフランチャイズ・システムを参考に全米
に販社を作ることにしたのです。全国に販社を作る際に注意したのは各地の優
良企業を販社にすることでした。通常でしたら飲料を製造している会社は競合
になるので販社にはしないのですが、コカコーラ社は地方の有力な会社で財務
も健全であればよいと言う選択基準で販社を選択しました。

日本コカコーラは米国と全く同じ戦略を取り入れました。東京地区は、小網と
言う食品関係の問屋でしたが、千葉では醤油を製造していたキッコーマンを選
定し利根コカコーラを作りましたし、飲料メーカー大手のキリンビールも関西
で販社にしました。その他、製造業のリコー、輸送業の近鉄、小売の西武百貨
店グループ、等も販社に引き入れました。この販社をボトラーズと呼び、各地
の名称をつけたのです。

ボトラーズの役割は日本コカコーラ社から原液を仕入れ、各地に作った工場で
原液と製造した炭酸水を瓶や缶に詰めて顧客に配送したことです。コカコーラ
はこのときにもう一つの仕組みを導入しました。それはルートセールスです。
従来の飲料メーカーは新規顧客の開拓、商品の受注、配送、代金回収、は別々
に行っていました。そのために、場合によっては代金回収が出来なかったり、
新規の顧客が増えないと言う問題をかかえていました。ところが、コカコーラ
の作ったルートセールスは、繁華街の新規の飲食店を見たら飛込みで商品を売
り込み新規の顧客を開拓します。そして、商品の受注を受け、配送、代金回収
まで行うのです。

ルートセールスは現場を熟知しているわけですから、収める飲食店の経営状態
を把握しており、店舗の売上げ状態がわかるし、代金の決済が滞ったりすれば
すぐに納品を中止したり、納品を引き上げることが可能です。

飲食店の場合には店舗でコカコーラの原液と炭酸水を混ぜる機械を設置してい
ますが、その品質管理も重要です。砂糖を使っていますから、清掃をきちんと
しないと不衛生です。定期的な清掃と、糖度の調整が必要なのです。ルートセ
ールスは店舗を訪問した際には機械の清掃と調整も行ったのです。

コカコーラが日本で大成功したのは、マーケティングだといわれていますが、
同時に販社の選定とこのルートセールスシステムの導入を行ったのが大成功の
理由でしょう。

米国ではコカコーラ社とほぼ同規模のペプシ・コーラがありますが、日本では
ペプシ・コーラの存在感は殆どありません。その理由はフランチャイズシステ
ムの構築に失敗したからです。このコカコーラ社のフランチャイズ・システム
導入の成功はその後の外食におけるフランチャイズ・システムの普及の参考に
もなるくらい、影響力が強かったのです。

では、次回はコカコーラの製造機器にどんな問題があったのかを見てみましょ
う。
(続く)

△▼△▼△▼△▼△▼△

● 王利彰の米国外食情報

■ カジュアル・レストラン・チェーン最大手のブリンカー社は89店舗の直営
店を加盟店に売却

ブリンカー社はカジュアルレストランのチリズ直営店89店舗をPepper Dining
Inc(ペッパー・ダイニング社 オリンパス社(Olympus Partners.)の子会社)
のフランチャイズ店舗に売却します。転換価格は公表していません。ペッパー
社は今回買収したチリズ店舗に加えて、今後20~44店舗のチリズを米国東部で
フランチャイジーとして開店する予定です。チリズ(Chili’s)は米国を含む
世界24ヶ国で1,200店舗を展開しています。ブリンカー社(Brinker)はその他
にイタリアンのマカロニグリル(Macaroni Grill)、マジアーノ(Maggiano’
s)、そしてテックスメックスのオンザボーダー(On the Border)を展開して
います。

この大量の直営店をフランチャイズ店に転換するのは同社でも初めてです。こ
れは同社が今後1年間で売上を20~30%伸ばすための戦略だと発表しています。
オリンパス社(Olympus)はウエンディーズ加盟店舗を93店舗展開するペナン
ト・フーズ社(Pennant Foods)にも出資しています。また、タコベル、KFC、
ゴールデンコラルの加盟店を展開しているK-MAC Enterprises社も子会社です。
オリンパス社はビッフェチェーンのホームタウンバフェ社(HomeTown Buffets)
にも投資をしています。
http://www.chefsolutions.com/
http://www.brinker.com/

■ シンプロット氏、98歳の誕生日を迎える

フレンチフライなどのポテト製造メーカー最大手のシンプロット(Simplot)
社の創業者のシンプロット氏は誕生日を祝いました。

97歳のシンプロット氏はフェニックス大学のフットボールスタジアムでの試合
見学から帰る途中、運転していたスクーターが転倒し、頭部に重症を負い病院
に担ぎ込まれ大規模な手術を受けていました。運良く回復したシンプロット氏
は病院で98歳の誕生日を盛大に祝いました。

シンプロット氏は14歳の中学校2年に退学し家出をしました。そしてアル中の
農家から48ヘクタールの土地を借り、貸主から学びながら農業を始めました。
ポテトの加工工場を経営する前までに徐々に農地を増やしていきました。そし
て第二次世界大戦の頃には個人会社のシンプロット社(J.R.Simplot Company)
を全米最大のジャガイモの供給業者に育て上げました。現在ではシンプロット
家族の総資産は4,000億円にものぼります。

シンプロット社が生産する農産物は年間1,500万トンにものぼるフレンチフラ
イなどです。生産するポテトの半数はマクドナルド社に供給し、その他バーガ
ーキング社、ヤム社(KFC、タコベル、ピザハット)、ウエンディーズ社に供
給しています。シンプロット社が存在しなければ、ファストフードでフレンチ
フライを供給できなかったでしょうね。

4人の子供を持つシンプロット氏は、農業の他に、1970年代に半導体製造業大
手のマイクロン社(Micron Technology)創業時に約120億円を投資し、現在は
同社の発行株式の40%を所有する大株主です。同社の株価の現在価値は300億円
ほどになります。その他、レミントンオイル社(Remington Oil)にも投資を
しています。
http://www.simplot.com/

■ ウエンディーズの12月の売上は好調

2004年以来長い間不振状態が続いていたウエンディーズ社ですが昨年12月に
既存店対前年比売上が久しぶりにプラスに転じました。国内では直営店は6.1
%、フランチャイズ店は5.6%の伸びでした。

ウエンディーズ社の2006年の第一四半期は直営店が-4.8%、フランチャイズ店
が-5.2%の売上減と厳しいスタートを切りましたが、5月には何とか前年対比で
+0.4%となりました。12月の好転を契機に販促を強化し、2007年には好業績に
する見込みです。
http://www.wendys.com/

■ クイズノスサブの経営トップがサンドイッチ伯爵社(6店舗展開)のCEOに

元クイズノス社の運営と開発の副社長であったマイケル・クロディ氏(Michael
Grodi)が6店舗しかないサンドイッチ伯爵社(Earl of Sandwiches)の社長
に就任しました。クロディ氏は前任者のゲアリー・デイビス氏が英国に帰国す
る後を継ぎます。

さて、皆さんはサンドイッチの起源をご存知ですか?
240年ほど前に英国の伯爵で海軍軍人であったサンドイッチ家のジョン・モン
タギュー(John Montagu)4世(通称サンドイッチ伯爵)は大のギャンブル好
きでした。伯爵はカードゲームを楽しむために、ゲームをしながらでも食べら
れるように薄切りのローストビーフを2枚のパンで挟んで食べることを考案し
たのです。そして、サンドイッチと言う料理は世界に広がったのです。そのサ
ンドイッチ家の子孫、ジョン・モンタギュー11世の息子オーランド・モンタギュ
ー氏がロバート・アール氏(Robert Earl)とマイケル・クロディ氏と出会い、
このサンドイッチ伯爵社のコンセプトが出来上がり、第一号店をフロリダのダ
ウンタウン・ディズニーに2004年3月に開店し、現在までに6店舗になりました。
ロバート・アール氏はプラネット・ハリウッドやハードロック・カフェの創業
者として有名です。現在はプラネット・ハリウッドやハードロック・カフェは
英国のランク社(Rank)が経営しており、その他、カジノも経営しています。

一号店のダウンタウン・ディズニーの店は大成功し、初年度で6億円を売上げ
ました。その勢いでワシントンにも20店舗を開店の予定です。数年内に300店
舗開店を目指しています。

メニューに13種類のホットサンドイッチとコールドのサンドイッチがあります。
勿論、サンドイッチ伯爵由来のローストビーフとチェダーチーズ、ホースラデ
ィッシュソースを組み合わせたオリジナルサンドイッチを用意しています。
温かいサンドイッチはクイズノスと同様にパンに具材を挟んでからエアー・イ
ンピンジメント・コンベアーオーブンで焼き上げて提供します。

さあー、ブランドとしては最強のサンドイッチ伯爵です。これからどんな展開
をするか楽しみですね。

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http://www.rank.com/

■ チャーチーズの大手フランチャイジーがショニーズを買収

米国大手フライドチキンチェーンのチャーチーズ社(Church’s Chicken)のフ
ランチャイジー企業がファミリーレストランのショニーズ社(Shoney’s Resta
urants)をローンスター投資会社(Lone Star Funds)(過去にステーキハウ
スのローンスター社(Lone Star Steakhouse & Saloon Inc.)を買収したので有
名)から買い取ることで合意しました。

買い手のチャーチーズのフランチャイジーはロイヤル・ホスピタリティ社(Roy
al Hospitality Corp)です。この買収によりショーニーズの230店のフランチ
ャイズ店舗と52店舗の直営店を手に入れます。買収価格などの条件は発表して
おりません。

売り手のローンスター投資会社は2002年に240ミリオンドルでショニーズ株主
から買い取りましたが、経営不振のためか2006年の中頃に140ミリオンドルで
セントラム社(Centrum Equities)に売却するとの合意を結びました。しか
し、2006年の夏にセントラム社はショニーズ社の衛生管理システムやその他
の経営管理上の問題で契約を破棄していました。

ロイヤル・ホスピタリティ社はロイヤル・キャピタル社(Royal Capital Corp.)
の関連会社で112店のチャーチーズをアリゾナ州、カリフォルニア州、テキサ
ス州で経営している、チャーチーズ社でも最大規模のフランチャイジーです。
http://www.churchs.com/

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