【福岡避密の旅】

食の宝庫九州から

新型コロナウィルス感染がひと段落した感のある12月初旬に、国の補助、県の助成金を使った格安ツアーを新聞で発見して参加してきました。

福岡県民限定で、福岡市内のホテルに宿泊して、キャナルシティ博多にある「ウルフギャング」でステーキランチを食べるというコースです。最大半額の割引があり、なんと一人5千円。更に地域クーポン2千円が付いてきます。

実質、3千円の支払いでウルフギャングのステーキです。

https://wolfgangssteakhouse.jp/menu/pdf/F_lunch.pdf

キャナルシティ博多は、JR博多駅と西鉄天神駅の中間にある商業施設です、ジョン・ジャーディー設計のモダンでカラフルな外装、回遊性の高いレイアウトは各地の商業施設に影響を与えています。1996年開業ですから25年経っても古さを感じさせません。開業当時はバブルの最後の時期でしたので大人気を博しました、その後、天神地区に百貨店戦争が起き、福岡市内の人流が変わったことがあり、人気は落ち気味であることは否めません。内部のテナントは、相当数が入れ替わっていて、こちらが歳を重ねた分興味を持てない店の方が多く感じます、逆に入れ替わることで鮮度を保っている点も重要なポイントだと思います。

また、ナムジュン・パイクの180台のテレビモニターを使った映像作品「Fuku/Luck,Fuku=Luck,Matrix」が目玉になっていたのですが、テレビがブラウン管から液晶パネルに変わったように、開業20年でモニターが切れてしまうなど、施設の維持管理には相当な予算と手間が掛っているのも事実です。パイクの作品は、韓国のメーカーからブラウン管を調達して、最近改修が行われて復活しています。

ディベロッパーは、西日本シティ銀行系列の不動産会社福岡地所で、経営の浮き沈みに影響されているのは事実です。施設が陳腐化しない様に、常に維持管理をしておくのは大変なこと。福岡は、天神ビッグバンというビルの高さ制限緩和などの策を取っているため、市内のビルがどんどん建て替わっています。その中で、強烈な個性を持つ「キャナルシティ博多」は、コト消費の先駆けとしてもう暫くは頑張って欲しいものです。

さて、ウルフギャングステーキハウス福岡店は2016年にオープンしていました。いつかはと思いながら時間が経ってしまいました。1人では使いにくい、そこそこ高い店ですからね。キャナルシティ博多には2つのホテルがあり、グランドハイアットの中にあるという点でも、ハードルが上がっていくのです。同じ金額を払うのなら、他の飲食店をと考えてしまうこともあります。

5年ほど前に、熟成肉のことを研究していた時期があり、ニューヨークの店にも行ったことがあります。となると、比べるのは、そちらとなってしまうので、あえて福岡で肉を食べにいくかとなるわけです。

もちろん、旅費交通費を考えると格安ではあるのですけどね。

そんな店に格安で行ける。根が貧乏なのが透けてきますが、良い機会だと捉えて予約。

ランチタイムが済んだころに訪問、リッチな内装の客席は、130席あるそうですが、お客さんはチラホラ。ランチメニューは決まっていますので、サーロインをミディアムレアで、少し追加するとプライムに出来るのですが、量のことを考えてサーロインで、オニオン、トマト、パプリカ、ベーコン、小エビのサラダと、ステーキには定番のマッシュポテトとホウレン草クリーム。パンも美味しく。ステーキは高温のオーブンで焼いたスタイルで良い感じでした。

ドライエイジングの熟成香はさほどなく、赤身のナイフの入りやすさ、肉汁の美味さは満足できました。

ランチ一択ということで、メニューや熟成肉のことでクルーとのやり取りも少なく、もう少しコミュニケーションを取れたら楽しいランチになったかもしれません。

日程が空けばまたどこかに出かけてみたくなるお得な旅ではありました。

福岡避密の旅

https://fukuoka-himitsu-travel.jp/
上田 和久

上田 和久

スタジオワーク合同会社 代表。熊本県生まれ。厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年1月コンサルタントとして独立。安全安心な食品を提供することに日々、注力する企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。 JHTCリードインストラクター

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