weekly Food104 Magazine 2005年3月16日号

メルマガバックナンバー

● 新店オープン情報
● 米国レストランNEWS
● 食ビジネスニュースリリース
● 丸田有季の上海レポート
● 須賀田三之介のFresh Infos from USA
● チャーリー・下城のニューヨーク・ニュース
● 王利彰のレストランチェック

*今週号から、日本LCA上海法人の丸田有季さんに、上海の外食事情をレポー
トしていただきます。

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● 新店オープン情報 ———————————————-■□

■ 「六本木蕎麦ダイニングくろさわ」六本木にオープン

3月15日に「蕎麦ダイニングくろさわ」が六本木 ケヤキ坂上にオープンしまし
た。今回は、一号店、永田町黒澤の一階蕎麦席を独立させた形で提案する、和
食をメインの新しい形態の蕎麦屋です。

食事は、関西で修行を積んだ和食料理人による一品料理やすっぽん料理を中心
に、炙りものや天婦羅を、食事の締めには、蕎麦部門の顧問〓橋邦弘氏の協力
のもと、独自に開発した自家製蕎麦を堪能できます。また、昼の時間帯には、
蕎麦メニューのほかに丼ものもあります。

客席は一階はカウンター席10席とテーブル席24席、カウンター席では、料理人
がその日のお勧め食材をお客様のお好みで調理します。二階はすべて個室形式
のテーブル席28席となっており、建具をはずせば最大16名様までの部屋として
もご利用できます。店舗全体に使用された年代ものの設えは、いぶし銀の味わ
いをかもし出し、日本人の琴線に触れる粋と温もりを漂わせています。味にも
雰囲気にもうるさい大人の方たちが、腰をすえて和める蕎麦屋です。

○住所:東京都港区西麻布3-2-15 藤田萬年堂ビル1F・2F
○電話:03-5775-9638(くろさわ)
○関連HP http://9638.net

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● 米国レストランNEWS———————————————■□

■ B.Y.O.B.が好き

郊外ではあまり見かけませんが、シカゴではリカー・ライセンスを持っていな
い、B.Y.O.B(Bring Your Own Beer)のレストランは多いのです。リカー・ラ
イセンスとは酒類販売許可のことで、米国ではレストランでも許可を取らない
と酒類を販売できません。レストランで食事と一緒にお酒を楽しみたい人は、
自分でビールやボトルワインを持っていき食事を楽しみます。ちょっと面倒か
もしれませんが、好きなお酒を持ち込めるだけでなく、価格的にも安くなるメ
リットがあるのです。こういったB.Y.O.Bのレストランでは食事がすばらしい
ところがいくつかありますが、今回行ったアルゼンチン料理レストランはその
中の一つでした。

○アルゼンチン料理:Tango Sur(タンゴ・スアー)

昔、2軒のデリカテッセンだったところを1つのレストランにしたこのタンゴ・
スアーは、アルゼンチン風ステーキ屋です。アルゼンチン風ステーキのParril
lada(パリジャーダ)を売り物にするグリル・レストランで、シカゴのレイク
ビューエリアでまたたくまに人気レストランとなりました。ドアを開けると目
の前にテーブルがあるように、かなりぎちぎちにテーブルが置かれています。

土曜日の夜、7時半頃にはすでに人・人・人!お互いの声が聞こえない程の賑
わいです。大人数で来ているテーブルが多く、日本の居酒屋のようです。裏の
ウエイティングルームに行くと、一組のカップルが客席に案内されるところで
した。どの位待ったか聞いてみたら、6時に来てウエイティングリストに名前
を書き、今までバーで一杯やって来たと言っていました。7時にウエイティン
グリストに記入した私達は、持参したワインを開けてもらい、空きっ腹でワイ
ンを飲んで待つことにしました。

さて、1時間以上待った結果、肉のオン・パレード料理が待っていました。
まずはアペタイザーとして、チキンとほうれん草とチーズの2種のエンペナダ
を注文しました。サクサクの生地につつまれて焼かれており、ハーブとガーリ
ック風味のオイルソースがきいています。メインには牛肉のステーキを注文。
ステーキは鉄板焼きのプレートにのって運ばれてきました。鉄板の下にはコン
ロがセットしてあり、テーブルでもジュージューいっています。凄いボリュー
ムなので1つのメニューを2人でシェアしました。後からメニューを見て分かり
ましたが、大人数で来た方が、ビーフ、チキン、自家製チョリソー(ソーセー
ジ)等いろいろな種類のグリルをトライできるのにと思いました。

私達が席についた時にはすでに8時を廻っていましたが、10時過ぎでも続々と
人が入ってきました。予約は大人数でない限り受け付けていません。普段肉が
食べたいと思う方はすぐにステーキハウスを考えるはずですが、南米のスパイ
シーな味付けはとても美味しいので、塩胡椒の巨大で大味のステーキを食べる
より、このようなアルゼンチン・レストランがおすすめです。2人でアペタイ
ザー、あまる程のステーキ、デザートで50ドル。アルコールをオーダーしない
分、価格がとても安いのです。しかも自分の好きなワイン等も持っていけると
ころが最大の魅力です。
http://www.tangosur.qpg.com/

■ キッズ・ダイニングも高級化

デイリー・ヘラルド紙のフード・セクション、3月9日の記事より。
以前は夫婦でレストランへ夕食に出かけ、子供はベビーシッターが見るという
パターンが多かったのですが、最近では、アップスケールなレストランでも子
どもを同伴する夫婦が見られるようになりました。幾つかのレストランでは子
ども連れのお客様への工夫がなされています。その背後には、頼んでおいたベ
ビーシッターがキャンセルするとか、ベビーシッターへ払う金額もかさむ、等
の問題があります。また、共働きの夫婦は、子供と一緒に週末を過ごす大事な
時間の中で、いろいろな新しい食べ物を子供に紹介したいという理由もあるよ
うです。

シカゴ郊外のベアリントン在住のある夫婦は共働きで、バレンタインデーに頼
んでおりたベビーシッターがキャンセルしたため、予約をしておいたアーリン
トンハイツの著名なフレンチレストラン、La Titi de Paris(ラ・ティティ・
ド・パリス)にキャンセルの電話を入れたところ、「子供連れは大歓迎です」
と言われ、娘を連れていった経験をしました。それ以来、時折ドレスアップし
て、娘と一緒にレストランに行くようになりました。子供もお行儀よく大人の
気分で過ごすということを楽しんでいるそうです。

このように子供を連れていっても良いアップスケールなレストランには、ラ・
ティティ・ド・パリスを始め、D&J Bistro(D&J ビストロ)、The Palm(パー
ム)、シカゴの有名な四つ星レストラン、Ambria(アンブリア)などがありま
す。

フードコンサルト会社、テクノミック社によると、子ども連れの夫婦は平均的
な客よりも39パーセントも食べ物に使う金額が高く、平均年間$2,211に対し、
$3,077消費します。また、ナショナル・レストラン・アソシエーションの調査
によりますと、アップスケールなレストランのお客様のうち、5パーセントの
お客様は13歳以下の子供を連れています。また、レストラン経営者のうち、20
パーセントの経営者は、最近ではよく子供連れをみかけるようになったと答え
ています。

シカゴを代表するレストランのアンブリアでは、子ども向けに「4スター・キ
ッズ」と称したメニューを19ドル95セントで用意しており、両親がアペタイザ
ーを食べている間に子供にアントレーがサーブされ、両親にアントレーがサー
ブされると同時に、テーブルキャプテンが、子供を厨房に連れていき、ペース
トリー・シェフがデザートを仕上げるのを手伝います。子供もシェフ帽をかぶ
り、手掛けたデザートを前にシェフとの記念撮影があります。レストランマネ
ジャーによると、両親が食事を楽しんでいる間に子供が退屈することのないよ
うにとのプログラムで、毎週10名程の子供達が厨房を訪れるということです。

ザ・パームでは、ステーキハウスチェーンでは珍しくキッズメニューを用意し
、海老や、マカロニ&チーズ、チキン、兄弟で分けて食べることができるジャ
ンボ・ハンバーガーなどを揃えています。また特別に「ロブスター・ツアー」
も行っており、厨房裏へ連れて行き、子供が水槽のロブスターを見ることがで
きます。

ラ・ティティ・ド・パリスでも、子どものために本を読んであげたり、自分の
デザートを選びに厨房をツアーしたりしています。

ファミリーレストラン・チェーンでは、子供向けにカラフルなマットや、プラ
スチックの皿、塗り絵など、いろいろなアイデアで子ども向けのサービスを用
意していますが、高級レストランでも、子供連れのお客様様に独自のユニーク
なサービスで、子供達に新しいダイニング体験を提供しています。


http://www.thepalm.com
http://www.leye.com

○シカゴ在住 Hiroko Hatada

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ 「お米」に関するアンケート調査結果

ネットリサーチのDIMSDRIVE(インターワイヤード株式会社)では、2005年2月
4日(金)から2月15日(火)にかけて「お米に関するアンケート」を行った。
回答者は、全国の10代から60代以上の男女8,110人。

「あなたは普段、お米を食べていますか」と尋ねたところ、91%の方が
“ほぼ毎日食べている”と回答した。
お米を食べていると回答した方(N=8099)に、
「あなたは普段、何米を食べていますか」と尋ねたところ、
97%の方が“精白米”と回答した。また、11%の方が“玄米”を食べていると
回答した。その他の回答では、赤米・黒米・五穀米が多かった。
玄米を食べている人の割合は女性の10代以下が最も多く、26%であった。
10代~50代まではどの年代も女性の方が男性よりも玄米を食べる割合が多く、
60代に関しては、男女とも玄米を食べる割合に差は無かった。

「あなたはお米が好きですか」と尋ねたところ、52%の人が“かなり好き”、
43%の人が“好き”と回答。95%の人がお米が“好き”である事が分かった。

20種類の品種を示し、うるち米の認知について尋ねたところ、
最も“普段食べられている”品種はコシヒカリの53%であった。
コシヒカリは認知率が最も高く、99.8%の方が“食べたことがある”、
“聞いたことがある”と回答した。
“名前は知っているが食べたことはない”と最も多く回答があった品種は、
“はえぬき”の47%であった。
コシヒカリは35の都府県で最も多く食べられており、富山県では、回答した人
の100%がコシヒカリを食べている結果となった。
北海道・東北地方では、あきたこまち、ひとめぼれなど地元産の品種が
“普段食べている”と回答されている。

「お米を食べている」方(N=8099)に、お米の入手先を尋ねたところ、
“購入している”方が8割と最も多く、次いで“生産者(知人、親戚など含む)
からもらう”15%であった。
お米を“家で作っている”方は2%(217人)であった。
「購入している」と回答した方(N=7258)に入手方法を尋ねたところ、
“スーパーマーケット”と回答した方が72%と最も多く、
次いで“生協”“米屋”の17%であった。

「市販されているお米を購入する際に気にしていること」については、
“値段”64%、“品種名”47%、“生産地”36%、“味”32%の順であった。
“無洗米かどうか”を気にすると回答した方は18%だった。
その他、自由回答では“有機栽培か”、“無農薬・減農薬か”などが
気にしていることとしてあげられている。

お米を「家で作っている」方(N=727)に、家で作っている米の品種を
尋ねたところ、コシヒカリが半分を占め、50%であった。
次いでヒノヒカリ12%、あいちのかおり7%であった。

米加工食品の購入経験について尋ねたところ、最も多かったのは
“サトウのごはん(サトウ食品)”で67%の方が購入経験があると回答した。
米加工食品を“購入したことがない”方は29%であった。

お米、ご飯について意見を自由回答で尋ねたところ、回答された意見の
28%が“おいしい”、“日本人の必需品”であった。
“正しい品質表示や偽装”についての意見は10%、“安く提供してほしい”
という意見は7%であった。

■ 『全国食品工場総覧2002/ダウンロード版』発売

株式会社光琳は、3月15日、『全国食品工場総覧2002/ダウンロード版』(ウ
ィンドウズ版)を全国一斉発売しました。本データは、食品製造メーカー、素
材メーカーなどの工場・研究所1万2,800ケ所(本社工場含む)の詳細データを
完全収録したデータベースで、データのみをウェッブダウンロード販売(税込
15,000円)です。

○詳細HP http://www.korinbook.com

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● 丸田有季の上海レポート—————————————–■□

■ 大切なあの人との距離を縮めたい そんな時に訪れたくなる老房子

こんにちは。現在、上海に在住している丸田有季です。以前は、某日系航空会
社に勤めていました。現在は、上海のLink-Cという会社でフード系コンサルタ
ントをしています。これから、上海の日々の生活と最近のレストラン事情をご
紹介していこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

先日、中国は「元宵節」(ユエンシャオジエ)というお祝いの日でした。毎年
旧暦の1月15日に行われます。元宵節には、「元宵」という団子を家族みな集
まって食べます。中国人は家族団欒の機会として、大変大切にしています。こ
の日ばかりは、ハードワーカーの同僚も仕事を早めに切り上げて、いそいそと
帰路を急ぎます。(「元宵」は「湯圓(タンユエン)」とも呼びます。)

何でも、春秋時代の終り頃から元宵を食べる習慣があったと言われています。
当時は粘り気のある白いかゆ状のものを食していたそうですが、後に、お湯の
中に浮かんだ甘いあんの入ったもち粉の皮のお団子に変わってきました。満月
のように丸く、銀元(昔のお金)のように白い湯円には、団欒の意味があり、
幸福の象徴でもあります。

もちろん、私もこの日は友人たちと湯圓をつくり、とどまることなく打ち上げ
られる花火を見ながら、これからも皆仲良く上海の生活をおくれるよう、夜遅
くまで語り会いました。

さてさて、今回ご紹介のお店は、フランス人居留地(租界)に1920年代初頭に
建てられた老房子(古い住宅と言う意味)を改装して建てられた上海の隠れ家
的な一軒家の「楽庭」です。店内はプライバシーを大切にするため、全個室で
2、4、6、8人用の4部屋のみ、西洋と中華と融合した高級感あふれる居心地の
良い空間です。

おすすめ料理は
煙重鰻方58元、塩味のきいた鰻の燻製がお酒のつまみに丁度良い。
江南酥鴨60元、卵の白身と鴨のフィレが口の中に入れるととろけてまろやか。
蟹肉炒飯78元、油ひかえめで締めにはぴったり。

予算はアラカルトで頼むと手頃で、一人150元~、コースは2人様480元も有り
ます。

日本同様、中国も飲食店で成功するカギは差別化と言えます。当店は「ここに
力を入れている」ではなく、客観的に明らかに他店とどこが違う点かを打ち出
す事が成功の分かれ目と言えます。北京ではよく見られる宮廷料理も、上海で
はあまり見られませんので、楽庭は、北京宮廷料理をフランス人居留地の歴史
有る建物で提供すると言う個性を明確に打ち出しています。この上海では珍し
い業態をどう成功させるかは、顧客層の絞りこみとそのターゲット層への有効
なアプローチでしょう。ともあれ一度、この老房子 楽庭に彼氏彼女を誘って
みれば、あなたの株も上昇すること間違いなしです。

○店舗データ
店名: 楽庭 Leting
電話:021-6247-5557
FAX:021-6247-5553
住所:上海市静安区巨鹿路878号
営業時間:11:30~14:00 17:30~22:00
サービス料:なし
国際カード使用可否:OK
喫煙:OK
座席:32席
○店舗HP:http://www.leting.cn
○その他のHP
上海フランス人居留地の説明
http://www.talesofoldchina.com/shanghai/events/t-fren.htm
上海フランス人居留地などの当時の地図
http://www.ish-lyon.cnrs.fr/iao/cartSH/listmap1.html

レポーター 上海在住 丸田有季 (日本LCA上海法人Link-C勤務)

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● 須賀田三之介のFresh Infos from USA—————————–■□

■ ブリンカー・インターナショナルが「チリーズ」の展開強化

カジュアル・レストランの典型とされる「チリーズ・グリル&バー」(Chili’s Gr
ill & Bar)が創業30周年を迎えた今年、店舗数は全米で1,023となりました。
ブリンカー・インターナショナル本部の発表によれば、好業績の「チリーズ」
新店舗展開として2005年中に110店舗、2006年に130店舗新規開店すると強気で
す。この内直営店を80と、フランチャイズ加盟店を25から30店舗を今年中にと
決定しました。

現在ではどのレストランにも付加価値サービスとして設置されている、テーク
アウトの別窓口、名称を「To Go」とし先鞭をつけたのも「チリーズ」でした。
その後「To Go 」専用パーキングを編み出したのもこの企業です。やはり、斬
新なコロンブスの卵的発想が旺盛な「チリーズ」なのです。ボイス・オブ・カスタ
ーマー(お客様の要望)によく耳を傾けることをモットーとして、本部独自の
年間定期のアンケート回収に特に真剣に取り組んでいます。「To Go」パーキ
ングを現実に生んだのも、顧客の声を反映したものでした。

「チリーズの伝統を守った内・外装、新商品開発、顧客に対する最上のサービス
の提供をモットーとして新店舗を増やしていきます」とブリンカーのCEOダグ・
ダグラス氏は熱く語っていました。
http://www.chilis.com/

○筆者撮影のアルバム:
http://www.photohighway.co.jp/AlbumPage.asp?un=9181&key=1576977&m=0

○須賀田三之介(ロサンゼルス在住、流通コンサルタント)
Email:stansugata02@yahoo.co.jp

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● チャーリー・下城のニューヨーク・ニュース———————–■□

■ 最新のブロードウェイ・のグルメストア群(7)
~元祖グルメストアの危うい実力?(バルダッチ)~

1916年に創業したバルダッチはゼイバーズとしばしば比較されるもう一つの元
祖グルメストアでした。屋台販売形式でイタリアンの食材を売り始めたルイス
・バルダッチおじいさんは、1946年に息子のアンディー・バルダッチと、ダウ
ンタウンのグリニッジビレッジに食品店を開きました。現在はその本店をリー
ス切れで閉店し、支店であるブロードウェイの66St.店のみになっています。

イタリア系のファミリービジネスでしたが、5年前にサットンプレイス社(Sut
ton Place Gourmet)が買い取り運営しています。サットン社の傘下には、コ
ネチカット州のヘイデイ・グルメストアや首都ワシントン周辺のレストランチ
ェーンが入ります。現在ヘイデイの店舗もバルダッチ・ブランドへ変えている
最中で、中途半端な状況が見られます。それが従業員のサービスや商品知識に
も反映されていて、これが老舗存続の致命傷にならないことを願っています。

最近の店舗視察中に遭遇した大変懸念されるものがありました。それは惣菜コ
ーナーで買い物をしていた客が、店員に「ロースト・ベニソンって何ですか?
」と質問したところ、「ローストしたベニソンです」と答えました。それで間
違えではありませんが、子供のやり取りではないのだから、そんな亊を聞いて
いるわけがありません。更に「それは何なのですか?」との質問に「豚肉です
」と答え、お客は「こんな色してるわけはないでしょう」と言うことで、店員
がマネージャーへ聞きに行き鹿肉である亊が分りました。販売員のレベルが非
常に低い亊がここで分ります。

次にその直後に精肉コーナーで見付けた問題は、牛のヒレ肉厚切りを2枚頼ん
だお客に切り分けた商品を渡す時に、「廻りが黒っぽくて古いんじゃないです
か?」と聞かれ、店員は「ちゃんとラップして保存してるので大丈夫な高級肉
です」と答えました。本来その説明は「ドライ・エイジング(乾燥熟成)させ
た肉だから、これがベストの状態です」等と答えなければいけません。注文し
た客もまた熟成された肉の意味が分っていない、金額の高い肉が美味しい肉と
思い込んでる客だと言うことが分ります。全てがそうだとは思いませんが、こ
ういう従業員のレベルはグルメストアらしからぬもので、客層もグルメ店の商
品を分らずに来ていると言うことかも知れません。この一事を見ても、この老
舗グルメ店の将来は暗い気がしました。

現在ダウンタウンの旧本店の近くに、ダウンタウン店を工事中とのことで、そ
れがどう変わってくれるのかを私は非常に楽しみにしています。比較されるゼ
イバースの絞った品揃えに対し、こちらは鮮魚・精肉も扱う総合食品店の形で
す。またバルダッチ一家から、家族が独立して開店したイーストサイドの「グ
レーシーズ・マーケット(Grace’s Market)」は完全に別のビジネスですが、
内容はこちらに非常に近いものがあり、しかしグレーシーズの方は成功してい
ます。

○チャーリー・下城近雄(NY在住、流通コンサルタント)
E-mail:shimojoNY@earthlink.net

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ 中華料理 峨嵋山(がびさん)

先週はお洒落な礼華をご紹介しましたが、今回は四谷三丁目(荒木町周辺)で
美味しい中華がある聞き、探してみました。新宿通りを皇居に向かい、三丁目
の角を左折、坂を下ったところにある、カーディナスグループのファエーファ
ックス・グリルの2階に地味な店を構える峨嵋山です。

内装も地味なお店ですが、年輩の客で何時も一杯です。何回か訪問しましたが
何時も食べられませんでした。
フロアーは経営者の奥さんが切り回しているこじんまりとしたお店です。

さて、メニューを見ると峨嵋山スペシャルディナー(4,500円)があります。
サーモン大根巻き、アサリ紹興酒漬け、豚肉ニンニク辛子ソースあえ
菜の花と鶏肉辛子炒め
芝海老とおこげ炒め
フカヒレ姿煮
渡り蟹、生姜、ケチャップ味、玉子よせ
生青のりと湯葉、紅花添え
麻婆チャーハン
黒ごまプリン

メニューと峨眉山と言うと、四川省にある有名な山から取った名前から見ると
四川料理のようです。コース料理以外のグランドメニューは前菜、フカヒレ、
海老、おこげ料理、牛豚、鶏肉、豆腐、とありきたりです。

しかし、じっくり見ると、以下の手書きのチーフのお薦めメニューに面白そう
な料理があります。
青のりとあわび        2,800円
かきとパパイヤ唐辛子炒め   2,100円
鶏軟骨韓国唐辛子炒め     1,900円
フォアグラ赤酒蒸し      1,800円
黄ニラ、グリーンアスパラ炒め 1,800円
豆苗(台湾産)炒め      1,800円
天使の海老チリソース     1,800円
エリンギ茸ガーリック炒め   1,700円
マーボーチャーハン      1,300円
白葱ザーサイあえ        750円

そこで、グランドからは前菜だけ注文、残りはアラカルトで注文をすることに
しました。

○冷菜の盛り合わせ 1,300円
サーモン大根巻き、アサリ紹興酒漬け、豚肉ニンニク辛子ソースあえ等の盛
り合わせ

○フォアグラ赤酒蒸し 1,800円
臭みが無く、適度な味が美味しかったですね。

○かきとパパイヤ唐辛子炒め 2,100円
牡蠣をさっと上げてパパイヤの甘酢を利かせて炒めていますが、その火通り
の適切なこと、感心しました。

○豆苗(台湾産)炒め 1,800円
私は豆苗の炒めが大好きなのですが、日本の豆苗は固くて閉口します。ここ
は台湾産の柔らかいものを使っており、高級店にも見られない料理ですね。

○マダムお勧めの魚料理 値段不明
一匹の魚丸揚げ甘酢ソースがけで、そのソースが絶品でした。

四川料理というとあまりお魚が美味しくないし、豆苗などの広東料理は出ない
のですが、この峨眉山は、前菜、野菜、魚料理はあまり辛くなく美味しいので
す。知り合いに言わせると、肉料理よりもお魚の方を勧めると言っておりまし
た。

値段も1人5,000円ほどですので、気楽においしい物を食べたい方にお勧めです。
グランドではなく、手書きのチーフのお薦めメニューから選んでください。

礼華は、御苑の緑を背景にしたお洒落な雰囲気で、カップルや女性の方にお勧
めのお店ですが、峨眉山は、自分の好きな物をじっくりと食べたい方にお勧め
です。週末など団体客が多く入れない場合がありますから、要予約です。

○店舗データ
住所 東京都新宿区船町8 石橋興業船町ビル2階
電話 03-3359-2669

○紹介HP
http://gourmet.yahoo.co.jp/gourmet/restaurant/Kanto/Tokyo/guide/0301/P025363.html
http://woman.excite.co.jp/gourmet/restaurant/menu_25363.html

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