weekly Food104 Magazine 2007年8月8日号

メルマガバックナンバー

● 本家・旬の味を食らう会・特別編
● 新店オープン情報
● 海外レストランNEWS 米国レストラン情報
● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック

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■ 「本家・旬の味を喰らう会・特別編」ご案内

主催:旬の味を喰らう会
発起人代表 佃   朋 紀
発 起 人 石 川 秀 憲
フーズシステムクリエイター
立教大学インキュベーションデザイン研究会(主催・王)

拝啓 盛夏の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し
上げます。

さて、季節は夏になりました。皆様におかれては、暑さに悩まされておられる
ことでしょう。そこで今回は、「晩夏を惜しみ」、小粋に夏を過ごそうという
ことで、特別バージョンの本家・旬の味を喰らう会を企画しました。もちろん
「旬の味」ですから、食をテーマにするのは当然ですが、今回は、これにもう
ひと志向を加えることとなりました。小粋という限りは、やはりなんと言って
も江戸の文化と食文化ということになります。そこで、王が主宰している立教
大学インキュベーションデザイン研究会との共催で、江戸の文化の一つ、落語
(第1部)と食(第2部)のコラボレーションを実現することになりました。

さて、その第1部ですが、江戸の落語を聞いていただきます。ご快諾いただい
たのは、なんと、三遊亭鳳楽師匠でした。皆様もご承知だとは思いますが、改
めて鳳楽師匠をご紹介申し上げますと、師匠は昭和22年生まれで、昭和40年10
月に、五代目三遊亭円楽に入門されました。円楽師匠の総領弟子で、大師匠三
遊亭円生より’楽松’と命名されました。昭和47年二ツ目に、昭和54年には真打
に昇進し、これを機会に楽松改め初代三遊亭鳳楽を襲名されました。鳳楽師匠
は、定席やメディアには登場しませんが、押しも押されもせぬ本格派として評
価も高く、持ちネタの多さ(約300題)もさることながら、演じるネタすべて
に完成度が高いのが、鳳楽師匠の芸の真髄と言われています。現在、大師匠の
「円生百席」に挑戦されているとのことです。昭和52年には第6回NHK新人落語
コンクール最優秀賞、昭和53年には日刊飛切り落語会若手落語家奨励賞、平成
5年には文化庁芸術祭賞を受賞されるなど、数々の賞を受賞されています。

さて、その鳳楽師匠に、「落語に見る江戸の食文化」をテーマに、立教大学で
落語をお聞かせいただくこととなりました。具体的な題名は、当日のお楽しみ
とさせていただきます。

第2部ですが、こちらの方は現代の日本の食文化をご堪能いただこうと考えて
います。まずは、旬の魚と野菜を集め、池袋の莫莫居鶯の浅見料理長に調理を
していただき、しゃぶ禅の藤井さんにお酒をチョイスしていただきました。
もちろん、この第2部にも鳳楽師匠はご参加いただけるとのことで、一人でも
多くの方々に落語のファンに、そして鳳楽師匠のファンになっていただければ
と願っています。

第2部の方は、テーマは「長いものと冷たいもので残暑をやっつけるぞ」をテ
ーマにします。さて、その食材ですが、この時期はどうしても夏バテ気味の方
々も多いかと思い、二つのテーマで選ぶことにしました。

一つは、精のつくものといえば「長いもの」となりますので、日本の4大長い
ものにこだわります。まず、筆頭は「ウナギ」です。ウナギと言っても、産地
にこだわることとし、今回は清流で有名な四万十川の天然ウナギにしたいと思
っています。ただ、天然故の問題もあり、最悪のパターンは、知る人ぞ知る湯
布院のウナギ(養殖もの)にしたいと思います。

続いて、二つ目の長いものはアナゴですが、最近、産地として有名になってき
ている長崎は対馬のものと江戸前のアナゴをご用意させていただきます。内海
産と外海産になりますので、その食感と味の違いをご賞味下さい。

三つ目の長いものですが、それはハモです。ハモの旬は京都の祇園祭りや大阪
の天神祭までと言われていますが、実は脂の乗り始めるのは8月の下旬からです。
四万十ハモとしてブランド化している土佐清水のハモをご用意いたします。

最後の長いものですが、それはタチウオです。今回は、大分は国東でとれるタ
チウオを用意します。最近は、「銀タチ」というブランドで有名で、これを刺
身で味わっていただきます。

さて、もう一つのテーマは、貝です。夏も旬となります貝を4品選びます。ま
ず一つ目は、今回のメインテーマは江戸前ですので、バカガイ、通称は青柳で
す。木更津沖のものを使おうと思っています。青柳のなめろうは絶品でしょう。

二つ目の貝は、ミルガイです。これは、横浜沖のものを使います。あの甘い味
は、きっと夏の涼しさを生むこと疑いなしです。

三つ目の貝は、シジミです。土用の丑の日というのは、ウナギも有名ですが、
土用シジミも知られています。寒シジミに比べると身が肥えていますので、一
番おいしい盛りかと思います。疲れた肝臓にとっても、癒しになること請け合
いです。

そして、オオトリは、礼文島では定番の水貝(みずがい)をと考えています。
この水貝は、アワビを使います。残念ながら礼文島ではアワビはこの時期には
獲れませんので、房総半島は千倉の海女さんが採ったアワビを使うことにしま
した。さて、水貝というのはどういう料理かというと、利尻昆布を入れてとっ
た出汁に、塩を入れ、調味します。そして、涼しげな器に、冷やした汁を入れ
ダイス状に切ったアワビと氷を浮かべます。そして、アワビの冷えたころ合い
を見計らって食べます。まさに、夏に最適の料理かと思います。

これだけでは寂しいという方に、枕崎のエビもご用意することにしています。
また、もちろん、今回も日吉さんチョイスの、演題に合わせた野菜も届けられ
ます。さて、どんな野菜とのコラボになるでしょうか。楽しみです。さらには
藤井さんチョイスである福岡県の杜の蔵のお酒をお届けすることになっていま
す。

なお、時化などによって産地や魚などが変わる場合もありますので、ご容赦下
さい。

最後に、今回は特別バージョンであり、鳳楽師匠も旬の味を喰らう会にご出席
いただけるということで、会場の都合もあり50名様限定、先着順とさせていた
だくこととしました。ご出席希望の方におかれましては、別添の参加申し込み
書に必要事項をご記入の上、王宛にメールにてお申込みいただきますようお願
い申し上げます。
敬 具


○第1部
日 時:平成19年8月25日(土)15時~16時
場 所:立教大学8号館8201号室
東京都豊島区西池袋3-34-1
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kohoka/campusnavi/ikebukuro/index.html

テーマ:「落語に見る江戸の食文化」
三遊亭鳳楽 師匠

第1部終了後、莫莫居鶯に移動していただきます。(約5分程度)

○第2部
日 時:平成19年8月25日(土)16時30分~
場 所:莫莫居鶯
東京都豊島区西池袋1-18-1 TEL:03-3987-0085
http://www.bakubakukyo.com/

テーマ:長いものと冷たいもので残暑をやり過ごすぞ

○会 費:10,000円
(前日までにご連絡がなく、当日ご欠席された方は大変恐縮ですが会費は
全額頂きますのでご了承下さい。)

○出席連絡用紙
ご多忙中大変恐れ入りますが、会場準備の都合上、ご出席をご希望される方は
下記ご記入の上、8月20日(月)までに王宛( oh@sayko.co.jp )にご返信願い
ます。

**********************************************************************
「本家・旬の味を喰らう会特別編」に出席いたします。
(food104マガジン読者用)

ご芳名
所 属
参加人数と同伴者のお名前

TEL FAX
E-mail

**********************************************************************

○本件に関する問い合わせ先:有限会社フーズシステムクリエイター
千代田区内神田1-18-11-812
TEL 03-5283-6283
FAX 03-5283-6284

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● 新店オープン情報 ———————————————-■□

■ 中目黒「おでん。炭火焼。 通-two-」 オープン

東京・中目黒に、おでんと炭火焼きの新和食「通(つう)」が7/6、オープンし
ました。港区の老舗フレンチで長年、腕を奮った料理人が、培ったセンスその
ままに、ジャンルを和に変え、新たな和の価値を表現します。「華のある」お
でん、素材重視の炭火焼きを中心に、日本各地の酒肴、有機野菜の持ち味など
「ありきたり」に飽き足りない顧客の欲求に応える料理が豊富に揃います。

○メニュー一例
おでん
黒・赤こんにゃく           400円
蛸とオリーブ             600円
アボカドとクルミ           600円
えびはんぺん             700円
ローストたまねぎ・コーンクリームがけ 800円
雲丹れんこん             900円

炭火焼き
地鶏もも肉    1,800円
白金豚      2,800円
霧島豚      2,200円
岩中豚      2,000円
黒毛和牛食べ比べ 3,500円
本日の鮮魚    1,800円~

○店舗データ
住所:東京都目黒区上目黒2-7-4-コートモデリア中目黒1F
TEL:03-5724-7076
営業日:ランチ 11:30-14:30 ディナー 18:00-25:00
定休日:日曜

● 海外レストランNEWS 米国レストラン情報————————-■□

■ シカゴ郊外食の風景 アー・ユー・ナッツ?

ジョン・レノン曰く”There is nothing before Elvis”「エルビスから全てが
始まった。」という事でしょうか。この8月16日は彼の30周忌で故郷メンフィ
スではエルビス・ウィークと冠して、コンベンションその他色々なイベント
があるようです。もしエルビスが生きていたらまだ72歳の若さなんですよ。

エルビスの好物と言えば有名な話ですが、ピーナッツ・バターとバナナをすり
潰してパンに挟んだものですが、このピーナッツ・バターってほんとアメリカ
人の大好です。クッキーその他の焼き菓子もピーナッツ・バターを練りこんで
作ったものが多いし、まぁナッツ類全般人気があります。

ここで問題です。英語で”Are you nuts?”と言われたらそれは褒められている
んでしょうか。けなされているんでしょうか。ヒント、私が夫によく言われて
いるフレーズです。ピンポン!そう、大方、馬鹿にされているんです。「あん
た頭、おかしんじゃないの。」っていうような意味合いです。こんなのもあり
ます。”She is fruitcake.”なんでフルーツケーキなのかは不明ですが「彼女
ってちょっとイカレているね。」という意味で、ナッツよりは少し柔らかな言
い回しです。

先日、シカゴ郊外で一番大きく、品数豊富なスーパー・マーケット、ドミニッ
クスへ行きましたら、このナッツに関する面白いものを発見しました。ピーナ
ッツだけでなく、カシューナッツやくるみその他の木の実をその場でグライン
ダーにかけて、自分の好きなナッツ・バターを作って、持ち帰ることができる
ようになっています。感じとしてはコーヒーミルがずらっと並んでいて、好き
なコーヒー豆を選んで自分でグラインドしてキャッシャーに持って行って払う
ような格好ですね。ピスタチオ、マカデミアナッツ、アーモンドなど40種類も
のナッツがあって、安いもので1ポンド7.99ドルから高いものは15ドルほどし
ています、今盛りのアメリカン・チェリーが1ポンドで3.99ドル程ですから、
フルーツに比べるとナッツ類は高価ですね。

ここのところ、高級志向のコーヒー、チョコレートなどが話題のシカゴですが
ピーナッツ・バターまで、大量生産のものでなくて、本物志向になりつつある
とは、エルビスも生きていたらびっくりでしょう。思わずグラインダーの下に
溜まっていた、誰かがグラインドした残りのピーナッツ・バターをちょっと舐
めてみたんですが、それを見ていた主人は得意の「アー・ユー・ナッツ!」と
言うのです。「誰が触ったかもしれないもの食べるなんて汚いよ。」この私が
舐めてみたピーナッツはハニー・グレイズ・ピーナッツといって甘くロースト
してありますので、ピーナッツ・バターにしてもほんのり甘くて美味しかった
です。これでピーナッツ豆腐やくるみの豆腐を作ったらコクが出て結構美味し
そうです。

あまり知られていないようですが、こちらのピーナッツバターは甘くありませ
ん。この蜂蜜が入っているピーナッツ・バターをパンに塗って食べたらどんな
に美味しいだろうなと思いました。日本でも健康のため玄米や豆類を食べる人
が増えていますよね。玄米も豆も噛み締めるほどにほんと美味しいし、このナ
ッツのバターも良い健康食として、有望かもしれないなと感じました。そうい
えば子どもの頃、給食の食パンに時々、小さなビニールの袋に入った、チョコ
レート・バターや甘いピーナツバターが出て嬉しかったことを思い出しました。
なんかほんのり甘い懐かしい味です。

次回は、ウォールマートやターゲットに対抗してミシガン州から進出してきた
大型スーパーのマイヤーズやその他、シカゴ郊外にできた新しいスーパー・マ
ーケットのリポートをお届け致します。お楽しみに。
http://www.dominicks.com/

(イリノイ州シカゴ在住 カズコ・デイビス)

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● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報————————-■□

■ 韓国のフライドチキン・マーケット
立教大学経営学研究科博士課程後期専攻 李美花(イミハ)

韓国では1960年代半ばに鶏の大規模飼育(ブロイラー)が開始されてから鶏料
理が一般的になりました。鶏肉の供給が増えるにつれて、従来の参鶏湯(サム
ゲタン)という栄養たっぷりな健康補助食品という食べ方から、電気式のロー
ティサリーオーブンや炭で焼き上げる鶏の丸焼き、というちょっとお洒落な食
べ方に変わってきたのです。サラダオイルが普及するようになった1970年代末
から1980年代初めになると、鶏をカットして揚げる鶏の唐揚げに人気が出てき
ました。

その後、KFCなどの米国風フライドチキンをはじめ、ヤンニョム(独自の調味
料を混ぜたもの)チキン、炭火バーベーキューチキンなど、時代の変化ととも
に新しいメニューが登場し、鶏唐揚は韓国人にとってNO.1の外食として定着し
てきています。

現在韓国の鶏料理市場は約2兆ウォン、約1万8,000店を超えると推定されてい
ます。鶏料理のフランチャイズ・チェーン企業数は約50社余りもあり、加盟店
は約6,000店ほどで、年間約1兆8,000億ウォンという巨大市場になっているの
です。

韓国では料理の宅配ビジネスが盛んで、そのマーケットサイズは3兆6,500億ウ
ォンと推定されており、宅配ビジネスの27%は鶏料理(約1兆ウォン規模)とい
う大きなビジネスとなっています。

鶏は韓国人に馴染みが深いアイテムで、宅配の形態は小資本・小規模で開店で
きるため独立して飲食店を始める人に向いているのです。特に1997年の韓国IM
F経済危機の際、リストラされたサラリーマン達が3,000万ウォン~4,000万ウ
ォン程度の退職金で比較的容易に開ける鶏の宅配店を開業したため、店舗数が
急増化し競争が激化し、競合への差別化の対策としてメニューの多様化につな
がったのです。

日本では鶏料理市場では米国から進出したKFCがダントツの地位を確保し、そ
れを追随する企業はありませんが、韓国では国内企業がKFCを猛追撃するほど
元気です。韓国の鶏料理市場は大きく分けてKFC、POPEYESなどの米国から進出
したファストフード系チェーンと、住宅街などに地域密着型で展開する宅配専
門の小規模な国内チェーンに2分化しています。

鶏料理市場の上位3社(BBQ・KFC・POPEYES)の合計売上高をみると、2000年に
は5,000億ウォンに至っています。鶏料理業界で最大店舗数を誇っているGENUS
IS社の主要ブランドのBBQは1995年に1号店を出店以来急成長を遂げ、現在は
1,750店になっています。GENUSIS社はBBQを含む6つのブランドで合計2,500店
舗、年間5,000億ウォンの売上で、国内最大のフランチャイズ・チェーン企業
です。そして、鶏料理市場に後発隊として参加した、KYOCHEONチキンは積極的
な勢いで1,058店舗を展開し、BBQを脅かしています。

韓国のこれらの鶏料理チェーンはKFCの洋風の味に対して、韓国人好みの味と
小回りの効くフランチャイズ宅配ビジネスの組み合わせで大成功しているので
す。

住所/ genusis bldg.,150-20,songpa-gu,mujong-dong,Seoul,Korea
電話/82-2-3403-9114
http://www.genesiskorea.co.kr/
レポート 李美花
取材協力 月刊「外食経営」

筆者略歴
韓国出身。
長安大学日本語科卒業
ソウル首都料理専門学院で和食と韓国料理の調理師資格取得。
草堂大学調理科学科にて外食経営を学び、卒業。
2004年4月に日本に留学し、立教大学ビジネスデザイン研究科(MBAコース)
入学。
2006年3月同校卒業。経営学修士。
2006年4月立教大学経営学研究科博士課程後期入学、米日韓におけるフランチ
ャイズ・システムをテーマに博士号取得を目指している。
その他、日本では「飲食店経営」執筆中、韓国では「外食経営」等に執筆し、
現在は韓国フランチャイズ雑誌Business & Franchiseに日本のフランチャイズ
企業動向を執筆中。
○筆者連絡先 jane0423@hanmail.net

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ 「三國清三・落合務・鎌田昭男 ~三巨匠 食の饗宴~」

東京ドームホテルは、2007年8月29日(水)に「三國清三・落合務・鎌田昭男
~三巨匠 食の饗宴~」と題した、夏の特別賞味会を開催いたします。

ガラディナーに相応しい厳選食材として、北海道白老産 阿部牛の3歳処女牛、
ヴァンデ産フォアグラ、気仙沼産フカヒレ、宮崎産マンゴー、カナダ ノバ・
スコシア産オマール海老、日本の有名レストランの多数が顧客として名を連ね
る「吉田牧場」のチーズ、イラン産キャビア、うに等を使用。

3人の巨匠が織り成す料理のハーモニーをお楽しみください。
また、今回もソムリエ 田崎真也氏が案内役として賞味会をコーディネート。
各シェフの料理をより引き立たせる自身のこだわりのワインをご提供いたしま
す。

○日時:2007年8月29日(水) 18:30~21:20(受付 18:00~)
会場:東京ドームホテル 大宴会場「天空」(地下1階)
内容:三國清三氏、落合務氏、鎌田昭男が織り成すコース料理の賞味会
特別出演:ソムリエ 田崎真也氏
料金 お一人様 25,000 円(お料理、お飲物、税・サ込み)

○予約:東京ドームホテルウェブサイト http://www.tokyodome-hotels.co.jp
6月25日(月)11:00 より受付開始
お問い合わせ:バンケット部 イベント事務局
TEL:03-5805-2323(受付時間11:00~18:00)

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ 神楽坂の名店「小室」にて鱧づくしを味わう

2007年3月21日号で御紹介した大阪の「もめん」の木綿さんに是非訪問してと
言われていたのが、神楽坂の小室です。それ以来、何回も電話しているのです
が中々予約が取れません。色々な情報を収集してみると夏の鱧が絶賛されてい
ます。これを逃してはいけないと1ヶ月前から予約をしてやっとカウンターで
鱧の特別コースを食べる機会にありつきました。予約は7時からです。うっか
り6時に訪問したらまだ準備中で店主の小室光博さんが大きな鱧の骨切りを丁
寧にしていました。美味しそうで思わずよだれが出てきました。

さて、近所で待つこと1時間、7時に訪問すると9席しかないカウンターが既に
満席です。その他に座敷がありますが、特別コースはカウンターだけです。9
席とは道理で予約が取れないわけです。狭い店舗ですが、店主の小室さんの他
に厨房には4名もおります。

飲み物はグラスのシャンペン、ビール、日本酒、などです。日本酒を頼んだら
素晴らしいお銚子とグラスを持ってきました。これ割ったら大変だなと思わず
緊張しました。女性だったら大喜びでしょう。途中でお酒のお代わりをする度
にお銚子とグラスを変えてくれます。

お酒を飲みながら最初の料理が出るまで待つこと15分。調理場に人がいるのに
随分時間がかかります。

そして出てきた先付けは、帆立、海老、アスパラに出汁の聞いたゼリーがかけ
られているさっぱりとしたもの。

先付けを一口で平らげてさらに15分ほどして出てきたのは八寸です。時間がか
かったのも納得です、大きなざる容器に入れられた八寸の料理の種類の多いこ
と。手長海老、オクラ、茄子、雲丹、蛸の柔らか煮、稚鮎の南蛮漬け、枝豆、
お魚のすり身揚げ、小さな蟹のから揚げ、ほおずき、ジュンサイ、その他で、
ボリュームたっぷりです。

八寸を楽しんでいる目の前で小室さんはまな板の上に大きなご飯を広げて棒寿
司を作り始めます。ご飯の上にたっぷりと山椒の柔らか煮を乗せ、その上に身
がたっぷりついた鱧を乗せます。金串に刺した太い鱧を小室さんが丁寧に焼き
上げたものです。随分贅沢な鱧寿司ですね。祇園祭の頃が鱧を食べる季節です
が、その時期に赤坂の菊乃井訪問し、鱧寿司をいただきましたが、今回の鱧の
身の大きさは半端ではありません。

次のお椀も柔らかい身の鱧が具です。小さな柚子を丁寧に削った数かけらが乗
っています。この身も大ぶりで柔らかいのです。そしてお刺身も鱧です。お醤
油で食べても良いのですが、お勧めはワサビを軽くつけて、塩と柚子をかけて
食べます。そのさっぱり感と肉の柔らかさが絶妙です。私が何時も食べている
鱧の生臭さってなんだろうと思わされました。

次の焼き物も鱧です。その火通りの適切なこと、ステーキでいえばレアと言っ
たところでしょう。味付けは出汁と酢、葱で味付けをした大根おろし、又は、
梅肉です。この梅肉が酸っぱすぎず美味しいのです。

さらに続きます。落とし鱧です。小室さんが真剣に温度を調整した湯でさっと
ゆがいた鱧です。この火どおりも絶妙です。小室さんは鱧の骨切り、火通し、
などの大事な調理部分は他の調理人にはさせないというこだわりです。

このあたりで、そろそろお腹が一杯になってきたのですが、鱧はまだ止まりま
せん。次は松茸の細切りを鱧で巻き、焼き上げます。味付けがしてあるので、
柚子を軽く絞って食べます。

そして、口直しの野菜の和え物には削りたての香り高い鰹節がかけられていま
す。次は鱧のねっとりとした肝を焼き上げたものです。この鱧の肝をちょっと
脂っこく感じた舌を梅の蜂蜜煮で洗い流します。

まだ終わりません。お酒のつまみにぴったりの御摘みが続々です。
身の厚い鮑の酒蒸しの厚切り、そして珍味の干口子(なまこの卵巣を干したも
の)のから揚げです。普通は焼いて出すのですが、硬くなるので揚げてふっく
らと柔らかくしています。

次が鱧の骨を丁寧に焼き上げたものと、何と身の大きなジュンサイの天麩羅で
す。小室さんで出しているジュンサイの実は大きく吟味している様子が伺えま
す。次が加茂茄子等の炊き合わせ、海老とジュンサイの酢の物。

やっと料理が終わりのようです。と安心していたら、ガス台で丁寧に調理され
ていた大きな土鍋がカウンターに載せられ、湯気がホカホカでている鱧の炊き
込みご飯です。これがとどめですね。食べきれない方には折りに詰めてお土産
です。

ここまでお腹が一杯だとあまり甘いものが好きでない私はデザートも食べない
のですが、ここのデザートも素晴らしいのです。シャンパングラスにシャンパ
ンのシャーベットを敷き詰め、その上にマンゴーとサクランボを乗せています。

何でも食べる私ですが、一つだけ食べられないものがあります。実はそれがサ
クランボなのです。子供の頃、夜にサクランボを山盛り食べて、うっかり牛乳
を飲んだのです。サクランボの酸味と牛乳の相性が悪かったのでしょう。夜中
に腹痛で七転八倒したことがあります。それ以来サクランボが苦手です。皮肉
なことに親戚が山形にいたり、山形の仕事の関係で、美味しい佐藤錦を何時も
送ってもらうのですが、猫に小判です。

と言うわけで、サクランボを見た時のがっかりしたこと「なんだ、最後に残念」
と思ったのが大きな間違い。このサクランボは青森県鶴田町の「いちばん農園」
の幻のさくらんぼ「ダイアナブライト」です。通常のサクランボで直径3cm・
重さ13g前後の大玉ですが、最高のものは17gもあり、値段も桐の箱に入って
8万円もする貴重なものです。恐る恐る食べましたが、従来のサクランボの酸
っぱさの面影もありません。その甘さと香りのよさ、感激しました。サクラン
ボ嫌いの私が感激する味です。

食事の終わりの頃には調理に集中していた小室さんも余裕が出てきて、どんな
食材を使っているかの話をしだしました。小室さんの食材へのこだわりは、自
信過剰とも思えるほどで、鱧は明石の魚屋から淡路島の沼島産の最も身の大き
いものを仕入れているそうで、関東で小室より上質な鱧を使っている料理屋は
ないだろうと豪語していました。納得です。

さて、狭いカウンターに9席をぎっちり詰め込んでいます。満席の顧客は最初
は緊張した雰囲気で小声で連れと話しながら静かに食べていました。しかし、
食事も中ごろになり、小室さんが会話に加わると顧客の凄さが出てきます。そ
れぞれ、鱧の薀蓄や食材の話をしだしたり、関西の木綿さんの話をしだしたら
隣の女性がカハラさんの森さんの話をしだしたり、皆さん食に対する情熱は素
晴らしいものがあり感心しました。こんなうるさいお客様を相手にする小室さ
んも大変ですね。

さて、そろそろ鱧の時期が終わり、これからは松茸の料理になります。隣の関
西出身の男性が松茸料理を食べたいと言ったら、何と予約が残っているのが後
数日のみ、その男性は慌てて10月の予約を入れていました。小室は本当に要予
約の和食店ですね。

今回の鱧コース33,000円。日本酒2合、シャンパン1杯、梅酒1杯飲んで45,000
円弱。最初は高いかなと思ったのですが、全ての食材のこだわりと、そのボリ
ューム感を考えれば納得のお値段です。でも、もう少しお店がきれいであれば
と言うのは贅沢な希望でしょうか?

店名:小室
住所:新宿区若宮町13金井ビル1階
電話:03-3235-3332

○鱧の食材知識
http://www.ichiba-kobe.gr.jp/html/oishii_20020718_a.html
http://minamiawaji.info/

○ダイアナブライトの食材知識
http://blogs.yahoo.co.jp/wagonrz2s/archive/2007/7/16

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