weekly Food104 Magazine 2008年4月02日号

メルマガバックナンバー

● 王嘉珍の葬儀御礼
● 日本外食ニュース
● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報
● 米穀情報
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 王利彰の米国外食情報

● 王嘉珍の葬儀御礼—————————————-■□

編集長の父、故 王嘉珍(おうかちん)の葬儀に際しまして、通夜、告別式に
多数の読者の方にご参列頂き、まことにありがとうございました。また、全国
各地、ニューヨーク、ロス、シドニーからも献花や弔電を頂いたことに御礼を
申し上げます。

マガジンを発行していて嬉しいのはこのような時の読者の方からのサポートだ
と思っております。皆さん、本当にありがとうございました。

葬儀から2日ほどは気の抜けた状態でしたが、これから気合を入れなおしより
良いマガジンをお送りするべく頑張るつもりでございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

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● 日本外食ニュース—————————————–■□

■ 再上場から3年、京樽、回復へ再挑戦
郊外店不振、業績頭打ち、出店戦略を見直し     2008/03/31 日経MJ

■ フレッシュネス、500円で昼セット、メニュー拡充、季節商品も投入
2008/03/31 日経MJ

商品戦略を見直し、昼間限定で割安な五百円セットをそろえ、四月以降、ハ
ンバーガーやドリンクなどで季節限定品を継続的に投入する。商品の幅を広
げ、集客増を狙う。

■ 居酒屋の新規出店減少              2008/03/31 日経MJ

外食で新規出店を抑制する傾向が強まる。特に居酒屋。パブ・居酒屋の店舗
が減っているのは新規出店を上回るペースで退店が増えているため。

■ リンガーハット、高級感演出したトンカツ専門店
2008/03/31 日経MJ

「とんかつ浜勝」の高級業態を開発し、一号店を「御影クラッセ」(神戸市)
内に開いた。全商品に国産銘柄豚を使用し価格を従来よりも3~4割高くした。

■ オーディンフーズ、リサイクル可能、ピザ配達用容器
2008/03/28 日経MJ

宅配ピザ「10・4(テン・フォー)」を展開するオーディンフーズは4月から、
ピザの配達用容器として段ボール製箱に加えて磁器製耐熱皿の利用を始める。

■ ドトール、POS全面刷新、食品販売期限バーコード管理、陳列・会計時に
警告文                     2008/03/28 日経MJ

ドトールコーヒーは約25億円を投じて、POS(販売時点情報管理)システムを
全面刷新する。2009年2月期中に約1400店舗に順次導入。新システムは包装資
材に印刷するバーコードに消費期限情報を盛り込む。バーコードを読み取るだ
けで期限切れ商品の有無を確認できる。

■ 熊本、重光産業、ちゃんぽん専門店、健康志向の中高年に照準
2008/03/28 日経MJ

熊本ラーメン店「味千ラーメン」を展開する重光産業(熊本市、重光克昭社長)
はちゃんぽん専門の新業態の開発に乗り出す。29日、地元の食材を使ったちゃ
んぽんの専門店を熊本市内に開業する。

■ 携帯向けサイト拡充、モス、割引クーポン、マック、会員を組織化
2008/03/28 日経MJ(流通新聞)

モスフードサービスは28日から、携帯電話向けのサイトを刷新。マクドナルド
も販売促進活動を強化するため、携帯向けサイトの会員の本格的な組織化。

■ 吉野家が牛丼80円引き、集客力アップへ弾み
2008/03/28 日経MJ(流通新聞)

吉野家は4月2日から期間限定で、牛丼を80円割り引く春のセールを実施する。
3月20日午前零時に、約4年ぶりとなる牛丼の24時間販売を再開したのに合わせ
た。

■ 家族亭、高速道路SAに「とくとく」出店
2008/03/28 日経MJ(流通新聞)

磐越自動車道の阿賀野川サービスエリア(SA)上り線内(新潟県阿賀町)に
手打ちうどん店「とくとく」をオープン。平均単価500円、年間2億4千万円の
売上目標。

■ ヴィアHD、「一源」テコ入れ、グループ内で食材共同調達、メニューも絞
り込み                      2008/03/28 日経MJ

ヴィア・ホールディングス(HD)は、買収した居酒屋チェーンの一源(東京・
文京)をグループ内の食材共同調達に組み入れると同時にメニューを見直し、
黒字化を図る。来期は売上高493億円、最終利益3億円を目指す。

■ 井筒まい泉会長小出千代子氏、まい泉、サントリー傘下入り、家庭的温か
み両社に共通                   2008/03/28 日経MJ

2月末にサントリーが買収したトンカツ総菜店運営の井筒まい泉(東京・渋谷)。
創業者の小出千代子会長(77歳)はサントリー入りの理由を後継者問題、労務
・衛生管理の向上などを挙げており、将来的には海外出店も視野に入れている。

■ 焼き菓子店経営、森岡梨氏、JR東日本FBのマフィン開発
2008/03/26 日経MJ

ジェイアール東日本フードビジネス(JEFB、東京・北)が運営するマフィ
ン専門店「マフィナリーズ」。昨年末に東京・三鷹市に初出店したのに続き、
4月1日には東京・新宿に二号店を開く。野菜やチーズを練り込んで焼いた「お
食事マフィン」が人気を集める。レシピを提供したのが焼き菓子専門店を経営
する森岡梨さん(31)。

■ チムニー、焼き鳥店100店展開へ、店内加工で新鮮、仕入れ見直し価格抑制
2008/03/26 日経MJ

焼き鳥専門店を本格展開する。鶏肉を店内でカットしてくしに刺すなど鮮度を
重視して商品力を高めたのが特徴で、新規出店や既存ブランドからの転換を進
めて、将来的に百店体制を目指す。値ごろ感があり、食べやすい焼き鳥は定番
メニューだが、提案次第でさらに需要が広がると判断。店名「やきとり道場
こだわりやま」。

■ 食物繊維・ビタミンCを一緒に摂取、5社がメニュー開発、際コーポなど
2008/03/26 日経MJ
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000000645.html

際コーポレーション(東京・目黒)やANAインターコンチネンタルホテル東京
(東京・港)など5社(80店)が四月から食物繊維とビタミンCの両方を含んだ
ファイバーC料理を売り出す。一緒に取ることで美肌効果などが期待できると
いう。5月末までの限定販売。

○編集長注
大塚製薬と外食企業のコラボレーションと思われますが、大塚製薬の名前はま
ったく出さずにキャンペーンを張っていますね。なかなか面白い試みです。

■ 「シャカシャカチキン」、マクドナルド、朝時間も販売
2008/03/26 日経MJ

■ スマイルズ、5年で店舗倍増、意思決定迅速化へMBO
2008/03/26 日経MJ

首都圏を中心にスープ専門店「スープストックトーキョー」を運営するスマイ
ルズ(東京・目黒)は2月末に、創業者の遠山正道社長(46)が大株主の三菱
商事などから株式を譲り受け、MBO(経営陣が参加する買収)。現在47店。今
後年間10店前後を出店し、5年後100店体制目標。

■ 日本サブウェイ、九州に再進出、31日、福岡に1号店 2008/03/26 日経MJ

■ J-オイルミルズ 長時間使える調理油        2008/03/26 日経MJ

昨年9月に発売した業務用の調理油「長調得徳」は独自の製法で油を従来より
長く使うことを可能にし、コスト負担に悩む外食業界の注目を集めている。
「白絞油」と「キャノーラ油」の二種類。油を加熱すると生じる着色やにおい
の発生を抑え、揚げ物調理時に従来より長く利用できるのが特徴。

■ キタカタ、外食FC、上海に合弁、展開を加速、麺工場も新設
2008/03/24 日経MJ(流通新聞)

キタカタ(新潟市、坂井貴之社長)は中国・上海市に合弁会社「上海会津喜多
方餐飲服務管理公司」設立。タカタの北京の現地法人が55%出資。

■ 2月主要31社、外食売上高、16社、前年上回る(うるう年効果)
2008/03/24 日経MJ

■ 西洋フード、企業向けメタボ対策メニュー      2008/03/24 日経MJ

給食大手の西洋フード・コンパスグループ(東京・豊島、幸島武社長)は、メ
タボリック症候群対策のサービスを開始。

■ リンガーハット、地域の「舌」に合うメニューを開発、名古屋、あん入り
杏仁豆腐                     2008/03/24 日経MJ

4月に首都圏の店舗を対象にしょうゆ味のちゃんぽんを販売。名古屋地域では
地元の味覚に応じたみそ味を企画。昨年末に名古屋地域限定のデザートである
杏仁(あんにん)豆腐「杏仁豆腐小倉」を開発。

■ サト(健菜ごはん たわわ) 手軽な和風カフェテリア
2008/03/24 日経MJ

サトレストランシステムズは3年前から出店を始めた和食カフェテリア「健菜
ごはん たわわ」が軌道に乗ってきた。

■ ミートホープ元社長に実刑判決           2008/03/24 日経MJ

詐欺と不正競争防止法違反(虚偽表示)で札幌地裁は「食品表示を信頼した一
般消費者を裏切る著しく背信的な犯罪」として懲役四年の実刑を命じた。

■ アスラポート、郷土料理を拡充、白えびや辛子蓮根など
2008/03/21 日経MJ

居酒屋「おだいどこ」で郷土料理の品ぞろえを強化する。

■ 日本KFC来月値上げ、主力チキンなど6.8%、原材料高・人手不足響く
2008/03/21 日経MJ

4月24日から全店で値上げ。上げ幅は平均約6.8%。16年ぶりの値上げ。

■ サイゼリヤ、「本場の味」メニューに掲載      2008/03/21 日経MJ

イタリア人が選んだ商品ランキングをメニューに掲載する。プロシュートやモ
ッツァレラチーズを利用したサラダなどを写真入りで紹介。肉料理やパスタに
比べ、目立たない料理を取り上げる。

■ モスフード、玄米シェイクに「黒胡麻あずき」    2008/03/21 日経MJ

■ 外食各社、安全対策を強化 コロワイド、食材の規格書をデータ化
2008/03/21 日経MJ

コロワイドは2月から食材の産地や添加物、賞味期限などをまとめた規格書を
データベース化し自由に検索できる「ASP規格書システム」を導入。賞味期
限や製造者だけでなく、製造工程の詳細や、原材料ごとの原産国も管理。問題
が起きれば検索機能により「製造者名」「輸入社名」「原材料名」などのキー
ワードで該当する食材を簡単に探せる体制を整えた。

■ 吉野家、3月20日から牛丼24時間販売        2008/03/19 日経MJ

現在は売り上げの6割が牛丼、残りは他のメニュー

■ サイゼリヤ、台湾進出、300店目標、来月めどに現地法人
2008/03/19 日経MJ

台湾に現地法人を設立し、2008年年8月期に台北市内に一号店を出店。すでに
上海で18店舗、広州で2店舗運営.北京にも出店予定。台北市内に現地法人を設
立。出資金は約1億円で、サイゼリヤが全額出資。

■ 柿安本店、ハンバーグ店を多店舗化         2008/03/19 日経MJ

ハンバーグを専門とする「炭火焼ハンバーグ カキヤス」を本格展開する。黒
毛和牛をベースにし、200グラムとボリューム感を出したハンバーグが主力商品。

■ 「一風堂」がNYで開店、豚骨ラーメン        2008/03/19 日経MJ

年商3億円を目指す。2010年パリ、シンガポールでの出店も予定。ニューヨー
クのイーストビレッジ地区。

■ すかいらーく、「夢庵」ランチで日替わり割安に
2008/03/19 日経MJ(流通新聞)

5種類(619円)の日替わり定食を投入。単価を抑えた商品群で、幅広い客層を
取り込み、前年割れが続く既存店をテコ入れする。

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● 海外レストランNEWS 韓国レストラン情報————————-■□

■ 韓国外食マーケット その2
立教大学経営学研究科博士課程後期専攻 李美花(イミハ)

立教大学ビジネスデザイン研究科で執筆した修士論文(調査研究)第2回目。執
筆は3年から取り組み、発表したのは2年ほど前ですので、古いデーターになる
ことを御了承ください。

また、本文はテキスト表示ですので、表関係も掲載できなかったり、表示がう
まくいかない場合がありますし、出典や引用の明記も欠けてしまうことをご了
承ください。

教育水準
教育機関ごとに卒業進路状況を見ると、中学校卒業後の高校進学率が(2005年)
99.7%である。また、高校卒業後、短期大学以上の大学等への高等教育への進
学率は82.1%と高く、韓国の人的資源が高い水準であることを示している。ち
なみに日本の文部科学省「平成16年度学校基本調査速報」によると、日本の大
学進学率は2004年の時点で49.9%であり、韓国の高学歴化は顕著であるといえ
る。この高学歴な階層の人々は海外の食文化の導入に抵抗感がなく、これが日
本を飛び越えて米国外食産業が続々と韓国に参入する背景ではないかと思われ
る。

表 4 韓国の卒業者の進学率と就業率(1965年、2005年)
学校 卒業者 区分 進学人数(単位:人) 進学率(単位:%)
1965年 2005年 1965年 2005年 1965年 2005年
小学校 617,554 707,126 335,439 707,013 54.3 100.0
中学校 189,726 616,499 131,119 614,900 69.1 99.7
高等学校115,776 569,272 進学者 37,378 467,508 32.3 82.1
就職者 28,869 52,852 37.5 9.3
兵役 1,430 734
短期大学7,841 228,763 進学者 1,374 12,221 17.5 5.3
就職者 3,452 177,919 57.5 77.8
兵役 465 3,498
4年大学 36,180 268,833 進学者 1,036 28,652 2.9 10.7
就職者 12,916 154,542 44.0 65.0
兵役 5,762 2,449

出所:韓国教育開発院、「教育基本統計、小・中・高・大学の1965年と2005年
の進学統計」を参考に筆者作成
注:進学率=(当年度の卒業者の中の進学者/当年度の卒業者)100

○GDP推移
1人当たりGDPは1万2千米ドル強(2003年)と日本の約40%(31,277米ドル、
2003年度)の水準にあるものの富裕層、中間層が台頭してきている。核家族化
の進展や女性の社会進出と共働き世帯の増加などによるライフスタイルの変化
は日本と同様に生じてきており、これに伴って消費構造も変化している。食文
化においてはこの所得の増加と富裕層の台頭はより欧米の進んだ食文化への変
化を生むものである。

韓国経済は朴正熙政権誕生後の1960年代半ばより急速に発展し、今日では世界
第11位のGDP1)を誇るまで成長してきた。韓国銀行が2004年発表した新国民統
計基準によると、国民所得(GNI)は1970年代の9万ウォン(約9千円)から2003
年に167倍の1,507万ウォン(約15万円)に増加した。1971年から1997年までの平
均成長率は約8.0%、また1996年に先進国グループといわれているOECDに加盟、
アジアでは日本に次いで2番目の加盟国となった。1997年の経済危機を乗り越
え、1999年のGDP成長率は9.5%となった。

1970年当時、日本と韓国の1人当たりのGDPは7.3倍の格差があった。しかし30
年後の2000年には、この格差は3.8倍に縮まった。経済協力開発機構(OECD)
が出版した「主要経済指標、2005年5月」によれば、韓国のGDPは2004年に6,681
億ドルになり、メキシコの6,608億ドルを抜いた。トップは米国で、11兆6,600
億ドル、続いて4兆6,800億ドルの日本、2兆7,000億ドルのドイツ、2兆1200億
ドルの英国が続く。2008年には国民一人当たりの国民所得が2万ドルに到達す
る見込みである。

表 5 韓国・日本の国内総生産の実質成長率 (単位:%)
国(地域)
1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
日本a
0.2 1.1 1.9 3.5 1.8 -1.2 0.2 2.8 0.4 -0.3 2.5
韓国a
5.5 8.3 8.9 7.0 4.7 -6.9 9.5 8.5 3.8 7.0 3.1

出所:総務省統計局「国内別GDP」、2005年。
注: 韓国外替銀行の2006年1月13日14時21分基準、100円が856.81ウォンである。
(http://www.keb.co.kr/)

国民総所得(GNI)は2003年722兆3,560億ウォン(名目)で2002年685兆690億
ウォンより5.4%増加した。国民の生活水準を表す一人当たりのGNIは2003年12,
646ドルで、2002年の11,493ドルより10.0%増加した。国民経済全体が消費と貯
蓄を自由に処分できる国民処分可能所得も2003年619兆9,430億ウォンで2002年
より4.7%増加した。

表6 韓国の国民総所得、国内総生産及び国民処分可能所得推移:1980~2003年
(単位:十億ウォン、%、%p)
年度 GNI(名目) GDP(名目) 国民処分可能所得(名目) 労働所得分配率 一人当たり($)
1980 37,032 1,598 37,789 34,501 51.3
1990 178,628 5,886 178,797 160,548 59.1
2000 576,160 10,841 578,665 493,388 58.8
2001 621,028 10,162 622,123 532,419 59.5
2002 685,069 11,493 684,264 591,979 58.2
2003 722,356 12,646 721,346 619,943 59.7
増減(率)
2003/2002 5.4 10.0 5.4 4.7 1.5

出所:韓国銀行「国民勘定」各年度、韓国
注:1995年以降資料は2000年基準で作成、1980,1990年は1995年基準数値

○家計所得
2004年度都市勤労者世帯の5分位階級別所得占有率推移を見ると、1994年と比
べ、第1階級と第2階級が減少しており、第3階級、第4階級、第5階級が少しず
つ増加している。2004年現在、勤労者世帯の所得占有率は、第1階級が7.18%、
第2階級が13.03%、第3階級が17.53%、第4階級が23.36%、第5階級が38.89%であ
る。

第4階級と第5階級を合わせると、62.25%にもなる。2004年度勤労者世帯の平均
所得は、3,113,362ウォン(全世帯は、2,883,375ウォン)で、4段階の平均所
得は3,636,854ウォン、5段階の所得は6,054,038ウォンになる。一方、日本の
場合は、平成16年の勤労者世帯(いわゆるサラリーマン世帯)の1か月の平均
収入(実収入)は,1世帯当たり530,000円、このうち世帯主の収入は430,000
円で、実収入の82.4%を占めている。また、実収入から税金や社会保険料など
世帯の自由にならない支出(非消費支出)を除いた、いわゆる手取り収入(可
処分所得は、445,000円となった)。

韓国の場合、2004年ど勤労者世帯の所得を62.25%占める4階級と第5階級の平
均可処分所得は、4,184,631ウォンとなる。

表 7 韓国の都市勤労者世帯・全世帯5分位階級別所得3 (占有率)&可処分所得

第1階級 第2階級 第3階級 第4階級 第5階級 計
2004(全世帯)所得(ウォン)
845,849 1,812,409 2,528,680 3,425,591 5,803,424 14,415,953
割合(%)
5.87 12.57 17.54 23.76 40.26 100.00
可処分所得
733,901 1,619,566 2,262,586 3,042,301 5,046,846 14,073,781
2004(勤労者世帯) 所得(ウォン)
1,118,059 2,027,577 2,729,025 3,636,854 6,054,038 15,565,553
割合(%)
7.18 13.03 17.53 23.36 38.89 100.00
可処分所得
999,095 1,816,057 2,427,978 3,185,588 5,183,673 15,174,885
1994(勤労者世帯)所得(ウォン)
725,098 1,144,059 1,485,749 1,948,459 3,202,119 8,505,484
割合(%)
8.53 13.45 17.47 22.91 37.65 100.00
1984(勤労者世帯)所得(ウォン)
154,211 253,610 334,028 448,332 787,664 1,977,845
割合(%)
7.80 12.82 16.89 22.67 39.82 100.00

出所:統計庁「家計所得・支出」、各年度、韓国を参考に筆者作成

○外食比率
2004年度の韓国のエンゲル係数4)は26.99%で、1993年度の29.55%より2.56%下
落したが、その間に外食費の割合は7.8%から12.58%に4.78%増加している。都
市勤労者世帯の外食費支出現況を見てみると、2003年の233,210ウォンから2004
年には253,882ウォンと、対前年比8%増加しており、食生活のパターンが家庭
内の食事から外食にシフトしているのが明確である。

表 8 韓国の家計所得、支出/都市全世帯月平均消費支出(単位:ウォン、%)

年度 家計支出 消費支出 食料品 Engel’s係数(a) 外食費 割合
(単位:ウォン) (単位:%)(b)
1993 1,130,139 1,020,953 301,675 29.55% 79,630 7.80%
1994 1,279,069 1,140,432 341,574 29.95% 97,795 8.58%
1995 1,425,845 1,265,890 367,080 29.00% 115,745 9.14%
1996 1,611,637 1,426,853 409,502 28.70% 136,569 9.57%
1997 1,692,903 1,489,541 427,458 28.70% 155,025 10.41%
1998 1,531,357 1,316,222 365,859 27.80% 122,756 9.33%
1999 1,720,547 1,478,876 412,056 27.86% 146,363 9.90%
2000 1,883,893 1,632,298 447,018 27.39% 175,990 10.78%
2001 2,031,545 1,762,124 463,582 26.31% 190,480 10.81%
2002 2,115,318 1,834,812 481,049 26.22% 201,543 10.98%
2003 2,223,982 1,922,851 509,649 26.50% 233,210 12.13%
2004 2,360,382 2,018,211 544,775 26.99% 253,882 12.58%

出所:統計庁、「都市家計年報」各年度、韓国を参考に筆者作成
注.(a)消費支出に占める食料品費の割合:食料品費率=(食料品/消費支出)100
(b)消費支出に占める外食費の割合: 外食率=(外食費/消費支出)100

○日本文化開放
1998年10月に訪日した金大統領の「21世紀の韓日パートナーシップ」を受け、
1999年3月には小渕総理が訪韓した。当時「韓日アジェンダ21」を打ち出し、
新たな韓日関係の構築を提案した。その結果、2000年以降韓国製テレビドラマ
が日本国内に放映されるようになったことを契機として、日本側の親韓ムード
が高まり、韓日間の文化交流や韓日合同ワールドカップ開催など両国の関係改
善は進んでいる。

このような両国間の関係改善で注目すべきなのは、1998年10月, 1999年9月、
2000年6月など3回にかけて段階的に日本大衆文化が開放されたことである。
勿論全てが順調なわけではなく、2001年7月に日本側の歴史教科書の歪曲是正
要求拒否に対する韓国側の対応処置として開放日程が中断されたこともある。
しかし、2004年1月1日をもって4回にかけての日本大衆文化はほぼ全面的に開
放されたと言える。

表 9 韓国の日本文化開放段階
開放段階 内容
第1次開放-1998.10.20 映画ビデオ限定
韓日共同制作、日本人俳優が出演した韓国映画、世界4代映画祭受賞作のみ
ビデオは映画館で上映された作品のみ

第2次開放-1999.9.10 映画、公演、出版物
公認された国際映画祭受賞作のみ、全体観覧可2000席以下の公演、日本語版
出版-漫画、漫画雑誌

第3次開放-2000.6.27 映画をはじめ、ビデオ、公演、ゲーム、放送など第
1次と第2次より開放範囲を大幅に拡大

18歳未満観覧不可を除く全ての日本映画が可、国際映画祭を受賞したアニメー
ションの場合は映画館上映可、ビデオの開放対象は日本映画と国内上映された
アニメーションのみ、室内・室外公演可、日本語歌唱不可、PCゲーム、オンラ
インゲーム、商業用ゲーム可、スポーツ、ドキュメンタリー報道プログラム可

第4次開放-2004.1.1 2003年6月韓日首脳会談で、映画、音楽、ゲーム部門
全面開放。番組プログラムは実務協議を通じて拡大する。事実上全面開放、
ドラマは韓日共同制作のみ放送可、映画館用のアニメーションは2年間の猶予
期間をおいて、2006年1月1日全面開放、大衆歌謡は日本歌手の公演の中継、
番組に出演して唄う歌のみ。

出所:中島護(2002)「韓国投資の手引き」、韓国のDongAh新聞社記事を参考に
筆者作成。

このような、日本文化の全面的な開放により若年層を中心に日本式のレストラ
ンや居酒屋が人気を集めるようになり、日本外食企業の韓国市場への参入基盤
が出来上がったといえる。

○反日感情
特に中国・韓国・北朝鮮において、日本による韓国併合や日中戦争(支那事変)
など太平洋戦争(大東亜戦争)を中心とした近代の日本の活動が、反日感情を
高めた主な原因とされる。また領土問題、歴史教科書問題、日本の首相の靖国
神社参拝問題、保守(右翼)政治家の発言なども原因として挙げられる。日本
は36年間にわたって隣国を植民地として蹂躪したが、戦後「従軍慰安婦」問題、
指紋押捺問題などを含めての補償は積極的になされていない。2005年には、日
本の竹島日条例制定のニュースが報道された際、韓国での反日抗議活動が発生
した。興奮した一部の韓国人が乱暴に抗議するなど過激な場面が写され、日本
のニュース番組で報道された。しかし、それは一部の韓国人の行動であり、大
半の韓国人は歴史的な問題点以外に関しては友好的である。

大韓商工会議所が日本企業との直接取引きがある109社を対象としたアンケー
ト調査結果によると、韓日関係悪化の影響の企業活動に影響を受けていると答
えた企業が15.6%に過ぎなかった。しかし、韓日関係悪化の状態が長引く場合、
55.0%の企業は企業活動に影響を及ぼすと答えた。一方、日本産製品の不買運
動に関しては、50.5%の企業は「抗議だけに終わればよいが、実際の行動に結
び付くまで関係悪化が長引いてはいけない」と回答し、37.2%の企業は、「韓
日関係をもっと悪化させる恐れがあるので慎重に対処すべきである」と答えた。

このように全体の87.7%の企業は、反日感情についてまだ深刻な事態とは受け
取っていないのである。しかし、これ以上韓日の感情的な対立が深まらないよ
うに、日本側の誠実な対応が望まれていると言えるだろう。

○韓日自由貿易協定
海外から韓国への投資は、1962年の外国人による直接投資から始まった。外国
人の対韓投資は毎年増加しており、最近では輸入自由化及び市場開放などで多
国籍企業の韓国への進出が相次いでいる。製造業では韓国の生産技術や加工技
術を活用した部品の受託加工(アウトソーシング)や韓国市場を睨んだ販売強
化が増加しており、非製造業では、韓国のIT人材を活用した企業との共同開発
や、韓国の規制緩和(外資への市場開放)による人材派遣業や外食産業など、韓
国市場に着目した投資が増加している。

国・地域別では、第1位が米国、日本は3位であり、上位3カ国で認可金額の6割
近くを占めている。日本からの投資は、96年、97年は落ち込んだものの、98年
99年は急激に増加している。

韓国産業資源部の調査によると、日本の対韓国直接投資額は、2004年上半期外
国人投資誘致金額50億5千万ドルのうち20%以上(11億4千万ドル)が日本企業
による投資となっている。韓国に投資した日本企業の黒字比率は84.2%で、ア
ジア諸国に投資した日本企業の70.9%、中国の74.4%よりはるかに高い割合であ
る。このように日本企業の韓国投資は成功率が高いと言える。

日本から韓国への投資状況(合弁企業、事務所、店舗開設)は、2004年36件、累
計ベースは966件(2004年まで)・掲載ベースでは634件となっており、日本企業
の海外への総進出件数(累計ベース)33,681件のうち、2.9%を占めている(掲
載ベース20,563件のうち、3%)に過ぎない。業種別では、製造業が掲載ベース
で342件、非製造業が292件とほぼ半々となっており、非製造業の数(掲載ベー
ス)292件のうち、外食店の投資件数はわずか1件に過ぎない。

表 10 日本企業の現地法人数-業種別、国別

全世界計 アジア計 韓国 中国 香港 シンガポール
全産業 掲載ベース 20,563 11,715 634 4,040 1,120 1,065
累計ベース 33,681 16,619 966 2,120 1,444 1,281
製造業 8,927 6,435 342 2,749 236 265
商業 計 6,567 3,020 192 679 619 493
卸売業 6,338 2,884 182 641 599 481
飲食店 69 41 1 15 6 2

出所:週刊東洋経済(2005)「海外進出企業総覧」を参考に筆者作成
注:日本企業による出資比率(現地法人経由も含む)の合計が10%未満の現地法
人は除く。
(続く)
(レート:1,000ウォン=94.81円 2008年3月17日時点の為替)

筆者略歴
韓国出身。
長安大学日本語科卒業
ソウル首都料理専門学院で和食と韓国料理の調理師資格取得。
草堂大学調理科学科にて外食経営を学び、卒業。
2004年4月に日本に留学し、立教大学ビジネスデザイン研究科(MBAコース)
入学。
2006年3月同校卒業。経営学修士。
2006年4月立教大学経営学研究科博士課程後期入学、米日韓におけるフランチ
ャイズ・システムをテーマに博士号取得を目指している。
その他、日本では「飲食店経営」執筆中、韓国では「外食経営」等に執筆し、
現在は韓国フランチャイズ雑誌Business & Franchiseに日本のフランチャイズ
企業動向を執筆中。
○筆者連絡先 jane0423@hanmail.net

△▼△▼△▼△▼△▼△

● 米穀情報報 —————————————————■□
※この情報は、米穀データバンクのご協力により、「米穀市況速報」(日報)
から、一部記事を要約したものを掲載させていただいています。(月1掲載)
記事・図表の無断転載・引用を禁止します。

■ 米国に米菓販売子会社を設立(亀田製菓)

亀田製菓(株)(新潟市)はこのほど、米国に子会社を設立することを明らか
にした。柿の種を中心とする米菓などの販売が主たる事業で、今年4月の設立
を予定している。同社によると、「国内で生産した米菓を輸出し、米国産のピ
ーナッツを混ぜる」という。

米国における米菓市場は小売金額で約200億円(米菓に属するあられ・あせん
べいの合計、同社調べ)と推定され、LOHAS・健康食品ブームに乗って今後も
大きく拡大するものと予測している。同社が直接、米菓を輸出するのはこれが
初めてで、「西海岸から始めて市場の確認を行うことも目的」とされる。

新会社の概要は、商号=KAMEDA USA,INC.資本金=US300万ドル 所在地=米
国カリフォルニア州トーランス市 代表者=代表取締役・谷山泰朗(海外業務
室長) 株主=亀田製菓(株)(100%)。
(2008年3月26日)

■ 20年産「内助の功」販売へリサーチ活動(幸南食糧)

幸南食糧(株)(大阪府・松原市)では平成20年産米より、育成者権を取得し
た「内助の功」を外食企業向けに販売していく考え。

主に寿司業態店を対象に「ササニシキ系のさっぱりした食感をアピールし、寿
司店を筆頭に関西地区の外食企業に売り込んでいきたい。すでにリサーチ活動
をスタートさせている」(五十嵐専務)としている。

同品種は(株)中島美雄商店(滋賀県・草津市)が開発した民間育成品種で、
独自ブランドを充実を目指し先に育成者権の譲渡を受けたもの。ササニシキ系
の極良食味で、3月18日に品種登録された。20年産では主に滋賀県内で栽培を
実施し「600トン規模の販売を見込んでいる。関西地区で好まれる食感との感
触を持っている」としている。

回転、持ち帰りなど寿司業態店では全国的な生産規模縮小に反比例する形で、
寿司ネタを生かす米としてササニシキを求める声が多く聞かれている。
(2008年3月24日)

■ パン値上げで、米需要増は5~6月?

小麦相場の高騰を受けて、パンの値上げが予想される環境下、大手コンビニ各
社によるおにぎり、弁当類の新アイテムが目白押し。米穀業界ではご飯需要の
喚起を期待している。

有力コンビニチェーンの精米納入を担当する首都圏A卸では、「実際にパン、
パスタなどの小売価格が値上げとなってから、ジワジワと消費者に心理的な効
果が波及してくると読む。現状では原料米オーダー上乗せ等の要望は来ていな
いが、重点納入先のコンビニ本部からは、5月GWへ向け米飯アイテムの新アイ
テムを大幅に増やすとの通知を受けている。注意事項として5~6月に追加分が
発生したケースでは、指定原料米を切らさぬよう留意を…が付記されている」
(営業本部)という。

また、西日本地区のコンビニを担当する関西B卸では、「大手パンメーカーが
どういう姿勢を打ち出すかによるが、仮に大幅値上げとなった場合には追い風
だ。コンビニなど中食需要に加えて、一般家庭向けの精米商品も期待出来ると
考える。上手く条件がマッチして原料米数量に波及するとしたら、早くて5月
上旬頃からではないか」(仕入部長)と期待している。
(2008年3月21日)

■ ほっかほっか亭の出店エリア拡大へ(ハークスレイ)

持ち帰り弁当店大手の(株)ハークスレイ(大阪・北区)はこのほど、店舗コ
ンサルティング支援を行うTRNコーポレーション(株)(東京・渋谷区)を
連結子会社化すると発表した。

現在のところ発行済み株式の31.93%を保有しており、今後は株式公開買い付け
を進めていく計画。関東地区等で店舗ザザイン等を手がけるTRNコーポとの結
び付きを強化することで、新規出店展開など事業拡大を狙う。

ハークスレイは西日本地区(山口、九州地区を除く)において、持ち帰り弁当
店「ほっかほっか亭」を運営している。

今回の件では「当社では現在のところ売上高1千億円規模の中食グループを目
指して、西日本地区の1府13県においてほっかほっか亭チェーンを展開してい
る。西日本地区を基盤とする当社グループと、関東、東海地区で事業展開する
TRNコーポと組むことで相互補完効果が期待出来る」としている。
(2008年3月19日)

○株式会社米穀データバンク:民間のコメ調査会社。生産・流通・市況など
コメに関する情報の提供を行っている。
○問い合せは、ricedata@japan-rice.com
○ホームページ「日本のコメ市場」http://www.japan-rice.com/main.htm

△▼△▼△▼△▼△▼△

● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ ファベックス2008に出展 “NIPPNグループが彩る食卓のハーモニー”

日本製粉(株)は、4月9日(水)から11日(金)までの3日間、東京ビッグサイト
において開催される「ファベックス2008(第11回惣菜デリカ・弁当・外食・給
食専門展)」に出展いたします。

期間中は“NIPPNグループが彩る食卓のハーモニー”を基本テーマに、「大地
の恵み」「ハンディパック」「カフェメニュー」「いなり」の4コーナーを設
置。新商品をはじめ、当社こだわりの食材を使用したさまざまなメニューを、
中食および外食ユーザーの皆様にご提案してまいります。

○出展内容
1.大地のめぐみコーナー
岩手県産の10種の穀物をレトルト加工し、炊いたご飯に混ぜるだけで雑穀ご飯
ができる雑穀ご飯の素「穀太郎」や、北海道産の過熱蒸気処理済みのじゃがい
も等を使用したメニューのご提案と、リンゴ・黒豆・アマニ等の素材をご紹介
致します。

2.ハンディパックコーナー
便利さと手軽さで人気のハンディパックシリーズ。洋風・和風スナック用、か
らあげ・天ぷら用、マカロニ、クルトンなど幅広く品揃え、今回も全24種類の
ラインアップをご紹介いたします。

3.カフェメニューコーナー
カフェをイメージした「ランチ」「ベーカリー」「デザート」等のメニューを
ご提案致します。

4.いなりコーナー
当社と業務提携している「オーケー食品工業(株)」が寿司屋のカウンター風
セットで新商品・新メニューをご紹介致します。

○展示商品
新商品:
「バターもち(クランベリー・抹茶あずき)」、「スフォリアテッラ」
「クルトン(バジルソルト・ローヤルミルクテイー)」等

その他:
「穀太郎・リンゴ・黒豆・アマニ」、「過熱調理済み野菜」、
「ハンディパックシリーズ」、「冷凍食品関連商品」
「オーケー食品工業いなり関連商品」等

○「ファベックス2008(第11回惣菜デリカ・弁当・外食・給食専門展)」概要
開催日時 2008年4月9日(水)~11日(金) 10:00~17:00
開催場所 東京ビッグサイト 東1・2・3ホール(当社ブース 140)

△▼△▼△▼△▼△▼△

● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ 大阪のフレンチ ヴァリエ

久しぶりに大阪を訪問しました。お客様を訪問し、私が誕生日ですと言うと会
社の施設でご馳走をしていただきました。古い農家を移築した立派な建物で神
戸ビーフのしゃぶしゃぶをいただきました。しかも美味しい肉を食べ放題と言
う贅沢でお腹がいっぱいです。嬉しいことに私の外食産業店長コースを受講し
た方が施設の責任者でいらっしゃって、丁寧にご説明をいただきました。

地元のお酒、能勢の厳寒仕込み手造り限定5,000本の純米吟醸酒秋しか(秋鹿
酒造有限会社)もご用意頂き満喫いたしました。食後はバースデーケーキもあ
るなどサービスは満点でした。サービスに力を入れている会社は違うなと感銘
を受けた一日でした。

さて、和食の前日は大阪でフレンチを食べることにしました。大阪と東京の違
いは、大阪には和食の美味しいお店はたくさんあるのですが、フレンチと言う
と数少ないということです。フレンチの場合選択が困ります。また、グルメ本
も大阪は少ないのも情報選択の際に困る原因ともなるのです。

東京にはグルメ本も多いし、グルメ評論家もたくさんいますが大阪は少ないと
思います。その中で私が頼りにするのは「あまから手帖」です。「あまから手
帖」は関西では古いグルメ雑誌でしたが、阪神淡路大震災の影響で休刊となっ
ていたのを大阪ガスグループと株式会社毎日放送が平成8年7月から復刊したも
のです。大阪ガスさんは東京ガスと同じく食に興味を持っている方が多く、古
くから「ボブとアンジー」と言うグルメサイトを運営していたり、御堂筋にあ
る大阪ガス本社にある伝統のあるクラシックなガスビル食堂を運営しています。

その大阪ガスグループは(株)毎日放送と合弁で「株式会社クリエテ関西」を
設立し、「あまから手帖」を復刊したのです。そして、「あまから手帖」の取
材執筆陣には関西有数のグルメ評論家門上武司さんがいます。門上さんはあま
から手帖のコラムも書いています。そのお勧めがヴァリエだったのです。一押
しは高麗橋のラ・ベカスですが、日曜日とあって営業はやっていません。そこ
で2番目のヴァリエにしました。宿泊していた梅田の隣の福島駅からすぐです。
2001年秋の開店です。シェフは高井実さんで、旧ホテルプラザ『ル・ランデブ
ー』、南仏の2ツ星『ロワジス』で計18年修業したベテランだそうです。廃業
したホテルプラザは朝日新聞社系の高級ホテルで、全盛期の頃はすばらしいレ
ストランを運営していました。そこで修行したシェフであれば間違いないでし
ょうと思ったのです。

ディナーは5,250円と8,190円の2種類のコースで、アミューズから前菜、魚、
肉、デセール、コーヒーまでの6品。8,190円では料理の内容が変わります。
8,190円のコースにして選択できるメイン料理を佐賀牛とフォアグラのロッシ
ーニ(プラス2,000円)にしました。魚料理の火入れも生でもないし、硬すぎ
もせず、完璧でした。

関西は価格にシビアーですから、価格に対して料理のバリューは抜群です。東
京で同様の料理を食べると15,000円は取られるでしょう。美味しかったですね。
ただし、福島と言うちょっと外れた場所で、客席が23席ほどと小さいので接待
には向いていないでしょうね。でも、価格がリーズナブルなので個人で気楽に
いけます。そのせいか、若いお客も多いのが印象的でした。

雰囲気、料理は申し分ないのですが、あえて言えばサービスが硬いと言うこと
でしょうか?フロアー責任者の方にもう少し笑顔が出れば良いなという感じで
した。梅田に泊まって美味しいフレンチを気楽な価格で食べたいと言う方にお
勧めのお店です。しかも日曜日にも営業しているのが出張族には○です。

店名:レストラン ヴァリエ
住所:大阪市福島区福島6-9-11神林堂ビル1F東側入口
電話:06-6451-0336

HP :
あまから手帖の門上武司さん コラム紹介
http://www.amakara.net/home/index.htm
写真入のブログ
http://r.tabelog.com/osaka/rstdtl/27001184/
あまから手帖
http://www.amakara.net/
ガスビル食堂
http://www.osakagas.co.jp/gasbuil/dininghall/index.htm
ボブとアンジー
http://www.bob-an.com/

△▼△▼△▼△▼△▼△

● 王利彰の米国外食情報———————————–■□

■ フランチャイズタイムス2008年3月号で Worst foods in America
米国の最悪の食べ物 という記事が紹介されていました。
http://www.menshealth.com/eatthis/

この記事はMen’s Health magazine誌の編集長David Zinczenko氏執筆の”Eat
This Not That,”に書かれています。面白いのは同じレストランで2種類の料理
を比較して、カロリーと脂肪分、塩分、炭水化物量、の違いを示しているので
す。

たとえば、ドミノピザではThin Crust Pepperoni Pizzaの方が、Classic Hand
-Tossed Pizzaよりも210カロリーと11gの塩分が少ないのです。

○米国最悪の食べ物
米国の最悪の食べ物として選ばれたのは、
Outback SteakhouseのAussie Cheese Friesで 2,900カロリーと182gの脂肪分
を含んでいたのです。

最悪の飲み物は
32オンス(947cc)のJamba Juiceの Chocolate Moo’d Power Smoothieは
900カロリーで166gの砂糖を含んでいます。

最悪の朝食サンドイッチは
Dunkin’ Donutsの Sausage, Egg and Cheese Croissantで
630カロリー、45gの脂肪分です。

最悪の空港の軽食は
Cinnabonの Classic Cinnamon Rollで、813カロリー、32gの脂肪分。

最悪のサンドイッチは
Large Quiznos のChicken Carbonaraで、なんと1,510カロリー、
82gの脂肪分、3.75gの塩分です。

最悪のハンバーガーは
Carl’s Jr.の Double Six Dollar Burgerで、1,520カロリー、111gの脂肪分。

最悪の子供メニューは
Macaroni Grillの Double Macaroni ‘n’ Cheeseで1,210カロリー、
3.45gの塩分です。

■ 16のレストランの秘密

David Zinczenko氏とMatt Goulding氏、Lauren Murrow氏の研究です。
米国で肥満が問題になっていますが、その大きな原因は平均的なレストランの
料理のうち1/3しか栄養情報が公開されていないからだとNew York Department
of Healthが指摘しています。

米国人の肥満を解決するために、The Nutrition Labeling and Education Act
of 1990 という法規制を定めましたが、この法規制ではファストフードやレ
ストランのチェーンはカロリー、脂肪分、塩分の情報を明記する代わりに、低
脂肪、低塩分などの簡易表示でよいことになっているのです。これでは米国人
の肥満を防ぐことはできません。そこで16のレストランチェーンの栄養表示と
問題点を調べることにしたのです。

1. Outback Steakhouse
アウトバックの栄養情報があるのはTangy Tomato Dressingだけです。同社に
質問をしたところ、「当社の料理の90%は店内で仕込みをしているので、正確
な栄養表示は難しい」という答えが返ってきました。でも、他の全国チェーン
でも同じはずですね。
だから、Outback’s Aussie Cheese Friesは 2,900カロリーもあるのですね。

2. Applebee’s
“low-fat”と表示している多くの料理は500カロリー以上あります。low-fat
chicken quesadillasは742カロリー、90gの炭水化物を含んでいます。

3. IHOP
Omelette Feastは1,335カロリー、35gの飽和脂肪酸を含んでいます。
このお店で巨大な朝食を食べ終えたときには1日に必要な脂肪分の1.5倍、3倍
のコレステロール、をとることになります。広報は栄養表示の情報はないと言
い切っています。

4. Red Robin
HPではグルメバーガーは真っ当なハンバーガーですと表示していますが、問い
合わせをするとまだ、栄養表示情報の用意はないと言われてしまいました。

そのほか、以下のレストランの状況を紹介しています。
5. Hooter’s
6. Arby’s
7. Fuddruckers
8. Dunkin’ Donuts
9. Papa John’s
10. Burger King
11. Panera Bread
12. Chevy’s Fresh Mex
13. Maggiano’s Little Italy
14. T.G.I. Friday’s
15. Baskin-Robbins
16. Sit-down chains

ニューヨーク市などがレストランチェーンに栄養表示を義務付ける法規制を制
定しようとしていますが、米国レストラン協会NRAなどが抵抗しているのもわ
かりますね。米国を訪問してレストランで食事をする前にこのサイトをじっく
りと勉強するほうが、帰国後あわててダイエットする必要がないかもしれませ
んね。

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