weekly Food104 Magazine 2007年5月30日号

メルマガバックナンバー

● 米国レストランNEWS
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 王利彰の米国外食情報

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● 米国レストランNEWS———————————————■□

■ シカゴ郊外食の風景 5年ごとに家の改装し引越する人々

皆さんご無沙汰していました。4月の初めに日本に遊びに行って、シカゴに帰
って来てみると、なんと家のキッチンの流し台は無いは、キャビネットは外さ
れ、床は剥がされているはで、散々でした。私の居ない間の夫の仕業です。
旅の疲れがどっと出てしまいました。

この家の改装に一ヶ月半もかかってしまいました。というのもなんでも自分で
しないと気が済まないという、典型的なアメリカ人である我が伴侶は、コツコ
ツと仕事が終った後この改装工事をしていたからなんです。ほんと一ヶ月以上
台所が使えなかったので、外食と持ち帰りの毎日で体の調子もおかしくなって
しまいました。”Do it yourself”で何でも直してしまうのはいいのですが、家
が片付かなくて今回は参りました。

業者に頼んだらほんと賃金が高いですから、Home Depot(ホーム・デポット)
やMenards(メナーズ)といった、超大型ホーム・センターで材料だけ買って
くれば安く上がりますので、夫には本当は文句を言えないんですけど、プロに
頼んだら楽なのになぁと思ってしまいます。こういったホーム・センターでは
タイルや、材木なども買えますし、またカーペットをスチームできれいにする
掃除機なども各種機材も安価でレンタルできるの便利です。

日本でもIKEA(イケア)など大型店が進出して、家具なども安く買って自分で
組み立てるようになってきているようですが、アメリカ人の「なんでもやって
やろう精神」にはほんと脱帽です。ほとんどの男性が日曜大工をして、家の中
はいつもきれいになっています。というのもシカゴでは5年に一回は人々が引
越しをすると言われているからです。高く家を売るには壁をきれいに塗り替え
たり、台所のカウンターをラミネートのベニヤから御影石、大理石に張り替え
たり、キャビネットや壁を今流行の色に塗り替えるなど余念がありません。

最近のシカゴ郊外では住宅需要がややだぶついているとはいえ、ちょっとキッ
チンとバスルームをきれいに改装するだけで、随分と値段が変わってきます。
日本人は洋服やブランド物のカバン等にお金をかけますが、アメリカ人はTシ
ャツとジーパンでも住居や家具にお金をかけるようです。それと家の内装や家
具の流行の変化がほんと激しいので、ちょっと壁を塗り替えないでいると、古
びた感じがしてしまいます。特に色の流行にこちらの人々は敏感ですね。今流
行りの壁の色は、薄い若草色や薄い茶系などです。

あまりぱっとしない身なりの人が、すごいお家に住んでいたりしますから、外
見だけでこちらの人は判断できません。でも車と家にお金をかけ過ぎて借金で
首が回らない人はどこにも居ますから、身分相応な生活をしたいものです。少
しでもお金を節約しようと、痛い腰をマッサージ機でだましながら床を張り替
えている夫には、もっと感謝しないとバチが当たりますね。さてさて日本でも
これからリタイヤーした団塊世代の方々の間で日曜大工が流行るでしょうか。
http://www.homedepot.com
http://www.menards.com
http://www.ikea.com
(イリノイ州シカゴ在住 カズコ・デイビス)

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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□

■ 大和ハウスグループがネットショップ「Korezo」オープン

株式会社メディアテックは、大阪中央市場の仲買人や食プロデューサー、有名
建築家など、各界の「目利き」が選んだ商品だけを集めたネットショップを5
月28日に立ち上げ、サービスを開始します。

新しいネットショップの名前は「Korezo」(コレゾ)と言い、それぞれの「目
利き」がこれぞ!と思う品だけをお届けします。仲買人をはじめとした各分野
のプロが絶対の自信を持つ商品だけを集めました。特に食品では、一般の消費
者が直接買うことの出来ない卸売市場から、ご家庭にお届けするという、初め
ての試みを実施します。

商品では、マグロ仲買人がこれぞ!とお奨めする一押しは、「マグロの脳天」
や「マグロの目玉」など、普段はお目にかかれない希少部位です。マグロ1匹
から、ほんの少しだけしかとれないので、通常は専門料理店でのみ食べること
が出来る幻のパーツ。これらをレシピ付でお届けします。

大阪中央卸売市場の漬け物の専門家が、このショップだけのために提供してく
れるのは、「浪花野菜の奈良漬け」。最近話題の毛馬キュウリや天王寺カブラ
などを奈良漬けにした独特の食感を楽しめます。

フルーツの仲買人からは、最近話題のマンゴーの中でも特に手塩にかけて育て
られたアップルマンゴーや特殊な保存方法でうまみを増した熟成ミカンなどで
す。

このほか都市建築家からは、有機栽培原料を使ったイタリアン食材、海外生活
雑貨の輸入会社代表からは、環境大国ドイツの環境に配慮した洗剤や、北欧の
生活雑貨などが推薦されています。

○目利き第一陣の皆さん
マグロの目利き:大阪中央卸売市場 寺本商店仲買人    田村尚之さん
果物の目利き:大阪中央卸売市場 広伸フルーツ仲買人   岸野吉秀さん
漬け物の目利き:大阪中央卸売市場 宇佐美商店     宇佐美 隆さん
デパ地下商品の目利き:食プロデューサー         植田博之さん
ロハスな都市生活の目利き:建築家         鈴木エドワードさん
ロハスな生活雑貨の目利き:輸入会社主宰        高橋百合子さん

○URL: http://www.korezo.com

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ シカゴのレタス・エンターテイン・ユー社

毎年5月にはシカゴのマコーミック・プレイスでNRA(全米レストラン協会)主
催の展示会が開催されます。食材から調理機器、調理のトレンド、教育システ
ム、フランチャイズ企業などが出店しますので、米国の料理のトレンドが一望
できる大変便利な展示会です。しかもシカゴは農産物の集散地で美味しいレス
トランが揃っているのです。展示会を見ながら毎晩美味しい料理を食べるのが
楽しいですね。

シカゴにあるレストラン企業で有名なのはマクドナルドとレタス・エンターテ
イン・ユー社(以下レタス社と省略)です。マクドナルドは日本でも有名です
が、レタス社をご存じない方が多いでしょうね。ちょっと簡単に紹介しましょ
う。

レタス社は数店の例外を除いて同じコンセプトの店はないというレストラン経
営をモットーとして、シカゴ周辺に限定展開です。経営者のリチャード・メル
マン氏はシカゴのレストラン王と呼ばれています。同じコンセプトのお店はな
いのですが、チェーン化できる繁盛店を生み出しているのです。HMR(ホーム
・ミール・リプレイスメント、中食)で有名なイーチーズというお店をご存知
ですね。この業態はフィル・ロマーノ氏が開発し、カジュアルレストランチェ
ーンのブリンカーインターナショナル社が経営していました。

Home


http://www.brinker.com/

ブリンカーインターナショナル社はカジュアルレストランのチリズで急成長し
ました。
http://www.chilis.com/

その後に続くレストラン業態として、フィル・ロマーノ氏の開発した
マカロニグリル
http://www.macaronigrill.com/
コージーミル
http://www.cozymels.com/

等のチェーン展開しましたが、これだけではコンセプトが足りません。
そこで目をつけたのが、レタス社の開発力です。シカゴのダウンタウンに開店
して大繁盛していた大型イタリアンのマジアーノと隣接して運営している焼き
立てパンと惣菜のコーナーベーカリーに注目し、シカゴ周辺以外の経営権をレ
タス社から購入し全国展開をしているのです。(最近ブリンカー社はコーナー
ベーカリーを手放しましたが)
http://www.cornerbakery.com/
http://www.maggianos.com/

日本ではダスキンがツチバヌーチと言うイタリアンのコンセプトを購入して店
舗展開していました。その他、マクドナルド社とコンサルタント契約を締結す
るなど、新しい魅力のある店舗やメニューを開発などのコンサルティング活動
をしています。
http://www.lettuceconsulting.com/os/os.html

色々な業態を開発経営する会社は色々ありますが、レタス社の特徴はシカゴで
もトップクラスの超高級なフレンチTRUから、フードコートのfoodlifeまで数
多くのコンセプトを開発運営していることです。

私は毎年5月にシカゴに行き、NRAレストランショーを見学しながら、必ず、レ
タス社の店舗群を歩くようにしています。特に新店舗はこれから流行する業態
の最先端を行っているので注目します。

古い店ですが、高級ショッピングモールのウオータータワー中2階にある、フ
ードコートのfoodlifeは大変ユニークな店舗です。内部には、イタリアン、テ
ックスメックス、サラダ、ハンバーガー、ラップ、中華等、手造りのファスト
・フードのキオスクが並んでいます。ハンバーガーであれば、生の挽肉を注文
に応じてスクープですくい、鉄板の上に置き上からスパチュウラでつぶして焼
き始めます。付け合わせの野菜は好きな物を入れてくれます。焼き上げるのを
見ているだけで涎がでて来ますね。

毎年人気の落ちた店舗を改造し、新しいファスト・フードのコンセプトを導入
しているので、毎年、ここを訪問せざるを得ません。今年はあまり変化はない
のですが、ラップの場所の替わりにCooking Lightと言う健康的な料理を出し
ていました。冷温の豊富なサラダと、メイン料理の価格は7.95ドル一律で、脂
肪分の少ない肉と温野菜を組み合わせていました。

ビーフストロガノフの代わりにチキンストロガノフ
ニューオリンズ・テラピア
ミニ・ターキー・ミートローフ
スイート・アンド・サワー・チキン
等です。ミニ・ターキー・ミートローフとニューオリンズ・テラピアを食べま
したが、ヘルシーな味付けでした。

さて、今回のレタス社の訪問先はフードライフの他は、古い店のマジアーノと
フレンチのTRUです。1999年開業のTRUは人気が高く予約が全く入りませんでし
たが、今年は早めにオープンテーブル(米国予約サイト)で予約を入れました
が、到着日の午後5時と言う早い時間にしか取れませんでした。

店舗はウオータータワーの近所と言う高級マンションとオフィスが立ち並ぶ便
利な場所にあります。ガラス張りのモダンな入り口を入ると、高い吹き抜けの
開放感ある客席が広がっています。内装は白と黒のシンプルなデザインです。
客席の間には広い空間が広がり、天井の高さとあいまって隣の会話は全く聞こ
えないので落ち着いて食事を楽しめます。

さて、料理ですがアラカルトの他に、コース料理が二つあります。プリフィッ
クス95ドル、Chef’s Market Collection 145ドルです。145ドルのコースを注
文することにしました。フレンチでもコンテンポラリーなフレンチのジャンル
ですね。

食前にワインリストを持ってきましたが、その分厚いこと。カリフォルニアワ
インよりもフランスワインを十分にそろえています。どのクラスのワインを取
るかで一人当たりの客単価はだいぶ異なりますね。

料理は
水牛のモッツエラリアを詰めた水餃子
ズッキーニのスープ
ハマチの刺身(醤油と塩で味付けをしたオリーブオイル、箸もでてきます)
アスパラガス等の温野菜にチーズの味付け
ウサギとコンソメのスープ
スコットランド産キングサーモンのグリル
コロラド産のラムのロスースト
チーズの盛り合わせ
デザート
等です。
小皿料理でスペインのエルブジの影響がうかがえます。味付けはさっぱりして
脂っこくないので、時差ボケの胃袋にもスーと入ります。

素晴らしいのはサービスですね。客と同数以上の従業員がおり、全ての料理を
全く同時にサービスする手際の良さです。料金はカリフォルニアワインのリー
ズナブルなものを取って300ドルほどになりますから、シカゴではトップクラ
スの価格帯です。
http://www.trurestaurant.com/
http://www.leye.com

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● 王利彰の米国外食情報

■ ピザ業界の競争の激化と競合の参入
Nation’s Restaurant News, May 14, 2007 by Carolyn Walkup

ピザチェーンは食品スーパーで販売している冷凍ピザの品質向上やピザのファ
ストカジュアルチェーンに対抗するために対抗を迫られています。

ピザハットの最近のマーケティング戦略である、新開発の手造りピザのキャン
ペーンをドミノピザ、パパジョンズ、等の競合チェーンは注意深く観察してい
ます。このピザは競合との味比べで優れたものとピザハットは主張しているか
らです。

地元のピザ屋のマーケットシェアーはまだ全体の56%を確保しており、ピザハ
ットはこのマーケットシェアーの切り崩しも狙っているのです。全米に7,500
店を展開するピザハットは過去四半期の前年対比売上げは過去6ヶ月間マイナ
スで、競合のドミノピザの訴求する手造りピザに対抗する必要性があるのです。

ピザハットはつい最近、USA Today誌に「ピザハットの新商品の手造りピザは
競合のドミノ(5129店舗)やパパジョンズ(2600店舗)のピザよりも美味しい
評価を受けている」と言う内容の全面広告を掲載しました。ピザハットはこの
キャンペーンのために全店で5月1日に2時間限定で100万枚のピザのサンプルを
顧客に試食提供しました。

ルイジアナ州、ミシシッピー州、アラバマ州で130店舗のドミノピザを展開し
ている大型フランチャイジーのRPM Pizza社はピザハットの新キャンペーンに
は脅威を抱いておらず、「ピザハットの新キャンペーンはかえってドミノピザ
の手造りピザに脚光を浴びます」と語っています。

先行するドミノピザの手造りピザの生地は最近の新商品開発の重要な戦略の基
礎となっており、それを元にBrooklyn Style、Philly Cheese Steak pizzas、
the American Classic Cheeseburger pizza、などの新商品を開発しています。

ドミノ社は米国内の第一四半期の既存店の前年対比売上げが2.9%下落したこと
は、フランチャイジーが人件費を削減し配達時間が延びたことや、販売促進費
用を削減したことが原因であると主張しています。また、他の大手チェーンも
地元のピザ屋に負けているとしています。

コンサルタント会社のTechnomic社は競合が激化していると見ており、「生の
ピザを家で焼き上げる戦略をとっているパパマーフィは1,000店舗まで成長し
小型チェーンのニックンウイリーも急成長して先行の3社を追い上げている。
また、食品スーパーで販売しているDiGiornoやFreschettaブランド等の冷凍
ピザの品質が向上している。他業界の、ダンキンドーナツ、サブウエー、パネ
ラブレッドのピザのテスト販売もピザ業界の売上げに影響を与えている。」
と発表しました。

テクノミックス社の資料によると、RedBrick Pizza, Famous Famiglia, Wolfg
ang Puck Gourmet Express, Pizza Patron, Fox’s Pizza Den, Loop Pizza Gr
ill and California Pizza Kitchen 等のチェーンは過去2年間で売上げを25~
40%伸ばしています。

ドミノピザ社の加盟店グループの代表者は競合の激化、販促費の削減、配達時
間の問題、そして、競合のピザハットの販促の成功が、同社の売上げ低下の原
因であると認めています。その対策として配達時間を30分以内にすることが必
要だとしています。しかし、現在の販促策である3種類の中型ピザを5ドルで販
売するキャンペーンは効果的で、販促として古典的なダイレクトメールやポス
ティングはいまだに有効だと見ています。

ドミノピザが宅配に専念する反面、ピザハット社は宅配、レストラン、持ち帰
りの分野と幅広い展開をしており、新しい手造りピザをどんなトッピングを選
んでも10.99ドルと言うキャンペーンを開始しました。また、今後2年間でさら
に新商品を開発する予定です。

業界のアナリストはピザハットは新業態に進化せざるを得ない過渡期だと観測
しています。業界第3位のパパジョーンズはいまだに前年対比の売上げを0.5%
割っていますが、品質強化が競合への効果的な対抗策と見ています。

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