weekly Food104 Magazine 2005年9月14日号

メルマガバックナンバー

● わいがや食楽研究会のご案内
● 新店オープン情報
● 米国レストランNEWS
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック

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■ 第4回目 わいがや食楽研究会の献立のご案内

21日はいよいよ宴会料理、喧々諤々の討論の結果、以下のようにメニューの
組み立てが終了しました。サーどんな料理が出るか、請うご期待ですね。

○前菜
・あんかけ茶碗蒸し
突き出しとして提供できるミニサイズの茶碗蒸しです。冷でも温でもおいしく
いただけるように工夫しました。難しい茶碗蒸しも、冷凍のベースを注いで蒸
すだけで簡単にできるように仕立てたのがノウハウです。トッピングのゆず胡
椒の風味と、とろろ昆布が味の決め手です。

・ピンチョス
スペイン料理の前菜ですが、和風に仕立てるのに苦労しました。
料理人自慢の今回の一押しメニューです。サー、どんな仕上がりか期待しまし
ょう。

・ブルスケッタ
タルト型に『洋』の食材だけでなく、『和』の食材も詰めて居酒屋宴会メニュ
ーに仕立て上げました。
その和の食材とは、サバの味噌煮、鶏じゃがトマト、海老とかにのタルタル、
豚の角煮、と意外な組み合わせです。

・三色根菜の香味ソース掛け
豚の生姜焼たれに人参、大根、ごぼう、食物繊維たっぷりの根菜の組み合わせ。
綺麗なてりが特徴で、女性には大人気。

○サラダ
・シーザーサラダ
定番のシーザーサラダですが、チーズソースに秘伝の和風味を加えました。

○焼き物
バベットステーキはしつこくなるので、焼肉で鍛え上げた秘伝の焼肉味噌たれ
と、生わさび、ホースラディッシュで味付けです。

○揚物
味噌カツうどん。愛知万博で名古屋の味が注目を浴びていますね。話題性を拝
借して、うどんの代わりにきしめん、味付けは名古屋名物味噌カツソースです。

・骨付き豚と彩り野菜の酢豚
揚げ物はしつこいので、ほどよい酸味の黒酢あんと、彩の良い野菜を組み合わ
せ、見た目にも華やかで食べ応えのある一品に仕立て上げました。当日は、手
に入れば、軟骨まで食べることのできる柔らか豚を使います。

○蒸物
・海老のまるごと包み蒸し
女性に人気の海老を使った一品。たっぷりのネギが特長です。味は化学調味料無
添加特製のタレです。

○麺類
冷製かぶらうどん、女性に人気の雲丹をトッピング。すりおろした蕪とすだち
果汁入りの化学調味料無添加特製出汁でさっぱりと仕立てあげました。

・ガパオ焼きそば
ほのかなカレー風味が食欲をそそる新開発のタレと温泉卵を組み合わせました。
サー、女性からどんな評価が出るか楽しみです。

○デザート
・おはぎ
柿安の柿次郎もびっくりの美味しさです。この手作り感のある味を簡単にどう
出すかが大変でした。

以上、ご期待ください。

○開催概要
日時:9月21日15時から3時間程度
○今回のテーマ:宴会料理です。

勉強会では現在シカゴ、ニューヨークを訪問しておりますので、その報告をす
る予定です。こちらもご期待ください。今、米国の外食産業はデフレから完全
に脱却しつつあります。その戦略は何か、じっくり勉強しております。

○わいがや楽食研究会 第4回の会合の御案内です。
年末のメニューに欠かせない宴会料理の特集です。
宴会料理と言うと刺身盛り合わせと考えるのですが、それでは芸がありません。
しかも、前回実施した鍋を使わないでと言う設定です。
今回の宴会の単価は3,500円、飲み物別です。年齢は30~50代と幅広く、男女
をターゲットですが、ちょっと女性よりと言う贅沢な設定にしました。

○参加費:無料
場所:アイン食品東日本営業部テストキッチン
〒162-0846 東京都新宿区市ヶ谷左内町21番地 市谷左内坂ビル2F
TEL : 03-5228-7002

○HP: http://www.ainfood.com/mp_higashi.html

○参加資格 飲食店チェーンで調理開発を担当する方
食品関連小売店で調理開発を担当する方
これから飲食店や食品小売チェーンを作り上げる方
単独店でも大繁盛店に仕上げようという気概のある方
食品関係のマーケティングに従事する方
研究、広報活動などに従事している方。

○参加人数 場所が狭いため20名と限定させていただきます。
今回、参加できない方はお許しください。

○参加申込み わいがや研究会会長 王利彰 oh@sayko.co.jp まで
お申し込みください。
お申し込みの際には、以下のフォームにご記入ください。

***********************************
氏名
企業名
職種
連絡先   電話
FAX
Mail
開催を知った媒体  food104マガジン or fsproメーリングリスト

***********************************

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● 新店オープン情報 ———————————————-■□

■ 上海家庭料理「家家厨房(ジャージャーチュウファン)恵比寿店」OPEN

9月13日、恵比寿駅東口徒歩2分の場所に、本場そのままの上海家庭料理が楽し
める、上海家常菜餐庁「家家厨房(ジャージャーチュウファン)」がオープン
しました。

上海経済は今、脅威的な発展を遂げています。それに伴い、上海の街も日々劇
的に進化し、街中には膨大な数の最先端のレストランがオープンしています。
株式会社ジャージャージャパン代表取締役、内田順が「家家厨房」一号店を上
海郊外にオープンさせたのは、いまから約4年前のことです。膨大な量の情報
と人が集積する大都市、上海人の性格はミーハーで、トレンド好きですが、
“日常的な食事”はあくまでも、家庭で食べる中華料理。だからこそ、トレンド
のレストランではなく、上海の家庭料理の味を気軽に楽しめる”日常的な食事
の場”としてオープンした同店は地元の人々に人気の店となり、現在までに6店
舗を展開するに至りました。

恵比寿店のメニューにも、上海の店舗と同じ、上海家庭料理が並びます。日本
で例えるならば「ご飯と味噌汁」のような家庭の味と言えます。そもそも中国
に厳密な意味での上海料理は存在しません。中国全土から流れ込んだ各地方の
味覚と世界各地から持ち込まれた味覚が入り混じり、広く一般化した料理が上
海料理となっています。毎日食べる家庭料理だけに、中華料理のイメージにあ
るような胃にもたれる重さはなく、野菜が多く、ヘルシーなメニューが多く並
びます。

点心類はすべて中国でつくり、日本に空輸したものを提供します。上海名物の
“焼包子”「家家生煎」(550円)をはじめ、本物の本場の味が楽しめます。
恵比寿店では、上海で流行の火鍋もメニューに加わります。「辛(とうがらし
ベース)」、「白(白湯(スープ)」、「カレー」の三種類のスープで旬の素
材を味わう、上海の若者に人気の旬な料理をお楽しみいただけます。

「家家(ジャージャー)」とは、中国語でままごとを意味し、厨房(チュウフ
ァン)は、日本と同じく台所を意味します。その二つの言葉を並べた「家家厨
房」という店名には、食卓感覚で気軽に家庭の味を味わっていただきたいとい
う同店の思いが込められています。「老(らお)と新(しん)」をテーマに伝
統と新しさを融合させた、懐かしくてモダンな店内では、中国の伝統楽器、二
胡のライブ演奏も開催されます。

○MENU一例
(お食事)
・家家式ぶつ切り鶏の唐辛子煮込・・・・・・・・980円
・じゃがいもとピーマンとシャキシャキ炒め・・・700円
・中国の醤油を使った黒い炒飯・・・・・・・・・880円
・じゃことしゃきしゃき大根の薬膳サラダ・・・・750円
・大えびとグリーントマトのマヨネーズ炒め・・・980円
・酢豚上海甘酢ソース・・・・・・・・・・・・・800円
・家家の麻婆豆腐・・・・・・・・・・・・・・・800円
・火鍋コース「辛」「白」「カレー」・・・・・3,500円

(中国茶&点心)※中国茶は全26種類
・凍頂烏龍茶【トンティンウーロンチャ】・・・・800円
・東方美人【ドンファンメイレン】・・・・・・1,000円
・千日紅仙桃【チェンリーホンシェンタオ】・・・800円
・コラーゲンたっぷり特製小龍包3個 ・・・・・・550円
・ぷりぷりえび蒸し餃子3個 ・・・・・・・・・・600円
・野菜だけを使った春捲3個 ・・・・・・・・・・550円

○店舗データ
住所:東京都渋谷区恵比寿1-11-4
Tel:03-54210-555
営業時間:Lunch  11:30~14:00
Tea Time 14:00~17:00
Dinner 17:00~23:00(L.O.22:00)

■ イタリアン新業態「ラ・ボエム クアリタ」11月1日、渋谷にオープン

株式会社グローバルダイニングは、新業態となるイタリアンレストラン「La
Boheme QUALITA」(ラ・ボエム クアリタ)を、2005年11月1日(火)、東京都
渋谷区宇多川町にオープン致します。

La Boheme QUALITAは、弊社において展開しているイタリアンレストラン「カ
フェ ラ・ボエム」のコンセプトを基に、その原点に立ち返り、イタリア・マ
ンマの家庭料理のように素材を生かしたヘルシーで手作り感のある料理を提供
するカジュアルなイタリアンレストランです。

提供する料理は、薪釜で焼き上げるナポリスタイルのピッツァなどカフェ ラ
・ボエムで提供している従来のメニューのラインナップに加え、店内にて手打
ちするコシのある食感の生パスタをはじめ、作りたてを味わえる自家製パンや
手作りデザートを用意し、ホームメイドの温もりの伝わるメニューを各種取り
揃えます。また、野菜や肉など厳選素材を使用し、素材の持ち味を引き出した
シンプルなグリル料理を新たに展開する予定です。

料理の基本となる塩はトスカーナ地方の海塩、トマトはカンパーニャ州の指定
農園で生産されるもの、また沖縄県産の島唐辛子を取り入れるなど、産地を特
定したこだわりの素材を使用する予定です。

地下1階と地下2階から成る約265坪、230席もの規模を誇る店内には、調理する
様子を間近に見ることのできるガラス張りの工房のほかオープンキッチンを設
け、ライブ感のある空間を創出。また、ヨーロッパの古城をイメージしたデザ
インは、落ち着いた雰囲気を併せ持ち、様々なシーンでご利用いただけるでし
ょう。

○メニュー例
STARTER ・サンダニエレ産生ハムと本日のサラミの盛り合わせ
・季節野菜のバーニャカウダ
・チェリートマトとペコリーノチーズのトロフィエ
GRILL ・鹿児島産黒豚のグリル
・オーストラリア産骨付き仔羊のグリル
PASTA ・カジキマグロとからすみのリングイニ
PIZZA ・生ハムとルッコラのピッツァ ・4種チーズのピッツァ
DESSERT ・自家製ジェラート ・旬のフルーツタルト

○店舗データ
住所:東京都渋谷区宇多川町20-11渋谷三葉ビルB1,B2
電話番号:03-5728-6388
営業時間:午前11:00~午前2:00  年中無休

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● 米国レストランNEWS———————————————■□

■ あのニューオリンズのFrench Quarter(フレンチ・クォーター)も水浸し

テレビでパリを紹介する番組を見ていたアメリカ人の夫が、「あれこのムーラ
ン・ルージュなんかのあるパリのネオン街って、ニューオリンズの街の雰囲気
と似ているね」と数年前ニューオリンズに観光に行ったことを思い出して話し
ていました。

ニューオリンズのフレンチ・クォーター界隈は1722年当初のままの街で、アメ
リカで唯一フランスの植民地時代の異国情緒を残している場所だそうです。で
すから夫がパリのクラブ街に似ているねと言ったことは当たり前のことで、ニ
ューオリンズはもともとフランスの影響をとても受けている所なのです。

アメリカに駐在している日本人にも大変人気のある場所で、ほとんどの人が観
光で一度は訪れているのではないでしょうか?と言うのもメキシコ湾で獲れる
カキやその他の魚貝類や、名物料理の茹でたザリガニなどレストランのメニュ
ーも豊富で、食べることと飲むことが大好きな私たち日本人にとっては愉快な
所と言えます。フランス料理の店や南部料理の店など迷うほどレストランがあ
ります。

Bourbon Street(バーボンストリート)と呼ばれている通りは、その名の通り
24時間お酒が飲めてブルースやロックの聞けるお店が数え切れないほどありま
す。夜通し遊べる所などあまりないアメリカでは、この街は羽目をはずすのに
いい格好の不夜城でした。と今では過去形になってしまった、このフレンチ・
クォーター界隈、現在水は随分引いて来たようですが、営業再開が出来るまで
どのくらいかかることやら、無残な状態になっています。

あまり産業のない南部の街にとって、観光の中心フレンチ・クォーターがいい
収入元だったはずです。かつてジャズの発祥地ニューオリンズから職を求めて
多くのアフリカ系アメリカ人がシカゴに移り住み、またジャズをここシカゴの
街に広げて行ったように、今回のハリケーン・カトリーナに追いたてられ、他
の州への移住を余儀なくされてしまった人々も、ニューオリンズ文化をその地
に広げて行くのでしょうか?因みに最近は、ニューオリンズでもシカゴでもど
ちらかと言うとリズム&ブルースのお店の方が元気なようで、今ではジャズは
ニューヨークの方に移っています。

私が今回のハリケーンで一番残念なのは、ちょっとアメリカのドーナッツとは
一味違ったフレンチ・ドーナッツ(フリッターのような感触)とフレンチ・ロ
ーストで入れられたカフェオレを出してくれる店、Cafe Du Monde(カフェ・
デュ・モンド)のことです。チェーンのカフェとはまた違ったいい雰囲気の店
でした。1720年代にフランス人がこの地にコーヒーを持ち入れ、コーヒーを飲
むことが根付いて行ったそうですから随分歴史があります。(1773年のボスト
ン・ティー・パーティー事件のため紅茶が輸入されなくなり、コーヒーがアメ
リカ人に飲まれるようになったという説もあります。)

現在、やっとカフェ文化がアメリカ全土に広がった矢先にこの古いカフェの被
った災難は、皮肉な話です。早く水が引いて復活してくれることを切に願いま
す。興味のある方は以下のサイトを見て下さい。カフェ・デュ・モンドのフレ
ンチ・ローストのコーヒーは缶入り$4.99でネット販売されています。カフェ
オレに最適なコーヒーです。
http://www.inetours.com/New_Orleans/French_Quarter.html
http://www.cafedumonde.com

(イリノイ州シカゴ在住 カズコ・デイビス)

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● 食ビジネスニュースリリース ————————————■□

■ 地元産無農薬完熟ブルーベリーとのコラボ 伊都物語 実りの朝セット発売

有限会社糸島みるくぷらんとは、「伊都物語 実りの朝セット」を発売しまし
た。今回は、のむヨーグルト伊都物語と、たべるヨーグルト伊都物語、糸島産
無農薬栽培の完熟ブルーベリージャムとのセットです。期間限定で、ネットシ
ョップにて販売いたします。

「伊都物語」のヨーグルトは、糸島の自然の中で、自給飼料給与などにこだわ
った生乳の中でも、特に乳質の良いものを厳選しております。毎朝搾乳した新
鮮な生乳を使用し、香料や安定剤、酸味料などは一切使わず、生乳本来の味を
大切にして造りあげています。酪農家が自ら携わり、製造しております。

糸島産無農薬栽培の完熟ブルーベリーを使用しています。完熟したブルーベリ
ーのみ、ひとつひとつ手で丁寧に収穫しています。水を加えることなく、ブル
ーベリーをたっぷり使用。もちろん無添加無着色で手作りしております。

○住所:〒819-0373 福岡県福岡市西区周船寺1-13-4
TEL:092-807-3911 FAX:092-807-5551

○「伊都物語ホームページ」 http://www.itomonogatari.com

■ 伝統レシピから学ぶ本格飲茶の手づくり講習会

化学調味料などを使わず、身体に優しい中華点心を製造・販売する株式会社香
港厨師会は、飲茶の講習会を2005年10月から開催する。従来の料理教室でも焼
き餃子などの作り方を教える程度はあったが、様々な種類の中華点心を手づく
りで伝授する講習会は、日本では初めてのもの。

一般で入手したり、中華料理店で食す点心は、どうしても化学調味料などの添
加物が含まれることが多い。一般の人気に押され大量生産に合わせた合理化と
はいえ、食材の本来の味、さらには食の安全性がその犠牲になることが大変危
惧されている。

『手づくりオーガニック飲茶の講習会』と名打ったこの講習会では、(株)香
港厨師会が実際に製造・販売するもの同様、化学調味料等を使わず、厳選され
た自然食材と良質のミネラル水を使って、皮から具、だし、味付けにいたるま
ですべて手づくりで点心を完成する。

点心に関わる逸話や、作る際に家庭でもできる裏技などの講義を踏まえながら
、長い歴史を持ち、そもそも「身体に優しい食」として始まった飲茶の考え方
、そして本来あるべき自然で健康な食としての姿、などの理解を広め・深めて
もらうのが狙いである。

○『手づくりオーガニック飲茶の講習会』は9月1日から募集開始。
開催時期:2005年10月第1土曜日から開催。午前・午後の部あり
開催場所:(株)香港厨師会 本社厨房(江東区千石)を予定
全6回、1人¥31.500(税、資料、食材費等込み)
申し込み:香港厨師会ウェブサイト http://www.hongkong-chushikai.co.jp
○お問い合わせ(メール):info@hongkong-chushikai.co.jp

○所在地:東京都江東区千石3-3-9
電話:03-5690-3303 Fax:03-5690-3689

○HP: http://www.hongkong-chushikai.co.jp/
詳細HP: http://www.hongkong-chushikai.co.jp/school/index.html

■ 上場企業に見る中長期成長の条件 これからの経営戦略の傾向と対策講座

飲食専門誌で活躍中の井上剛氏をお招きし、「上場後も成長を続ける」「中長
期にわたって成長する」事に必要なものは何かを講演いただきます。実際の決
算書の分析や各上場企業の比較を用い、具体的な事例も数多く公開いただく内
容となっています。(本講座は外食企業の経営者の方若しくはそれに準じた方
のご参加に限らせて頂きます)

○講演項目
現在のナショナルチェーンを株式市場はどのように評価しているか
成長戦略における株式公開の位置づけ
短期成長は、中長期成長を約束しない
中長期成長に求められる経営体質と企業体質
FC戦略と中長期戦略
外食産業の可能性を決めるこれからの企業とは
成長戦略策定のポイント

井上剛氏
スタン・ディーモズ株式会社 代表取締役
大手証券会社やVCでの勤務後独立。現在フードビズ誌や飲食店経営誌へ外食
企業分析を数多く寄稿。米国ケンタッキー大学MBA修了、日本証券アナリスト
協会検定会員。

○御申し込み、詳細は下記まで。
http://www.bino-asp.com/seminar/051001steps.html
*定員がございますのでお申し込みはお早めに。

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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□

■ シカゴの老舗魚料理 Braxton

シカゴとニューヨークに数日間旅をすることになりました。シカゴでは毎回
レタスエンターテイメントの店舗群を観察するので、今回もfood lifeを見学。
新しい料理として魚料理を取り上げていました。シカゴは牛肉の集散地で、ス
テーキ屋の本拠地です。こんな保守的な土地でも魚料理を取り上げる時代です
ね。

到着後はシカゴダウンタウンのハイアットリージェンシーに宿泊。リージェン
シーフロアーですが、250ドルもします。この後のニューヨークもそうですが、
ヒルトンは500ドル以上です。今や大都会のホテルは日本の方が安いと思います。
先日も韓国のヒルトンに泊まりましたが日本よりも高かったのが印象的でした。
日本のサービス価格も随分低下し、国際的に価格競争力がついたのではないで
しょうか?

さて、前回のシカゴは、チャーリー・トロッターなどのお洒落なお店とステー
キを食べて歩きましたが、今回の同行者は牛肉はだめ、内装よりも実質的に美
味しいお店が良いと言う注文です。アメリカで牛肉を食べないと言うとなかな
か難しいですね。

ダウンタウンはあっさりとあきらめ、郊外のオークブルック・ショッピング・
モールにある魚料理のBraxtonに行くことにしました。このお店は20年前から
通っている、お魚の専門店です。以前は活けロブスターが売り物でした。

昔、マクドナルドで働いていた時代に、上司の米国人の接待で日本料理に連れ
て行ったことがあります。折角だからと伊勢海老の活け造りを注文しました。
やがて大きな俎板に乗った伊勢海老が出てきました。米国人の上司に「これは
活きているのですよ。日本人のフレッシュとは活きていることなんですよ」と
日本人の新鮮な魚に対するこだわりを強調しましたが、伊勢海老はピクリとも
動かず、米国人上司は冗談だろうと思っていたのです。ところが半分ほど身を
食べたところで、その伊勢海老が突然動き出し、テーブルの上の半分ほどを歩
き出したのです。その米国人上司はギャーと言って飛び上がりました。その後
怒り狂い、「日本人は神の恐れを知らない」とギャーギャー騒ぎ出し、なだめ
るのに苦労しました。

さて、数ヵ月後に私が米国を訪問した際、米国人上司が、私を食事に連れて行
ってくれました。その時にこのBraxtonに行ったのです。大きな水槽に活きた
ロブスーターが沢山泳いでおり、当然、ロブスターを蒸し上げてくれと注文し
ました。とその時です、米国人上司が「待った、君は活きた伊勢海老が好きな
はずだ。活け造りにしたらどうか?」と言い出しました。ウエイトレスは「エ
ー、そんなことできません」と言いますが、チップをたっぷり弾み、活け造り
を作ることになりました。

私はロブスターも伊勢海老も親戚だから美味しいだろうと気軽に考えていまし
た。やがて運ばれたロブスターの活け造りは、活きた伊勢海老を包丁でたたき
切っただけの物でしたが、新鮮だろうとかぶりつきました。勿論、醤油とレモ
ンをたっぷり用意させ準備万全でした。ところが慌てて口から吐き出してしま
いました。日本の伊勢海老は生だとコリコリしているのですが、ロブスターの
生の身は何とナメクジのようにドロドロして気持ち悪いのです。日本の伊勢海
老は生だと美味しいのですが、茹でると固すぎますが、ロブスターは茹でても
柔らかい代わりに、生だと水分が多すぎて美味しくないのです。これには思わ
ずギブアップ。その私の表情を見た米国人上司は手を打って「やった」と大喜
び。江戸の敵をシカゴで討たれたのでした。

さて、そんな思い出のあるBraxtonに久しぶりにやってきました。近所にレス
トラン王レタスエンターテイメントの地中海ギリシャ料理、Papagus(パパガ
ス)や大繁盛店のチーズケーキ・ファクトリーが開店したので、暇かと思いき
や大繁盛でした。パパガスとの違いは年配の上質な客が多いことでしょう。

前菜は   クラブケーキ         12.50ドル
ハマグリの酒蒸し        9.75ドル

スープは  ロブスタービスク        3.95ドル

主菜は 1.25ポンドのロブスター    27.95ドル
グルーパーのポテト包み焼き  24.95ドル
を注文しました。

ハマグリの酒蒸しはボリューム満点で美味しいこと。そして、コクのあるロブ
スタービスクに満足。ロブスターは大きいものがなく、ややオーバークック。
しかし、グルーパーのポテト包み焼きの表面のかりっとしたポテトと身の柔ら
かさの組み合わせが絶妙でした。

翌日、パパガスに行って魚料理を食べたのですが、Braxtonの方が数段垢抜け
た味でした。
帰りがけに水槽を覗きましたが、活けオマール海老は数匹しかいません。オマ
ール海老は高価になりすぎたのでしょう。その代わりに色々な新鮮海産物が航
空便で送られてくるので、以前よりもバラエティ豊かな魚料理が楽しめるよう
になったのですね。

やはり、20年以上継続している老舗です。シカゴ郊外のオークブルック周辺を
訪問した際の一押しのお店です。

○店舗情報
住所 3 Oakbrook Center Mall Oak Brook , IL 60523
電話 630-574-2155
http://www.braxtonseafood.com/

○メニューが詳細に紹介されています。
http://www.braxtonseafood.com/Menu.asp?Category=1

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