● 新店オープン情報
● 米国レストランNEWS
● 食ビジネスニュースリリース
● 王利彰のレストランチェック
● 王利彰の米国外食情報
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● 新店オープン情報 ———————————————-■□
■ アキバ名物 ドネルサンドの「スターケバブ」2号店オープン
秋葉原名物として知られる「スターケバブ」に秋葉原2号店が、12/14にオープ
ンしました。イートインとテイクアウトでドネルケバブのほかサンド各種、弁
当や定食メニュー、生ビール、シシケバブなどを販売します。2号店は「トル
コの定食や」的なカジュアルなお店になります。
なかでも本格的なロティサリーグリル機を設置して焼き上げる丸焼きチキンは
秋葉原の新たな名物になること間違いなし。
ドネルケバブは、すっかりおなじみになったトルコのファーストフード。
ビーフやチキンを串に重ねて大きな肉を形作り、焼きながら大きなナイフで
切り取ります。
○メニュー一例
スター・ドネルサンド 500円、600円
さばサンド 600円
ローストチキン・ピタ 600円
ゴールデンチキンプレート 700円、1,000円
キョフテ弁当 600円、700円
○店舗データ
住所:東京都千代田区外神田3-10-7
アクセス:JR 秋葉原駅より徒歩3分、地下鉄銀座線末広町駅より徒歩2分 TEL:03-6804-8330
営業日:年中無休 11:00-21:00(暫定)
定休日:なし
○URL: http://www.kebab.co.jp/akiba_terrace.html
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● 米国レストランNEWS———————————————■□
■ シカゴ郊外食の風景 ケイジャン料理の美味しさを紹介するチェーン店
日本は随分と暖かい陽気のようですね。シカゴはこの週末から雪が降り始めや
っと冬らしくなって来ました。街は一面真っ白で木々も凍って気持ちも引き締
まると言うものです。このお正月はおせち料理もしっかり作って元旦を迎えま
した。そのせいか体の調子も良くて食欲が今年に入ってすごいのです。
これではまずいと思い正月明からせっせとジムに通っています。クリスマス、
ニュー・イヤー・パーティーで食べ過ぎたと皆も思っているんでしょうか、結
構夜遅くに行っても、各種運動器具を使ってバタバタと多くの人が走っていま
す。去年お話しましたが、最近流行っているのがシャワーやサウナなどは付い
ていなくて、入会金もない手軽なジムです。月払いの会費も19ドルと安く、勿
論週に何回行ってもいいのです。トレーナーを付けたければ1回30分程5ドルで
付き合ってもらえますので、器具に慣れていない人でも安心して行けます。
こういったフランチャイズのジムの他、シカゴ郊外にすごい勢いで進出してい
るチェーンと言えばKUMON(例の塾の公文式のくもんです)とフライド・チキ
ンのPOPEYES(ポパイ)なんです。最近はそこら中KUMONNという看板が見受け
られ、アメリカの子どもたちもお受験の準備のようです。KUMONに触発されて
か、その他の塾のチェーンも増えてきています。アメリカは高校まで義務教育
ですが、公立の地域間で学力の差が大きいので、いい学校を求めてわざわざ引
越しをしたりと、なかなかこちらの親御さんも大変なようです。
先週ご紹介したBBQのFAMOUS DAVES(フェイマス・デイブ)にしても今回のPO
PEYES(ポパイ)にしてもキー・ワードは南部料理のケイジャンなんですね。
ケイジャンと言えばこの前水浸しになってしまったニューオリンズなどが思い
出されますが、元フランスの植民地でアフリカ人の奴隷を使った綿の大規模な
プランテーションとして有名です。そのため、フランス料理と黒人のスパイシ
ーな料理がミックスされた独特な味わいがありなかなか美味しいのです。ケイ
ジャンともクレオールとも呼ばれています。
ポパイのチキンはスパイシーとマイルドと2種類あって、メニューの紹介文に
もスパイシーは「ニューオリンズ風の味付けで。」と書いてあります。チキン
のコーティングはとてもサクサクでケンタッキーのクランチーな方と同じくら
いですね。ケンタッキーはオリジナルとクランチーの2種類がありますが、こ
このところポパイに押され気味のようで、うちの近所のケンタッキーは最近閉
まってしまいその代わりポパイが2軒になりました。
初めてポパイを口にしたのは17年前のことです。その頃ハワイの真珠湾の近所
に住んでいたのですが、ポパイがそこにありました。サイドに付いてくるケイ
ジャン風味の豆の煮たのが珍しく思ったことを覚えています。そして、シカゴ
の方に移ってみたらポパイがあまり見あたらないので諦めていましたが、最近
になってお店が増えて行き易くなってきました。
ポパイは付け合せのサイドが豊富なのが、ケンタッキーと違うところです。ど
れもスパイスが効いた南部風なのが新鮮で病みつきになります。特にレッド・
ビーンズ・アンド・ライスとケイジャン・ライス、ケイジャン風グレイビー付
きマッシュ・ポテトがいいですね。その他ホームメイド・バターミルク・ビス
ケットやオニオン・リング、コーン丸ごと、コールスロー・サラダなどがあり
ます。
2ピースにサイドが1つとビスケットが1つ付いて、$3.99、3ピースで$4.99、
4ピースで$5.99でした。今回お店がオープンしたばかりで、サービスという
ことで3ピースを買うとおまけに2ピースが無料で付いてきてこれまた嬉しかっ
たです。他にもなまず(キャット・フィッシュ)のフライやスパイシー・ケイ
ジャン・ウイングなど珍しいメニューもあります。南部の人はなまずやアメリ
カザリガニを茹でたものなど食べるので、シカゴなど中西部の料理とは随分違
って面白いです。ポパイは1972年にニューオリンズで第一号が開店し、現在で
は全米1,818軒を展開しています。カナダその他海外では27店舗を今のところ
オープンしています。
前回ご紹介したフェイマス・デイブのブレッド・プディングなども南部のデザ
ートだそうです。その他南部料理と言えば豆料理が多いのが特徴です。フェイ
マス・デイブのチリ・ビーンズという豆のスープがとても美味しかったです。
サワークリーム、玉ねぎのみじん切りやチーズを好みで載せて食べるこの実沢
山のスープはテキサスのカーボーイたちの料理という感じで、ビールとこれだ
けでお腹一杯になってしまいます。カップ一杯で$2.99という手軽さです。
フェイマス・デイブは1994年に第一号店をウイスコンシン州にオープンして
いますからポパイに比べるとまだ新しいお店です。
http://www.famousdaves.com
http://www.popeyes.com
(イリノイ州シカゴ在住 カズコ・デイビス)
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● 食ビジネスニュースリリース —————————-■□
■ 静岡産イチゴ「紅ほっぺ」のタルト2種期間限定販売開始
販売が好調なイチゴの新しい品種「紅ほっぺ」の首都圏等での一層の知名度向
上を図るため、静岡県の東京事務所では、昨春のクラウンメロンに続き、
人気ケーキ店“キル フェ ボン”と紅ほっぺ産地とのコラボレーションを仲介
した。
“キル フェ ボン”は「JA伊豆の国」産の紅ほっぺをふんだんに使用したタル
ト2種類を1月16日から期間限定で全国のキル フェ ボンで販売。また、今回新
しく製品化した「紅ほっぺとコシヒカリのタルト」は、紅ほっぺと併せ、
御殿場産コシヒカリを使用した、まさに静岡のタルトとなっている。
○特選 静岡県伊豆の国産紅ほっぺのタルト
(仏名:Tarte de BENIHOPPE(紅ほっぺのタルト))
厳選した大粒の紅ほっぺを贅沢に使用した特選タルト。
※期間中、1ピース1,260円、1ホール11,970円で販売予定。(税込み)
○静岡県伊豆の国産紅ほっぺとコシヒカリのタルト
(仏名:Joue Rouge(赤いほっぺ))
御殿場産コシヒカリ「富士山からのおくりもの」をふっくらと炊きあげ、
丹波産大納言、プリン生地を一緒にタルトに入れたライスプディングに
紅ほっぺを乗せた新製品。
※期間中、1ピース840円、1ホール7,980円で販売予定。(税込み)
○販売先:キルフェボン全店
静岡、浜松、仙台、銀座、青山、代官山、二子玉川、名古屋、京都、福岡
○期間:1月16日~3月末まで(予定)
○お問い合わせ先:静岡県東京事務所 TEL: 03-5212-9035
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● 王利彰のレストランチェック———————————–■□
■ 軽い接待の出来る和食 神楽坂の石かわ と 乃木坂の志門
神楽坂は落ち着いた町で続々と新しい和食が誕生しています。鍋の山崎、一文
字、小野寺、です。でも、どの店も個人的に食べるのは良いのだけれど店舗が
小さすぎたり、カジュアルすぎて接待には不向きです。そんな神楽坂に石川は
あります。一文字よりも飯田橋駅の方に下っていった裏道です。なかなか風情
のある入り口で、中もゆったりしています。
カウンターは4席ほどしかありませんが、テーブル席が4つほどあるので、軽い
接待に使えます。お店の内装も落ち着いているので、男性同士でも違和感があ
りません。ご主人の石川さんは乃木坂の神谷などのお店で修行したそうですが
「いや大した店で修行していませんよ」と控えめです。癖のない食べやすい、
ほっとする料理ですし、余り高い御酒も置いていないので気楽に飲めます。
たまには肩の力を抜いて男同士で食事も良いですね。
予算も15,000円から20,000円程度です。
店名 石かわ
住所 東京都新宿区神楽坂3-4
電話 03-5225-0173
○店舗紹介のHP
http://eatout.jp/archives/2005/05/post_123.html
http://www.kaguramura.jp/shop/1096372729.html
http://www.g-gyao.jp/special/tokyo-calendar/s/0000000049/top/
乃木坂に志門と言うお店がありました。外苑東通りの地下鉄乃木坂駅からすぐ
近所で便利な場所です。ここも、カウンター席だけでなく、テーブル席も多く
て軽い接待に使えます。石かわはオーナーシェフですが、ここはどうも経営者
が別に居るようです。でも、ずいぶん凝ったお店だなと思ったら、白金の箒庵
系列のようです。元々は定食などを出す気楽なお店から段々ステップアップし
たようです。
上の石かわよりもちょっと気楽な料理ですが、お店の入り口、内装の雰囲気が
良いので、六本木界隈でお客様と軽く食事をするのには最適でしょう。
と思っていたら、昨年末で閉店となってしまいました。なかなか良いお店でし
たが、ちょっと個性がないと思っていたらこんなことになりました。残念。
店舗紹介のHPでもなかなか評判は良かったのですが、最近のお客様はお店に何
かストーリーを求めるのですが、志門の場合はそれが感じられなかったかも知
れませんね。
店名 志門
住所 東京都港区南青山1-15-18
電話 03-3478-6229
店舗HP http://www.shimon-jp.com/
箒庵HP http://www.shirogane-souan.com/
店舗紹介HP
http://www.ehills.co.jp/rp/dfw/EHILLS/townguide/lunch/84simon.php
http://books.bunka.ac.jp/np/restaurant/rec/20060703/
http://r.tabelog.com/tokyo/rstdtl/13007416/
■ マクドナルド50周年記念の調理機器技術50年史 その51
日本マクドナルドの調理機器技術史 その36
調理機器開発 冷却機器編 その6 炭酸ガス飲料ディスペンサー その2
飲食店でコカコーラを販売する際に、瓶とか缶では在庫がかさばるし、ゴミ処
理の問題もあります。運搬も殆ど水を運ぶのであるから効率が悪い。そこで、
コカコーラボトラーズの工場の小型版を店舗に置き、店舗に運んだ原液と店舗
の水道水で作った炭酸水を混ぜて出そうと言うものです。この仕組みをファウ
ンテンと言います。
この機械を通称はディスペンサーと言い、機械の構成は炭酸水を製造する部分、
原液や炭酸ガスを送り出す炭酸ガスの圧力コントロール部分、出来上がった炭
酸水を循環させるポンプ、原液と炭酸水を冷却する部分、混合した飲料を定量
カップに注ぐ部分、の5つ位に分かれています。
アメ車に乗ったことのある人は良く分かるのですけれど、アメ車はインチサイ
ズの部品で作られています。実は水や飲料関係の機械や部品はいまだにインチ
サイズです。水道管の口径やジョイント部分のサイズはインチサイズをmmに換
算したものだし、ビールや牛乳などの飲料の中途半端な量は実はガロンやパイ
ントと言う概念から来ています。
コカコーラで顧客に供給しているディスペンサーは国産で、外食部門に力を入
れていた三洋電機の子会社が製造していました。しかし、当時は日本にそんな
技術はなかったので、米国の飲料ディスペンサーメーカーのコーネリアスと言
う企業と提携させ、三洋コーネリアスと言う名称でのノックダウン生産にさせ
たのです。
冷却部分や躯体は日本で製造しますが、心臓部品はすべて米国の部品を使って
いました。炭酸水を造るタンクの容量はガロンだし、噴射するポンプの容量や
循環ポンプもプロコンポンプと言う名称で、すべてガロン表示でした。1ガロ
ンは4.785リットルです。
当時の問題は3つ。一つは新規開店時などのピーク時に炭酸水の製造が追いつ
かなくなり、噴射ポンプのプロコンポンプが焼きついてしまうと言う問題。
もう一つは夏場など冷却能力が不足し温い飲料となるのです。温度も上昇す
るためか、瓶などのコーラに比べて炭酸ガスが弱い。と言う問題でした。
さて、機械を点検しようとしてもチューブがぐるぐる蛇のようにとぐろを巻い
ており、よくわかりません。また、店の片隅においているので構造を観察でき
ないのです。マニュアルはきちんとあるがどうも構造がわかりません。そこで
当時の資材部(購買部)に依頼して製造工場の工場見学をすることにしました。
三洋電機の子会社の製造工場だけでなく、コカコーラボトラーズの工場もあわ
せて見学したのです。
コカコーラボトラーズの工場は単純な飲料しか生産しないと言うことを割り引
いても、工場全体はピカピカで驚かされました。掃除をきちんとするだけでな
く、ゴミがたまらないような工場設計をしていたのです。
次は三洋電機の子会社工場です。まず、生産ラインを見学し技術者より機械の
構造の説明をしてもらいました。炭酸飲料の説明の際に、驚くべき発見をした
のです。
炭酸水の製造方法は店舗に引き込まれた水に含まれているカルキ(塩素臭の源)
を取り除く活性炭フィルターがついています。活性炭フィルターは1時間に30
ガロンの濾過能力のあるものを取り付けているのです。その活性炭フィルター
と炭酸製造タンクの間に1時間に30ガロンの能力のプロコンポンプを取り付け
ています。炭酸水製造タンクには炭酸ガスボンベを接続し、一定の炭酸ガス圧
力をかけます。つまり、炭酸水製造タンクには炭酸ガスが充満している、そこ
にプロコンポンプを回転し水を噴射して炭酸水を製造するのです。
当初はR800と言う小型の機種で能力が不足したので、その倍の力の冷却能力を
持ったR1500と言う機種を使い出しました。800と言う意味は確か180cc(6オン
ス)程度のスモールカップを1時間に800杯製造できる能力で、1500はその倍以
上です。しかし、その機械も炭酸ガスのプロコンポンプを焼ききるし、冷却能
力が不足していました。
R1500は炭酸水の製造能力を増加させようと炭酸水製造タンクを2つにしたので
す。そして、30ガロンのプロコンポンプを2台設置しました。ところが何と、
合計で60ガロンのポンプの能力に対して活性炭フィルターの数は30ガロンの能
力のものが一つしかつけられていないのです。そんな簡単な原理は子供でもわ
かりますよね。でも設計陣はその問題点を私が指摘するまでわからなかったの
です。
ポンプが焼ききれるのは当たり前です。そんな明白な指摘をしたのですが、問
題は、ディスペンサーの所有者は日本コカコーラであり、マクドナルドは借り
ているだけであり、改善の要求は日本コカコーラにしてくれと言う。これには
参りました。大企業を相手に改善を実施するのは何年もかかってしまったので
す。
でも、時間はかかっても一つの問題点は解決しました。次は冷却能力です。こ
こで私が開発した精度の高い温度計が大活躍です。店舗にもぐりこんで朝から
晩まで温度変化を追い求めました。そしてわかったのが、売れるから、外部温
度が高いから、ということが飲料の温度が高い原因ではなかったと言うことで
す。最初から冷却が不十分だと言うことでした。
でも、メーカーは冷却能力は十分だと言います。私は米国の機械よりも温度が
高いと言うのだけれどそれを実測し、原因を明らかにしないとメーカーは納得
しません。やむなく、米国の店舗や米国のディスペンサーを使用していた香港
まで出かけて、計測を行いました。結果、日本よりも数度温度が低いし、炭酸
ガスも効いています。
そこで、実証をするには米国の性能のよいディスペンサーを購入しなければな
らなくなりました。米国製の機械を数台購入することにしたのです。この輸入
の機械の実物を徹底的に解明することにしたのです。これで、性能のあらゆる
問題点を見つけることになったのでした。
(続く)
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● 王利彰の米国外食情報
■ DRI他のブランドをM&A
レッドロブスター、オリーブガーデンを傘下におさめているダーデンレストラ
ングループ(DRI)は、企業の成長を継続させるために他ブランドを買収する
見込みです。
DRIのCEOのオーチス氏(Clarence Otis)は100店舗ほどのチェーン企業、場合
によってはフランチャイズ展開している企業を買収しよう思っていると発表し
ました。
ダーデン社は1980年に当時28店舗であったレッドロブスターを買収して以来、
他の新しい業態を買収していません。
同社は現在1,430店舗のレッドロブスターとオリーブガーデン、バハマブリー
ズ、スモーキーボーン、シーズンズ52、等のチェーン展開をしており、年間売
り上げは6,800億円に上ります。
2007年は既存店の対前年比売上が2~4%の見込みですが、その後の伸びは停滞
すると見込んでいます。その対策として、現在新規開店は年間45店舗であるの
に対して、新業態を年間70店舗開店し伸び率の落ち込みを補おうとしています。
■ マクドナルド ボストンマーケット売却か?
マクドナルドは売上げも株価も絶好調ですが、傘下のメキシカン料理のチポト
リを公開、株を売却したのに続き、7年前に買収したボストンマーケットの売
却も考えているようです。
マクドナルドは業態の多角化のために、チポトリを買収後、ドネイトピザ、フ
ァゾーリ、への経営参加をし、将来的に買収する契約をしていました。しかし
昨年チポトリを株式公開し、ドネイトピザとファゾーリに関しては買収契約を
破棄しました。本業が好調なマクドナルド社は投資ファンドの攻勢に収益を最
大限に高める戦略をとり始めたようです。
ボストンマーケットはボストンチキンと言う名称をボストンマーケットに変更
し、一時は1,000店舗以上も展開し、ホーム・ミール・リプレイスメントと言
う英語版の中食と言う言葉を作り上げました。しかし、急速な展開と食品スー
パーなどの反撃で会社更生法申請を迫られ、マクドナルドに2000年に200億円
ほどで買収されました。現在は28州で620店舗を展開しています。
http://www.mcdonalds.com
http://www.bostonmarket.com
■ ファゾーリの売却
日本人が展開してチェーンになったので有名なのはロッキー・青木氏が1964年
にニューヨークに開業した鉄板焼きステーキのベニハナです。そのロッキー青
木氏の大成功のあとしばらく日本人経営者は現れませんでしたが、イタリアン
・ファストカジュアル・チェーンを5店舗で買収し、400店のチェーンまで成長さ
せた豊田(Kuni Toyoda)氏と言う方がいます。
急成長に大変注目していたのですが、残念なことに2006年10月に投資ファンド
のサン・キャピタル社に買収され、豊田氏はCEOの座を降りました。
2005年当時の情報は以下のサイトをご覧下さい。
http://www.sayko.co.jp/article/leisure/2005-4.htm
豊田氏は1990年に5店舗だったファゾーリを日本のダスキン社の投資により、
ジェリコ社(Jerrico)から買収し、シード・レストラン・グループ社を創立し、
ファゾーリのチェーン展開を開始したのです。豊田氏は日本のジャスコと米国
ゼネラルミルズ(現在はDRI)が提携して作ったレッド・ロブスターで働いてい
ました。その後、豊田氏はジェリコ社と日本のダスキン社が提携して展開を図
ったロングジョンシルバーに転職しました。その際にロングジョンシルバーを
創業したジェリコ社と知り合い、ジェリコ社が創ったファゾーリの存在を知っ
たのでしょう。
当時の周囲の人はたった5店舗のファゾーリが大きなチェーンになるとは思い
ませんでした。しかし、2002年には400店舗まで展開することに成功したので
す。更に店舗展開に加速をつけるためにマクドナルド社に資本参加の提携を申
し込み、2003年にマクドナルド社は資本参加をし、3年後には全面的な投資を
すると言う提携を結びました。
しかし、不幸なことにローカボダイエット(低炭水化物ダイエット、アトキン
スダイエット)の波に飲み込まれてしまったのです。ファゾーリの名物は食べ
放題のブレッド・スティックと、パスタ、ピザ、など炭水化物が中心だったか
らです。また、ガソリン価格の高騰により人々がお金を使わなくなったのです。
そして、マクドナルド社も投資ファンドの攻勢により本業回帰を迫られ、ファ
ゾーリとの提携を破棄したのでした。
ファゾーリは売上を公表していませんが、R&I誌によると2003年には$394ミリ
オンドル(約470億円)の売上で、2004年には$370.1ミリオンドル、2005年に
は$348.3ミリオンドルと3年ほど売上げの低下と言う問題をかかえていました。
しかし、売上げの低下が売却の真の原因ではありません。売却を迫られた本当
の原因は、資本を提供していた日本のダスキン社が株式公開のために18ヶ月前
にファゾーリを展開しているシード社に返済を求めたためです。ダスキン社と
の契約では2008年まで資金を借りておけるはずだったのですが、日本で株式公
開を迫られたダスキン社に早期返済を求められたのです。
ファゾーリは借入金を80ミリオンドルまで削減することには成功していたので
すが、ダスキン社への返済の資金を調達することは不可能で、サン・キャピタ
ル社への売却を決めたのです。
サン・キャピタル社は色々な企業に投資していますが、食関連では、2006年8
月には246店舗あるメキシコ料理のリアルメックスレストランを$359ミリオン
ドルで買収、その他、メキシコ料理のシェビーズフレッシュメックス(Chevys
Fresh Mex)、エルトリート(El Torito)、アカプルコ(Acapulco)を参加
に収めています。
また、スープとサラダバーのスーパーサラダ(Souper Salad)、ベーグルの
ブルーガーズ(Bruegger’s)、食品メーカーのキャングロフーズ(CanGro Foo
ds)、食肉関連のグリークストーンファームズ(Creekstone Farms Premium
Beef)、デール・アンド・トーマス・ポップコーン(Dale and Thomas Popcor
n)、ガーデンフレッシュレストラン(Garden Fresh Restaurant Corp)等に
投資して成功を収めています。特にベーグルのブルーガーズの企業再生は大成
功で現在は250店舗を展開しています。
サン・キャピタル社は1995年に創設され、現在、世界で130社に投資をしてお
り、全社の年商規模は約3兆6,000億円の巨大なグループです。
サンキャピタルのHP(何と日本語もあります)
http://www.suncappart.com/index.php?page=pressreleases2&press=124
同社傘下の企業
http://www.suncappart.com/index.php?page=portfolio
ファゾーリは現在は32州で319店舗を展開しており、その内の179店舗はフラン
チャイジーが経営しています。従業員は4,700名、本社のあるレキシントン市
に300名の従業員を抱えています。
豊田氏の後任のCEOはマクドナルド社で35年の勤務経験を持つ、ボブ・ワイズミ
ューラー氏(Robert (“Bob”) Weissmueller)です。
豊田氏は在職16年になりますが、退任のあとは本社のあるレキシントン市で氏
が開業した自身の3店舗のお店に専念することになるそうです。
日本と米国の外食を熟知している豊田氏の今後の動向が気になりますね。