能登半島地震から学ぶ命を守る研修会

南イタリア美食便り

「能登半島地震から学ぶ命を守る研修会」に参加しました。これは佐伯から継続して能登半島地震の被災者救援ボランティア活動を行なっている「志縁や」の柴田真佑さんが企画したものです。

柴田さんは各地の被災地で長年活動を続けているベテランです。

もうすぐ一年が経つというのに道路の修復や瓦礫の撤去もされず避難所生活を強いられている方々が多数いる様子に本当に心が痛みました。なぜ放置されたような状態が続いているのか、納得のいく公の釈明を聞きたいものです。しかし、国が動かないからとただ文句を言っているだけでは生きていけません。自分の身は自分で守るためにはどんなことを日頃意識して生きていけば良いのかという柴田さんの非常に有益な提案には大きく頷くことばかりでした。

その一つは、栄養豊富で薬効もある身近な野草を知ること。田舎だからこそこの自然の恵みはそこらじゅうに溢れているのに、食用できることを知らないとまさに宝の持ち腐れです。

野蒜やよもぎ、たんぽぽなど野草料理研究家の海野千恵子さんがその日に佐伯の野山で採取してきた野草を試食しました。同様の野草はプーリアの我が家の庭にもたくさん自生していて日常的に食べていますので、馴染み深い味です。特にたんぽぽに似たチコリの葉は、プーリア人が大好きな野菜で、栽培もされています。茹でたものを乾燥そら豆のピューレと合わせてオリーヴオイルと一緒に食べます。

プーリアの郷土食の滋味深さはこれらの野草料理が根本にあると知り、プーリアで育つことによって野草や木の実、果物、きのこなどの自然の恵みを採取出来る人に育って欲しいというのが子育てのためにプーリアへ移住した大きな理由でもありました。

プーリアにも佐伯にもまだこのような自然の恵みがあるし、それを享受する知識を持った人がいるので、それらの大人が意識的に次の世代に繋いで行く努力をしなければならないと実感します。それらの知識と経験は一夕一朝に得られるものではありません。親や親戚などの大人と一緒に何度も何度も取りに行って初めて身に付くものです。上手く言いくるめてでも半ば強制的に子供達を自然の中に連れ出すぐらいのことが必要なのではと思います。

被災地での食糧事情はインスタント系のものがメインになりがちで栄養的にも問題が生じるとのこと。また今回のように飲料水が足りない状況では非常食も役に立たないこともあると言われました。不安に駆られて非常食を備蓄するより、山に入って食べられるものを取ってくる経験をする方が良いのではないでしょうか。その方が健康的だし建設的な防災準備と言えるのではないかと思います。

大橋 美奈子

大橋 美奈子

東京生まれ。演劇プロデューサーを志し、高校卒業後アメリカ留学。ニューヨーク大学芸術学部在学中は舞台、映画で俳優及びプロデューサーとして活躍。卒業後、メディア関係のリサーチ、コーディネイト会社を設立。現在はホスピタリティビジネスのコンサルタントである夫ジョヴァンニの故郷であるイタリア・プーリアから“外食とはエンターティメントである”という考えのもと“感動”を創る仕事を支えています。

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